オグさんです。
今回はピンのユーティリティー(以下、UT)「G410 ハイブリッド」を試打させてもらいましたのでレポートしたいと思います。
ヘッド素材:ボディ-17-4ステンレススチール・フェース-マレージング鋼C300
ロフト:#2 17°/#3 19°/#4 22°/#5 26°/#6 30°
同社の契約プロがG410シリーズを使用して世界中で勝利をあげており、高性能なクラブとして認知され、好調なセールスを記録しているそうです。このクラブもそのひとつで、日本でいう「UT(ユーティリティ−)」の中では人気のあるモデルですね。
今まで同シリーズのモデルをたくさん試打させてもらいましたが、どれも打点のミスに強く、直進性の高いものばかりでした。これは同シリーズの基本コンセプトと一致するもので、当然この「G410ハイブリッド」も同じコンセプトで設計されています。
低く深い重心設計を追求し、打点を外してもヘッドがブレにくく、飛距離と高弾道をできるだけ維持する工夫がなされています。また、ドライバーやFW同様に弾道調整機能が搭載されているので、自分の打ちたい弾道に合わせて細かく調整することが可能になっています。
シリーズ共通のデザイン。UTでもソールの最後方にウェートを配置し、低く深い重心を実現させています
空力を考えたクラウン上の突起、タービュレーターがUTにも搭載されていて、ひと目でピンのクラブと認識できます。オーソドックスでクセのない形状ですが、フェースはやや面長でやさしそうな印象を与えてくれます
硬度の高いマレージング素材をフェースに採用し、高いボール初速を実現させています。ソールはややラウンドしていて抜けもよさそうです
お尻の低いシャローバック形状で、いかにもボールが上がりやすそうですね
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構えてみると、UTにしてはやや面長で、左右のミスに強そうな印象を受けます。投影面積もそれなりにあり、難しそうなイメージは一切湧きませんね。ポンと置いたときの座りが非常によく、フェース面を目標に合わせやすいです。
特に意識することなく2〜3球打ってみると、適度に上がる直進性の高い弾道で飛んでいきました。少し曲がるかな?といったミスにもしっかりと対応してくれ、直進性の高い弾道が簡単に打てますね。芯を左右に大きめに外して打ってみましたが、飛距離ロスは少なめで曲がりも少なかったです。打点のミスにかなり強いといえます。
球質は、低スピンというよりは適正なスピン量でフワッとした軌跡を描きます。どちらかと言えば、飛距離を追求したというよりは、グリーンを狙うモデルといった仕上がりです。打感はやや硬めの感触で、金属音を伴いながらパンとボールが飛び出ていく感じ。弾き感が強いので、やわらかい感触が好きな方は硬いと感じるかもしれませんね。
個人的に気に入ったのが、ロフトが多い番手だとつかまり具合が高まり、左に飛んでしまうUTが多いのですが、このモデルにはそれがない点。短い番手でもしっかりと目標に向けて上からグリーンを攻めることができそうです。
「キンッ」と「カンッ」の間ぐらいの、やや高めの打音。弾き感が強めで少し硬めに感じる打感ですが、独特の気持ちよさがあります。“飛びそうに感じる打感”とも言えるかもしれません
このウェートが重心を低く深くしてくれているので、打点を少々外してもヘッドがブレにくくなり、飛距離ロスや曲がりを抑えてくれます
ロフトとライ角(フラット方向に)弾道調整機能はロフトの他にライ角をフラット方向に調整することができます。左につかまり過ぎてしまうといったときに使うといいでしょう。UTでは右よりも左のミスに悩む方が多いので、これはありがたい機能です
ピンは標準で選べるシャフトが非常に多いのですが、その中から今回は3種類打たせていただきました。
上から「NSPRO MODUS3 TOUR105」「Tour173-85」「ALTA J CB RED」
「ALTA J CB RED」はG410シリーズ共通の純正シャフト。クセがなく適度なしなりと弾き感を持ちながら、しっかりヘッドを走らせてくれます。ミートもしやすくタイミングも取りやすいので使い手を選ばないモデルと言えます。やや軽めに仕上げてあるので、アイアンで純正のカーボンシャフトを使用している方はまずこのモデルから試すといいですね。
「TOUR173-85」は、ALTAをもう少しシャキッさせた、弾き感がより強いシャフト。つかまりも抑えてあり、どちらかと言えばインパクトで強くたたくゴルファーに向いています。90g台以上のスチールシャフトが刺さったアイアンを使っている方はこのあたりから試すといいでしょう。少しハードに感じたらALTAを試してみてください。
「NSPRO MODUS3 TOUR105(モーダス3 ツアー105)」はアイアン用のスチールシャフト。シャキッとした振り味で、より緻密にターゲットを狙いたい方に合うシャフトと言えます。120g台の重量スチールをアイアンで使用している方で、しっかりとした振り味を求める方にいい組み合わせです。
ALTA・#3:少し右に出てわずかなドロー回転のいい弾道でした。ロフトを増やせばもう少し打ち出し角が稼げるので200ヤード以上からでもグリーンが狙えそうですね。直進性の高さが大きな武器になります
ALTA・#4:同じようなフィーリングで打てて、弾道もほぼ同じ。打ち出し角が上がり、スピンが増えているのでよりグリーンで止まる弾道になっています。番手別での流れもばっちりですね
G410ハイブリッドは、直進性が高くて打点のミスに強い、グリーンを狙えるクラブに仕上がっていました。番手のラインアップが豊富で17°の2番から30°の6番まであり、ロングアイアンから、フェアウェイウッドの飛距離までをカバーできます。従来の使い方に多い「フェアウェイウッドとアイアンの間を埋めるクラブ」として使うもよし、ロングアイアンより上がりやすい特性を利用して「短い番手をロングアイアンの代わりとして使う」もよし。さらに、FWより高さを抑えて、ライナー性の弾道で飛ばしたいなら長い番手をバッグに入れるもよしと、いろいろな使い方ができるモデルだと思います。
選ぶときにちょっとだけ気を配ってもらいたいのがシャフトです。40g台のモデルから120g台まで非常に多くのシャフトが用意されています。自身の使用しているアイアンシャフトの重さより、同じか少しだけ軽いモデルを使うとクラブの流れがよくなりますので、よりミートしやすいクラブとして仕上げることができますよ。
写真:野村知也
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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