レビュー
自動でアシスト制御が調整される走行モードが超快適!

街乗りで目立てるミニベロタイプのe-Bikeが欲しいなら折りたたみできるBESV「PSF1」がよさげ!


スタイリッシュなモデルを続々とリリースしているe-Bike専業メーカーであるBESV(ベスビー)が、2019年9月下旬に発売したミニベロタイプの「PSF1」に乗ってみた。シリーズ初の折りたたみできるモデルなので、輪行もできそうだ!

人気シリーズに追加された折りたたみタイプ

ロードバイクタイプやマウンテンバイクタイプ、ミニベロタイプなどのe-Bikeを展開しているBESVにおいて、特に人気が高いのが20インチの小径タイヤを装備したミニベロタイプの「PS」シリーズ。後輪の軸と一体化させたハブモーターを採用することで車体のコンパクト化を図るとともに、モーターと車輪の間にチェーンがない構造となるため、ペダルを踏んだ瞬間にダイレクトなアシスト感を得られるのが特徴だ。そんなPSシリーズには、カーボンフレームの「PS1」とアルミフレームの「PSA1」がラインアップされており、新たに加わった「PSF1」は折りたたみ機構が搭載されたのが大きなポイント。基本的な車体設計はシリーズ共通だが、折りたたんだ際のスペースと重量を抑えるため、フロントにサスペンションのないリジッドフォークとなった。

既存のPSシリーズ「PS1」(左)と「PSA1」(右)は、折りたたみ機構を搭載しないタイプ。カーボンフレーム「PS1」(メーカー希望小売価格276,000円/税別)の重量は17.4kgで、最大100kmのアシストが可能。「PSA1」(メーカー希望小売価格185,000円/税別)はアルミフレームとなり、重量は19.6kgで、最大アシスト距離は90km

折りたたみできるようになった「PSF1」(メーカー希望小売価格245,000円/税別)は、アルミフレームに折りたたみ機構を搭載しながら、重量は18.3kgに留めている。サイズは1,570(全幅)×1,120(全高)×565(全幅)mm

一般的に電動アシスト自転車はペダルの位置する車体中央にモーターを搭載するセンターモーター式が多いが、PSシリーズは車体サイズを抑えるため、後輪の軸部分と一体化したハブモーター式を採用。電動アシスト自転車っぽくないスマートなスタイルにもひと役買っている

フレーム中央にある三角形っぽいパーツがバッテリーで、容量は10.5Ah(36V)

フレーム中央にある三角形っぽいパーツがバッテリーで、容量は10.5Ah(36V)

バッテリーは車体に搭載したままでも、取り外しても充電できる。バッテリー残量ゼロの状態から満充電になるまでの時間は、約4.5時間

フロントのサスペンションは省かれているが、リアには装備。ストロークは短いが、衝撃をしっかり吸収してくれる

変速はリアのみの7段。シマノ製「アルタス」グレードのコンポーネントを採用している

変速はリアのみの7段。シマノ製「アルタス」グレードのコンポーネントを採用している

前後ともディスクブレーキを採用し、制動力も安心感が高い。ワイヤーで引く形式なので、メンテナンス性にすぐれる

小径車としてはやや太めの20×1.5インチのタイヤを履いているが、PSシリーズの中ではもっとも細い。フロントフォークはアルミのリジッド式

アップダウンのある街中を走行してみた!

折りたたみ機構についての説明は後述することにして、さっそく走行性を試してみる。ミニベロタイプなので、街中を走ってみるのが最適だろう。電源をオンにし、電動アシスト機能を作動させたら走行モードを選択する

同シリーズの「PS1」と「PSA1」に装着されていたディスプレイより小型のカラー液晶を採用。小さめの画面だが視認性にすぐれており、アシスト可能な距離や速度、ケイデンスなども確認しやすい

ディスプレイの角度は自由に変えられるので、状況に合わせて見やすく調整できる

ディスプレイの角度は自由に変えられるので、状況に合わせて見やすく調整できる

左のハンドルにあるボタンで走行モードを切り替え可能。走行モードは「0」(アシストなし)、「1」「2」「3」「S」で、最大アシスト距離(1/2/3)は95/70/55kmとなっている。「S」は「スマートモード」というもので、ペダルを踏む力に合わせて最適なアシスト出力に自動で切り替えてくれる賢いモードだ

まず、平らな道が続く場所を走ってみる。走行モードは、いちいちアシスト出力を切り替えなくていいスマートモードを選択した。

ペダルを踏み込むと、すばやくアシストが立ち上がる。しっかりと力強いアシストでありながら、シティサイクルタイプの電動アシスト自転車のような「ガツン」と来る感じはなく、非常にスムーズで心地いい出だしだ。変速段数は7段だが、街中を走るには十分。ある程度の速度を維持して走ることができる。

小径タイヤではあるが、速度を維持するのは意外と得意。速度が出た際の安定感も高い

小径タイヤではあるが、速度を維持するのは意外と得意。速度が出た際の安定感も高い

平らな道とはいえ、途中に段差はある。その際、体に響く衝撃は車体設計によって変わってくるが、PSF1は路面の段差くらいならサドルへの突き上げもなく、石畳のような凸凹とした路面を走っても乗り心地は良好。フロントにサスペンションが装備されていないので心配していたが、リアのサスペンションとやや太めのタイヤがしっかり衝撃吸収してくれているようだ。

細かい凸凹のある場所を走っても、お尻が痛くなったり、衝撃でハンドル操作が不安定になることもない

細かい凸凹のある場所を走っても、お尻が痛くなったり、衝撃でハンドル操作が不安定になることもない

もちろん、坂道も電動アシスト機能があるのでラクラク! かなり角度のある坂を上ってみたが、ペダルを軽く回しているだけでスルスルと登れてしまった(下の動画参照)。アシスト出力が自動調整されるスマートモードなので、平坦な道から坂道に入る時にも走行モードは切り替えなくていい。ペダルを軽く回している際にはアシストを抑えてバッテリー消費を抑制してくれているが、坂道などで力いっぱい踏み込んだ際には最大の出力でアシストしてくれる。

上の動画とは別の坂も登ってみた。道路標識にある坂の勾配17%を角度に変換すると約9.6°となる。一般的に急勾配と言われる坂だが、まったく問題ない

坂の手前から加速しなくても、普通のスピードで急勾配も登れる。試しに、坂の途中で停止し、再び漕ぎ出してみたが、座ったまま軽い力でペダルを回しているだけでスルっと発進できた

ロードバイクやクロスバイクで、ある程度のスピードで巡行していると、途中で気になる店を発見しても止まるのがめんどうで見送ってしまうこともあるが、タイヤが小さいミニベロは漕ぎ出しがスムーズなため、気軽に止まって店に立ち寄ったり、景色を見たりしやすい。そこに電動アシスト機能が加わったミニベロタイプのe-Bikeなら、より気軽に探索できる。街乗りに最適な1台と言えるだろう。

ただ、ひとつ、気になる点がある。停車して、何もせずに置いておくと約3分で電源がオフになるのだが、再起動すると走行モードが「0」に戻ってしまうのだ。最後に乗っていた時の走行モードが記憶されると非常に便利なので、システムのアップデートをするなどして改善されることを期待したい。

輪行や収納時に役立つ折りたたみ機構

次は、PSF1最大の特徴である折りたたみ機構について見ていこう。折りたたみできる自転車はフレームの中央をたたむものが多いが、PSF1はフレームを折りたたまない機構とすることでフレームの剛性を高めているのがポイント。その代わりに、ハンドルやフロントフォーク、リアフレームをたたむことでコンパクトに収められるようにしている。

完全に折りたたむと、このようになる。サイズは840(全幅)×770(全高)×340(全幅)mm

完全に折りたたむと、このようになる。サイズは840(全幅)×770(全高)×340(全幅)mm

このように折りたためば、自転車を自動車や電車に載せて移動する輪行がしやすい。ただし、電車に持ち込む場合、鉄道会社の規則で自転車を完全におおわねばならないため、輪行バッグは必須。もちろん、BESVではPSF1専用のキャリーケースなどをオプションで用意しているので、それらを購入してもいいだろう。

PSF1専用のキャリーケースはハードタイプ(メーカー希望小売価格36,000円/税別)とソフトタイプ(メーカー希望小売価格5,000円/税別)があるが、今回は、付属のポーチに入れればシートポストに装着できるソフトタイプを使用する。なお、ソフトタイプには持ち手が付いていないので、肩にかけられるようにショルダーストラップ(メーカー希望小売価格1,800円/税別)も用意しよう

ショルダーストラップを車体に取り付け、ソフトキャリーケースをかぶせる

ショルダーストラップを車体に取り付け、ソフトキャリーケースをかぶせる

キャリーケース上部からショルダーストラップを引き出せば、肩にかけて持ち運びできるように! 移動中、車体の一部が体に当たって痛いということもなかったので、うまく設計されていると思う。とはいえ、車重は約18.3kgあるのでラクラクとはいかないかもしれない

さて、輪行するために折りたたんだ様子を「完全に折りたたんだ状態」と前述したが、実は、PSF1には「完全な状態」になる手前で立てかけておいたり、ラクに運べる工夫が施されている。

折りたたみ手順を順番に見ていくと、@ペダルをたたむ→Aスタンドを立てる→Bリアフレームを固定しているレバーを引く→Cフレームを持ち上げるようにしてリアを折りたたむ、となるが、これでまだ作業は半分くらい

リア側しか折りたたんでいない状態だが、上で紹介した手順Aで立てたスタンドのおかげで自立する。持ち運びが目的でなければ、このような状態で立てかけておいてもいい

さらに折りたたむため、作業を続けよう。Dフロントフォークを固定しているレバーを起こしてたたむ→Eフロントフォークを折りたたむ→Fハンドルレバーを解除してハンドルをたたむ、という作業をしていくとGの状態に。この時も自立する

おもしろいのが、この状態だと押して移動できること! 車重約18.3kgでも、転がして動かすのはそれほど苦ではない(下の動画参照)

あとはサドルを下げれば、完全に折りたたんだ状態となる

あとはサドルを下げれば、完全に折りたたんだ状態となる

このように、折りたたみの作業はやや手数が多い印象。電車で輪行する時に手間取ると乗り遅れることにもなりかねないので、事前にやり方をマスターしておくなどの対策は必要だろう。だが、完全に折りたたまずとも立てかけておいたり、押して移動できたりはするので、自分に合うスタイルが選べるのはいいかもしれない。

まとめ

PSF1に試乗して、特に気に入ったのはスマートモードだ。走行モードを切り替える手間がないのはもちろんだが、出力の切り替えも非常にシームレスで、カクカクするようなこともない。電動アシスト自転車はアシスト機能があるからどれでも普通の自転車より漕ぐのがラクなのは間違いないが、制御のフィーリングはモデルごとに異なり、そういった点が走行時の快適性を大きく左右する。PSF1は、多くのユーザーに支持されているシリーズの最新モデルだけあり、アシストのフィーリングや力強さ、走行時の安定感などはかなり高いレベル。e-Bikeに初めて乗るエントリーユーザーはもちろん、ある程度乗り慣れた人でも満足できる完成度と言えるだろう。

PSF1には、今回取り上げた「Gray Blue」のほか「Gold」もラインアップされている

PSF1には、今回取り上げた「Gray Blue」のほか「Gold」のカラーもラインアップされている

そして、スマホ連携機能も搭載されているので紹介しておこう。専用アプリ「BESV SMART APP」をインストールしたスマートフォンとPSF1をBluetooth接続すれば、目的地までのルート検索、走行記録、盗難警告など、いろいろな機能がアプリ上で使えるようになる。現時点では制限がある機能もあるが、今後、アップデートで機能をより充実させていくという。

盗難警告機能を設定しておくと、PSF1が移動させられるとスマートフォンに通知が届く。Bluetooth接続なので、PSF1の周囲10〜20m以内でしか作動せず、かつ、自転車の電源がオンになっている約3分間の時間しか使えないが、入店してパッと購入する際などに役立ちそうだ

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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