皆さんこんにちは!ゴルフの楽しさ伝道師、オグさんこと小倉です。今回は、ゴルフクラブで一番飛距離の出るクラブ「ドライバー」というクラブをご説明しながら、初心者にやさしいモデルの簡単な選び方をお話したいと思います。ではさっそく行ってみましょう!
ドライバーとは、一般的にクラブのカテゴリの中で、一番長く、そして一番軽いクラブです。クラブの中で一番飛距離が出しやすく、コースではティーイングエリアと呼ばれる整地された場所で使用します。ティーという木やプラスチックでできた棒を地面に刺し、その上にボールを置いて地面から少し浮かした状態で使います。
ドライバーは長いので、ボールにきちんと当てるのがなかなか難しいクラブです。それだけに少しでも自分に合ったモデルを手に入れたいですよね。それに、決して安くない買い物をするのですから、後悔しない商品選びをしたいところです。そこで今回は、初心者の方へ向けたおすすめドライバーを紹介したいと思います。皆さんのドライバー選びのヒントになれば幸いです。
ドライバーは一番飛距離が出るクラブですが、クラブが自分に合っているかどうかで飛距離は変わってきます
ドライバーは単品で買う場合、ゴルフクラブの中で一番高額な商品です。飛距離を出すことを主眼に置いて開発されているため、テクノロジーが満載でメーカーの技術の見せどころにもなっています。ドライバーの価格はだいたい7万円前後、高いものだと10万円を超える商品もありますが、初心者にそれほど高額なドライバーは必要ありません。
では高額なドライバーは何が違うのかというと、高額なモデルは力の落ちたシニアゴルファーや、一部のゴルファー(上級者の場合が多い)向けのものがほとんどです。たとえばシニア向けのドライバーは軽く作られていますが、強度を保ったままクラブを軽くするには高い技術と高価な素材が必要です。一部のゴルファー向けに特化したドライバーも同様、通常のドライバーよりコストがかかっています。だから販売価格も高額になってしまうのです。
今回おすすめするクラブの共通点としては「過度なお助け機能がない」、そして、「軽量を売りにしていない」という点です。過度なお助け機能とは、パワーのないシニア向けや飛距離特化型のアイアンなどに多く見られ、ウッドのような形をしていたり、クラブの長さが極端に長かったりします。これらのモデルは、そういったお助け機能を必要としていない方が使うとスイングによくないクセがついてしまう可能性があります。また、軽すぎるモデルは力んだりしたときにクラブの軌道が狂いやすく、ミスを大きくしてしまうことがあります。適度なやさしさと適度な重さのクラブを使うことでミスを軽減できますし、将来的に上達してもそのまま問題なく使えるはずです。
【初心者向け、ドライバーまとめ】
└飛距離を出すことが目的のクラブで、一番遠くへ飛ばせて一番長く、一番軽く作られている
└価格はゴルフクラブで一番高額で平均7万円前後。さらに高額なものもあるが初心者にはは不向き
└高額なドライバーには、初心者が使うとクセがつく恐れのある “お助け機能が”あるため
初心者の方におすすめできるモデルとして、まず4本のドライバーを選んでみました。これらはまったくの初心者の方が買っても間違いないドライバーです。なぜかというと、クセがなく打ちやすいからです。そして、ボールをつかまえる(きちんと当てる)性能がどれもすぐれています。なかにはクセのあるドライバーもあり、それはプレーヤーの短所を補ってくれるます。ただし自分のスイングやプレーの傾向がわからない初心者のうちは、クセのないドライバーを使うほうがいいでしょう。
RMX 220 ドライバー
ヤマハの「RMX(リミックス)220」は、アベレージゴルファーの使用も視野に入れた、いわゆる「やさしい」モデル。投影面積の大きい460ccヘッドに、ヘッド後方を低くしたシャローバック形状を採用。ロフト以上にボールが上がりやすく、さらに打点のミスに強く仕上がっています。初心者には、安心感のあるヘッドの大きいモデルのほうが余計な緊張をしなくて済みますからね。
打ってみると、「とにかく安定感が高い」。このひと言に尽きます。飛距離性能も高いのですが、それ以上にロスの少なさ、意図しない曲がりの少なさが光ります。こういったモデルには最初から右に飛び出す傾向が散見されるのですが、RMX220はこれをうまく消しているので、スライス傾向の方でも安定感は間違いなく高まるでしょう。パワーに関係なく、スコアを重視するなら試す価値のあるモデルだと思いますよ。
ビッグバーサ B21 ドライバー
「ビッグバーサB21」は、アベレージゴルファーに多いミスである「スライス」を軽減させることに重点を置いて設計された、つかまりのいいドライバーです。見方によってはクセがあるとも言えますが、ほかのスライス軽減モデルより挙動が素直で扱いやすいので、このカテゴリーに選出しました。AIを使って設計されたミスに強いフェースにより、打点のミスにとても強く、曲がりにくい弾道が安定して打てるのが特徴です。
打った感想は、右へのミスになりにくく、ラン(転がる距離)が長くなりそうな弾道が打ちやすいという感じ。少々芯を外しても安定した弾道が期待できます。初心者にとってドライバーショットは右へのミスが多くなりがち。正しいスイングを身に付けるためにも、つかまりのいい「お助け」モデルはあまりおすすめしないのですが、このドライバーは扱いやすいのでおすすめできます。
TOUR B JGR ドライバー 2019モデル
「TOUR B JGR」は、打点のミスに強く、ほのかに”操作性”を持ったモデルといったポジションです。操作性とは、意図的に球をコントロールできる性能のこと。そういったクラブは、とにかく曲がりを抑えたモデルと比べるとミスしたときの補正能力は下がりますが、ミスがそのまま現れやすくなるため、使い続けることで正しいスイングが身に付きやすくなります。
飛距離、ミスへの許容性、直進性、操作性をバランスよく兼ね備えたクラブに仕上がっており、現在のドライバーの主流である、直進性の高い大型のモデルとは少し異なり、扱いやすさがすぐれていると感じましたね。ヘッド自体のつかまり性能はニュートラルなので、シャフト次第で、上級者には、操作もまずまずできてやりたいことをじゃましないモデルとして、初中級者にはミスを軽減してくれるモデルとしてなど、幅広いゴルファーにおすすめできるクラブだと思います。
RS5 ドライバー
プロギア「RS5」シリーズは、どちらかと言えばアスリートに向けたブランドなのですが、ヘッドが3タイプ用意されており、このスタンダードな「RS5 ドライバー」は、パワーのある初心者におすすめできるモデルです。
強く振ってもしなり過ぎないしっかりとしたシャフトと、打点のミスに強く、少々芯を外してもスピンが増えすぎず飛距離ロスの少ないヘッドの組み合わせで、ドライバーショットの気持ちよさを自分のポテンシャルに応じて味わわせてくれます。
ややつかまる方向に設計されているので、スライスに悩むアベレージゴルファーにもおすすめです。飛距離ロスの少ない強い弾道が打ちやすい分、ボールはそれほど上がりやすくはないので、ロフト角は10.5°を基準に選ぶとよいでしょう。
ここからは初心者におすすめというくくりではありますが、上記の4本と異なり「使っているとうまくなる」クラブをご紹介したいと思います。使っているとうまくなるとはどういうことかと言うと、以下に紹介するクラブは、芯を外したときの飛距離ロスは助けてくれますが、ボールの曲がりについてはちょっとだけしか助けてくれません。
つまり、スイングでスライス(右に曲がる)やフック(左に曲がる)のミスをした場合、曲がり幅は少なくなっても真っすぐのボールになったり逆に曲がったりするような補正はしてくれないのです。こうしたクラブを使うと、スイングの傾向やミスの傾向が素直に打球に反映されます。素直に反映されるということは、自分のスイングの傾向を弾道から知ることができ、練習する課題がハッキリと把握できるのです。だから使っているとうまくなるというわけです。
もちろんまったく練習しないと上達はしませんのであしからず……。ではさっそくご紹介していきましょう。
TOUR B X ドライバー
「TOUR B X ドライバー」は、日本のゴルファーがドライバーに求める性能を追求して設計されたモデル。アスリートから初心者まで振りやすく、扱いやすいクラブに仕上がっています。ミスへの強さもそれなりに持っていますが、それよりもボールの操作性を重視しており、技術のあるゴルファーが使えば狙って曲げる弾道(ドローやフェード)を楽に打てるように味付けされています。
初心者のミスを適度に助けてはくれますが、曲がりの幅が収まる程度。いいショットをした時はいい弾道が、ミスしたショットはミスした弾道がはっきりと体感できるので、使っているだけでスイングの課題ややるべき練習が見つかりやすいといった側面があります。スコアだけでなく、技術的なものを早めに身に付けたいと考えるなら、このクラブはとてもいいですね。上達しても飽きにくいメリットもあります。
G425 MAX ドライバー
「G425 MAXドライバー」は、現在のドライバーの設計思想の主流となっているクラブ。具体的には、打点のミスに強く、ボールの直進性を高めるという考え方です。こういったクラブは従来、主にアマチュアに向けたモデルに多かったのですが、今では世界のトッププロも同じコンセプトで設計されたモデルを好んで使うようになりました。
G425シリーズには3つのヘッドが用意されており、このG425 MAXは、スタンダードなタイプ。大きなヘッドで安心感を与えつつ、打点のズレに強い設計で直進性の高い安定した弾道が打ちやすくなっています。打点のミスに強く直進性が高いという特性上、故意に曲げようと思っても曲がりにくく、操作性はいいとは言えません。インパクトでフェースを狙った方向に向けられるかが、このクラブを使いこなすコツと言えるでしょう。
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MAVRIK ドライバー
「MAVRIK(マーベリック)ドライバー」は、打点のミスに強く、直進性が高いといった点はほかのライバルモデルと共通していますが、オリジナルのAI設計によるフェースを搭載することにより、ライバルたちとは違った切り口でやさしさを実現させています。
打点のミスに強くするには、ヘッドの後方に重さを配置して重心を深くする必要がありますが、そうするとヘッドの操作性が低下しやすくなります。ところがこのMAVRIKドライバーは、打点のミスへの強さを“AI設計のフェース”によって実現しているため、重心を比較的浅めに設定することができ、ヘッドの操作性とミスへの強さを両立させることに成功しています。
放たれる弾道は直進性が高いので、ボールの操作性がとても高いとは言えませんが、スイング中のフェースの向きなどが感じやすいので、とても振りやすく仕上がっています。つかまり性能は少しだけ。大きなクセもなく、初心者から上級者までずっと使い続けられる、懐の深いモデルです。
長くなってしまいましたが、少しは皆さんのドライバー選びのヒントになれば幸いです。ゴルフに限らず、道具を使うスポーツでは、プレーヤーにやさしい道具で早く結果を出したいと思うのは当然のこと。ですがゴルフは、使う道具によって受ける影響がほかのスポーツよりも大きいと私は感じています。
ですから最初の頃は、できるだけクセの少ないクラブを使ったほうが後々生きてくると考えています。個性が強いクラブを長く使えばほかのクラブが使いづらくなりますし、スイングに独特のクセがつく可能性があります。ゴルフスイングのクセはなかなか抜けませんよ! 独特のスイングをする私(編集部註:とはいえ小倉氏はベストスコア68という腕前の持ち主)がいうんだから間違いありません!(笑)
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ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。