ゴルフの楽しさ伝えます

「ゴルフ女子のクラブ選び#1」まずはシャフトの”硬さ”を知ろう

オグさんです。今回から不定期で、女性ゴルファーのためのクラブ選びについてお話ししたいと思います。

まずは第1回、武田奈津美(たけだ・なつみ)さんが私のお店に来てくれました。彼女はかなり熱が入ったゴルフ女子。ベストスコア91、ドライバーの飛距離は180ヤードと、ちょっとした男性を負かしてしまうポテンシャル。クラブも知り合いにお願いして揃えたようですが…

女性ゴルファーはおしゃれに気を使うため、クラブに気が回らないのもよくわかりますが・・・ちょっとは覚えましょうw

女性ゴルファーは、男性ゴルファーに比べてクラブに興味を持つ方が多くありません。その原因は、ごく一般的な市販されているクラブを使っても劇的な変化が味わえないから。男性と比べて力がないというのもありますが、だいたいどこのクラブメーカーもレディースブランドは1つですし、そもそも軽くて軟らかいモデルばかりなんです。

武田さんのクラブ。知り合いの方にお願いして選んでもらったオーダーメイド品ばかりです

なつみさんのクラブ。知り合いの方にお願いして選んでもらったオーダーメイド品ばかりです

女性ゴルファーがクラブを選ぶ際、周りの男性の意見にどうしても左右されてしまいます。ゴルフは圧倒的に男性の比率が高いスポーツですから、自分で調べるより周りの詳しい男性に聞いてしまったほうが早いと考えるのは当然ですよね。武田さんは知り合いの紹介でゴルフ工房に行ってクラブを揃えたようです。

ゴルファーが自分に合っていないクラブを使うと、上達が停滞してしまいます。自分には軽すぎ、軟らかすぎのクラブを使っている女性ゴルファーは、チョロが多くなる傾向にあります。また、軟らかすぎるクラブはしなりが多いため、フルスイングしたときに安定しません。ほかのクラブはうまく打てるのに、特定のクラブだけミスが頻発する場合はスイングよりもクラブを疑ったほうがいいでしょう。

今回は、わざわざ当店にお越しいただきました〜。ありがたいことに女性のお客様にも結構ご来店いただいており、フィッティングや、リシャフトもちょこちょこ行っております


なつみさんのクラブの多くは、なつみさんのスイングに合わせて組まれており、重さや長さのバランスも考えられていました。売っているクラブをそのまま使うのでなく、自分のスイングや癖に合わせてシャフトを交換したり長さや重さを調整したりすることを「カスタム」と呼びます

なつみさんのクラブの多くはカスタムされたものでした。

ですが…

オグ:ユーティリティーだけ純正シャフトのままですね。

なつみ:え、純正シャフトって何ですか?

オグ:クラブに最初からついているシャフトのことです。

なつみ:それってダメなんですか?

オグ:ダメじゃないんですが、ほかのクラブはなつみさんに合わせてシャフトが取り換えられているので、それに合わせたほうがミスを減らせますよ

なつみ:何が違うんですか?

オグ:簡単にいえば、重さと硬さが違います。ほかのクラブは、なつみさんに合わせてこの純正シャフトより硬く重くなっているんです。

なつみ:へ〜そうなんですね。全部おまかせなんで知りませんでした。


オグ:硬さを表す指標をフレックスと呼びます。純正シャフトはLフレックスになっていますが、なつみさんのほかのクラブにはすべてRフレックスのシャフトが付いています。

なつみ:L?? R?? えー、なになに!?

オグ:Lはレディースの略で、硬さを表す表示としては一番軟らかいものを指します。Rはレギュラーの略で、Lから数えると次の次に硬いポジションに位置します。

なつみ:硬いとどうなるんですか?

オグ:シャフトが硬いとスイングしたときにシャフトのしなる量が減るのでボールに当てやすく、ミスしてもボールの曲がりが少なくなるんです。その分、最大の飛距離性能が落ちるのですが、ヘッドスピード(カンタンにいうと、スイング中のクラブの速度で、主にドライバーを振ったときの数字。計測器のあるショップで試打すると測ってくれます)に対してシャフトが軟らかすぎるとちゃんとボールに当たる確率が下がってしまいます。なつみさんのヘッドスピードだとRでいいと思いますよ。

なつみ:へ〜、知らなかったー。

オグ:Lはレディースという名の硬さですので、女性はみんなこれが一番合うと思いがちですが、シャフトの硬さは性別に関係なくヘッドスピードやスイングの傾向に合わせて選ぶとよい結果を得られやすいんです。

なつみ:確かに、レディースって書いてあるとそれを使うべきなんだと思っちゃいますね。


オグ:初心者の頃や、スコアでいえば120〜100ぐらいまでなら、正直Lシャフトを選んでもらえばいいと思います。でもなつみさんのようにさらなる上達を目指すのであれば、まずはシャフトの硬さを気にしたほうがいいですね。

なつみ:シャフトの硬さが何種類もあるなんて知りませんでした!

オグ:実は、女性ゴルファーの中には自分に合っていないものを使っている方が少なくないんです。ある程度振れるようになったのに、始めたばかりの頃に買った軽くて軟らかいクラブを使っていると上達が遅くなってしまいます。なつみさんの場合はお店の人に相談してだいぶいい線いっていますが、多くの女性ゴルファーは、身近な男性ゴルファーの意見を聞いてクラブを選んでしまうようですね。で、そういう方の場合、自分のスイングやヘッドスピードに対してクラブが軽かったり軟らかくなってしまうケースも多いんです。

なつみ:自分のスイングに対して、クラブが軽かったり軟らかかったりするとどうなっちゃうんですか?

オグ:スイングしにくかったり、いいスイングをしたとしてもそれが球筋に現れず、結果が出しにくくなってしまいます。せっかく練習してスイングをよくしているのですから、クラブもそれに合わせたほうがスコアがよくなりますよ。

なつみ:ヘッドスピードって、ゴルフを続けていると変わるものなんですか?

オグ:練習を重ねていくとヘッドスピードは変わります。クラブをまったく振ったことのない人はリズムも取れませんし、クラブを振りきって止まることすら難しい。日常で長い棒を振ったことがない方がほとんどだからです。しかし、クラブを振りなれてくれば力の入れ具合やタイミングがつかめてくるので、結果ヘッドスピードは速くなるでしょう。

それと、「クラブの重さ」も重要です。実際にスイングしてみて、フィニッシュで止まれるくらいの重さのクラブが適正です。重すぎるとフラフラしてしまいますが、振り切れる範囲で重いモノがいいでしょう。


なつみ:なるほどー勉強になります。ピタッと振り切れる重さのほうが軽いクラブより振りやすいし、ボールも飛ぶような気がします!

オグ:女性ゴルファーにクラブについて詳しく知ってもらうのはなかなか難しいのですが、ある程度基本的なところを知っておけば、自分でクラブを選びやすくなると思いますし、上達のスピードにも影響すると思います。

なつみ:私の場合はゴルフに詳しい知人がいたので助かったのですが、ゴルフ女子の友人の中にはそうでないケースもあります…。

オグ:カスタムするのであれば、工房施設がある(クラブを組み立てる機材が揃っている)お店で相談するとよいでしょう。大手量販店でも町のゴルフショップでも、そういったお店には経験豊かな店員さんがいるはずですので、話を聞いてみましょう。

工賃や時間はクラブによって変わってきます。ドライバー用ですと目安としてシャフト代+工賃+グリップ代で大体4万5000円前後、FWだと3万円前後、UTだと2万円前後といったところでしょうか。アイアンは1本あたり1万5000円前後ですね。

カスタムする理由はパターを除くスイングするクラブの振り心地を揃え、ミスを減らすことです。使っていて調子のよいクラブをわざわざ変える必要はまったくありません。たとえ重さや硬さなどがほかのクラブと合っていなかったとしても、それをちゃんと使いこなせているのであれば替える必要はないのです。

なつみ:わかりましたー! じゃあ、私のユーティリティーはどうすればいいですか?

オグ:なつみさんにはちょっと軽いので、理想は別のシャフトに替えることでしょうね。

なつみ:検討してみます!

<。_/ まとめ 。_/>
・スイングの固まっていない人やスコア120〜100の方はとりあえずLシャフトでOK
・さらに上達を望むなら「ヘッドスピード」を計測し今のクラブとのマッチングを診断
・診断の結果クラブに問題があれば「カスタム」を検討、今のクラブが合っていればそのままでOK
・カスタム時に気にしたいのは「シャフトの硬さ」「クラブの重さ」
・軟らかすぎるシャフトを使っている女性も少なくない
・重さは、振り切って止まれるくらいが適切
・詳しくはゴルフショップで相談を!

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今回は、女性ゴルファーの特徴と、シャフトの種類をお教えしました。次回は、各社のレディースドライバーを打ち比べてみましょう!

6メーカー6モデルのレディースドライバーを、なつみさんが打ち比べてみます!

6メーカー6モデルのレディースドライバーを、なつみさんが打ち比べてみます!


写真:富士渓和春

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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