レビュー
小径自転車に取っ手を付けたら持ち運び性がアップ!

30秒かからずに輪行準備完了! モバイルバッテリーで走る電動アシスト自転車「アウトランクe」


収納や持ち運びが便利なことでも人気の高い小径自転車(ミニベロ)だが、今流行りの電動アシスト自転車となると重量が増してしまい、持ち運びの気軽さが損なわれてしまう。その課題を、モバイルバッテリーを採用することで解決したミニベロタイプの電動アシスト自転車「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」を以前紹介したが、もう1台、同仕様の気になるモデル「アウトランクe」が2019年7月にリリースされたのでチェックしてみた!

モバイルバッテリーと取っ手で持ち運びしやすいを実現

14インチの小径タイヤに全長約120cmのフレームを備えたミニベロタイプの電動アシスト自転車「アウトランクe」は、気軽に持ち運びできることをコンセプトとした仕様となっている。そのひとつが、軽量化。大容量のバッテリーではなく、モバイルバッテリーとすることで総重量13.2kgを実現した。モバイルバッテリーを採用する電動アシスト自転車のラインアップはほとんどないので、このタイプが欲しいなら選択肢は限られる。そこで、筆者が以前レビューした、同じ仕様のGIC「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」(14インチモデル)とスペックを比べてみた。車重は「アウトランクe」のほうが1.3kg重いが、航続距離は「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」のほぼ倍となる24km。モバイルバッテリーを交換すれば航続距離を気にせず走行できるが、一度の充電で長く走れるほうが安心は高まる。

サイズは120(長さ)×44(幅)×61(高さ)cmで、適応身長は140cm〜となっている。車重は13.2kgだ

サイズは120(長さ)×44(幅)×61(高さ)cmで、適応身長は140cm〜となっている。車重は13.2kgだ

カラーは、今回借りたイエローのほか、グリーンもラインアップ

カラーは、今回借りたイエローのほか、グリーンもラインアップ

タイヤは前後とも14インチ。クロスバイクなどに採用されるVブレーキを装備する

タイヤは前後とも14インチ。クロスバイクなどに採用されるVブレーキを装備する

変速ギアも装備されていないシングルスピードだが、前後ギア比は小径タイヤに合わせて設定されているので、たくさん漕がなければ進まないということはなさそう

電動アシストユニットは車体中央部に搭載。運転モードの切り替えなどは装備しないシンプルな設計だ

電動アシストユニットは車体中央部に搭載。運転モードの切り替えなどは装備しないシンプルな設計だ

ハンドル中央にあるのが、「アウトランクe」の動力となるモバイルバッテリー(容量4Ah)。満充電で、最長24kmアシスト可能となっている

バッテリーの前方にはLEDライトが装備されている

バッテリーの前方にはLEDライトが装備されている

持ち運び性に注力した「アウトランクe」だが、ハンドルは折りたためるものの、フレームを折りたたむ機構は搭載されていない。折りたためないのに“気軽に持ち運べる”とはどういうことなのか? と疑問であったが、折りたためるタイプの自転車は工具を使わずに簡単にコンパクトにできるが、それですら困難やめんどうに感じる人もいる。そんな層に、極力折りたたみの手間を省きつつ、持ち運びしやすくした工夫を施したのが「アウトランクe」だ。その工夫とは、フレームに装備された持ち手。走行中に段差や階段があれば持ち手を持って移動でき、輪行したくなったらハンドルを折りたたんで運べばいい。なお、前述で比較したGIC「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」は、フレームを折りたたむことができる。

フレーム中央にあるハンドルが、持ち運び性を高めるための工夫だ

フレーム中央にあるハンドルが、持ち運び性を高めるための工夫だ

ハンドルを持つと車体が安定するので、自転車を持ち上げて階段の上り下りもしやすい

ハンドルを持つと車体が安定するので、自転車を持ち上げて階段の上り下りもしやすい

電車や自動車で輪行したい時は、ハンドルを折りたたもう。もちろん工具不要で折りたためる

電車や自動車で輪行したい時は、ハンドルを折りたたもう。もちろん工具不要で折りたためる

自動車に乗せる場合はハンドルを折りたたむだけでもいいが、電車で輪行するならサドルも1番下まで下げたほうがいい

もっともコンパクトな状態がこちら。サイズは約120(長さ)×44(幅)×61(高さ)cmになる

もっともコンパクトな状態がこちら。サイズは約120(長さ)×44(幅)×61(高さ)cmになる

電車で輪行する際は、自転車全体をおおうことが鉄道会社の規則となっているので輪行バッグに入れよう

電車で輪行する際は、自転車全体をおおうことが鉄道会社の規則となっているので輪行バッグに入れよう

今回使用する輪行バッグは、「アウトランクe」の専用のもの(メーカー希望小売価格2,980円/税込)。使用時のサイズは大きいが、収納袋に入れれば小さくなるので持ち歩いてもそれほどじゃまではない

専用の輪行バッグを使ったとしても、どこかしらがつっかかり、何度か自転車を入れる場所を調整しないとバッグが閉まらないことも多いのだが、「アウトランクe」は比較的すんなりと収めることができた

「ハンドルを折りたたむ」「サドルを下げる」「輪行バッグに入れる」の3ステップで準備完了。同タイプの自転車の場合、フレームを半分に折りたたみ、なかにはペダルを外さなくてはならないものもあるので、「アウトランクe」よりは手間がかかるのは間違いない

ペダルを付けたまま収納しているので、ペダルが張り出し、自分の体にぶつかったり、電車に乗った際には周囲の人のめいわくになるではないかと懸念していたが、思ったよりも出っ張りが小さいので、それほど問題にはならなそう

ちなみに、この「アウトランクe」の専用輪行バッグは車体に装備された取っ手を持って運べるようにもなっている

なお、自動車に積む際も取っ手が役立った

なお、自動車に積む際も取っ手が役立った

今回は、トヨタ「プロボックス」の荷台に積んでみた。「アウトランクe」のフレームは折りたためないが、サドルを上げたままでも問題なし。セダンタイプの車種にも余裕を持って載せられる

輪行して散策してみた!

さっそく、「アウトランクe」を輪行して、電車で移動した先でサイクリングを楽しんでみる!

電車に乗って、東京都・お台場のほうまで移動してきた。電車に乗っている時は輪行バッグを床に下ろしているので問題ないが、肩にかけて歩くとなると13kg強の車重でもけっこう負担はかかる

人通りがなかったので、駅から出たところで組み立て。と言っても、バッグから出してハンドルを起こし、サドルを上げれば完了だ。出発まで時間がかからないのは、とてもいい

場所は異なるが、組み立てに時間がかからないことを動画で証明する(下の動画参照)。比較的ゆったりと作業しても20秒ほどで完成した。

まずは、乗り味を確かめるため、近くを行ったり来たりしてみる。

走り出す前に、バッテリーに装備されているボタンを押して電動アシスト機能をオンにする。バッテリー残量は、インジケーターで確認可能

子乗せタイプの電動アシスト自転車ほどの強力なアシスト力はないものの、この車体サイズにちょうどいい出力。それでも、想像よりもパワフルだ

身長175cmの筆者が乗ると、ややきゅうくつな感じはある。もう少しサドルを高くしたほうがペダリングはラクになるのだが、この高さが限界。といっても、電動アシスト機能があるので足への負担はほぼない

ハンドルの高さも工具なしで調整できる。サドルとハンドルの高さを工夫して、自分に合う姿勢で乗車しよう

ハンドルの高さも工具なしで調整できる。サドルとハンドルの高さを工夫して、自分に合う姿勢で乗車しよう

普通に乗っている分には問題はないが、タイヤが小さく、ホイールベースも短いため、曲がる際に若干の不安定さを感じた。でも、すぐに慣れてしまったので大きな問題ではない

「アウトランクe」に慣れてきた頃に、登り坂が出現。無事に登り切れるかどうかの結果は、下の動画でご確認を!

街中にあるものとしてはきつい部類に入る坂道だったが、上の動画のように、ゆっくりペダルを回しているだけでスルスルと登れてしまった。一般的な街中を走るには十分のアシスト力を備えていると言っていいだろう。

坂道を登るのはまったくラクであったが、下りで若干不安を感じた。といっても、それはスピードを出し過ぎてしまった時。タイヤが小さいため、スピードが出ると車体が不安定になってしまうのだ。ブレーキの効きは悪くないので、下り坂はスピードを抑えめにしよう

「アウトランクe」の大まかな乗り味はわかったので、あとは自由に自転車を走らせる。海が近いので、潮風が心地いい

目についたところに、ふらりと寄れるのが自転車のいいところ。公園内に入ってみることにした

目についたところに、ふらりと寄れるのが自転車のいいところ。公園内に入ってみることにした

奥のほうにいくと海が見えたはずなので進んでみたが、残念ながら改装工事中。こういう時、徒歩なら「ちょっと見に行こう」という気持ちにならないが、電動アシスト自転車だとちゅうちょすることなく進めるのもいい

今回は、1回の充電でアシスト機能が持続する24km以下の距離しか散策しなかったが、旅先でどれほどの距離を自転車で走るかわからないような時は、予備のモバイルバッテリーを用意しおくと安心だ。

バッテリーはマグネットと金具で留められているだけなので、簡単に着脱できる。バッテリーの重量は約640g

バッテリーはマグネットと金具で留められているだけなので、簡単に着脱できる。バッテリーの重量は約640g

専用の充電器で充電しなければならないが、小型なので、旅先などに持参するのもおっくうではない。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約3時間かかる

予備バッテリーや充電器を入れるのにちょうどいいサドルポーチも標準で付属。ただし、防水仕様ではないので濡れないように工夫は必要だ。ちなみに、予備バッテリーのメーカー希望小売価格は19,440円(税込)で、バッテリー寿命は約300回

バッテリーは「アウトランクe」の電力になるだけでなく、スマートフォンなどの充電にも使える。ただし、充電しながら走行することはできない

まとめ

「アウトランクe」はフレームを折りたたみできないので、正直、気軽に持ち運べるとは言えないのではないかと思っていた。実際に「アウトランクe」を使ってみると、想像したとおり、一般的な折りたたみタイプほどコンパクトにならないので、電車で輪行するには少々サイズがネックだと感じた。サイズ感だけで言えば、ロードバイクも輪行時のサイズは大きくなるが、電動アシスト機能なしのものであれば軽いので、重さの負担は少ない。だが、折りたたむ作業や乗れる状態に戻す作業が数十秒で完了する「アウトランクe」の起動性の高さは魅力である。自転車を持ち上げやすいハンドルを装備しているのも、おもしろい工夫だ。このようなことを考慮すると、「アウトランクe」は電車よりも自動車での輪行に向いているように思う。小さなタイヤで変速ギアが付いていない設計なため、長距離をラクに走れるとは言いづらいが、旅先での散策程度であれば不満は感じないはず。

今回は短距離移動だったので走行性については、この手の電動アシスト自転車という感じで納得するレベルであったが、グリップのザラザラとした質感は少々気になった。グリップは自分で交換もできるところなので、購入したらカスタマイズしたい部分だ

ちなみに、「アウトランクe」と同じようにモバイルバッテリーを採用したGIC「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」には、変速ギアのない14インチモデルとシマノ製6段変速を備えた16インチモデルがラインアップされている。走行性を重視するなら、タイヤ径も大きいので「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」の16インチを選ぶほうがいいだろう。車重は「アウトランクe」よりも0.4kg軽いくらいだが、フレームも折りたためるので、輪行時のサイズは小さくできる。ただし、航続距離は約10〜12kmと「アウトランクe」の半分程度。モバイルバッテリーを電力とした小径タイプの電動アシスト自転車が欲しいなら、手軽に持って出かけ、なるべく長距離を走りたい派は「アウトランクe」、コンパクトに折りたたみたい派は「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」の14インチ、走行性にもこだわりたい派は「ULTRA LIGHT E-BIKE TRANS MOBILLY」の16インチというように選ぶといいかもしれない。

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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