ゴルフの楽しさ伝えます
アジア向けの鍛造モデル

SM7とどこが違う? 「ボーケイ フォージド ウェッジ」試打

オグさんです。

今回はタイトリストの「ボーケイフォージドウェッジ」を試打させていただきました。

ロフト別に重心位置を最適化!

「ボーケイ」とは、アクシネット社が持つゴルフブランド「タイトリスト」に属するウェッジのブランド。ボーケイではワールドワイドのモデルである「SM(スピンミルド)」シリーズが有名ですが、今回試打させていただいた「ボーケイフォージド」は、日本を中心としたアジア向けに設計されたシリーズです。

このボーケイフォージド、非常に凝った設計になっています。ウェッジはロフト角によって求められる性能が異なり、52°までは主にフルショットでのボールコントロール、それ以上のロフトはシビアな環境からの安定したボールコントロールが求められます。

それぞれのロフト角で求められる性能を実現するためにはスピン量をコントロールする必要があり、そのためにはロフト別に重心の位置を最適化しなければなりません。ヘッド内部にボディ素材の軟鉄とは異なる比重のタングステンやチタンを内蔵することによって、ボーケイフォージドではロフトごとに最適な重心位置を実現させているのです。

ボーケイのウェッジはソールの形状(グラインド)を非常に重要視していて、用途や打ち方などに合わせて複数のソール形状を用意しています。今回の試打でお借りしたボーケイフォージドは4種類、ワールドワイドで展開するSMシリーズの最新モデル「SM7」では実に6種類ものソールバリエーションがあり、好みに応じてソールを選択できるようになっています。

シンプルでありながらどこか高級感をも感じさせるデザイン。仕上げもていねいで美しい

シンプルでありながらどこか高級感をも感じさせるデザイン。仕上げもていねいで美しい

セミグースのネックをはじめ、日本人の好む形状をしっかり研究して作り込まれた顔は、非常に構えやすいですね。仕上げは、シルバーで反射を抑えた「ツアークローム仕上げ」(左)と、精悍(せいかん)なイメージで光を反射しない「ブラックPVD仕上げ」(左)の2種類を用意。ウェッジに求められる性能を細かい部分まで追求したモデルとなっています

■Sグラインド

バンスは8°(カタログ値、以下同)

バンスは8°(カタログ値、以下同)

トレーリングエッジ(ソールの後方側)を小さめに削り、スクエアに打つときは適度なバンス効果を発揮させ、フェースを開いたときにバンス効果が大きくなりすぎないように設計されています。「いろいろな打ち方をしたいけど、クラブには適度に助けてほしい」といった方におすすめです。

■Mグラインド

バンスは10°

バンスは10°

ソールのトレーリングエッジ部分をトゥからヒールにかけて“Uの字”のように大きく削った形状。スクエアに打つときは接地面が小さく、バンス効果を減らして直接ボールにコンタクトしやすくなっています。開いたときにもバンスが増えにくくなっていて、さまざまな打ち方に対応する、テクニシャン向けの形状と言えますね。

■Kグラインド

バンスは12°

バンスは12°

ソールの幅を広くすることで接地面積を増やし、自然とバンス効果を発揮するグラインド。繊細なテクニックは使いづらいですが、その分オートマチックに打ちやすいメリットがあります。特にバンカーで威力を発揮します。

■Fグラインド

バンスは10°

バンスは10°

安定してソールが接地し、バンス効果を発揮しやすくしたモデル。主にフルショットすることの多いロフト角の少ないモデルに設定されています。

SM7との違いは“出っ歯”の具合

今回は芝の上から試打をし、それぞれの性能の違いを確認してみました。

ボーケイウェッジにはほかに、以前試打させてもらったワールドワイドモデル「SM7」がありますが、ボーケイフォージドとの一番の違いは、FP値。つまり“出っ歯具合”だと思います。ボーケイフォージドはセミグースに仕上げられており、ややボールを包み込むような印象がありますね。

これらの違いは、構えたときのボール位置や打ち方などに影響します。シビアなコントロールをするのであれば、ボールに直接コンタクトしやすい出っ歯のSM7が適していると言えますが、日本のコースの芝ではよほどのコンディションでないとボールは沈まないので、ボーケイフォージドでも十分だと思います。

操作性を細かくチェックするなら、それぞれを芝の上で比較試打しないと判断はつかないでしょう。個人的に、ウェッジは構えやすさがとても重要だと考えていますので、構えやすさ、顔の形で選んでもいいと思います。

ボーケイウェッジに共通するよさは、さまざまなシチュエーションでも大きなミスをしづらい点。安定したアプローチがしやすいですよ

ソールのヌケはグラインドによって異なりますが、プロツアーからのフィードバックによって作れているウェッジだけあって、どれも適度に抜けてくれます。アプローチでダフリのミスが多いなら「Kグラインド」がいいでしょう

わざわざアジア向けに軟鉄鍛造を採用しているだけあり、ボールコントロールのしやすいやわらかな打感です。性能をしっかり生かすためには、スピン系に多い「ウレタンカバーのボール」を使うといいでしょう

ロフトとグラインドの選び方について

ボーケイフォージドはアジア向けに設計されているだけあり、形状、性能、所有感、すべてにおいて非常に完成度が高いと感じました。

私は、ウェッジはアイアンよりもさらに細かく打ち方やボール位置に合わせて選ぶべきだと考えています。以下、ボーケイフォージドについて、私の勝手な解釈でおすすめのグラインドなどを選んでみました。とはいえ最後は個々人の感じ方なので、なかなか断定できないのがツラいところでは
ありますが……。

まず、ロフトの選び方について。58 °以上はヘッドがボールの下を抜けてしまう、いわゆる“ダルマ落とし”になりやすくなるので選ばないほうが得策と考えます。

一番飛ぶウェッジのロフトはご自身がお使いのPW(ピッチングウェッジ)のロフトに合わせて選ぶことをおすすめします。そうしないとPWとその下のウェッジの飛距離差が大きくなってしまい、より距離感を出しづらくなってしまいますから。

ウェッジは2〜3本を入れるのが一般的ですが、ウェッジ間でのロフトピッチは、ある程度均等でいいと思います。4〜6°くらいの間隔でウェッジをそろえると使いやすいでしょう。

次に、ソールについて。距離感の出ない方、同じ打ち方をしているのに飛ぶ距離が毎回バラバラだという方は、基本的にバンス効果の大きい、Fグラインドなどがおすすめです。

バンカーが苦手な方は「58K」がいいですね。無理にフェースを開かず、真っすぐ構えてソールをボールの手前の地面になだらかに接地させるイメージで使うと、オートマチックに脱出することができますよ。バンカーだけは、大きなロフトによってボールが上がりそうに感じて安心できるという方が多いので58°を選びました。不安があるとボールを自分で上げようとしてしまい、ミスショットにつながってしまうので。

テクニックを使いたい方は、「Mグラインド」がおすすめです。バンスの効果が抑えめで、ボールに直接コンタクトしやすいモデルと言えます。地面が硬くシビアな場面が多いコースなどでプレーする方は、バンス角が少なめのモデルにするとボールを直接打ちやすくなります。ロフトは、自身の打ちたい距離に合わせて選ぶといいと思います。

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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