専門家・南井正弘のランニンググッズ連載
あの「ナイキ ズーム フライ」が「フライニット」をまとった!

大幅スペックアップ! 4回履いてわかった「ナイキ ズーム フライ フライニット」の実力

ベルリン、シカゴ、ニューヨークと2018年秋のメジャーマラソンにおいて、圧倒的な強さを見せたのが、「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット」だ。

「ベルリンマラソン」においてエリウド・キプチョゲ選手が2時間1分39秒という世界記録を達成したときや、「シカゴマラソン」において大迫傑選手が2時間5分50秒の日本新記録をマークしたときには、同モデルおよび同モデルをベースにしたシューズが着用されていた。

そんな「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット」のテイクダウンバージョンと言えるのが、「ナイキ ズーム フライ フライニット」だ。前作の「ナイキ ズーム フライ」からアッパー素材を変更したのをはじめとして、随所でスペックアップを敢行。機能性の向上に成功した。

「ナイキ ズーム フライ フライニット」

「ナイキ ズーム フライ フライニット」

私ごととなるが、2018年7月1日に開催された「ゴールドコーストマラソン」で、7年半ぶりにフルマラソンの自己記録を更新した。3時間52分00秒というタイムは、それほど速くはないが、52歳という年齢でマークするのは決して容易ではなかった。この記録を達成することができたのは、6kmという短い距離ながらほぼ毎日走っていることと、「モルテン」というキプチョゲ選手も使用しているドリンクを使用したこと、そしてセレクトしたシューズの推進力の高さが大きな理由であったと思う。そのとき履いていたシューズは「ナイキ ズーム フライ」だった。

同モデルは、「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」という世界中のマラソンシーンを席巻していたシューズのテイクダウンバージョンであり、厚手の「ナイキ ルナロン」ミッドソールに「カーボンナイロンプレート」を内蔵。中足部よりも前で着地すると、着地から蹴り出しまでがシューズが転がっていくようにスムーズで、抜群の推進力を提供してくれた。筆者は「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」でも走ったことがあるが、しばらく走った段階で「反発性と推進力は『ナイキ ズーム フライ』以上だけど、自分の脚力だとグラつきを感じるなぁ……」と、レースでの起用はあきらめたことがある。自分には“跳ねる”ような「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」よりも、“転がる”ような「ナイキ ズーム フライ」のほうがマッチすることを、両方のシューズを走り比べることで理解できたのである。

「ナイキ ズーム フライ」

「ナイキ ズーム フライ」

「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット」

「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% フライニット」

「ナイキ ズーム フライ フライニット」の進化点をチェック!

さて、今回登場した「ナイキ ズーム フライ フライニット」は、「ナイキ ズーム フライ」から大きくスペックチェンジが行われている。

まず外観デザインについて。つま先に大きく「スウッシュロゴ」が入れられたアッパーデザインから、アッパーサイドに「スウッシュロゴ」を入れたデザインへと変更。デザインの独自性は前モデルのほうがあったかもしれない。

アッパーサイドに「スウッシュロゴ」が入った「ナイキ ズーム フライ フライニット」

アッパーサイドに「スウッシュロゴ」が入った「ナイキ ズーム フライ フライニット」

そして、アッパー素材には新たに「ナイキ フライニット」という編み物素材を使用。伸縮性のあるこの素材は、前モデルよりもフィット性にすぐれ、足幅の広いランナーにもある程度対応してくれそうだ。ミッドソール/アウトソールのデザインは前モデルを踏襲するが、実は素材が大きく変更されている。ミッドソール素材は「ナイキ ルナロン」だったのが「ナイキ リアクト」へ、そして内蔵プレートは「カーボンナイロン」から、より反発性の高い「カーボンファイバー」へと変更となったのである。

アッパーは伸縮性にすぐれ、フィット感の高い「ナイキ フライニット」を採用。長時間のランでも快適性を失わない

ミッドソールのデザインはほとんど変わらないが、素材が「ナイキ ルナロン」から「ナイキ リアクト」へ、そして内蔵されたプレートが「カーボンナイロン」から「カーボンファイバー」へと変更。より反発性の感じられる走り心地を実現した

アウトソールパターンは、「ナイキ ズーム フライ」から変更なし。アスファルトやコンクリートといったオンロードで最高のグリップ性を発揮する

走り心地は「ナイキ ズーム ヴェイパー フライ4%」に近い

実際に履いて走ってみた!

実際に履いて走ってみた!

実際に足を入れて立ってみると、まず感じるのはソールユニットのやわらかさ。これは先述の通り、ミッドソールが「ナイキ ルナロン」から「ナイキ リアクト」へと変更されたことがその大きな理由だろう。「ナイキ ルナロン」は、「衝撃吸収性」「反発性」「軽量性」「耐久性」を高次元で確保した素材であり、ミッドソールを手で触っても、「ナイキ ズーム フライ」よりも「ナイキ ズーム フライ フライニット」のほうがやわらかいことはすぐにわかる。

次に走ってみると、推進力の高さはすぐに感じられたが、しばらくしてあることに気づいた。それは、このモデルの走り心地が“転がる”というよりも“跳ねる”感じで、「ナイキ ズーム フライ」よりも「ナイキ ズーム ヴェイパー フライ4%」のほうに近いということだ。

試走初回は日課の6kmを、2回目はいつもより距離を伸ばして10kmを走ったが、着地から蹴り出しまでのスムーズさは共通していたものの、最初は「ナイキ ズーム フライ」との走行感の違いにとまどった。しかし、2回目のランを走り終えるころには「この走り心地もいいかも!」と思えるようになった。そして3回目、4回目では、このシューズの特性をほぼ理解することができ、中足部より前で踏みつけるように着地して蹴り出す動きをマスター。5分/kmを切るペースをほかのシューズとは比べものにならないくらいに軽くマークできたのは驚きであった。

【まとめ】自己記録更新を目指す人に最適

「ナイキ ズーム フライ フライニット」は、「着地が中足部よりも前で、フルマラソン、ハーフマラソンで自己記録を更新したい!」というランナーにピッタリの1足だと思う。日々のランニングで、速めのペースで軽快に走るのにも向くだろう。

逆に「リゾート地のマラソンをゆっくりと走りたい!」「景色を眺めながら走りたい」というようなランナーにはすすめられない。それは、このシューズを履くことによって意図したペースよりもいつの間にか速く走ってしまうからだ。このようなランナーには「ナイキ リアクト フライニット」のようなモデルのほうが向いているはずだ。

「ナイキ ズーム フライ フライニット」のカラーバリエーション。公式オンラインショップ価格は、17,280円(税込)

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。

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