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ミズノらしいフィーリングは健在

話題の”ホットメタル”はどんな飛び!? ミズノ「JPX921」3モデル比較試打

オグさんです! 今回はミズノの「JPX921」シリーズから3モデルのアイアンを試打させていただきましたのでレポートしたいと思います。

左から「JPX921 ホットメタル」「JPX921 フォージド」「JPX921 ツアー」

左から「JPX921 ホットメタル」「JPX921 フォージド」「JPX921 ツアー」

今やトッププロにも好まれるJPXアイアン

「JPX」はもともと、アベレージプレイヤー向けのミスに強いシリーズでしたが、海外ではアスリート向けのモデルもラインアップされていました。国内ではもちろん、海外でもミズノのアイアンは高く評価されており、世界のトッププロが好んで使用しています。JPXを世界的にメジャーにしたのがブルックス・ケプカ。日本でも2勝をあげているケプカはメジャー4勝をあげていますが、そのすべてでJPXシリーズのアイアンを使用しています。

また、先日行われた国内メジャートーナメント「日本女子オープン」を制した原英莉花プロは、今回試打させていただいた「JPX921 ホットメタル」を使用しての優勝です。

そんなJPXアイアンの最新作は3タイプ。飛距離性能と、ボールのとらえやすさを追求した「JPX921 ホットメタル」、同社の鍛造アイアン史上、最高反発を実現した「JPX921 フォージド」、そしてPGAのツアープロからのフィードバックをベースに開発された「JPX921 ツアー」です。
 
さっそく、JPX921の3つのアイアンの試打レポートをお送りします。

■JPX921 ホットメタル アイアン

フェースに高強度のクロムモリブデン鋼を使用し、薄く仕上げることで、ミスに強く安定して飛距離が出せるアイアンとして設計されたモデルです。ミズノらしく、打感や打音にもしっかりこだわって作られています。

打感やフィーリングに一家言持つファンの多いミズノが作った、高性能鋳造アイアン。現代のアイアンに対するニーズに応える性能を持ちながら、フィーリングを損なわない仕上がりになっています

打感やフィーリングに一家言持つファンの多いミズノが作った、高性能鋳造アイアン。現代のアイアンに対するニーズに応える性能を持ちながら、フィーリングを損なわない仕上がりになっています

JPX921 ホットメタル アイアン#5

JPX921 ホットメタル アイアン#5

JPX921 ホットメタル アイアン#7

JPX921 ホットメタル アイアン#7

JPX921 ホットメタル アイアン#9 大きめのグースにやや厚めのトップブレードと、目に見えるやさしい要素を取り込みながら、すっきりした形状の顔をしています。長い番手ほどわずかにグースが大きくなっていて、ミスに強い性能と合わせ、安定した方向性を発揮してくれそうです

JPX921 ホットメタル アイアン#9
大きめのグースにやや厚めのトップブレードと、目に見えるやさしい要素を取り込みながら、すっきりした形状の顔をしています。長い番手ほどわずかにグースが大きくなっていて、ミスに強い性能と合わせ、安定した方向性を発揮してくれそうです

ソール後方を持ち上げたような形状になっていて、重心を深く低く設計しつつ、ある程度シビアなコントロールショットなどの時にはじゃまをしないような形状になっていますね

ソール後方を持ち上げたような形状になっていて、重心を深く低く設計しつつ、ある程度シビアなコントロールショットなどの時にはじゃまをしないような形状になっていますね

ロフト:#6 25°/#7 29°/#8 34°/#9 39°/PW 44°

軟鉄でなくても気持ちいい打感!

手に取ってヘッドを眺めるとブレードの長さを感じるのですが、構えるとそれを感じさせない非常にバランスのいい顔をしていますね。とてもやわらかい顔でクセがなく、誰にでも違和感のない形状に仕上がっていると思います。

打ってみると打感がイイ! インパクトの瞬間にフェースがたわんでいるような感触があり、そのあとにはじいているような感触があります。感じ方には個人差があると思いますが、軟鉄以外の素材を使用したアイアンとしてはかなり気持ちいい打感だと思いますね。

JPX921 ホットメタルのロフト角は7番で29°。飛び系とアスリートのちょうど中間ぐらいの設定です。少々芯を外しても、ロフト設定よりも高い弾道が安定して打てるので、一定のエリアにボールを運ぶ安定感はとても高いですね。

操作性は最低限といった感じ。基本性能がややつかまる方向に設計されていることもあり、安定したドローボールはとても打ちやすいのですが、フェード系のボールを狙って打つにはちょっとテクニックがいりますね。ちなみに、前述の原英莉花プロは、きれいなフェードボールを打ってグリーンをキャッチしていました!

トップブレード裏に設定されているのはサウンドリブ。音の周波数をコントロールし、いい打感を追求しています

トップブレード裏に設定されているのはサウンドリブ。音の周波数をコントロールし、いい打感を追求しています

高さ、スピン量はよほどハードなコンディションでプレーしない限り、問題なくグリーンで止められる数値。やや強くつかまりましたが、打った本人としては思ったより曲りが少ない印象。直進性も高いです。さすが2020年日本女子オープンを制覇したクラブ!

#7のデータ(以下同)。高さ、スピン量はよほどハードなコンディションでプレーしない限り、問題なくグリーンで止められる数値。やや強くつかまりましたが、打った本人としては思ったより曲りが少ない印象。直進性も高いです。さすが2020年日本女子オープンを制覇したクラブ!

■JPX921 フォージド アイアン

軟鉄ではなく、強度のより高いクロムモリブデン鋼を鍛造して仕上げたフェースを、飛距離が欲しい番手に使用したモデル。ボディは従来通りの軟鉄鍛造で、フィーリングと飛距離の両立を目指したアイアンになっています。

手間や技術が要りますが、プレーヤーがフィーリングが得られやすくなる鍛造製法をアイデンティティとしているミズノらしいモデル。フィーリングを含め、今まで培ってきた性能を損なうことなく飛距離性能を追加した意欲作です

手間や技術が要りますが、プレーヤーがフィーリングが得られやすくなる鍛造製法をアイデンティティとしているミズノらしいモデル。フィーリングを含め、今まで培ってきた性能を損なうことなく飛距離性能を追加した意欲作です

JPX921 フォージド アイアン#5

JPX921 フォージド アイアン#5

JPX921 フォージド アイアン#7

JPX921 フォージド アイアン#7

JPX921 フォージド アイアン#9ミズノのアイアンとしてはトゥ側のデザインがやや丸く仕上げられていて、やわらかい印象がありますね。トップブレードは適度な厚さで、ヘッドサイズはやや小ぶりに仕上げられています。少しだけグースが付いていて、構えたときのプレッシャーを感じさせない絶妙な顔です

JPX921 フォージド アイアン#9
ミズノのアイアンとしてはトゥ側のデザインがやや丸く仕上げられていて、やわらかい印象がありますね。トップブレードは適度な厚さで、ヘッドサイズはやや小ぶりに仕上げられています。少しだけグースが付いていて、構えたときのプレッシャーを感じさせない絶妙な顔です

ホットメタル同様、ソール後方を持ち上げたデザイン。適度な深低重心設計になっていそうな形状です

ホットメタル同様、ソール後方を持ち上げたデザイン。適度な深低重心設計になっていそうな形状です

ロフト:#5 24°/#6 27°/#7 31°/#8 35°/#9 40°/PW 45°

ちょっと飛ぶ、ちょうどいいアイアン

構えた感じは適度なシャープさと安心感をあわせ持つ“ちょうどいい”顔です。ヘッドの大きさに安心感を求める方は少し頼りなさを感じるかもしれませんが、操作性を求める方であればきっと満足できる美しさを持っています。

ロフト角は7番で31°。昔のモデルと比べると1番手分立った設定ですが、もはや現代では、ちょっと立てたか標準ぐらいな感じがしますね。

このフォージドは、4番から7番までのフェースにホットメタルとは違うクロムモリブデン鋼を使用し、それを鍛造で薄く仕上げることで反発性能を高め、さらにキャビティ部分をソール側から掘削する「マイクロスロット構造」により薄肉エリアを広げ、高初速エリアを前作より45%も広げることに成功しているんだそうです。

打ってみると、確かに今までのミズノのフォージドアイアンとは異なる感触。ホットメタルと同じように、フェースが少したわんでいるような、それでいてはじくような感触が同時に伝わるような独特が気持ちいいです。ただフォージドのほうが、芯を食ったときにホットメタルより余計な振動が少なく、より気持ちよく感じました。さすがミズノ!といった気持ちよさです。

球質は、ちょっと飛ぶアスリート仕様といった印象。適度な操作感を持ち、自由自在とまでは行きませんが左右の曲げ幅は十分すぎるほど。弾道の高さも申し分ないですね。ミスへの強さはホットメタルにはかないませんが、アスリートモデルとしてはかなりあります。もともとビックリするほど飛ぶモデルではないので、左のミスも飛びすぎとはなりにくく、左のミスを嫌がる方にもおすすめできるモデルです。

ミズノと言えばフォージド! 同社の鍛造は世界に誇れる技術です。性能はもちろん、打感や感触から得られるフィードバックの情報などの数値に現れない性能は、他社には真似できないモノ。だからミズノのアイアンは世界中のトッププロから愛されているのです

ミズノと言えばフォージド! 同社の鍛造は世界に誇れる技術です。性能はもちろん、打感や感触から得られるフィードバックの情報などの数値に現れない性能は、他社には真似できないモノ。だからミズノのアイアンは世界中のトッププロから愛されているのです

ブレードの厚さが薄すぎず、厚すぎずちょうどいい塩梅! ブレードの厚さがモデルの印象を大きく左右するので、意外と重要なポイントなんですよ!

ブレードの厚さが薄すぎず、厚すぎずちょうどいい塩梅! ブレードの厚さがモデルの印象を大きく左右するので、意外と重要なポイントなんですよ!

軟鉄鍛造のモデルとは明らかに感触が違いますが、ちゃんと気持ちいいのが素晴らしい!!

軟鉄鍛造のモデルとは明らかに感触が違いますが、ちゃんと気持ちいいのが素晴らしい!!

フォージドのつかまり具合はニュートラル。データはややつかまり過ぎていますが、極端につかまるモデルではありません。適度に、飛んで操作できてミスを助けてくれる、非常に欲張りなモデルに仕上がっています

フォージドのつかまり具合はニュートラル。データはややつかまり過ぎていますが、極端につかまるモデルではありません。適度に、飛んで操作できてミスを助けてくれる、非常に欲張りなモデルに仕上がっています

■JPX921 ツアー アイアン

軟鉄だけを使って鍛造製法で仕上げられた、いわゆる“一枚物”と呼ばれるモデル。PGAツアーで戦う選手からのフィードバックをベースに設計された、まさに“世界のツアー”で戦うためのアイアンです。

JPXの名が付いていますが、ほかの2モデルとはほぼ別物という扱いでいいぐらいのアイアンになっています

JPXの名が付いていますが、ほかの2モデルとはほぼ別物という扱いでいいぐらいのアイアンになっています

JPX921 ツアー アイアン#5

JPX921 ツアー アイアン#5

JPX921 ツアー アイアン#7

JPX921 ツアー アイアン#7

JPX921 ツアー アイアン#9薄いトップブレード、左を向いているように見せないためのトゥ側フェース下部の処理など、上級者が好む形状を具現化したような顔をしています

JPX921 ツアー アイアン#9
薄いトップブレード、左を向いているように見せないためのトゥ側フェース下部の処理など、上級者が好む形状を具現化したような顔をしています

ソール幅は狭く、クリーンに打つための性能を追求した印象。同じシリーズですが、ほかの2モデルとの共通項はほぼありません……

ソール幅は狭く、クリーンに打つための性能を追求した印象。同じシリーズですが、ほかの2モデルとの共通項はほぼありません……

ロフト:#5 27°/#6 30°/#7 34°/#8 38°/#9 42°/PW 46°

ツアー選手のフィードバックをもとに開発

構えた印象はシャープで、カミソリのような鋭さを感じます。海外の芝は日本の芝と違ってフェアウェイでもボールが沈みやすいので、こういった形状のほうがクリーンにとらえやすいイメージが湧くのでしょう。PGAツアーの選手からのフィードバックをベースに開発したそうですが、具体的には、重心距離を短くし低重心に仕上げることで、ボールのとらえやすさと打ち出しの高さを追求しているのだそうです。

打ってみると、上記の2モデルとは別物と言っていいほどの性能。ロフト角は7番で34°と昔のマッスルバックとほぼ同じ、飛距離は期待できません。その分操作性は抜群で、重心が低いおかげなのか、少し薄い当たりでもしっかりとボールが上がり、意図した球筋が打ちやすかったです。

打感はまさに軟鉄鍛造一枚物のそれ。キャビティバックではありますが、マッスルバックのような分厚い打感を味わえます。こういったモデルだけあって、ミスすれば飛距離はいい意味で落ちます。このたぐいのアイアンを好むゴルファーはそのほうが安心と考える方が多いので、これはマイナスにはならないでしょう。

狙ったところに打ち出しやすくスピンもしっかり入るので操作性は文句なし! いい意味で飛び過ぎないので、ピンの根元を狙うといったシビアなゴルフをする方には頼もしい武器になるでしょう

狙ったところに打ち出しやすくスピンもしっかり入るので操作性は文句なし! いい意味で飛び過ぎないので、ピンの根元を狙うといったシビアなゴルフをする方には頼もしい武器になるでしょう

ミズノらしいフィーリングは3つに共通

最新のJPXシリーズは、どれもミズノらしくフィーリングを大事にしながら、それぞれの性能を磨いた個性の強いモデルばかりでした。直進性や飛距離といった現代のアイアンに求められる性能を詰め込んだホットメタル、従来のミズノファンを裏切らずにやさしさと飛距離を両立させたフォージド、そしてツアープロのニーズに合わせて作ったミズノの本気モデルのツアーといった印象でした。

2020年はアスリート・プロ向けのアイアンが豊作で、新作だけでもテーラーメイドの「P7MB」や「P7MC」、ブリヂストンの「200MB」、ちょっと前のモデルだとタイトリストの「620MB」「620CB」などがあり、どれも魅力的なモデルです。ツアーアイアンを選ぶ際は、目移りするところでしょう。

フォージドは、テーラーメイドの「P770」やスリクソンの「ZX5」あたりがライバルになりますね。ホットメタルはピンの「G425」やプロギアの「02アイアン」あたりでしょう。

ミズノの強みはやはり打感などのフィーリング面。感触は人によって感じ方が違うので、全員にとっていいものだは言いづらい点がありますが、その点を大事にしてクラブづくりをしているのがミズノのよさだと私は思います。そういった点も意識しながら、ぜひ打ってみてくださいね!

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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