専門家・南井正弘のランニンググッズ連載
世界中にファンを抱えるモデルに最新技術を結集!

走って体感! アシックス「ゲルカヤノ」25弾はクッション性と軽量性を高次元で追求

アシックスの「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)」と言えば、その高い機能性により日本はもちろんのこと、欧米でも高い評価を受けているロングセラーのランニングシューズだ。今シーズン、そんな同社を代表するモデルが、新たなテクノロジーを搭載してフルモデルチェンジ。実際に履いて走ってみて、その魅力を検証してみた。

2018年に6月8日に発売された「ゲルカヤノ25」。メーカー希望小売価格は、17,280円(税込)

2018年に6月8日に発売された「ゲルカヤノ25」。メーカー希望小売価格は、17,280円(税込)

体格の大きい欧米人に人気がある「ゲルカヤノ」シリーズ

「ゲルカヤノ」は、体格の大きなランナーの多い欧米のランニングマーケットで、日本以上に高い支持を受けていることで知られている。日本では、同シリーズを長い距離をゆっくりと走って脚を強化するトレーニング「L.S.D.(ロング・スロー・ディスタンス)」の時に使用するランナーが多いが、平均身長や体重が日本よりも圧倒的に高くて重いオランダあたりだと、「ゲルカヤノ」を履いて「サブ3(フルマラソンで3時間を切ってゴールすること)」を達成するランナーも存在する。つまり欧米では、レースモデルとしてもポピュラーで、日本以上に身近な存在なのだ。

そんな「ゲルカヤノ」だが、19弾モデル「ゲルカヤノ19」あたりから、それほど重さを感じなくなったという声も多く、最近では比較的小柄な体格の多い日本人ランナーからの評価も上がった。そのいっぽうで、「ゲルカヤノ17」あたりまでの「ゲルをふんだんに使ったことによる、クッション性とサポート力の安心感のあるハーモニーが懐かしい」という声も少なからずあった。そんな中、最新モデル「ゲルカヤノ25」は、ここ最近のシリーズの傾向を踏襲しており、重さはあまり感じさせないスペック。搭載されるゲルもそれほど大きくない。

「ゲルカヤノ25」試走レビュー

「ゲルカヤノ25」のウィズ(足囲)がスタンダードのモデルで試走

「ゲルカヤノ25」のウィズ(足囲)がスタンダードのモデルで試走

[フィット感]足長と足囲のバランスが秀逸!

「ゲルカヤノ25」に実際に足を入れてみると、まず感じるのはフィット感のよさだ。

筆者は、「スタンダード(標準)」、「エキストラワイド(幅広)」、「ナロー(幅狭)」と3種類展開される足囲の中から真ん中の「スタンダード」を選択。日本を代表するブランドの製品だけに、足長と足囲のバランスは秀逸で、これなら脚力を無駄なくシューズに伝えられることができるだろうと思った。

あと印象的だったのは、大型の外付けヒールカウンターを採用したことによる、かかと部分のフィット感のよさ。この部分がしっかりと足にフィットしているので、着地時のかかとのブレが軽減されているように感じた。

[走行感]新素材によるすぐれた衝撃吸収性と反発性を実感

アメリカの著名なランニングプロショップチェーンである「ロードランナースポーツ」によると、「ゲルカヤノ22」から「25」までの重量(片足)の推移は、10.9オンス→11.5オンス→11.3オンス→11.8オンス(約335g)と、この4足の中では数値上で最も重くなっているが、履いた感覚ではそれは気にならなかった。

走り始めてみると、昔の「ゲルカヤノ」のようなゲルによるクッション性を足裏に感じるような履き心地ではなく、ソールユニット全体で衝撃を吸収し、その衝撃を反発性に変換していることが体感できた。これは、今作からミッドソール部分に軽量性と耐久性を高めた新素材「フライトフォームライト」と、反発性を向上させた新素材「フライトフォームプロペル」を採用したことが大きな要因だ。

ミッドソール全面に、反発性が向上した「フライトフォームプロペル」を採用

ミッドソール全面に、反発性が向上した「フライトフォームプロペル」を採用

かかと部分に、軽量性と耐久性をアップさせた「フライトフォームライト」を採用。さらに、かかと部分と踏みつけ部分には、衝撃吸収性が抜群のゲルを内蔵している

そもそも、この2つの新素材のベースとなった従来の「フライトフォーム」は、これまでスポーツシューズに一般的に使用されてきた素材「EVA(エチレンビニールアセテート)」よりも55%軽い素材。さらに、その素材に特殊な“繊維”を添加することで、すぐれたクッション性と耐久性を追求したのだ。

いっぽう今作では、ミッドソールのかかと部分に配された「フライトフォームライト」に、地球上のほとんどの木質資源から得られるという「セルロースナノファイバー」が添加されている。これは鋼鉄の5分の1の軽さながら、その5倍以上の強度を有するナノサイズの繊維。これにより、「フライトフォームライト」は軽量性をキープしたまま、従来の「フライトフォーム」よりも強度を20%、耐久性を7%向上させることに成功しているという。

もうひとつの新素材「フライトフォームプロペル」は、ミッドソール全面に配されており、蹴り出しの際の足離れのよさに大きく貢献。特にペースを上げた際に、この素材の効果を感じられた。

これらの機能のおかげで、日課である6kmランは快適に終えることができた。

【まとめ】ちょうどよい塩梅で進化させた点に好感

アシックスでは、「新モデルは前作よりも機能性を向上させる」という社内基準を定めているが、そのことは今作も確実にクリアしていた。さらにアシックスは、スペックを変更し過ぎることでシリーズを長く愛用しているユーザーをとまどわせないために、モデルチェンジにおいて旧モデルから大きく変え過ぎないことにも留意している。その点で言えば、前モデル「ゲルカヤノ24」と比べると、ちょうどよい塩梅で「ゲルカヤノ25」に変更を加えていると感じた。このような、前モデルのよい部分はキープしつつ、新機軸をプラスするアシックスの手法には好感が持てる。

アッパー部分は、通気性と柔軟性にすぐれた2層の「ジャガードメッシュ」を使用。親指部分の幅と高さにゆとりを持たせて窮屈さを緩和している

アウトソールには、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップを発揮するパターンを採用。しかし、ある程度深さのある刻みが施されているので、乾いた土の上でも走りにくいことはなかった

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間56分09秒。

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