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人気のパターの最新モデル

テーラーメイド「スパイダー」をネック違いで試打。やさしいけれど、プロっぽい!

オグさんです。
今回はテーラーメイドの「スパイダー」シリーズを試打させていただきましたので、レポートしたいと思います。

世界ランキング1位のローリー・マキロイは、「スパイダーX」のスモールスラントモデルを愛用しています(2020年6月11日時点)
写真提供:テーラーメイドゴルフ

ネオマレット型パターの嚆矢的存在

初代スパイダーは2008年に誕生。ウェイトをヘッドの左右最後方に配置した大型マレットで、「ネオマレット型パター」というジャンルを生み出したモデルと言っても過言ではないでしょう。重さを、フェースから最も遠い端っこに持ってくることで、打点のミスへの強さとオートマチックに動くヘッドの挙動を獲得。それが多くのアマチュアに受け入れられ、大ヒットとなりました。

その後、使い勝手を考えてサイズを小さくするなどの改良が加えられながらモデルチェンジを繰り返してきましたが、どちらかと言えば「パッティングが苦手な人向けのモデル」というかたちで受け入れられた印象でした。

転機が訪れたのは、2017年。「スパイダーツアーレッド」というモデルを使用し、S・ガルシアがメジャータイトルのひとつであるマスターズを制覇。これをきっかけに、今までネオマレットタイプを敬遠していた選手たちも試すようになり、プロアマ問わず人気のシリーズとなって現在に至ります。

ミスヒットに強く、構えやすい

スパイダーシリーズの特徴としてまずあげられるのが、打点のミスへの強さ。少々芯を外しても転がりの差が出にくいため、安定したパッティングを行うことができます。その秘密はヘッドの重量配分にあります。真ん中をくり抜いたり、軽い素材を真ん中に、重い素材をヘッドの外側に集中させたりして慣性モーメントを高めることで、芯を外したときのヘッドのブレを最小限に抑えるように設計されています。

さらに、構えやすさも特筆すべきところ。視覚効果を研究し、色のコントラストやサイトラインのカラーリングや入れ方を工夫することで、ターゲットに正確に構えやすくなるように設計されているのです。投影面積の大きいネオマレットならではの特徴を長所としたところも、多くのゴルファーがスパイターを受け入れた理由のひとつでしょう。

重量配分と、目標に対するアライメントを両立した形状。合理的かつ機能的にデザインされているのがスパイダーシリーズの特徴です

外周部に重さを集中させることで慣性モーメントを高め、ミスに強い設計になっているのもスパイダーシリーズの人気の秘密ですね

スパイダーシリーズが幅広いゴルファーに受け入れられる理由は、ミスへの強さ、構えやすさのほかにもまだあります。それは、ネックのバリエーションの多さ。同じヘッドでも2~3種類のネックを用意し、重心角の異なるモデルをラインアップすることで、さまざまな打ち方のプレイヤーに対応しているのです。

左からシングルベンド、スモールスラント、センターシャフト。ネックによって操作性が変わるので好みによって選ぶことができます

■スパイダーX スモールスラント

マキロイをはじめ、多くのツアープロに愛されるモデル。慣性モーメントが高く、打点のミスへの強さを持ったヘッドに小さなスラントネックを組み合わせることで、ヘッドを開閉させやすくしているモデルです。

ヘッド内部には軽い素材を使い、外周部に重さを集中させているのはスパイダーシリーズ共通。「トゥルーパスアライメント」と呼ばれる、サイトライン付近のデザインによって目標に構えやすくなるよう設計されています

短めのネックをヒール側に付けることでヘッドの開閉をしやすいように設計。これにより、ミスに強いヘッドでありながら適度な操作性をあわせ持ち、結果を重視するツアープロに好まれるモデルが誕生したのです

ツアープロはほとんどコレ

ヘッドを開閉させやすいヘッドは細かいタッチが出しやすく、短い距離でも芝目に負けない強い転がりを生みやすくなります。スパイダーを愛用するツアープロのほとんど、このスモールスラントとの組み合わせを使っています。ヘッドを開閉させる分、ストロークのタイミングがズレると方向が狂いやすくなるというデメリットもありますが、ミスに強いモデルを使いたいけど、パッティングの技術も身に付けたいなんて方にはとてもいいモデルだと思います。

■スパイダーX センターシャフト

センターシャフトは、フェース面上の芯と同一線上にシャフトを設置したモデル。多くのベンドシャフトと同様、パターにだけ許された構造です。

ヘッド性能はほかのネックと共通ですが、振り心地は結構異なります。ただでさえミスに強いヘッドに、芯に当てやすい性能を有した非常に使いやすいパターではありますが、ヘッドがターンしないため、細かい操作は不向きです

シャフトが芯に向かって伸びているので、シャフトでボールを打つようなイメージになります。インパクトをしっかり作りたいなんて方はイメージを作りやすいモデルだと思いますね

ショットとパットを別物と考える人に合う

センターシャフトのメリットは、野球のバットやテニスラケットのように、手で持つところと芯が同一直線上にあるので、芯に当てやすいという部分があげられます。日頃使う多くの道具と同じ設計になっているため、直感的に使いやすいと感じる構造でもあります。デメリットとしては、芯を外したときにヘッドがブレやすい点がありますが、スパイダーXのヘッド性能によりこのデメリットをあまり感じさせないパターです。センターシャフトとしては欠点の少ないモデルとして仕上がっていると感じました。

ドライバーやアイアンなどとパッティングを別物と考える方におすすめのモデルです。逆に、ショットやアプローチと同じ流れでパッティングを考える方にとっては、ネックの付き方の違いが違和感につながる可能性があります。

■スパイダーS シングルベンド

今までのスパイダーとはデザインが異なるヘッドですが、同じように外周に重さを集中させ、ミスへの寛容性を高めてあります。

サイズはそれほど大きくありませんが、振ってみると慣性モーメントの大きさを感じます

サイズはそれほど大きくありませんが、振ってみると慣性モーメントの大きさを感じます

最後方の黒い部分は比重が重くなっており、慣性モーメントを高めるのにひと役買っています

最後方の黒い部分は比重が重くなっており、慣性モーメントを高めるのにひと役買っています

パター任せのストローク向き

フェース面と3本のサイトライン、そしてくり抜いた空間でボール幅と同じぐらいの長方形を形作っています。この長方形を意識してストロークするとヘッドの動きが確認しやすく、振り子のようなストロークでボールを打ちぬきやすかったです。重心角はフェースがほぼ真上を向くくらい大きく、積極的に操作する打ち方よりも、パターの動きに任せて振り子のように使うと安定した転がりが得られやすいと思います。

今回試打は叶いませんでしたが、スパイダーXのシングルベンドも下記のように各色ラインアップされています。

一番やさしいのはシングルベンド

プロアマ問わず、結果の出るモデルとして認知されたスパイダーシリーズの最新型は、過去のモデルから吸い上げた改善点をしっかり対策して仕上げてきたなという印象。大きすぎず、小さすぎず、絶妙のサイズにカラーバリエーションを増やすことで個人の好みにも対応し、今作もヒットは間違いないと思います。

パッティングが苦手でやさしいモデルが欲しいけど、プロが使うようなカッコいいモデルがいいと考えるならこれですね! とにかくやさしいモデルをお探しならシングルベンドのネックを、ちょっと操作性も欲しいなと考えるならスモールスラントネックがいいですね!

最後に打感を。アルミと樹脂を使ったインサートが、適度なやわらかさと、少しはじく感触のある独特の打感を作り上げています。はじいて飛んでいく感じもなく、絶妙な感触でタッチも出しやすかったです

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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