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テーラーメイド・2020年モデルのフェアウェイウッド

性能が高いのはSIMだけど…!? テーラーメイド「SIM」のFW2モデル打ち比べ

皆さんこんにちは! ゴルフ大好きクラブフィッターのオグさんです。

今回は今年発表されたばかりのテーラーメイド「SIM フェアウェイウッド」と「SIM MAX フェアウェイウッド」を試打させていただきましたのでレポートしたいと思います。

「SIM フェアウェイウッド」(右)と「SIM MAX フェアウェイウッド」(左)

「SIM フェアウェイウッド」(右)と「SIM MAX フェアウェイウッド」(左)

よく似たFWだが実は大きな違いがある

テーラーメイドの「SIM」シリーズは、2020年1月に発表されたばかリのブランドで、同社の契約プロが好んで使う、主にアスリートに向けた性能を有したクラブです。ラインアップは「SIM」「SIM MAX」の2ラインになっており、前者は、ドライバー、フェアウェイウッド(以下、FW)後者は、ドライバー、FW、レスキュー(他社でいうユーティリティーに当たるモデル)、アイアンといったモデル構成になっています。

今回試打させていただいたFWは「SIM FW」と「SIM MAX FW」。ぱっと見はよく似た2本ですが、結構違いがあるんです! どんな違いがあるか見て、打ってご説明していきたいと思います。

それでは2本のFWを見ていきましょう。

SIM FWはチタンを使う数少ないFW

まずはSIM FWから。SIMシリーズは前作でいう「M5」にあたるモデルで、シビアな環境から正確なショットを要求されるプロやアスリートが求める性能を追求しています。最大の特徴は、ボディ、フェースともにチタン合金を使用していること。

ドライバーと比べてヘッドサイズが小ぶりなFWは、ステンレスより軽く硬いチタンを使うメリットが少なく、大手メーカーではチタンを採用することは少ないのですが、テーラーメイドでは最大限に性能を追求するために採用しています。そのチタンの効果で生まれた余剰重量をソールに集中させることで、同社史上最も低重心なFWに仕上がっているそうです。

フェースに使われているチタンは新開発のもので、同社オリジナルのツイストフェースや貫通型スピードポケットも採用されています。

■SIM FW

ボディとフェースにチタンを採用し、メッキ部分のソールに重さを集中させたテーラーメイド史上最も低重心なFW。ネックの弾道調整機能はSIMのみに搭載

サイズは#3で180ccと、アスリート向けとしてはやや大きめ。形状はやや面長な丸形ですが、オーソドックスできれいです

フェースには新開発のチタン合金を使用し、好評なツイストフェースと組み合わせることでボール初速を上げ、余計なスピンが入りづらい設計になっています。シャローバックでボールはよく上がりそうですね

SIM MAXはミスへの強さを強化

SIM MAX FWはオーソドックスなステンレスボディと、クラウンをカーボン化することで低重心化を図ったモデル。SIMよりサイズがわずかに大きく、SIMシリーズより大きい貫通型スピードポケットを搭載することで、打点を少々外しても初速がより落ちづらい、ミスに強いモデルになっているようです。もちろんこのモデルもツイストフェースを搭載しています。

■SIM MAX FW

ボディはステンレスですが、クラウンに軽量のカーボン素材を使うことで低重心を狙う設計

ボディはステンレスですが、クラウンに軽量のカーボン素材を使うことで低重心を狙う設計

#3で185ccとSIMよりわずかに大きいですが、形状やサイズ感の差はほとんど感じられません

#3で185ccとSIMよりわずかに大きいですが、形状やサイズ感の差はほとんど感じられません

フェース面の溝の入り方がSIMと若干違います。シャローバックなのは同じで、これまたボールが上がりそうな雰囲気

[SIM試打]パワーがあれば万能FW

まずはSIMから打ってみました。SIMシリーズのドライバーはトゥ側にボリュームのある洋ナシ型ですが、FWはオーソドックスな丸形で個人的にはとても構えやすいと思います。見た目から余計な印象がわかないので、スッとスムーズに始動できます。

打ってみると「パキン」といった軽い金属音で、軽やかなにボールが飛び出します。打ち出し角が思ったより高く出るのがいいですね! さすがテーラー史上最も低重心なモデルだけあります。

基本となる球質は、スピンが少ないドライバーのようなライナー性の弾道。つかまりはニュートラルで、特につかまりにくい印象はないですね。意外と扱いやすいです。サイドスピンはかかりづらく直進性の高い弾道が打てますが、ドライバーと比べてヘッドが小ぶりなだけに、ドローやフェードといった弾道をあえて作るのは容易です。

このFWのよさは、ある程度パワーがあって、操作ができる人が使うとスピンを入れることもできるところ。使用球にもよりますが、“飛ばす弾道”“狙う弾道”が打ち分けられる、まさに高性能FWといった仕上がりです。

もうひとつ触れておきたいのがソールの形状。「Vスチールソール」と、往年の大ヒットFWにちなんで名づけられたソールは、トゥ側とヒール側を面取りし、接地面積を減らすことでヘッドの抜け性能を向上させています。実際マットでも突っかかる感じは少なく、ヌケのよさは体感できました!

そもそも「Vスチール」とは、同社の大ヒットしたFW。その性能の高さから、プロからアマチュアまで多くのゴルファーに愛用されたモデルです。接地面積を減らしたV型のソールはヌケがよく、ミスが少ないと大好評でした。私も持ってましたね〜。間違いなくいいFWでした

データで見るとライナー性の弾道ですが、感覚ではもっと打ち出し角は高かったです。マットから直接打っている割にスピンが少なめで、間違いなく飛んでいましたね。打点のミスにも強いです。その割には適度に操作性があって操ることもできる、非常に懐が深いモデルです

[MAX試打]ミスへの強さはこちらが上

さてMAXはというと、構えた印象はSIMとほぼ変わりません。オーソドックスな形状で構えやすく、スムーズに始動できます。弾道はライナー性で、飛ぶ弾道ではあるのですが、SIMと比べるとややスピンが多く、下から伸びていくような弾道。飛び性能は高いですが、SIMと比べるとわずかに落ちるかなといった感じです。

一番の違いはやはり打点のミスへの強さ。MAXのほうが強く、曲がりが少ない。安定性という点ではMAXが上ですね。

つかまり具合に関しては、表現がちょっと難しいです。というのも、つかまりはニュートラルといった感じなのですが、直進性が高い半面、ヘッドのターンがSIMと比べてわずかに穏やかな印象を受けます。人によってはつかまりづらいと感じてしまうかもしれませんが、右に飛び出してスライス……なんて弾道は出ないですね。

MAXの打感はSIMと比べるとやや重厚感のある「カキン」といった感じの打音。感触もやや重く感じられました

MAXの打感はSIMと比べるとやや重厚感のある「カキン」といった感じの打音。感触もやや重く感じられました

同じように打ったのですが、ミスに強い分、慣性モーメントが高いのか、少しだけ戻ってこなかったですね。直進性はMAXのほうが高いです。コースでミスしたときにケガが少ないのはMAXです

値段は高いがSIMのほうが高性能だった

SIM FWとSIM MAX FWは、素材が違うこともあって、見た目以上に性能に違いがありました。飛距離性能も高く、操作もできる、それでいて適度にミスに強いSIM。打点のミスに強く、直進性が高いSIM MAX。MAXでも十分高性能なのですが、SIMのほうが、飛距離性能を含めた全体的な性能が高い印象がありますね。その分値段も高いのも納得できます。

FWに飛距離や操作性などを求めるならSIM、安定性を重視するならMAXがよいでしょう。カスタムシャフトはSIM、MAXともにドライバーとほぼ同じラインアップが用意されています。ドライバーがSIMシリーズで、そろえてFWを購入するならドライバーと同じシャフトを選ぶのがベストでしょう。

単品で購入するのであれば、一度試打をして、今使用しているドライバーのシャフトと振り心地の近いモデルを選ぶといいですね。

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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