牛島義之のアウトドアのススメ
味よし、見栄えよしの料理が手軽に作れる魔法のフライパン

おうちごはんが激ウマに! キャンプで使っているスキレットを家で使ったら、やっぱり最高でした


ダッチオーブンに次いで、鋳鉄製のクッキングウェアとしてキャンパーに普及していった「スキレット」。キャンプをしない人のあいだでもブームになったほどなので、アウトドアだけでなく、自宅で使っている方も多いかもしれません。スキレットを使うとカンタンでおいしくて、見栄えもバツグンな料理ができますからね。そこで今回は、スキレットの魅力をあらためてお伝えするとともに、試してみてほしい家庭でできるスキレット料理を紹介します!

スキレットって、どんなもの?

鋳鉄製のフライパンであるスキレットは、一般的なアルミ製や鉄製のフライパンに比べて蓄熱性が高いのが特徴。食材を置いても温度が下がらないのでムラなく均一に火が通り、分厚いステーキもうまみを逃がさず、表面はこんがりと、中はふっくらジューシーに焼き上げることができます。保温性にもすぐれているため、そのままテーブルに並べれば、料理がすぐに冷めてしまうこともありません。スキレットのまま食卓に出したほうがおしゃれに見えることから、むしろそのまま食卓に並べるほうが人気だったりします。

一般的なスキレットはフライパンのような形をしており、分厚い鋳鉄でできています。写真はロッジ「スキレット 6-1/2 インチ L3SK3」

蓄熱性が高いことで、どれほど焼き上がりに差が出るのかをアルミ製フライパンと比べてみます。焼くのは、ホットケーキ。フライパンを熱したあと濡れフキンでいったん冷まし、ホットケーキミックスの生地を流し入れ約3分加熱。その後、裏返して約2分焼くという、オーソドックスな作り方です。ふくらみやすい“ちょい足し”食材も入れていなければ、フタもしていません。

セラミックコーティングされたアルミ製フライパンとスキレットで、ホットケーキの焼き上がり具合を検証!

セラミックコーティングされたアルミ製フライパンとスキレットで、ホットケーキの焼き上がり具合を検証!

アルミ製フライパンで焼き始め、裏返す手前の状態。普通の作り方なら、このくらいのふくらみ方が一般的ではないでしょうか

ところが、同様の作り方なのに、スキレットのほうは裏返すタイミングでのふくらみ方が圧倒的に大きい!

ところが、同様の作り方なのに、スキレットのほうは裏返すタイミングでのふくらみ方が圧倒的に大きい!

焼き上がったホットケーキを見てみましょう。同じ火加減、同じ加熱時間だったにもかかわらず焼き色に差が出ました。スキレットは蓄熱性が高いので、同一条件で焼くと少々加熱温度が高くなってしまうようです

アルミ製フライパンで焼いたホットケーキの厚みは約1.5cmで、スキレットのほうは約2cm。スキレットで焼いたホットケーキは気泡が大きくふくらみ、厚みが出たようです。歯触りはフワフワでやわらく、いつも作っているホットケーキが道具を変えるだけでよりおいしくなりました

スキレットはアウトドアメーカーをはじめ、ホームセンターやスーパーのプライベートブランドからも発売されています。直径約10〜30cmと幅広いサイズがラインアップされていますが、アウトドアメーカーのほうがサイズ展開の幅が広く、ホームセンターなどのプライベートブランド製は小ぶりな10cm台のサイズが中心な傾向。プラスチックパーツを使用していないため、オーブンレンジやオーブントースター、魚焼きグリルなどに入れて加熱もできるので、使用する調理家電に収まるサイズであるかもチェックしておくと安心です。IHコンロで使う場合には、IH対応であるかも確認し忘れないようにしましょう。そして、扱いやすい重さやサイズ感であるか、食卓に並べやすいかといったことも考慮しておいたほうがいいポイントです。

加熱すると持ち手も熱くなるため、ミトンやフキンを使うのが一般的ですが、なかにはハンドルカバーが付属されているスキレットもラインアップされています。同様に、フタも同梱されないことが大半。付属品の有無もチェックしてみるといいでしょう

また、サイズだけでなく、バリエーションも豊富にラインアップ。スタンダードなフライパンタイプのほか、両手鍋タイプやデザインがユニークなタイプ、そしてオプションと組み合わせることで調理の幅を広げられるタイプなど、選択肢はたくさん用意されています。基本性能はほぼ変わらないので、用途や好みに合わせて好きなタイプを選んでください。

●両手鍋タイプ

フライパンタイプにある長い取っ手が付いていないので、オーブンなどにも入れやすいうえ、テーブルに並べた際も収まりやすいのが魅力。小ぶりなものなら、グラタン皿としても使えます。

キャプテンスタッグ「両手スキレット オーバル<M> UG-3034」。サイズは120(幅)×225(長さ)×40(高さ)mmで、重量は約800g

●デザインがユニークなタイプ

円形、楕円形、四角形、深型など調理器具らしい形状のほか、遊び心のあるフォルムのもの、焼き上がった食材に焼き印が付くように底面に絵柄が刻印されたものなどがあり、料理やスイーツを作ってテーブルに並べれば、楽しい雰囲気を演出できます。使わない時は“見せる収納”でオブジェになるものも!

ロッジ「HE ギタースキレット HGSK」。サイズは117(幅)×273(長さ)×15(高さ)mmで、重量は約640g。IH対応

ロッジ「10OZ トライアングルミニサーバー HMST」。サイズは155(幅)×160(長さ)×55(高さ)mmで、重量は約653g。1個で使うだけでなく、複数個組み合わせるとテーブルがより華やかに演出できます。IH対応

●取っ手が取り外せるタイプ

主に、フライパンタイプに装備されている機能。取っ手が外せると、オーブンレンジや魚焼きグリルなどに入れて調理しやすくなるのはもちろん、食卓に並べる際にも便利です。また、取っ手を外した状態で調理し、調理後に取り付ければ、取っ手が熱くならず、素手で握って持ち運ぶことも可能に!

ロゴス「取っ手がとれるスキレット S」。サイズ(取っ手含む)は165(幅)×300(長さ)×80(高さ)mmで、重量は約1.2kg。IH対応

●オプションと組み合わせられるタイプ

スキレットを2つ用意し、片方をフタ代わりにして調理することでダッチオーブンのような効果が得られるなど、アレンジ次第でいろいろな料理を楽しめます。取っ手が外せるものを選ぶと、調理の幅がさらに広がるほか、収納も場所を取らないので便利でしょう。

ロゴス「合体できる深型スキレット M」。サイズ(取っ手含む)は230(幅)×450(長さ)×100(高さ)mmで、重量は約2.3kg。IH対応。合体させて使いたい時は、別売の「合体できるスキレット M」が必要です

スキレットでおうちごはんを作ってみよう!

スキレットの基本的な機能はほぼ同じなので、サイズやデザインにかかわらず焼き物、炒め物、煮物、揚げ物、オーブン料理、グリル料理など幅広い料理を作れますが、サイズ感を活用した調理や、取っ手を分離できるから、あるいはフタを使うからこそできる料理というものはあります。今回は3種類のスキレットを用意し、それぞれの特徴を生かした料理を作ってみました。

今回使用するのは、ロッジ「スキレット 6-1/2 インチ L3SK3」(手前)とキャプテンスタッグ「スキレット 18cm UG-3043」(左奥)、ニトリ「スキレット鍋20cm+フタセット」(右奥)の3種類

●ロッジ「スキレット 6-1/2 インチ L3SK3」で作るハッセルバックポテト

アメリカを代表する老舗メーカー「ロッジ」の6-1/2インチサイズのスキレットは、直径約16.5cmと小さめ。ひとり分のプレートとしてちょうどいい大きさなうえ、コンロに装備されている魚焼きグリルにも入れられます。今回は、そのコンパクトさを生かしてハッセルバックポテトを作ってみましょう。

サイズは155(内径)×260(長さ)×3(高さ)mmで、重量は約880g。IH対応

サイズは155(内径)×260(長さ)×3(高さ)mmで、重量は約880g。IH対応

切れ目を入れたじゃがいもを水にさらし、水気を切ってから電子レンジで3〜4分加熱。その後、スキレットに載せます

オリーブオイル、塩、コショウをかけ、じゃがいもの切れ目にベーコンとシュレッドチーズを挟み、粉チーズをかけたら下準備完了

コンロにある魚焼きグリルにセットし、焼き色が付くまで加熱。魚焼きグリルがない場合は、オーブンレンジのグリル加熱やオーブン加熱で焼き上げてもいいでしょう

筆者宅で調理した場合、中火で3分加熱したらキレイな焼き色が付きました

筆者宅で調理した場合、中火で3分加熱したらキレイな焼き色が付きました

最後にピンクペッパーを散らせれば完成です。熱々の状態が長く続くので、チーズが冷めて硬くなりにくい!

最後にピンクペッパーを散らせれば完成です。熱々の状態が長く続くので、チーズが冷めて硬くなりにくい!

じゃがいもは電子レンジでやわらかくしましたが、グリルで焼き上げることで表面が香ばしくなりました。ベーコンとチーズのほどよい脂加減とも相性がよく、スキレットで温かいうちにすべて食べきってしまったほどのおいしさです

●ニトリ「スキレット鍋20cm+フタセット」で作るチキンの照り焼きステーキ

ニトリは、それまでアウトドアユースだったスキレットを家庭に浸透させた立役者です。一般的なフライパンタイプのスキレットがいくつかラインアップされていますが、今回選んだ「スキレット鍋20cm+フタセット」は、その名のとおり、フタ付き。フタをして焼くと、よりふっくらと焼き上がるだけでなく、油ハネが防げるメリットもあります。ということで、チキンの照り焼きステーキを作ってみたら、これが大正解でした!

店頭販売はしていないネット限定モデル。サイズは200(幅)×310(長さ)×40(高さ)mmで、重量は約2.1kg。IH対応(機種によっては使えない場合もあり)。今回使用する20cmタイプのほか、16cmタイプもラインアップされています

熱したスキレットに、皮目を下にして鶏もも肉を投入

熱したスキレットに、皮目を下にして鶏もも肉を投入

フタをして約4分、中火で蒸し焼きに

フタをして約4分、中火で蒸し焼きに

フタを開けて裏返します。鶏肉から余分な水分が出ていたら、キッチンペーパーなどで吸い取っておきましょう

フタを開けて裏返します。鶏肉から余分な水分が出ていたら、キッチンペーパーなどで吸い取っておきましょう

鶏肉の周囲に長ネギを散らし、フタをしてさらに加熱。約2分経過したタイミングで長ネギを裏返し、もう1度フタをして約2分焼きます

次は味付け。フタを取り、酒、しょうゆ、砂糖を入れます。このあとは、フタはしないで加熱を続けてください

次は味付け。フタを取り、酒、しょうゆ、砂糖を入れます。このあとは、フタはしないで加熱を続けてください

途中何度か裏返しながら、鶏肉に味を染み込ませます。タレにとろみが付いてきたらできあがり!

途中何度か裏返しながら、鶏肉に味を染み込ませます。タレにとろみが付いてきたらできあがり!

スキレットのままテーブルに運べば、まさに鉄板ステーキ!

スキレットのままテーブルに運べば、まさに鉄板ステーキ!

皮はこんがり、肉はふっくらとしてジューシー。そして、長ネギはトロトロで甘い! アルミ製フライパンよりも焦げ色が付きやすいので香ばしさも増し、食欲をそそります

●キャプテンスタッグ「スキレット 18cm UG-3043」で作るローストビーフ

直径18cmのスキレットは小さめのオーブンレンジにも入れられ、結構使い勝手がいいサイズ感。キャプテンスタッグ「スキレット 18cm UG-3043」を選んだ理由は、同じスキレットを用意し、フタのようにかぶせればダッチオーブンとしても使えるから。ダッチオーブンを使ってみたいけれど、わざわざ購入するのも……と思っているなら、スキレットで試してみるのもいいですよ! 今回は、ローストビーフを作ってみましょう。

サイズは185(幅)×295(長さ)×48(高さ)mmで、重量は約1kg

サイズは185(幅)×295(長さ)×48(高さ)mmで、重量は約1kg

「スキレット 18cm UG-3043」を2つ用意して、ひとつをフタのようにかぶせれば小型のダッチオーブンに変身。取っ手にストッパーが装備されているので、ズレも心配ありません

まずは、普通のフライパンのようにひとつだけ使用。加熱したスキレットに、ハーブソルトを振った牛ももブロックを載せ、裏表だけでなく側面にも焼き色を付けます

牛肉の表面に焼き色を付け終わる前に、もうひとつのスキレットも準備しておきましょう。加熱したスキレットに、スライスしたたまねぎ、にんじん、じゃがいもを投入

野菜の上に、全体に焼き色を付けた牛肉を載せます

野菜の上に、全体に焼き色を付けた牛肉を載せます

そして、牛肉を焼いていたスキレットをフタのように重ねてください。こうすることで、下からの加熱だけでなく、重ねたスキレットの余熱で上からも加熱されます。なお、重ねる前に洗う必要はなく、そのままかぶせてOK

フタをして弱火で約15分加熱したら、焼き上がり

フタをして弱火で約15分加熱したら、焼き上がり

焼けた牛肉をアルミホイルで包み、約30分寝かしてローストビーフを仕上げます

焼けた牛肉をアルミホイルで包み、約30分寝かしてローストビーフを仕上げます

完成したローストビーフは、少々火が通りすぎてしまいました。筆者はいつも一般的なダッチオーブンで、もっと大きなブロック肉を使って作るため、同じ要領で加熱したところ加熱しすぎとなったようです。加熱時間は10分くらいでよかったかも……と、試行錯誤を重ねながら、自分なりのレシピを増やしていけるのもスキレット調理の楽しいところ!

火が通りすぎてしまったので肉は少々硬めでしたが、肉や野菜の水分と旨みが逃げないダッチオーブンならでは特性のおかげで、ボソボソ感はなく、しっとりとしています。わさびしょうゆとの相性がバツグンにいい! そして、一緒に焼いた野菜のおいしいこと。弱火で15分ほど加熱しただけなのに、少し厚めにカットしたじゃがいもにもしっかり火が通ってホクホク。味付けはまったくしていないのですが、肉の旨みが野菜にも浸透しており、いくらでも食べられます

ちなみに、深さのある「深型スキレット 18cm UG-3044」もラインアップされています。「深型スキレット 18cm UG-3044」同士を上で紹介した方法と同じように重ねて使えるほか、「スキレット 18cm UG-3043」と合体させることも可能。調理したい食材に必要な深さを考慮して、組み合わせるといいでしょう。

まとめ

1990年代にダッチオーブンが大流行し、同じ鋳鉄製のスキレットもアウトドア用品として注目されたものの、ダッチオーブンほどのブームにはならず、一部のファンのあいだで愛用されるに留まっていました。ところが、2000年に入った頃、100円ショップなどでスキレットが扱われるようになると、瞬く間に世間に知れ渡り、いわゆる「100スキ」ブームが到来。さらに、ニトリが「ニトスキ」の販売を始めると、一気に家庭でも使われるようになり、今や、定番のキッチンツールとなりました。

スキレットがこれだけの支持を集めたのは、作った料理がおいしいことが大きな理由でしょう。もし自宅で使っているフライパンなどがアルミ製なら、スキレットで作るほうが格段においしく仕上がります。蓄熱性が高いので、揚げ物もおいしく作れますよ。そして、スキレットのまま食卓に並べれば、カンタンに作った料理でもSNS映えしちゃうのも人気のポイント。味もよくて、見栄えもいい料理が手軽に作れるので、スキレットをまだ使っていないならひとつ用意しておいても損はしないはずです。

もちろん、家で使っているスキレットをアウトドアに持って行くのもあり!

もちろん、家で使っているスキレットをアウトドアに持って行くのもあり!

ただし、初めて使う時と使用後のお手入れには注意が必要。購入したスキレットが「シーズニングフリー」でない場合は、防錆用ワックを除去するため、中性洗剤で洗い、火にかけて乾かし、植物性油を薄く塗り込んだ後、再び火にかけて野菜くずを炒め、火からおろして自然に冷めるのを待つという「シーズニング」を行わねばなりません。この作業がめんどうな人は、シーズニング不要と記された製品を選ぶといいでしょう。そして、調理後に洗う際も気をつけなければならないことがあります。まず、鋳鉄の性質上、洗剤で洗うのはNG。水洗いしてからはシーズニングと同じように、コンロで熱して水分を飛ばし、最後に植物性油を染み込ませます。

水洗いする際は、金属製以外のタワシを使って汚れを落とします

水洗いする際は、金属製以外のタワシを使って汚れを落とします

汚れが落ちたらコンロで火にかけ、水分を飛ばします。そして全体にオリーブオイルなどを塗布。サビを防ぐとともに、油がなじむことで焦げ付きにくくなります

準備や手入れが大変そうに思われるかもしれませんが、慣れればそれほど手間には感じなくなるはずですし、使えば使うほどどんどん使いやすくなっていくので、愛着もわいてきます。そんな自分が育てたスキレットを使えば、料理作りがもっと楽しくなるかもしれませんよ。

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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