プロテインの基礎知識と飲み方を解説する特集で紹介した明治「ザバス」のプロテインの溶けやすさに衝撃を受けた筆者。もともとザバスユーザーなので以前からよく溶けることは知っていたが、2020年にリニューアルしたものはさらにすごかった。シェーカーに入れてシャカシャカ振らなくても、コップなどに入れてマドラーで混ぜる程度で溶けるのだ。しかも、牛乳に含まれる「乳清」を原料とした「ホエイプロテイン」よりも溶けにくいと言われる、大豆を原料とした「ソイプロテイン」も同様に! ソイプロテインが飲みたいけれど、溶けないのがネックと思っている方はもちろん、今使っているプロテインの溶け具合に不満があるホエイプロテイン愛飲者にも役立つ情報があるので、一読してもらいたい。
パウダータイプのプロテインは液体と一緒にシェーカーに入れ、それを振って溶かすのが一般的な飲み方。まずは、「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズの溶け具合を下の動画で見てほしい。
上の動画は、「ザバス ホエイプロテイン100(ココア味)」をシェイクしている様子だが、6秒くらいで溶けた。
使用したのは、2020年2月にリニューアルした「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズ。写真のココア味のほか、バニラ味、リッチショコラ味、抹茶風味、ヨーグルト風味がラインアップされている
昔に比べ、プロテインはどんどん溶けやすくなっている。特に、ホエイプロテインは格段にだ。とはいえ、製品によって大きな差があるのも事実。筆者は以前からザバスを愛飲しているので、あまり他メーカーのプロテインの事情は知らないのだが、部内で筋トレがブームとなっており、いろいろなプロテインを飲んでいるという価格.comマガジンの編集者たちによると、溶かすのに苦労したり、ものすごく泡だって飲みづらいものもあるという。そこで、かなり売れているザバスではない他メーカーのホエイプロテインのチョコレート味を同様にシェイクして溶け具合を確かめてみた(下の動画参照)。
持ちやすさや振りやすさに差が出ないようにザバスのシェーカーを使っているが、中に入っているプロテインは別メーカーのもの。同じ秒数振ってみたところ、溶け切ったように見えるが……よく見ると差が!
それぞれ6秒ほどシェイクした状態。ザバスではない他メーカーのホエイプロテインは、泡立ちが多く、ダマになって残っているところもある。まだ、シェーカー側面に粉が付いていることからも、粉っぽそうな印象。実際に飲んでみても、視認した印象どおりで、ザバスでないほうはダマがいくつかあった
このように細かく見比べると、確かに差はある。とはいえ、目くじらを立てるほどではない。だが、リニューアルした「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズは、その一歩先を行っている。シェーカーを振ることも、それ以前にシェーカーを準備する不要もない。グラスやコップにプロテインを入れ、水を注いでかき混ぜるだけで溶けるのだ。
リニューアルしたもののパッケージには、新しい飲み方もきちんと記されている
プロテインはシェーカーに入れて振って溶かすのが当たり前なので、マドラーで混ぜるくらいで溶けると言われても正直信じきれない。ということで、本当に新しい飲み方でイケるのかをテストしてみた(下の動画参照)。
「ザバス ホエイプロテイン100(ココア味)」は軽く混ぜただけだが、ダマにもならずキレイに溶けている
「ザバス ホエイプロテイン100(ココア味)」が驚くほど簡単に溶けたので、試しに、シェーカーを使った際には同レベルで溶けた、ザバスではない他メーカーのホエイプロテインも同じ方法で溶かしてみた(下の動画参照)。
上の動画のとおり、その差は歴然。横からは順調に溶けているように見えるが、上からのアングルで見ると溶けていないことがわかる。プロテインが浮いてしまい、これがなかなか溶けない!
同じくらいの時間かき混ぜてみたが、他メーカーのホエイプロテインは溶け残りがある。これ以降もかき混ぜてみたが、結局完全に溶かすことはできなかった
シェーカーを使う分にはそれほど大きな差がでなかったホエイプロテインでも、ザバスと同じようにシェイクしないで溶かすことは難しいようだ。その差は、グラスに水を注ぐタイミングで現れているように思う。「ザバス ホエイプロテイン100」は水を注いでいる時にプロテインが浮いてこず、そのタイミングですでに溶け始めている印象。溶解性が高いと思われる。
実は、リニューアルで進化したのがこの部分。従来よりザバスは、水などの液体と混ざった際に粒子がほぐれやすいように分散性に効果のある原料を選定する「配合技術」を用いていた。以前からザバスのプロテインを飲んでいる筆者は、シェーカーを使っていたので、当時から溶けにくさを感じたことはない。つまり、配合技術の効果は非常に高かったと言える。それに加え、新たな造粒技術「均質顆粒化製法」を採用することで大きく溶けやすさが向上したのだ。
ザバスのプロテインは原料を粉末にしたあと、粒状に形成する「造粒」工程を通じて製造されている。造粒は、溶解性を高めるだけでなく、プロテインの原料とともに配合されているビタミンなどの栄養素の均一性を高めるための重要なプロセスだという。その段階で、水に溶けやすい大きさの顆粒に均質化できるようにしたのが均質顆粒化製法だ。同じように見える粉であっても、粒子の大きさが違えば溶けやすさに差が出る。たとえば、とても細かい微粉に水を注いでもなかなか水が行き渡らず、水を含んだ粉がくっついてダマになってしまう。いっぽう、大きな粒子の粉では溶けるのに時間がかかる。リニューアルされた「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズは、パウダーを溶けやすい大きさに揃えることで、激しく振って混ぜ合わせなくても溶けるレベルを実現した。
長年プロテインを製造している中で均質顆粒化製法にたどりついたという
上で紹介した「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズに続き、「ザバス ソイプロテイン100」シリーズもリニューアルしている。進化したのは、ホエイプロテイン同様に造粒技術「均質顆粒化製法」を用いることで、溶けやすさを向上させたという点。当然ながら「ザバス ソイプロテイン100」シリーズも、コップに入れてかき混ぜるだけで溶かすことができるという。
2020年8月にリニューアルした「ザバス ソイプロテイン100」シリーズ。ココア味とミルクティー風味がラインアップされている
現在の主流はホエイプロテインだが、実は、筆者は以前からザバスのソイプロテインのココア味がお気に入り。味が好みなのだ。
このような感じで、ソイプロテインをコーヒーと混ぜてよく飲んでいた
「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズがリニューアルしたのは2020年2月とずいぶん前なので、リニューアル前の製品を手に入れることはできなかったのだが、同年8月に改良された「ザバス ソイプロテイン100」シリーズは、まだ飲みきれていないリニューアル前のものが筆者宅にまだ残っていた。そこで、リニューアル前と後で、どのくらい溶けやすさが変わったのかをチェックしてみることに!
左が、2020年8月にリニューアルした「ザバス ソイプロテイン100」シリーズ。右は、リニューアル前のもの
成分を見比べてみると、リニューアル後もたんぱく質の量は同じ。ビタミンなど、配合されている成分は見直されている
製法が変わったというが、目視では違いはわからない。スプーンで触った感触も、相違はない印象
新旧のソイプロテインの溶けやすさを比較する前に、伝えておきたいことがある。一般的にソイプロテインはホエイプロテインより若干溶けにくいと言われているが、ザバスの場合、どちらも同レベルで溶けやすい(下の動画参照)。
上の動画はリニューアル前の「ザバス ソイプロテイン100(ココア味)」をシェイクしている様子。ホエイプロテインの時と同じく6秒くらいで完全に溶かすことができた。これだけ早く溶けるのだから、不満がないのは当然だ。ちなみに、下の動画はザバスではない他メーカーのソイプロテインを同条件でシェイクした様子。こちらも6秒くらいで溶けたので、ソイプロテインは全般的に昔に比べずいぶん溶けやすくなっているようだ。
ただ、同じく6秒で溶けたと思っていただのが、シェーカーのフタを取って中を見てみると若干の差が。ザバスではない他メーカーのソイプロテインは、少しだがダマになった溶け残りがあった。
「ザバス ソイプロテイン100」は、リニューアル前でも溶け残りがない
さて、いよいよ本題。リニューアル前と後の「ザバス ソイプロテイン100(ココア味)」を、グラスを使って溶かしてみた(下の動画参照)。
上の動画のように横から見ると、リニューアル前のものは水を注ぐとプロテインが浮いてしまう。下の動画は、再度行った検証で上から撮影したもの。浮いてしまったプロテインがなかなか溶けないことがわかる。
リニューアル前の「ザバス ソイプロテイン100」は、かき混ぜて完全に溶かせるほどの溶けやすさではなかったようだ
ちなみに、ザバスではない他メーカーのソイプロテインを同じように溶かした結果。リニューアル前の「ザバス ソイプロテイン100」よりも、さらにダマが多い
以上のことから、新たに導入された「均質顆粒化製法」の効果のすごさを実感。これまでどおりシェーカーで振って溶かす分にはそれほど違いは感じないかもしれないが、コップなどに入れてかき混ぜて飲むという新しい飲み方で、おいしく味わうにはリニューアルしたものでないとできないようだ。
もともと溶けやすさに定評があり、シェーカーで溶かす一般的な飲み方であれば、ザバスのプロテインに不満を抱く人はほぼいないだろう。すでに高レベルな仕上がりだったのに、さらに溶けやすさを追求してリニューアルしたことに感心させられる。しかも、きちんと体感できるくらい進化しているのだから驚きだ。なお、今回は撮影するため、比較的ゆっくりとかき混ぜたので時間が少々かかっているように見えるが、特に意識せずに普段どおりのスピードでかき混ぜれば、検証の半分くらいの時間で溶かしきることができた。
最近は、スポーツや筋トレのお供として飲むだけでなく、足りない栄養素を補うためにプロテインを導入している人も多い。そうした人にとって、わざわざシェーカーを用意するのはめんどうかもしれない。現に、価格.comマガジンの編集者やその親の中には、食事でたんぱく質が少なかったと感じる日はプロテインを飲んでいるという。ただ、年老いた親は老化で指が動かしづらくなっており、握力もそれほどないのでシェーカーを振ること自体が大変だったりもするらしい。そうした人にとって、マドラーなどで混ぜるだけで溶かせることは大きなメリット。もちろん、これまで苦労なくシェーカーを使っている人の中にも、コップで混ぜるだけで溶かせるなら、そのやり方で飲みたいと思う人もいるだろう。
会社でシャカシャカとシェーカーを振るのは恥ずかしいという声もよく聞く。そんな人に、新しくなった「ザバス ホエイプロテイン100」シリーズや「ザバス ソイプロテイン100」シリーズはうってつけだ。ちなみに、価格.comマガジンの編集者たちは、リニューアル後のザバスのプロテインを紙コップで飲んでいるという。洗う手間がないのでラクちん! とのこと(笑)
ザバスのプロテインの価格は少々高めだが、溶けにくいというストレスがないのはとても大きな魅力。味も甘すぎないので非常に飲みやすく、溶けやすさと味わいを総合すると“継続して飲んでいきやすい”プロテインだといえる。
ザバスのプロテインは、たんぱく質と一緒に必要な栄養素も配合しているのもポイント。ザバスには目的や状況に合わせた複数のプロテインがラインアップされているが、それぞれに適した配合に調整されている
カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。