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またまた大進化!テーラーメイド「M3/M4」を徹底試打

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皆さんこんにちはオグさんです。2018年は、新年早々からクラブの新製品がいくつか発表されており、ゴルフ界もにぎわっております。できるだけ早くレポートしていきたいと思いますので、楽しみにしていてください。

テーラーメイドの新シリーズが登場

今日はその第一弾!テーラーメイドのM3(エムスリー)/M4(エムフォー)シリーズです。前作のM1(エムワン)/M2(エムツー)シリーズからの後継モデルとして発表され、ドライバーには、M3にヘッド体積別の2タイプ、M4に1タイプ、それぞれのブランドにFW(フェアウェイウッド)、UT(ユーティリティー)、アイアンをラインアップするところも前作のシリーズと共通です。

テーラーメイドゴルフカンパニーのプレジデント&CEO、デイビッド・エイブルス氏が来日し、大勢の報道陣の前でM3/M4をプレゼンしました

テーラーメイドは2018年1月現在、世界のトッププロと多く契約しています。彼らからのフィードバックも新製品開発に大いに役立っていることでしょう。左から、いわずと知れたタイガー・ウッズ。小柄ながら爆発的な飛距離で勝負するローリー・マキロイ。長身から繰り出す飛距離で他を圧倒するダスティン・ジョンソン。世界ランク1位の経験もあるジェイソン・デイ。若手の注目株ジョン・ラーム。リオ五輪の金メダリスト、ジャスティン・ローズ

M1/M2シリーズはツアープロからの評価が大変高いモデルでした。飛距離性能に影響する過剰なバックスピンがパワーヒッターでも増えにくく、ヘッドスピードの速いゴルファーほど飛距離を得やすかったから。後継となるM3/M4はどんな仕上がりなんでしょうか。とても楽しみです。

目玉のテクノロジー「ツイストフェース」

さっそく気になるドライバーをチェックしていきましょう。今度のM3/M4には興味深いテクノロジーが搭載されています。それが「ツイストフェース」。アマチュアの打点を分析し、打点が多く集まる部分のミスを緩和するようにフェースを”ねじって”あるのだそうです。ひと昔前のクラブのフェースには、バルジ(左右の丸み)とロール(上下の丸み)を取り入れたモデルが数多く存在しましたが、最近はそれほど多くはありません。また取り入れていてもアピールするクラブはほとんどありませんでした。

ツイストフェースのイメージイラスト。実際はここまでのねじりは無さそうです

ツイストフェースのイメージイラスト。実際はここまでのねじりは無さそうです

50万発に及ぶアマチュアの打球を解析した結果、90%のゴルファーがトゥ側上(赤)とヒール側下(青)の部分で打っているそうです。そのときの曲がりは15ヤードにも及び、これを改善し安定した飛距離を得るためにツイストフェースが開発されたとテーラーメイドは説明します

「ツイストフェース」は低いフックが出やすいトゥ側上部のフェース部分を開きつつロフトを増やし、高いスライスが出やすいヒール側下部のフェース部分を閉じつつロフトを減らすことでミスを大幅に軽減させているとのこと。実際に打たせてもらえるので、どれくらいの効果が実感できるか楽しみです!

今回はM3/M4シリーズのドライバーだけでなく、FWやUT、アイアンも全部試してみたいと思います!

スカイトラックという計測器を使い、M3とM4の飛びの違いも調べてみます

スカイトラックという計測器を使い、M3とM4の飛びの違いも調べてみます

M3/M4の試打を開始!

前述のとおり、M3/M4シリーズには、3種類のドライバーがあります。「M3 460ドライバー」、「M3 440ドライバー」、そして「M4ドライバー」です。それぞれどんな仕上がりか? 違いはどんなところにあるのか? などを意識しながら打っていきますね。テーラーメイドはウッドクラブに絶対の自信を持っているメーカー。M3/M4の実力はどうなのか!? それでは試打開始!!

クラウンのフェース側が、白から銀色に変わったのもトピックの1つです。締まって見えますね

クラウンのフェース側が、白から銀色に変わったのもトピックの1つです。締まって見えますね

今回から個別のイメージカラーが設定され、M3が青(右)、M4が赤(左)となっています

今回から個別のイメージカラーが設定され、M3が青(右)、M4が赤(左)となっています

■試打1:M4ドライバー

最初に試打したのはM4ドライバー。すでにUSPGAではD・ジョンソンが使用して1勝を記録しているモデル(2018年1月25日現在)。433ヤードのPAR4をあわやホールインワンというところまで飛ばしたモデルでもあります(打ち下ろし、フォローの風という条件はありましたが、この一打がゴルフ界に与えた影響は計りしれません)。

試打クラブのロフトは9.5度。1球打っての感想は「さすがテーラーメイド!」というもの。低スピンのいわゆる“棒球(ぼうだま)”がいとも簡単に打てます。試打した日は1月22日、外気温が摂氏1度くらいの大雪の日であったにもかかわらず、ぐんぐん前に飛ぶ弾道はコースでとても頼りになりそう。何球か打っていると、「あ、ミスした」的な弾道がいつもより曲がらない感じを受けました。飛び出した方向にそのままど〜んと飛んでいく。前作のM2 2017年モデルと比べ、サイドスピンが明らかに少ないですね。

体が温まってきたのでインテンショナルでドロー、フェード、フック、スライスといろいろやってみました。ん〜曲がらない…。ドローやフェードなどは頑張れば打てるのですが、スイングで大きく曲げようとしてもボールは思うように曲がってくれません。M4は高い寛容性、つまりミスへの許容度を高めたモデル。ボールを曲げるのはヘッドのコンセプトに逆らっているようなものですので当たり前といえば当たり前なのですが、それにしたってこの直進性の高さはちょっとびっくりしました。M4は狙った方向に直進性の高い弾道をたたきこんでいく。そんな使い方にマッチしているクラブですね。

M4ドライバーの打球データ

M4ドライバーの打球データ

試打2:M3 460ドライバー

お次は、M3の460ドライバーを試打。ロフトは10.5度。ヘッドの形状はM4と比べるとややトゥ寄りにボリュームがあって、たたいても左には行かなそうな印象を受けました。打ってみるとM4同様の強い弾道。M4とはロフトが1度違うはずなのに打ち出し角はあまり変わらない印象。重心がそれだけ浅いのでしょうか。後述しますが、M3はヘッドの重心位置を変更してヘッドの特性を変えられる「Yトラック」というシステムを搭載しています。これにより、あまり高さが出なかったり、スピンが足りずに弾道がドロップしたりするようなら重心位置を調整することで対応できるんです。もちろん定番のネックカチャカチャも搭載しているので、ロフトもプラスマイナス2度まで調整することができます。

さて試打に戻りましょう。ヘッドのシェイプはM4よりボールがつかまらないかなと思っていたのですが、実際に打ってみるとちょっと違いました。ヘッドの操作性が高いのでM4より“つかまえにいける”ヘッドなんです。勘違いしないでほしいのが“つかまる”ではなく“つかまえにいける”です。ヘッド自体がボールをつかまえる機能を持っているわけでなく、ヘッドの操作性がよい分、操作に反応する動きが大きいということ。今回の試打で計測データを取るときは、どのクラブもできるだけ同じようなドローボールを意識してスイングしていたのですが、M3 460のほうが大きいドローになりましたね。弾道の操作もM4に比べるとこちらのほうが曲がり幅は多少ですが大きくなりました。それでも、曲げるのが上手な方でも“木の右から巻くようにフック”なんて芸当はできそうにありません。曲げたくはないけど、持ち球を大切にしたいなんて方によさそうです。

M3 460ドライバーの打球データ

M3 460ドライバーの打球データ

試打3:M3 440ドライバー

ドライバーの最後はM3 440。構えた顔はこのモデルが一番端正な印象で、きれいなシェイプです。ヘッドサイズはM3 460やM4と比べてしまえば小さくは感じますが、それらと比べず単体で見た分には、小ささからプレッシャー的なものは感じない適度な大きさだと思います。打った感想は、さすがに敏感な操作性を持っていて、この3モデルの中では、一番インテンショナルにボールを操れます。

計測時は、ややヘッドがターンし過ぎてフックに近い弾道になってしまいましたが、ボールを操作したい人は断然このモデルでしょう。弾道は、やはりM3/M4シリーズ共通の低スピンの強弾道、簡単にボールは上がってくれません。たたけばたたくほど強い弾道で前に飛んでくれるので、ガンガン振りつつ、ボールを操りたいならこのモデルがおすすめです。何より、このモデルに食指が動く方はそれなりのパワーと技術を持っているでしょうから。

M3 440ドライバーの打球データ

M3 440ドライバーの打球データ

M3とM4では純正のシャフトが異なる

M3とM4では装着される純正シャフトが異なり、M3には「KUROKAGE(クロカゲ) TM5」、M4には「FUBUKI(フブキ) TM5」が設定されています。カタログ表記では、どちらもキックポイントは中で重さも50g台ですが、振ってみるとしなり方がかなり違いました。M3についているKUROKAGEは、ゆったりとしなりロフトが立って当たりやすく、M4についているFUBUKIは、鋭くしなり戻り、ヘッドを走らせてくれる印象。

上がKUROKAGE TM5、下がFUBUKI TM5

上がKUROKAGE TM5、下がFUBUKI TM5

シャフトのしなり方によってヘッドの挙動、弾道に影響しますが、それ以上にスイングのタイミングの取りやすさに大きく影響します。純正シャフトはヘッドの特性に合わせ、結果の出しやすくかつクセのないものが多いですが、この2本は、結構明確なキャラクターを持っています。それだけに純正シャフトのモデルだけを試打して、M3/M4が合わなかったと判断するのはもったいない。せっかくテーラーメイドは、同じヘッドを違うシャフトで容易に試打できる(それがメインの機能ではないですが)システムを持っているのですから、試打するときにはぜひ、いろいろなシャフトで打つことを強くおすすめします。ヘッドの尖(とが)った性能を生かすのには、打ち出し方向をいかに安定させるかがカギ。それには、使い手に合ったシャフトがとても重要なのです。

M3の弾道調整システム「Yトラック」

M3シリーズのドライバーにはYトラックという弾道調整システムが付いています。ソールのウェイトを動かす弾道調整システムは、テーラーメイドではもはやおなじみのものですが、今回のM3では2つのウェイトを「Yの字型」に動かせるようになりました。これは、重心の位置を調整することで、弾道の調整を細かく行うためのシステムです。せっかくなので460のヘッドを使っていろいろと試してみました。

重心距離長い(最大フェード)

最初は、2つのウェイトを最もトゥ寄り(重心位置が一番深く、一番長くなる場所)に配置して打ってみました。計測はノーマルのときと同じイメージの軽いドローを意識してスイング。結果はフェードにはなりませんでしたが、ドローの幅が収まり、やや高めのこれまたいい球が出ましたね。振った印象としては、操作性が穏やかになり、狙ったところに打ちやすくなった印象。私は比較的トップまでフェースを閉じたままスイングする特徴があるのでドローになりましたが、フェースを開いてスイングする方は、つかまり度合いがかなり軽減されフェードが打ちやすくなるでしょう。

重心距離短い(最大ドロー)

お次は、ウェイトをヒール側の最後方に2つ並べたポジション。重心距離でいえば、深く、短くなる位置です。結果はやや高めの弾道で、かなり強めのフック。他の計測同様、スイングのイメージは変えていないので妥当な結果です。若干ですが、ヘッドがボールをつかまえようとターンする動きを感じ、自分のスイングよりは思った以上にボールがつかまりました。ナチュラルなスイングがフェード傾向にある方が、スイングを変えずにドローボールを打ちたいのであれば試す価値のあるポジションだと思います。

重心が最も浅い(強い弾道)

次に2つのウェイトをフェース寄りに2つ並べたポジジョン。重心が浅くなり、打ち出し角が低くなりやすいこのポジジョンの計測データは下記のとおり。ノーマルポジジョンより打ち出し角が1度低くなり、適度なドローのいい球が打てました。個人的な印象ですが、ヘッドの操作性が一番しっくりきたのがこのポジジョンでした。

重心が最も深い(高い弾道)

最後はY字の両サイドにそれぞれウェイトを置くポジション。重心が最も深くなり、打ち出し角が一番稼ぎやすくなるこのセッティングでの試打データはこちら。弾道的には、一番美しい右に出て戻ってくるドローボールが出ました。このモデルで一番オートマチックな感じで振れた印象。ミスを減らして結果重視を狙うなら、このセッティングがおすすめです。

真っすぐ打ちたいならM4、球を曲げたいならM3がいい

芯を外しても打ち出した方向に強い弾道が出るのは3本に共通する特徴です。どのモデルも、一発の飛びはもちろん、平均飛距離が伸びそうな印象ですね。ある程度打ち出し方向が安定する方にはすごい武器になる可能性を秘めています。

それぞれのヘッドの特性をまとめると、下記のとおり。

M4は直進性にすぐれていて打点のミスに寛容。ヘッドの操作に対する反応は穏やか。直線的にコースを攻めていきたい人向け

M3 460は、ある程度操作性はあるが、大きくは曲がらない。ヘッドの操作に対する反応はそこそこ。基本は直進性の高いボールを打ちたいが、いざというときにある程度操作もしたいといった人向け

M3 440は操作に対して比較的ヘッドが敏感に反応し、ボールもある程度は操作できる。1球1球操作をしていきたい人向け

気になるツイストフェースの効果ですが、確かに打点を外しても曲がらずに飛んでいきました。ミスヒットの少なくないアマチュアにとってここは大きな進化だと思います。ただ、打ち出し方向が安定しない方だと、「今まではコース内に残っていたミスショットが、飛び過ぎてOB」なんてことも出てきそう。特に、右方向に打ち出すミスの傾向を持っている方には、諸刃の剣になってしまうかも。今まで、右に打ち出して左に戻すフック、逆に左に打ち出して右に返すスライスを打っていた人は、ボールが曲がらず打ち出し方向に真っすぐ飛んでいってしまいそう…それぐらいフェースのどこで打っても曲がらずに飛ぶ! そんなクラブです。

■試打4:M3/M4 フェアウェイウッド

M3/M4シリーズは前述のとおり、それぞれFWもラインアップ。こちらもそれぞれを試打してみました。

テーラーメイド M3 フェアウェイウッド

テーラーメイド M3 フェアウェイウッド

M3のFWは、操作性を重視し、ボールをクリーンに打ちやすくする工夫が見られます。まずヘッドが小ぶりなこと。これは多少のラフや悪いライでもヌケをよくするためで、小さい分、操作性も高めやすいメリットがあります。そしてFP(フェースプログレッション)値の大きさ。いわゆる“出っ歯”な設計になっていてボールに直接コンタクトしやすくなっていますね。さらにこのM3 FWには、可変ウェイトが搭載されていて、重心距離を調整することによって細かい操作性の調整も可能にしています。FWでもボールをコントロールし、ピンポイントで狙っていきたいならコッチです。

テーラーメイド M4 フェアウェイウッド

テーラーメイド M4 フェアウェイウッド

対してM4のFWは、やや大きめのヘッドサイズ。ドライバーと同様、寛容性を高めたモデルです。FP値もM3と比べるとやや小さく、ボールのつかまりも良好でした。できるだけ曲げずにFWを打ちたい方ならこちらでしょう。

■試打5:M3/M4 レスキュー

テーラーメイド M3 レスキュー

テーラーメイド M3 レスキュー

テーラーメイド M4 レスキュー

テーラーメイド M4 レスキュー

テーラーメイドでは伝統的にユーティリティーを「レスキュー」と呼称します。M3レスキューとM4レスキューの違いは上記フェアウェイウッドとおおむね同じですが、M4レスキューにはM3にない28度の#6が用意されています。アイアンが苦手な方にはうれしいラインアップですね。

■試打6:M3/M4 アイアン

テーラーメイド M3 アイアン(写真は7番)

テーラーメイド M3 アイアン(写真は7番)

テーラーメイド M4 アイアン(写真は7番)

テーラーメイド M4 アイアン(写真は7番)

M3/M4両方に、アイアンが用意されています。実は今回試打したモデルの中で一番びっくりしたのがドライバーではなくこのM3アイアン。どちらのモデルにもテーラーメイド独自の技術、フェース面左右にある溝「フェーススロット」とソールにある溝「スピードポケット」が搭載されています。このテクノロジーは打点のミスの幅を減らしてくれるすばらしいものなのですが、今までの搭載モデルは、ミスにはとても強いのですが、打感や操作性に関してそれほど目立った印象はなかったんです。ですが今回のM3アイアンは、打感やフィーリングがピシッとして余分な振動がなくて気持ちよく、それでいて操作性も適度にあるアイアンに仕上がっています。もちろんミスにも強いのでかなり欲張りな仕上がり。打っていてとても楽しいアイアンですよ。

M3アイアンのトップブレードには”段”が付いていて、ブレードをシャープに見せる効果があります。これは相当効いていると思います

M4アイアンは、とにかく結果にこだわったアイアンという印象。曲がりも少なく少々の打点のミスでも問題なくボールが飛んでいってくれます。飛距離も出しやすく、結果をとにかく重視するならおすすめできるモデルです。

M4アイアンの特徴は長い重心距離。飛距離と寛容性に大きく寄与しているところです

M4アイアンの特徴は長い重心距離。飛距離と寛容性に大きく寄与しているところです

M3/M4は自分に合ったシャフトで使えば強い武器になる

このM3/M4シリーズ、前作M1/M2と比べてかなり進化したなというのが率直な感想です。ですが、結果を出すにはシャフト選びがとても重要になります。購入を検討する際は、必ず試打をおすすめします!自分に合ったシャフトが見つかればあなたの強い武器になってくれるでしょう!

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小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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