ここ数年、エクササイズのキーワードになっているのが「体幹」です。
いわゆる身体の中心部のことですが、ここを刺激することで、さまざまなスポーツに対応する身体の軸が作れます。体幹を鍛えれば、姿勢を改善できるなど、普段の生活にもよい影響を与えられます。そんな体幹を短時間で楽しく鍛えられるMTGのトレーニングギア「TAIKAN STREAM(タイカンストリーム)」を使ってみました。
バッグの中に入った水が動いて不安定になることで、体幹を効果的に刺激!
「体幹」と聞くと、腹筋と背筋のイメージがありますが、実はその部分だけではなく、首から上と腕・足を除いた部分のすべてを「体幹」と呼びます。背中や胸から、肩や股関節周辺の筋肉まですべてが体幹に含まれます。これらを鍛えるのが体幹トレーニングです。
筆者は、普段からランニングをしたり、自転車に乗ったりはしているものの、身体の芯を鍛えることの重要性を感じていたので、体幹トレーニングが気になっていました。体幹を鍛えることで、身体全体の安定性が高まり、ランニングフォームの改善やケガの予防ができ、パフォーマンスを向上させることができます。また、日常生活においても、体幹周りに筋肉がつくことで、疲れにくくなったり、姿勢の崩れを防いで腰痛を予防したりするメリットもあります。
「タイカンストリーム」を使用すると、腹横筋(インナーマッスル)が活動することがわかります。表面だけではなく、深部の筋肉にまで効果を発揮!
体幹トレーニングにいろいろな効果があるのは知ってはいたものの、単純な腹筋運動はあまり気乗りせず行っていませんでした。しかし現在の「巣ごもり」が推奨される状況下で、しかも何やら飽きずにトレーニングできそうということでチャレンジしてみることにしました。
使ったのは「タイカンストリーム アドバンス」。
運動のジャンルとしては、「ウォーターバッグトレーニング」と言われるもので、水が入ったバッグを持ち上げるエクササイズが行えます。バッグ内の水が動いて不安定なった状態を安定させようとすると、ユーザーの体幹に刺激が入る仕組みです。ちなみに、自他ともに認めるトレーニングマニアとしても知られる、サッカー日本代表の長友佑都選手も愛用しているギアだそう。
今回は、真ん中のグレードの「タイカンストリーム アドバンス」を使用。3〜6L(3〜6kg)の水を入れられます
本体のほか、トレーニング方法が記載されているトレーニングガイド「CHASER TRAINING」や空気入れが付属。ウォーターバッグトレーニング初心者でも、安心して使い始められます
バッグ内の水に、色が付けられるタブレットが付属しているのがおもしろいです。パープル、ブルー、ピンク、イエローの中から選択可能
バッグに水とタブレットを入れた後、付属の空気入れで適当な硬さにバッグをふくらませます
今回は鮮やかなピンクをチョイス。マニュアルでは、「水を1週間で交換すること」が推奨されています
今回は、水の量は5Lに調整。ちょっと重過ぎたかも……。初めは、軽めからスタートするのがベター
早速持ち上げてみると、思った以上にグラグラしてバランスを崩しやすい。あと、室内なのにチャポチャポという水音が聞こえるのが何だか不思議で新鮮な気分です。
本体にはハンドルが左右に2つずつ、縦と斜めに取り付けられており、トレーニングの種目によって使い分けます。
付属のハンドルは縦(写真上)、斜め(写真下)の2種類。これを順手で握ることを「オーバーグリップ」と呼びます
バッグを抱え込み、斜めのグリップを逆手で握る「ホールド」
基本的には、以上の3種類の持ち方でトレーニングを行います。使い方はシンプルですが、シンプルがゆえに継続してトレーニングできそうな期待感があります。
付属のトレーニングガイド「CHASER TRAINING」には、7種類のトレーニング種目が紹介されており、さらに公式YouTubeチャンネルには、基本的なものから本格的なものまで、さまざまな種目が紹介されています。それらの中から、身体全体を効果的に鍛えられそうな5種目をピックアップし、実践してみました。
最初の種目は、肩の高さから頭上までバッグをゆっくり持ち上げて静止させる「キープ」です。
斜めのハンドルをオーバーグリップで握り、バッグを手の甲に乗せる体勢を作ります。10秒静止した後にゆっくりと持ち上げます。バッグが傾かないようにするのがなかなか難しい・・・
頭上に持ち上げたら、また10秒静止させます
「持ち上げる→10秒静止→下ろす→10秒静止」を3分間繰り返します。簡単な種目だとあなどっていましたが、バランスを取りながらバッグ内の水が動かないようにするのがなかなか難しい。難しいと同時に、かなり身体に効いてきます。
次の種目は、バッグを抱えるように持つ「ホールド」の状態で、身体をゆっくりと左右に倒すわき腹のエクササイズ「サイドフレクション1」。
ゆっくりと身体を倒すと、水が片側に「ジャポン!」と移動。その瞬間、わき腹はもちろん、お腹全体にグッと刺激が入ります
ポイントは、左右に身体を傾けた時にひざを曲げないこと。また身体を傾け過ぎないようにお腹に力を入れると腹筋全体に効果が出ます。
「サイドフレクション2」は、頭上にバッグを持ち上げたまま、横に身体を倒していく種目。「キープ」の時と同じように、斜めのハンドルを「オーバーグリップ」で握ります。
ひじやひざを曲げないように身体を倒していきます。倒し切ったら、反対側に倒すのを各10回行います
身体を倒すと、わき腹など、お腹周りに刺激が入るだけではなく、広背筋などの肩周りにも効いてくるのが感じられます。筋トレ的な効果はもちろんですが、ストレッチ効果も十分。1セット3分を行った後は、血行が改善されて肩こりが緩和されたように感じました。
「スクワット」は、筋トレの代名詞的な種目ですが、「タイカンストリーム」を使うと、より効果的に身体全体に刺激が入ります。
頭の後ろにバッグを載せて、水が動かないようにひざを曲げていきます
ひざがつま先より出ないように、背筋を伸ばして
効果があるのはわかっているものの、「スクワット」は正しいフォームで行うのがなかなか難しい種目。でも、水を動かさないようにゆっくりとバランスを取りながら行うことで、いつも以上にお尻や太ももに効いてくるので、明らかな効果を実感できます。
今回紹介した種目の中で、いちばんキツイと感じたのが「ランジ&ツイスト」です。太ももからお尻、お腹周りまで1度に鍛え上げるため、短時間で効果が期待できます。
片足を後ろに引いて、腰を真下に落としたままバッグを左右にスイングします。両ひざの角度が90°になるようにしましょう
身体がぶれないように、お腹に意識を集中します
左右それぞれ10回ずつ行いましたが、かなりの疲労感でした。不規則に動く水を安定させるために、お腹や太ももの筋肉をいつも以上に動員。「タイカンストリーム」でなければできない種目でした。
本稿では、5種目だけ紹介しましたが、公式YouTubeチャンネルには24種類の種目が用意されているので、毎日行っても飽きずに続けられそう。しかも使い方は極シンプル。しかし、短時間でも身体への負荷は高く、効率的に身体を鍛えることができると感じました。
使用する際のポイントとしては、一般的な筋トレと同様に呼吸を止めないこと。一部の種目には有酸素運動的なものもあり、呼吸をしながら身体全体に酸素を回していけば、身体の引き締め効果がさらに期待できます。筋トレのようですが、水を動かさないようにバランスを取りながらゆっくりと動かす種目が多く、終わった後にじんわりと血行がよくなっている感じもありました。肩こりの人は、「キープ」などを取り入れると改善されるかもしれません。
ひとつの種目が3分ほどなので、テレワークの休憩中やテレビ視聴時に行えるのもうれしいポイント。激しくバッグを動かす種目を行うと水の音が大きくなるので、家族がいる人は気づかいが必要かもしれません。
ただ、この「チャポチャポ」「バシャバシャ」という水の音にリラックス効果がある、と言ってしまうのは大げさだと思いますが、楽しい気分にさせてくれるのは事実です。
※本記事の内容は、筆者個人の感想に基づくものです。
●モデル/岡田拓海