選び方・特集

《2023年》MTBの今を知れば乗りたくなる! 幅広いスタイルで楽しめるマウンテンバイク最前線

昨今はロードバイクが自転車市場の花形だが、世界的に見ると、スポーツ自転車市場を牽引しているのはマウンテンバイク(MTB)だ。日本では1980年代後半から1990年代前半にかけてマウンテンバイクの一大ブームが訪れたものの、さまざまな要因でブームは継続しなかった。だが、マウンテンバイクは進化の度合いが大きく、当時乗っていた人が今のマウンテンバイクを知れば再び乗りたくなるような変化を遂げている。そんなマウンテンバイクの最新情報のほか、選び方から注目モデルまでたっぷり紹介しよう。


【マウンテンバイクの今を知ろう1】走行スタイルの多様化にともないマウンテンバイクの種類も細分化

マウンテンバイクに限らず、スポーツタイプの自転車はレースを基準としてモデルが展開されている。そのレースが数年前とは比べ物にならないほど多様化、過激化しているため、マウンテンバイク自体のジャンルも細分化しているのだ。

たとえば、最もポピュラーなレースであろう「ダウンヒル」や「クロスカントリー」は、年々過激になるコースに合わせ自転車の性能も進化している。激しい斜面を下るダウンヒルモデルは、凹凸のある路面をハイスピードで下れるように200mmを超えるストロークを持ち、剛性の高いサスペションや丈夫なフレームなど“下れないところはない”というくらいの性能を確保。いっぽう、少し長めの距離を走るクロスカントリーは、レースの下りのセクションがひと昔前のダウンヒルレースに匹敵するほどハードなため、クロスカントリーモデルはそうしたセクションをこなせるだけの性能を持ちつつ、ペダルを踏んで登らなければならないシーンにも対応できる走破性を有するまでに進化している。

徒歩で下るのも苦労しそうな斜面を信じられないような速度で下るダウンヒルレースで使われるマウンテンバイクは、下りに特化した仕様(写真左)。いっぽう、クロスカントリーレースは、下りセクションはハード化しているものの基本的にペダルを漕いでタイムを競うため、クロスカントリー向けのマウンテンバイクはペダルを踏む区間でタイムが稼げる設計を採用している(写真右)

そして、近年急速に人気が高まっているレースが「エンデューロ」だ。エンデューロと言えば長距離を走る耐久レースのイメージが強かったが、今流行中のエンデューロレースは登りと下りのステージに分かれており、下りステージのみでタイムを競い、登りのステージは設定されたタイム内でこなせばいい形式となっている。どんなステージもこなせる万能な性能が求められるエンデューロモデルは、現在のマウンテンバイク市場で最も人気が高い。

登りステージもあるものの基本的には下りで競われるエンデューロは、下りも楽しめて登りもこなせるモデルが多い

ここまではレース向けモデルを紹介してきたが、それ以外のモデルも数多くある。登りも下りも楽しめる「オールマウンテン」、下りの性能をより高めることで岩山を下ることも可能にした「フリーライド」、日本では最も親しみのある、山中を走る「トレイル」などだ。とはいえ、コンセプトを“遊び”としているだけで、性能的にレース向けモデルに劣るわけではない。現に、オールマウンテンモデルでエンデューロレースに参戦している人もたくさんいる。また、別ジャンルのように見える、専用コースを走る「4X(フォークロス)」や「ダートジャンプ」、変速機を装備しない「SS(シングルスピード)」、荷物を積んで遠くへ旅するような「アドベンチャー」、太いタイヤで砂浜や雪の中を走れる「ファットバイク」といった自転車もマウンテンバイクのジャンルのひとつだ。

オールマウンテンモデルにプロライダーが乗れば、写真左のようなところも下れる! 写真右のファットバイクは、4インチや5インチの極太のタイヤを装着しているのが特徴(通常のマウンテンバイクは2インチ程度)。タイヤ内の空気がサスペンションのような働きをするので、フワフワした独特の乗り心地が味わえる

【マウンテンバイクの今を知ろう2】機能が向上し、より楽に快適に走れるように!

マウンテンバイクのジャンルの幅が広がり、走れるシーンが劇的に増えたのは機能面の進化があればこそ。まず、近年大きく変化したのがホイールサイズだ。10年ほど前まではマウンテンバイクのタイヤは26インチがほとんどだったが、その後、走破性にすぐれ、スピードも乗せやすい29er(トゥーナイナー)と呼ばれる29インチのモデルがレースシーンを中心にトレンドとなった。それ以降も主流は変化しており、一時期は、26インチと29インチの中間に当たる、両者のいいとこ取りをした27.5インチサイズが台頭したものの、現在は、再び29インチサイズが増えてきている。スピードが求められるレース向けなどでも29インチモデルが増加傾向にあり、26インチモデルの選択肢は少ない。狭い日本のトレイルでは小回りの利く26インチこそが扱いやすいという意見もあるが、これからマウンテンバイクを購入するなら27.5インチか、身長や用途によっては29インチを選ぶことになると考えたほうがいいだろう。

27.5インチ(左側)と29インチ(右側)。現在の主流である27.5インチはひと昔前の26インチより大きくなるが、段差などを乗り越えやすい走破性の高さや、スピードの乗りのよさが得られるので、初心者でも乗りやすいだろう

実際に乗ったときに最も進化を体感できるのは、サスペンションを始めとする足回りの高性能化だろう。以前は、サスペンションのストローク(沈み込む量)は80mmもあれば立派と言えるものだったのが、今はストロークの少ないクロスカントリー向けモデルでさえも100mmが主流。下りもこなすオールマウンテンモデルは140〜180mm、ダウンヒルモデルでは200mmを超えるのが当たり前になっている。そして、サスペンションの構造も激変しており、金属製のスプリングの代わりにエアー圧を利用し、軽量で調整しやすい機構を採用したものが大半だ。しかも、路面からのショックを吸収するだけでなく、路面にタイヤを押し付ける役割も果たし、荒れた路面でもタイヤが地面から離れない。さらに、路面からのショックはきちんと吸収するが、ライダーがペダルを踏んでも動かない構造になっているので、登りでもサスペンションの性能を生かして楽に進める。

下からの衝撃でのみ動くサスペンションは、路面からの衝撃を吸収してくれる

エアー圧を使ったフロントサスペンションは軽くて動きがよく、豊富な調整機構を搭載。また、大半のモデルが平坦な道ではサスペンションが動かないようにするロックアウト機構を備えている

フォークを支えるフレーム側のコラムと呼ばれる部分も大径化し、剛性が向上。荒れた道でも正確なハンドリングがしやすくなった

そして、ブレーキの主流も「Vブレーキ」から「ディスクブレーキ」へと変動している。Vブレーキはリムを挟み込む機構なため、ホイールが濡れたり汚れたりすると効きが落ちてしまうが、ディスクブレーキはその心配がなく、状況を問わず安定した効きとコントロール性を発揮。また、最近はエントリーモデルでも油圧式のディスクが採用されているので、少ない力で利かせ方をコントロールでき、急ブレーキによる前転の恐れも低減してくれる。

ブレーキの主流は油圧式のディスク

車輪を支える「アクスル」と呼ばれる部分も、以前は9mm径のクイックリリース方式だったが、現在は15mm径のスルーアクスル方式となり、剛性が格段に向上。正確な路面トレースが可能となった

このほか、軽量なカーボン製フレームを採用したモデルの登場や、変速機構の改良によって激しい下りでもチェーンが外れないようになるなど、進化点はまだまだある。その中から、筆者が思う「過去にマウンテンバイクに乗っていたことのある人が、現行モデルに触れたら驚くであろう」ポイントを最後に2つあげておきたい。

1つは、ハンドルの幅。以前は600mm前後が多かったが、現行のモデルは780mmなど700mmを軽く超えるものが主流だ。ステムも短くて体に近いので、始めはびっくりするかもしれないが、慣れてくるとハードなコースで車体を押さえつけて走るにはこれくらいの幅が適していると実感できるだろう。

ハンドル幅はエントリーモデルでも700mmを大きく超えるスペックが一般的。荒れた路面でも車体をコントロールしやすい

そして、もう1つはシートを支えるポストを可動化させた「ドロッパーポスト」というパーツが登場したことだ。マウンテンバイクは登りの際には高めのシート、下りでは低めのシートにするのが一般的だが、いちいち自転車から降りてシート位置を調整する必要があった。時間ロスにもつながるこの作業が、ドロッパーポストを装備していれば、乗車したままで変更できる。登りと下りが連続したコースでは、非常に重宝するはずだ。最近ではドロッパーポストを装備した完成車も増えてきているが、アフターマーケットパーツとして購入もできる。ただし、2〜5万円程度かかるので、これからマウンテンバイクを買うならドロッパーポスト採用モデルを選ぶほうがお得だろう。

ドロッパーポストの調整は、ハンドルに設置したレバーで行う。レバーを引いて体重をかければシートが下がり、シートを上げるときは腰を浮かせてレバーを引くだけでいい

【マウンテンバイクの今を知ろう3】世界的に急増中の「e-MTB」も注目!

海外ではずいぶん前から人気の高いカテゴリーだが、日本では元々マウンテンバイクの市場が小さく、海外とは規格も異なるため、なかなかリリースされずにいた。そんな中、2017年に初めて本格的なマウンテンバイクタイプの電動アシスト自転車「e-MTB」がイタリアンブランド「Benelli(ベネリ)」から登場し、その後、同年にパナソニックが国産初となるe-MTB「XM1」を発売。以降、多くのブランドが続き、日本国内のe-MTB市場は拡大していき、ここ数年の「サイクルモード」(スポーツ自転車の祭典)では国産から輸入ブランドまでe-MTBが最も熱い盛り上がりを見せている。

日本の規格に合わせて改良し、2017年にイタリアから上陸したBenelli「TAGETE(タジェーテ)27.5」

e-MTBは、バッテリーやドライブユニット(モーターやセンサー、ケースなどを含むもの)がある分、普通のマウンテンバイクよりも車重は増してしまう。発売された当初はこの点が懸念されたが、電動アシスト機能があるので重さは気にならない。それ以上に電動アシスト機能によって、登りで圧倒的な能力を発揮する。登りの多い山道を走るジャンルだけに、登りでほとんど体力を消耗せずに済むのはありがたい。さらに、軽量化や車体バランスが向上し、ただ楽に登れるだけでなく、登りも下りも積極的に楽しめるモデルが続々と登場していることも、既存のマウンテンバイク乗りのe-MTBに対する評価を変えつつある。特に、近年リリースされ始めたフルサスモデル(前後にサスペンションを装備したタイプ)は、グリップの悪い路面でもタイヤを押し付けてくれるため登坂性能が格段にいい。高価だが、ベテランライダーが山道を走っても満足できるだけの走行性能を有している。

登りや下りにハードなセクションのある山道を、スペシャライズドのフルサスe-MTB「LEVO SL EXPERT CARBON」で走ってみたが、普通のマウンテンバイク以上に楽しめた。ギャップを利用して軽い力でジャンプもでき、e-MTBとは思えないほどだ

マウンテンバイクはどうやって選べばいい?

マウンテンバイクは多くのモデルがあるのは魅力だが、その半面、初心者からすると何を選べばいいかわかりにくい。目的に合わせて選べばいいのだが、これから乗る人にとっては遊びたいスタイルを具体的に想像できないことも多いだろう。そこで提案したいのが、登りと下りの割合でモデルを決めるという方法だ。

1例をあげると、下の表のようになる。

ほぼ登りのことは考慮されていないダウンヒルモデルの場合、「(下り)9:(登り)1」、あるいは「(下り)10: (登り)0」となるので、リフトやゴンドラで上がり、下りだけを楽しむようなスタイルに最適。自力で少々登り、かつ下りも攻めたいならエンデューロモデルがいいだろう。登りと下りの割合がまだわからない、どちらもほどほどに使いそうならオールマウンテンモデル、クロスカントリーモデル、トレイルモデルのいずれかを選べばいい。ただ、ダウンヒルモデル以外のモデルは、登りも下りも対応するのでモデル選びはそれほど厳密でなくても困ることはないだろう。もちろん、走行する場所に適するサスペンションの長さなど細かい部分の選択肢はあるが、どのモデルも性能が劇的に向上したことにより、モデルの垣根を越えて走行できるシーンは広がっている。明確な目的が決まっていない人は、上の表を元にモデルをざっくり選べばOKだ。

写真のダウンヒルモデル、エンデューロモデル、オールマウンテンモデル、クロスカントリーモデルは同じメーカーのものだが、モデルによってフロントフォークの角度などが微妙に異なる。基本的にはフォークやシートポストが寝ているほど下り寄りの設計

上の表のトレイルモデルの「フルサス」と「ハードテイル」は、サスペンションの装備位置の違いだ。前輪にだけサスペンションを配置した「ハードテイル」よりも、前後にサスペンションを装備した「フルサス」のほうが後輪にもショックの吸収やタイヤを路面に押し付けるチカラが働くので、登りも下りも快適。ただ、価格はフルサスのほうが高く、車重も重くなる。同レベル性能でフルサスとハードテイルを比べると10万円ほど差が出る場合もあるので、必要性をじっくり考えて選ぶようにしよう。たとえば、自転車ごと飛び降りるドロップオフと呼ばれるセクションを走りたいならフルサスを選ぶべきだが、未舗装の山道を走ってみたいというレベルならハードテイルでも十分だ。

ちなみに、同じモデルの中にもフレームの素材や装備されるパーツの違いでグレードが分かれており、価格が大きく異なる。フレーム素材も含めて上位グレードを望むと数十万円高くなることもあるが、パーツのみグレードの高いものを搭載したマウンテンバイクを選べば2〜3万円高くなるだけで済む場合も(高くてもプラス10万円程度)。パーツのグレードによって走れる場所が限られるわけではないが、操作性が格段に変わり、上位グレードほど乗り手を楽にしてくれる。たとえば、サスペンションの性能差。上位グレードでは足を着かずにクリアできる場所において、下位グレードでは足を着かなければならなくなるという具合だ。購入した後にパーツのグレードを上げるのは費用もかかるので、後々高性能なものが欲しくなりそうであれば、初めからグレードの高いモデルを選んでおいたほうが結果的に安く済むことが多い。ハードテイルなら10万円強以上、フルサスなら20万円程度以上を目安とするといいだろう。

変速機やブレーキなどが上位グレードになるほど、より正確な変速やブレーキングが可能となり、性能のよいサスペンションであるほど路面への追従性がさらに高くなる

注目のマウンテンバイクをピックアップ!

おおよそのことはわかったけれど、結局絞りきれない人のために、これを選んでおけば安心! というモデルを選定してみた。ぜひ、参考にしてほしい。

エンデューロモデル、オールマウンテンモデル

エンデューロモデルとオールマウンテンモデルは、登り下りともに高い走破性を持ち、「どこでも走れる」という感覚を味わえる。ダウンヒルコースも“こなせる”というレベルではなく“攻める”ことができる性能。それでいて、路面にタイヤを押し付けてくれるサスペンション性能で登りも快適に走れる。世界的に見ても最も進化が著しいカテゴリーであり、マウンテンバイクの“今”を感じられるだろう。日本の里山などを走る場合、場所によってはオーバースペックに思うほど高性能だ。

ジャイアント「REIGN ADVANCED 2」

ハードな下りに対応する軽量高剛性のアルミフレームと、走破性にすぐれる29インチのホイールを装備。独自構造の「マエストロ」と呼ばれるサスペンションが、登りでのペダリング効率を高め、下りではブレーキング時に安心感を与えてくれる。ボトムブラケット(BB)の高さなどを3段階に調整できる最新リンクシステム「FLIP CHIP MAESTRO 3」を新たに採用したことで、走り方や走るシーン合わせて車体の特性を変えられるようになった。

エンデューロモデル。サスペンションストローク(フロント/リア)は170mm/160mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は715,000円(税込)

エンデューロモデル。サスペンションストローク(フロント/リア)は170mm/160mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は715,000円(税込)

スペシャライズド「Enduro Comp」

フロント側の変速機構を省いて操作を簡略化することで、よりライディングに集中できる1×12速の変速システムを装備。下り志向の車体設計なので、地面に吸い付くようなグリップを感じられる。フレームは、上位モデルと同じカーボン製。

エンデューロモデル。サスペンションストローク(フロント/リア)は170mm/170mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は748,000円(税込)

エンデューロモデル。サスペンションストローク(フロント/リア)は170mm/170mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は748,000円(税込)

GT「FORCE COMP」

過去にGTが採用していた伝説的システム「リンクス・チューンド・サスペンション(LTS)」を採用。設計度の高い「4バー・リンケージシステム」をベースに、動きのつかみやすさを重視したセッティングとしている。なお、本モデルには、ペダリングしやすい「Hi」と高速ダウンヒル向きの「Low」というジオメトリーが異なる2種類が用意されているので、用途に合わせて選択しよう。

オールマウンテンモデル。サスペンションストローク(フロント/リア):170mm/150mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は517,0000円(税込)

オールマウンテンモデル。サスペンションストローク(フロント/リア):170mm/150mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は517,0000円(税込)

クロスカントリーモデル

ペダリングでタイムを稼ぐクロスカントリーレース向けに作られた車体は、長い登りも難なくこなせる。登りと下りを同等に楽しみたい人や、家から山まで自走でアクセスするのに適したモデル。ツーリングのような長距離走行や、街乗りにも向いている。

ジャイアント「ANTHEM ADVANCED PRO 29ER 2」

軽量なカーボン製のリアフレームとシングルピボットサスペンションシステム「FLEXPOINT PRO」の組み合わせで、高い路面追従性を確保。29インチのホイールを備えており、グングン進む走破性と、夏場のゲレンデを下るダウンヒルもこなせそうな走破性を持つ。車軸の太いブースト規格ホイールや1×12速の変速ギアなど、スペックも現代的だ。

サスペンションストローク(フロント/リア)は110mm/100mm。販売価格は748,000円(税込)

サスペンションストローク(フロント/リア)は110mm/100mm。販売価格は748,000円(税込)

スペシャライズド「Fuse Comp 29」

29×2.6インチの太めのタイヤを装備しており、路面においてすぐれた衝撃吸収性とグリップ力を発揮。それでいて取り回しにすぐれ、狙ったラインをトレースしやすい。また、高い走破性を備えつつ、フレームをアルミ製にし、サスペンションを前輪にだけ配置したハードテイルとすることで、価格を抑えているのもポイントだ。

サスペンションストローク(フロント)は130mmで、変速は1×12速。販売価格は280,500円(税込)

サスペンションストローク(フロント)は130mmで、変速は1×12速。販売価格は280,500円(税込)

トレイルモデル

日本の山で走る場合、最も適合しているのはトレイルモデルだろう。フルサスとハードテイルがラインアップされているので、予算や走るコースに合わせて選べる範囲が広いのも魅力だ。

ジャイアント「TRANCE X 3」

日本のトレイルに完全適合させたと謳う「TRANCE」シリーズにおいて、最も安い価格で手に入れられるのが本モデル。登りでも路面にタイヤを押し付けるサスペンションシステム「マエストロ」と160mmトラベルのフォーク、ドロッパーポストなど、隙のない装備を備えている。

サスペンションストローク(フロント/リア)は160mm/145mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は451,000円(税込)

サスペンションストローク(フロント/リア)は160mm/145mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は451,000円(税込)

スペシャライズド「Stumpjumper Alloy」

スペシャライズド初のマウンテンバイク「Stumpjumper」の名を受け継ぐフルサスモデル。上位グレードがカーボンフレームを使っているいっぽう、本モデルはアルミフレームを採用しているが、左右非対称の複雑な造形を実現。価格を抑えたモデルながら、路面に吸い付くようなハンドリングを味わえる。

サスペンションストローク(フロント/リア)は140mm/130mm。販売価格は385,000円(税込)

サスペンションストローク(フロント/リア)は140mm/130mm。販売価格は385,000円(税込)

ジャイアント「FATHOM 2」

軽量なアルミフレームを採用したハードテイルモデル。フロントフォークがやや寝た角度(66度)なので、下りもしっかり楽しめる。1×10速のワイドなギア比やドロッパーポスト、2.6インチ幅の太めのタイヤなど、近年のトレンドを押さえたパーツを装備。

サスペンションストローク(フロント)は130mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は181,500円(税込)

サスペンションストローク(フロント)は130mmで、ドロッパーポスト装備。販売価格は181,500円(税込)

ダウンヒルモデル

激しい凹凸のある下りをいかに速く走れるかに特化したダウンヒルモデルは、「ダブルクラウン」と呼ばれるゴツいフロントフォークや、下りの安定性を重視したジオメトリーが特徴。ジャンプするようなシーンも含めて下りの性能は抜群だが、フレームやサスペンションなどは重く、ペダリングで登るシーンはほぼ想定されていないに等しい。

スペシャライズド「Demo Expert」

ギャップの乗り越え性能が高い29インチホイールをフロントに備え、リアには機敏なハンドリングを実現する27.5インチホイールを採用している。強靭なアルミフレームのリンク機構はジオメトリーを調整できるので、リアホイールを29インチ化することも可能。さまざまな使い方にフィットさせやすいダウンヒルモデルだ。

サスペンションストローク(フロント/リア)は200mm/200mm。販売価格は671,000円(税込)

サスペンションストローク(フロント/リア)は200mm/200mm。販売価格は671,000円(税込)

スコット「GAMBLER 920」

角度の寝たダブルクラウンのフロントフォークとシートポストや、コイルスプリングのリア・サスペンションを採用した本モデルは、見るからにダウンヒル的なルックス。アルミフレームに29インチホイールを装備し、ハイスピードの下りでも高い走破性を発揮する。4ピストンの油圧ディスクブレーキと7段の変速ギアを備えているのも、ダウンヒルモデルらしいセレクトだ。

サスペンションストローク(フロント/リア)は200mm/225mm。販売価格は748,000円(税込)

サスペンションストローク(フロント/リア)は200mm/225mm。販売価格は748,000円(税込)

マウンテンバイクタイプの電動アシスト自転車「e-MTB」

電動アシスト機能を搭載したe-MTBは登りを楽にこなせ、下りも効率的に楽しめるのがメリットだったが、最近は強力な登坂力を備えたモデルが続々と登場しており、登りを“楽しむ”ことも可能となった。ヤマハやパナソニックなどの電動アシスト自転車メーカーだけでなく、スポーツ自転車メーカーからも多くのモデルが登場している。

ヤマハ「YPJ-XC Final Edition」

ヤマハのe-Bike向けフラッグシップドライブユニット「PW-X」を搭載したハードテイルモデル。踏み込んだ瞬間にアシストが立ち上がり、ペダルを止めると瞬時にアシストもゼロになるなど、レスポンスが非常にいいので、凹凸を乗り越える際に瞬間的にパワーをかけ、乗り越えたところでトラクションを抜くといった走り方ができる。電動アシスト機能を使って山道を楽しむのに最適なドライブユニットと言える完成度だ。

サイズ(S/M/L)は1,810/1,835/1,865(全長)×740(全幅)mmで、重量は21.3(S、M)/21.4(L)kg。容量13.3Ah(36V)のバッテリーを搭載しており、最大244kmアシスト走行できます。変速機構は1×11速。メーカー希望小売価格は435,600円(税込)

サイズ(S/M/L)は1,810/1,835/1,865(全長)×740(全幅)mmで、重量は21.3(S、M)/21.4(L)kg。容量13.3Ah(36V)のバッテリーを搭載しており、最大244kmアシスト走行できます。変速機構は1×11速。メーカー希望小売価格は435,600円(税込)

トレック「Rail 9.7 Gen 4」

カーボン製のフレームに、前170mm、後150mmストロークのサスペンションを装備。アシストユニットはBOSCH製「Performance Line CX」を搭載するなど、最新スペックで構成されたフルサスモデル。フルサスのe-MTBとしては24.65kgと軽量で、パワフルなアシストと相まって登りも下りもガンガン振り回して楽しめる。バッテリーをフレーム内に納めるインチューブ式を採用しており、一見すると電動アシスト機能が付いていないように見えるのもいい。

S、M、L、XLの4サイズを用意。サイズは1,970(全長)×800(全幅)mmで、重量は24.65kg(Mサイズ)。容量750Whのバッテリーを搭載しており、最大210kmアシスト走行できます。変速機構は1×12速。販売価格は998,690円(税込)

S、M、L、XLの4サイズを用意。サイズは1,970(全長)×800(全幅)mmで、重量は24.65kg(Mサイズ)。容量750Whのバッテリーを搭載しており、最大210kmアシスト走行できます。変速機構は1×12速。販売価格は998,690円(税込)

【取材協力】
鳴木屋輪店(東京都世田谷区上北沢5-8-1)

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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