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キャロウェイ2020年モデル比較試打

ミスに強いだけじゃない! 「MAVRIK UT」のいいトコロとは?

こんにちはオグさんです。

今回はキャロウェイの「MAVRIK(マーベリック)」シリーズから、ユーティリティー(以下、UT)3モデルを比較試打した模様をお送りします。

左から、「MAVRIK PRO UT」、「MAVRIK MAX UT」、「MAVRIK UT」

左から、「MAVRIK PRO UT」、「MAVRIK MAX UT」、「MAVRIK UT」

他社にはない、UTの豊富なラインアップ!

「MAVRIK」シリーズとは、前作「EPIC FLASH」で使われたAI技術を進化させ、ありとあらゆるショットを想定しながら機械学習を繰り返して設計されたフェース「FLASHフェースSS20」を搭載した、キャロウェイの最新シリーズです。

今回のMAVRIKには3つのUTがラインアップされています。これは他社にはない多さ! モデル数が多いということはゴルファーを分析し、細分化しての作り分けをしているということです。各モデルがどんな性能差を見せてくれるのか楽しみです!

ではそれぞれ見ていきましょう。

■MAVRIK UT

MAVRIK UT(以下、スタンダード)は、3つのモデルの中でもっとも幅広いゴルファーを対象としたモデル。
ヘッドサイズは3モデルの中で中間に位置し、ボール初速とやさしさを両立した仕様になっています。

デザインは、ほかのマーベリックシリーズと同様、オレンジをアクセントにしたシンプルなもの。トゥ側を高くしたデザインで、ウッドタイプでありながらアイアンのように構えられるような工夫がされています。ソールとクラウンを2本のバーでつなぎ、インパクト時のエネルギーロスを抑える「ジェイルブレイクテクノロジー」も前作に引き続き搭載。2本のバーの搭載位置がわかるようにデザインされていますね

フェースはAIで何度もシミュレーションを繰り返して設計されたFLASHフェースSS20。モデルごとはもちろん、番手ごとに設計を変える凝りようです。非常に手間がかかっています。しかもそれをフェースカップ(フェースの反発エリアを広くするためにフェースから離したボディ側で溶接する手法)で搭載。素材にカーペンタースチールと高強度の素材を使用するなど、かなり手の込んだ作りになっています

■MAVRIK MAX UT

MAVRIK MAX UT(以下、MAX)は、とにかくやさしいUTが欲しいといった方に向けたモデル。ヘッドサイズがシリーズ中で一番大きく、深重心で慣性モーメントを高めた、ミスに強く高弾道が打ちやすい仕様になっています。

デザインは共通で、ヒール側に小さく「MAX」の文字が入ります。ヘッドはスタンダードに似たアイアンっぽく構えられる形状をしていますが、ヘッドの投影面積が大きくなっています。搭載されるテクノロジーはジェイルブレイクテクノロジーと共通です

MAXにも専用に設計されたFLASHフェースSS20を搭載。こちらも番手別にそれぞれ専用設計されたフェースを、フェースカップ構造で搭載する贅沢な設計になっています

■MAVRIK PRO UT

MAVRIK PRO UT(以下、プロ)は、つかまり過ぎないウッドの「サブゼロ」につながる数量限定モデル。一番小ぶりなヘッドサイズになっており、上級者が好むヌケもよく、ミート率が高いゴルファーほどやさしいと感じる仕様になっています。

こちらもデザインは共通で、相違点はヒール側に「PRO」の文字が入るくらい。ヘッド形状は大きく異なり、このプロはスタンダードとMAXとは異なる、いわゆるウッド型の形状をしています

もちろんこのプロもFLASHフェースSS20を番手別にフェースカップ構造で搭載。ソールは船底になっており、ヌケを考えた構造になっています。ライ角はほかのモデルよりフラットになっており、一番つかまりを抑えた仕様になっていますね

それぞれに合わせた専用シャフトを装着

スタンダードはシャフトに、ドライバーやウッドのシリーズに準じた専用設計の「ディアマナ50 for Callaway」を採用しています。クセがなくしなやかなシャフトでミートしやすい仕上がりです。

MAXも、ウッドシリーズに準じた同じくディアマナのモデルを装着しているのですが、スタンダードとはきちんと差別化し、重さや特性を変えた専用設計のモデルを採用。パワーのないゴルファーでも、よりタイミングが取りやすく、ヘッドの性能を生かしやすい味付けになっています。

プロには、シャフトメーカーフジクラの専用品を用意。ヘッドに合わせ、ほかのモデルより重い重量帯をラインアップしています。特性としては、しっかり感がありつつ適度な走り感がある振り味で、こちらもミートしやすいシャフトでしたね。

上から、スタンダード、MAX、プロのシャフト

上から、スタンダード、MAX、プロのシャフト

[スタンダード試打]
直進性の高さが目立つ

まず構えた印象から。特徴的な顔ですが、個人的にはとても好きです。FP値(出っ歯具合)を抑えた四角いフェースはアイアンぽい形状に見え、ミートさせやすそうな印象を与えてくれます。また、実際に打つとミートしやすいんですよ。FP値の大きい(出っ歯な)UTは、ボールを上げやすい、直接ボールをヒットしやすいなどのメリットはありますが、ボールに当たるタイミングが早くなるため、意外とこれが原因でUTやFWが苦手という方が多くいらっしゃいます。このシリーズにはそれがないのもいいところです。

打った感触は、軽やかにはじく気持ちのいい感触でいいですね。弾道はロフト設定より少し高く上がるかな?程度ですが、この番手としては結構な低スピンの弾道がバンバン打てました。グリーンも十分狙えますが、どちらかといえば飛距離性能を重視したモデルと言えそうです。

球質には直進性の高さが目立ちます。操作性はないわけではないですが、目標に向かってストレートに狙っていく使い方が向いていると思いますね。打点のミスには非常に強いです。左右だけでなく上下のズレにも強いので、ロングアイアン以上の距離をかなり安定して飛ばせるクラブです。

#5 39.5インチ 23°のモデルのデータ
軽いドローを意識して打ったのですが、戻りきらないところに直進性の高さを示した弾道になりました。高さはちゃんと出ていますが、スピンが少なめですね。狙ったところにさえ打ち出せれば、かなり安定した結果が得られると思います

[MAX試打]
安定したキャリーが出せる

MAXは構えた感じ、スタンダードとほぼ同じ印象を与えてくれます。違うのは、より投影面積が大きくなったので安心感が高まるところ。多少ミスしても何とかしれくれそうな気がしますね。

スタンダードと比べて1番手大きい試打クラブを打ってみると、ロフトが立っているにもかかわらず、ほぼ同じぐらいの高さが出ます。スピン量はスタンダードと比べれば多めですが、一般的なUTと比べると標準的な感じですね。違うのはサイドスピンのかかりにくさ。スタンダードよりさらに曲がりにくいですね。打ち出した方向にポンと飛び出し、そのまま素直に飛んでいってくれます。

つかまりはというと、正直スタンダードとあまり変わりません。つかまり度合い(ヘッドがターンする度合い)は高めてあると思うのですが、慣性モーメントが高いため、直進性が高い弾道が打ちやすい分、ヘッドターンする力が鈍くなるため、相殺されてほぼニュートラルか、少しつかまるぐらいになっています。結果的にクセのないモデルになっている感じですね。

打点のミスにはスタンダード同様、こちらもとても強いです。打点の違いによる補正の違いは正直わかりませんでしたが、左右上下どこに外してもエネルギーロスはかなり少なかったですね。バックスピンがスタンダードより入るため、安定してキャリーを出すという点ではMAXのほうに分がありました。

#4 40インチ 21°のモデルのデータ
こちらも軽いドローを狙ったのですが、打ち出した方向にドまっすぐの弾道が飛んでいきました。スピンは多めですが、距離はしっかり出ていますね。多少芯を外してもこの球質はあまり変わりませんでしたので、安定性を高めるならやはりMAXが一番です

ウッドシリーズとも違う独特の軽めの打感が気持ちいいです。打感の印象も打つ前の緊張感につながりますからね。これだけ軽やかに飛んでくれるイメージが付けば、本番でも緊張せずに打てると思いますよ

[プロ試打]
上級者が好むツボを押さえてる

構えてみるとほかの2モデルとは一転、別シリーズのクラブのような形状です。オーソドックスなウッド型でかなり小ぶりです。個人的に好きなのは、ウッド型なのにFP値(出っ歯具合)を抑えていること。FP値があまり高いと薄めに当たることが多いのですが、これは芯でしっかりとらえやすそうです。

それと、ポンとヘッドを置いたときに、少しだけフェースが開いて見えるのもいいですね。フェースのトゥ側が丸みを帯びて逃げるようにデザインされているのもあり、安心してつかまえにいける顔をしています。

打ってみると見た目通り! つかまりを抑えた挙動で、しっかり打ちに行ってもつかまりすぎることはありませんでした。ボールもとらえやすく、ミートしやすいですね。

ただ、ちょっと気を抜くと右へ抜ける弾道がちらほら。それでもスライスしていくのではなく、右にまっすぐといった感じ。スピンが総じて少ないので、そういった弾道になるのでしょう。言い換えるとしっかり打ちにいっても左のミスになりにくく、安心して叩いていけるUTといった仕上がりです。上級者が好むツボを押さえたモデルと言っていいでしょう。

#3 40インチ 20°のモデルのデータ
かなりつかまえにいってこの弾道です。軽いドローぐらいのイメージだと軽く右に飛び出し、そのまままっすぐのライナーが飛んでいきます。つかまりを抑えてあるので、気を抜くとやや右に抜ける弾道が多かったです。ただスピンが少ないので右のミスでも飛距離はほとんど落ちていませんでした

この、トゥ側を高めにしつつブレードの長い独自の形状は個人的にとても好きです。非常に構えやすいですし、狙った方向に打ち出しやすいです

選ぶ際にはシャフトの重量もチェックしたい

マーベリックシリーズのUTはどれも打点のミスに強く、直進性の高いモデルでしたが、モデルごとに明確な個性がありました。とにかく安定性を高めたMAX、上級者の好む性能をしっかりと押さえたプロ、そして、ミスへの寛容性、飛距離を両立させたスタンダード。

スタンダードとプロには、標準シャフトに加え、重めのスチールシャフトも用意されているので、自分のパワーに合った重量のシャフトを選んでからヘッドを選ぶとよりミートしやすくなると思います。

UTが苦手、もしくは一番頼りにするクラブがUTという方は、スタンダードから試してみてください。アイアンに90g以上のシャフトを付けている方は、ぜひスチールシャフト装着モデルを試してほしいですね。

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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