南井正弘の「毎日走って、わかった!」
秋冬シーズン注目の7モデルを専門家が履いて走ってレビュー!

《2019〜2020年》人気の最新ランニングシューズ7足! 正しい選び方と目的別カタログ

ランニングシューズのプロが、あまたあるモデルの中から優秀な7足を厳選!

ランニングシューズのプロが、あまたあるモデルの中から優秀な7足を厳選!

ランニングシューズは、ユーザーの足のサイズや走り方、必要としているものによって、履くべきモデルが変わってくる。選び方を紹介する記事はネットにあふれているが、なかにはメーカーのカタログ情報をそのまま掲載している記事や、選び方が時代遅れな記事など、“眉唾物”も残念ながら存在する。

本稿では、ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長であり、「価格.comマガジン」で連載も担当している南井正弘さんに「ランニングシューズの正しい選び方4か条」を指南していただいた。また、毎日必ず走るという南井さんが、すべて履き試ししてわかった最新モデル7足の魅力を、3タイプ別に紹介する。

南井さんが指南! 本当に正しいシューズの選び方

本当に正しい選び方(1)
大きすぎても小さすぎてもダメ! ジャストサイズを選ぼう

ランニングシューズを選ぶ際に初心者にありがちなのが、大きめのサイズを買ってしまうこと。普段履きにしているスニーカーについては、脱ぎ履きのことを考えて少し大きいサイズを履いている人は珍しくありませんが、ランニングシューズを選ぶときには、それはNG。かかとをぴったりフィットさせ、つま先に少しゆとりがあるサイズを選びましょう。

あと、足長だけでなく、足幅のフィットも重要。最近では「ワイド」や「スリム」のように足幅を選べるモデルもありますので、幅広の人や足が細い人はそれらをトライするのもよいでしょう。

ミズノの「ウエーブライダー 23」の「スーパーワイド」モデル。ミズノの場合、「スーパーワイド」はJIS規格では4E相当で、足囲が標準モデル(JIS規格2E相当)よりも12mm広い足型を使用している

本当に正しい選び方(2)
初心者にとって「軽いシューズ」=「いいシューズ」ではない!

手に持ったときに軽いシューズは、「速く走れそう!」と思うかもしれませんが、脚力のないビギナーが、そういったシューズを履くのは避けましょう。

走行中には体重の3倍程度の衝撃が脚部にかかると言われていますが、軽量なランニングシューズは衝撃を吸収するための機能を省略することで軽量化を図り、脚力を効率よく路面に伝達することを重視しているので、衝撃がダイレクトに足に伝わってしまうのです。

こういったシューズを初心者が履くと、走り始めはいいかもしれませんが、しばらくしたら足が痛くなってしまいます。ビギナーは足の保護性の高いシューズを選ぶべきなのです。

今回紹介するモデルは、初心者向けなので300g前後(メンズ27cm片足)のモデルが多い。なかでも1番軽いのは、ホカ オネオネの「クリフトン6」(写真)で255g

本当に正しい選び方(3)
自分自身の走りのタイプに合ったランニングシューズをセレクト!

着地から蹴り出しまでの一連の動作において、脚が内側に倒れこむことを「プロネーション(回内)」と言います。この動きが軽度の場合はさほど問題ありませんが、この動きが過度になると「オーバープロネーション(過回内)と言い、ケガの原因になります。こうしたランナーは、ミッドソール内側に過度な倒れ込みを防ぐ機能を持つシューズを選ぶといいでしょう。

「オーバープロネーション」を防ぐようなシューズは、着地から蹴り出しまでの動きを補助することからサポートタイプと呼ばれ、正しい脚の動きで走りたいランナーからも人気を博しています。

本当に正しい選び方(4)
注目の厚底タイプのランニングシューズは誰でも履ける?

最近のランニングシューズのトレンドと言えば、何と言っても厚底タイプ。世界記録を樹立したランナーから市民ランナーまで、幅広い層のランナーが履いており、そのシェアは拡大の一途をたどっています。

今回紹介するモデルの中では、ホカ オネオネの「クリフトン6」がそれに当たりますが、ひと口に厚底シューズと言っても、その機能的な特徴は千差万別。「クリフトン6」のようにビギナーが履いても問題ないシューズから、中級レベルでないと履きこなすのが難しいモデルまで、さまざまなタイプが存在します。可能ならショップスタッフに相談して、ビギナーでも履きこなせるタイプかどうか確認してから購入するほうがいいでしょう。

タイプで選ぶ! 2019年秋冬シーズンの注目モデル

■タイプA
とにかく足を保護したいランナーは
クッションタイプをセレクト!

「いつも走っている途中で足が痛くなる……」というランナーは、衝撃吸収性にすぐれたタイプを選ぶべき。ランニングの着地時には体重の3倍ほどの衝撃が足にかかると言われていて、足が痛くなりやすいというランナーは、この衝撃をしっかりと吸収してくれるクッション性重視のタイプを選びましょう。足の痛みの心配がなければ、走ることがこれまで以上に楽しくなり、おのずと走行距離も伸びていくはず。体重の重いランナーにも同じことが言えます。

クッション性重視タイプ1
ホカ オネオネ「クリフトン6」

ホカ オネオネは、2009年の創業以来、極厚ミッドソールによる比類なきクッション性と推進力により、世界中で躍進を続けるブランド。「クリフトン」は、同社のラインアップにおいてベストセラーの一角を占めており、適度な厚さにより一般的なランニングシューズからの履き替えも容易なシリーズです。

第6弾となる「クリフトン6」は、前作からフルモデルチェンジ。アッパーのフィット感がさらにアップし、アウトソールはグリップ性と耐久性が向上しています。

ホカ オネオネ「クリフトン6」の「ネブラス ブルー/レモン」。公式サイト価格は、16,500円(税込)

ホカ オネオネ「クリフトン6」の「ネブラス ブルー/レモン」。公式サイト価格は、16,500円(税込)

【南井さんの“走ってわかった”!】
「『クリフトン』は、第2弾モデルから履いていますが、一般的なランニングシューズとホカ オネオネで最も厚底の『ボンダイ』の中間程度のミッドソールの厚さなので、他社のシューズから履き替えても違和感はないと思います。今回のモデルチェンジで個人的に気に入ったのが、アウトソールの耐摩耗性が向上したこと。脚にやさしいクッション性とゆりかご状のソールユニットによる推進力、そして軽量性をキープしつつ、耐久性がアップしました」

クッション性重視タイプ2
On「クラウドストラトス」

Onは今、世界で最も成長率が高いと注目されているランニングブランド。2010年の創業以来、独自のクッショニングテクノロジー「クラウドテック」による自然な着地感と力強い反発性能により、数多くのランナーを魅了してきました。

「クラウドストラトス」は、2層の「クラウドテック」を採用した初のモデルで、衝撃吸収と反発性能を向上させるとともに、高いレベルでの安定性をキープ。ウルトラマラソンのような超長距離を走るランナーにも向いています。

On「クラウドストラトス」の「Orange/Wash」。公式サイト価格は、18,480円(税込)

On「クラウドストラトス」の「Orange/Wash」。公式サイト価格は、18,480円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「従来モデル『クラウドスイフト』に初採用された『ヘリオン』というミッドソール素材を使用しており、立っている状態では従来のOnのシューズよりも硬さと安定感を感じます。しかし、走り始めて、あえて強く踏み込むように着地をすると、2層構造の『クラウドテック』が、しっかりとランナーを守り、押し返してくれているのを感じられました。脚部の保護性を重視したシューズは、走りに面白みがない場合が多いですが、このモデルはそんなこともありません」

■タイプB
推進力を重視したタイプは
ステップアップを後押し!

ランニングが日課となり、定期的に走るようになると、距離やスピードにおいてレベルアップしたくなります。そんなときに大きな味方となるのが、推進力にすぐれたモデルです。着地時の衝撃を吸収しつつ、効率的に前進方向の推進力へと変換してくれるため、より速いペースで走ることを助けてくれます。グイグイと背中を押されるような感覚が心地よいですね。各モデルの走り心地の違いを体感し、自分に合った1足を選びましょう。

推進力重視タイプ1
アシックス「グライドライド」

2019年2月、独自のソールユニット形状と、アシックスの最新技術を結集することで、これまでの同社ランニングシューズにはないレベルの推進力を確保した「メタライド」が発売されました。このモデルは、ワールドワイドで高い注目を集めることに成功しましたが、9月にリリースされた「グライドライド」は、その「メタライド」に迫る推進力をリーズナブルな価格で実現。ビギナーから中級ランナーまで、幅広い層のランナーが、その抜群の推進力を体感することができるようになりました。

アシックス「グライドライド」の「SPEED RED/BLACK」。公式サイト価格は、17,600円(税込)

アシックス「グライドライド」の「SPEED RED/BLACK」。公式サイト価格は、17,600円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「2019年の『東京マラソン』では、『メタライド』を履いて出走しましたが、着地から蹴り出しまでのスムーズな体重移動と、抜群の推進力を体感することができました。今回リリースされた『グライドライド』も似た構造のソールユニットを採用し、『メタライド』に迫る効率のよい走行性能を実現しています。そして、この2モデルで最も大きな違いだと思ったのは、『グライドライド』のほうが接地の感覚がやわらかいこと。やさしい走り心地を提供してくれます」

推進力重視タイプ2
ニューバランス「フューエルセル レベル」

「フューエルセル レベル」は、「フューエルセル」と呼ばれる高反発素材を前足部に配し、抜群の推進力を発揮するランニングシューズ。「フューエルセル」搭載モデルには、キロ6分〜5分台のペースでの走行に向く「フューエルセル プロペル」もラインアップされますが、「フューエルセル レベル」はキロ4分台で走っても十分対応してくれます。速めのペースで軽快に走りたいランナーにピッタリな1足で、買いやすい価格もうれしいですね。

ニューバランス「フューエルセル レベル」の「BLACK MULTI」。公式サイト価格は、13,750円(税込)

ニューバランス「フューエルセル レベル」の「BLACK MULTI」。公式サイト価格は、13,750円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「以前も『フューエルセル』搭載モデルを履いていましたが、構成される素材がまったく異なっていたので、今回のシューズの走り心地には興味津々でした。実際に走ってみると、中足部から前足部での着地を自然とうながされ、着地から蹴り出しへの素早いムーブメントにより、前方への自然な推進力を実感できます。これは、従来のニューバランスのランニングシューズにはなかった独自の走行感であり、走っていて本当に楽しくなりました」

■タイプC
自分の走りを理解するまでは
総合力にすぐれた1足を選ぶ!

ランニング初心者にとって、特に必要とされるシューズの機能性は、衝撃吸収性、着地安定性、そしてサポート性と言われています。この3つの要素を絶妙な配分で1足のシューズに取り入れたのが、トータルバランスを重視したタイプ。走り心地に派手さはないですが、まだ走力が十分ではないビギナーランナーにとっては、このタイプの汎用性の高さはありがたいもの。最初はこのタイプを履いて走り、自分の走りのスタイルを見つけましょう。

トータルバランス重視タイプ1
ナイキ「ナイキ ジョイライド ラン フライニット」

ソールユニット内に数千のビーズを配することで、これまでにない走行感覚を提供する新作モデル。ビーズは、分割されたポッドに内蔵。たとえば、前足部のポッドは前方へのスムーズな体重移動を促進し、かかと部分のポッドは着地時の衝撃を効率よく吸収するため、大き目に作られています。ビギナーがランニングを始めるための1足として、あるいは中級以上のランナーの軽いジョグ用にも最適です。

「ナイキ ジョイライド ラン フライニット」の「ホワイト/プラチナムティント/ブライトマンゴー/レーサーブルー」。公式サイト価格は、19,800円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「新機能『ジョイライド』を採用した1足。実際に足を入れてみると、取り外し式インソールを使用してないので、足裏にビーズの感触がダイレクトに伝わってきます。衝撃吸収性能は高く、蹴り出しもスムーズ。アメリカではビギナー対象の動画広告も作成されていますが、意外と速めのペースにも対応します。ちなみに、ナイキの公式サイトでも表示されていますが、前足部がコンパクトなので、ハーフサイズ上を選んだほうがよいかもしれません」

トータルバランス重視タイプ2
アディダス「パルスブースト HD」

最高レベルの衝撃吸収性と反発性を両立することで、スポーツシューズのミッドソール素材に革命を起こしたのが、アディダスの「ブーストフォーム」。2013年に登場したこの素材に、今季新たなバリエーションが登場しました。

「パルスブースト HD」は、「ブーストフォーム」に従来よりも硬さを与えることで、安定性が大幅にアップ。着地安定性を求めるランナーや、脚力が十分でなく、着地が不安定なビギナーにはうれしいスペックです。もちろん優秀な衝撃吸収性と反発性はキープしています。

雨や雪を弾く「バリスティック ナイロンアッパー」を搭載する全天候型モデル「パルスブースト HD ウィンター」。公式サイト価格は、15,400円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「すぐれた衝撃吸収性と反発性により、世界中に多くのファンを有する『ブーストフォーム』。『これ以外は履けない!』というランナーもいるなど、数多くのリピーターを生んできました。今回、硬さを与えるという新発想により、安定性が向上したことで、『ブーストフォーム』特有のフワフワした感覚よりも、揺れの少ない着地感を求めるランナーにも対応しました。自分の周囲でも、早速この走り心地に魅了された人は少なくありません」

トータルバランス重視タイプ3
ミズノ「ウエーブライダー 23」

ミズノを代表するクッショニングテクノロジーである「ミズノウエーブ」。衝撃吸収性、反発性、安定性を高次元で融合することにより、スポーツシューズの総合性能を飛躍的にアップさせてきました。

そんな「ミズノウエーブ」の初搭載モデルが「ウエーブライダー」。ビギナーを始めとしたあらゆるタイプのランナーに対応する汎用性にすぐれた1足です。第23弾となる今作では、アッパーのフィット感がさらに向上。長時間のランでも快適性を失いません。

「ウエーブライダー 23」をベースに、アッパーには高い防水性と透湿性に定評がある素材「ゴアテックス」を採用した「WAVE RIDER GTX(ウエーブライダー ゴアテックス)」。公式サイト価格は、17,490円(税込)

【南井さんの「走ってわかった!」】
「ミズノの『ウエーブライダー』は、自分が定期的に走り始めた12年前からヘビーローテーションで履いてきたお気に入りシリーズ。衝撃吸収性と反発性、安定性を高いレベルで確保しているので、脚力が十分でないランナーにも最適です。それでいて、しっかりとした走行性能も保持しているので、「サブ4」(フルマラソンで4時間切り)レベルのランナーにも対応してくれます。日々のランからレースまで、マルチに活躍してくれる1足ですよ」

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。

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