レビュー
厳選した4製品を実際に使って比較してみた!

“自転車×キャンプ”してみない? バイクパッキングに最適な小型・軽量な焚き火台を大調査!

スポーツタイプの自転車にアウトドア用品などの荷物を積み、旅に出かける「バイクパッキング」は、ずいぶん前から世界的にブームとなっており、日本国内でも人気が高まっている。今回紹介するのは、そんなバイクパッキングにぴったりな焚き火台。これぞ! と思う4製品を選出し、それらを実際に使用して、積載のしやすさや焚き火台としての性能などを比較してみた。

自転車歴30年以上のベテランで、バイクパッキングも積極的に楽しんでいる佐藤真吾さんにも焚き火台選びに協力してくれた

自転車歴30年以上のベテランで、バイクパッキングも積極的に楽しんでいる佐藤真吾さんにも焚き火台選びに協力してくれた

バイクパッキングでは焚き火台をどのようにして運ぶ?

焚き火台を紹介する前に、自転車で焚き火台を運搬するのに必要な装備を確認しておこう。バイクパッキングで使われることの多いロードバイクやクロスバイクのようなスポーツタイプの自転車は、大半のモデルにキャリア(荷台)やバスケットが装備されていない。そのため、専用バッグを自転車に取り付け、その中に荷物を入れて運ぶのが一般的。下の写真のように「サドルバッグ」「フレームバッグ」「ハンドルバーバッグ」を基本に、荷物の量に合わせて小さめのバッグをプラスしていく。その際、走行性を損なわないよう配置(重量バランス)や総積載量に配慮する必要がある。

バイクパッキングの1例。容量10Lを超えるものも多いサドルバッグは、寝袋やテントなどを収納しやすく、長さのあるフレームバックには長いものも入れられる。フレームバッグの容量は3〜6Lくらいがメイン。ハンドルバーバッグは、あまり重いものを入れるとハンドル操作に支障をきたすので注意しよう

バイクパッキングの1例。容量10Lを超えるものも多いサドルバッグは、寝袋やテントなどを収納しやすく、長さのあるフレームバックには長いものも入れられる。フレームバッグの容量は3〜6Lくらいがメイン。ハンドルバーバッグは、あまり重いものを入れるとハンドル操作に支障をきたすので注意しよう

<関連記事>バイクパッキングについて詳しく知りたい人はこちらの記事をチェック!

バイクパッキングに適した4つの焚き火台を選んでみた

バイクパッカーの多くは、超軽量で小さい「ウルトラライト」なアウトドア用品を用意し、コンパクトにパッキングするスタイルを好む傾向が強い。しかし、そこに明確なルールはないので、最初は極端にこだわらず、できる範囲で始めればいいだろう。とはいえ、自転車で運べる量やサイズには限りがあるもの。ファミリーキャンプで使うようなサイズの焚き火台を自転車で運ぶことも不可能ではないかもしれないが、今回は、走行性を損なわず、快適に安全に運べることを絶対条件としたいので、焚き火台はコンパクトに収納できる総重量が500g以下の製品に限定する。かつ、火床の面積があり、ちゃんとした焚き火ができることも条件とした。当然ながら、コピー商品ではないオリジナルのもののみだ。これらの条件を満たす焚き火台を検討した結果、ベルモント「BM-263焚き火台 TABI」、テンマクデザイン「男前ファイアグリル」、パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」、モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」の4製品を選出した。

左上から時計回りにベルモント「BM-263焚き火台 TABI」、テンマクデザイン「男前ファイアグリル」、パーゴワークス「NINJA FIRESTAND(ニンジャ ファイアスタンド)」、モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」

左上から時計回りにベルモント「BM-263焚き火台 TABI」、テンマクデザイン「男前ファイアグリル」、パーゴワークス「NINJA FIRESTAND(ニンジャ ファイアスタンド)」、モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」

なお、焚き火をする際には、薪を割るナタやナイフ、着火用のライター、トング、使用後の焚き火台を掃除するためのハケ、火の粉が地面に落ちるのを防ぐスパッタシートなども必要だ。今回用意したのは、すべてバイクパッキングのバッグに収まるコンパクトなもの。写真には写っていないが、熱さを防ぐための、燃えにくい素材のグローブも準備しておこう(一般的な焚き火用のグローブだとかさばるので、かさばるのがいやなら代用となるものを選ぼう)。

100円ショップで購入したものもあるが、ナイフはコンパクトでありながら切れ味に定評のある「モーラナイフ コンパニオン オレンジ」(価格は1,900円/税別)を選んだ(左から2つめ)。全長約219mmで、重量は約84g(ナイフのみ)。また、ポケットに入るほどの大きさに折りたためるコニファーコーンのトング「フォールディングトング アングルマスター」(価格は1,800円/税別)も持ち運びやすくて便利(右から2つめ)。使用時のサイズは16(幅)×235(長さ)mmで、収納時のサイズは16(幅)×135(長さ)mm

100円ショップで購入したものもあるが、ナイフはコンパクトでありながら切れ味に定評のある「モーラナイフ コンパニオン オレンジ」(価格は1,900円/税別)を選んだ(左から2つめ)。全長約219mmで、重量は約84g(ナイフのみ)。また、ポケットに入るほどの大きさに折りたためるコニファーコーンのトング「フォールディングトング アングルマスター」(価格は1,800円/税別)も持ち運びやすくて便利(右から2つめ)。使用時のサイズは16(幅)×235(長さ)mmで、収納時のサイズは16(幅)×135(長さ)mm

検証のチェック項目は6つ!

今回選出した4製品は、メーカーの公式サイトで得た情報をもとに判断したに過ぎない。実際に使って、本当にバイクパッキングにベストな焚き火台であるかをチェックしていこう。今回評価するのは、「積載性」「組み立てやすさ」「太い薪の使用可否」「火おこしのしやすさ」「調理のしやすさ」「焚き火としての美しさ」の6項目だ。

【チェック1】積載性
4製品に絞る段階で「重量500g以下で、コンパクトに収納できる焚き火台」に限定したので、今回紹介するものは積載性に特に問題はない。ただし、収納した形状が異なるため、積載方法や収まり具合に差が出てくる。この項目では、積載の自由度にも注視して評価していく。

【チェック2】組み立てやすさ
収納されている焚き火台を、使用できる状態に組み立てる際の簡単さや手数の少なさもポイント。数回使えば馴れて気にならないことかもしれないが、選択の際には知っておきたい要素だ。

【チェック3】太い薪の使用具合
コンパクトな焚き火台の場合、必ずしも大きな薪をくべる必要はないのだが、キャンプ場などで販売されている太い薪をそのままくべることができれば、割る手間がなくなるので準備がラクになる。また、大きな薪を使えれば、ゆっくりと焚き火を楽しみやすい。今回は、そんな焚き火ができるかを試す。

【チェック4】燃焼効率&持続性
空気の通りやすさは燃えやすさに影響する。いわゆる燃焼効率だ。燃焼効率が高いと火おこししやすいだけでなく、火力が弱くなった焚き火を復活させやすくもなる。その半面、薪が早く燃え尽きてしまいやすくもなるので、ほどよく風を防ぐ設計もされているかなど、焚き火台としての燃焼効率のよさと燃焼の持続性をチェック!

【チェック5】調理のしやすさ
今回ピックアップした焚き火台は、ゴトクや網が付属している製品と調理することを前提としていない製品が混在しているが、ちょっとした料理を作ったり、お湯を沸かせたりすると便利。そこで、クッカーなどの調理器具を置いて安定性や使い勝手をテストする。

【チェック6】焚き火としての美しさ
火が安定したあとの、燃え方を見比べてみる。

ここからは検証した結果を製品ごとに紹介していくが、検証自体は、なるべく同じタイミングでの火の状態などを比較できるように4つの焚き火台を並べて同時に作業した。なお、今回の検証は焚き火可能なキャンプ場で許可を得て行ったため、スパッタシートは敷いていない。

薪を割ったり、小枝を集める作業は筆者や価格.comマガジンの編集者も手伝ったが、検証のため、火おこしは佐藤さんがひとりで担当。火が消えないように見守り、薪を追加するなど、薪が燃え上がるまではかなり大変だった

薪を割ったり、小枝を集める作業は筆者や価格.comマガジンの編集者も手伝ったが、検証のため、火おこしは佐藤さんがひとりで担当。火が消えないように見守り、薪を追加するなど、薪が燃え上がるまではかなり大変だった

火おこしを行う際には、焚き付けが必要。購入した薪を削ったり割ったりする事前準備に結構な時間がかかる

火おこしを行う際には、焚き付けが必要。購入した薪を削ったり割ったりする事前準備に結構な時間がかかる

時間的に厳しいので、今回はキャンプ場に落ちていた枯れた小枝や松ぼっくりも焚き付けとして使用。この方法も王道だ

時間的に厳しいので、今回はキャンプ場に落ちていた枯れた小枝や松ぼっくりも焚き付けとして使用。この方法も王道だ

火おこし時に着火剤を使ってもいいが、今回は牛乳パックやダンボールで代用。あらかじめカットして持参すれば、場所もとらない

火おこし時に着火剤を使ってもいいが、今回は牛乳パックやダンボールで代用。あらかじめカットして持参すれば、場所もとらない

【エントリーNo.1】モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」

人力で運べるアイテムにフォーカスした製品開発を行い、自社ブランドの自転車も手がけているだけに、バイクパッキングに向いたアイテムが充実している。なかでも注目を集めたのは、2010年に発売された焚き火台「ワイヤーフレーム」。重量980gという軽さを実現し、焚き火台市場に革命をもたらしたと言われたほどだ。その後、2018年にはさらに軽量化した「ワイヤフレーム ライト」(重量650g)をリリースし、2020年には重量約100gの「ワイヤーフレームフェザー MT-0111」(以下、ワイヤーフレームフェザー)が登場。圧倒的に軽い焚き火台として、今回、ワイヤーフレームフェザーを選出した。
※以下で紹介するワイヤーフレームフェザーは何度か使用した状態のものです。

使用時のサイズは435(幅)×370(奥行)×165(高さ)mm。ワイヤーで火床を吊した設計となっている。スプリングがきくため、軽量ながらも強靱さもあわせ持つという。価格は19,800円(税込)

使用時のサイズは435(幅)×370(奥行)×165(高さ)mm。ワイヤーで火床を吊した設計となっている。スプリングがきくため、軽量ながらも強靱さもあわせ持つという。価格は19,800円(税込)

▶チェック1:積載性

チタンメッシュを採用した火床は折りたたむことができ、土台となる3本のアームも束ねられるのでパーツ数は2点。コンパクトに収納できるのはもちろん、その薄さは突出している。

付属の袋に入れて収納する。収納時のサイズは130(幅)×340(長さ)mmで、収納袋に入れても重量は約125g。なお、収納袋は紙製だが、紙とは思えないほどの耐久性を誇るカラードタイベックを採用している

付属の袋に入れて収納する。収納時のサイズは130(幅)×340(長さ)mmで、収納袋に入れても重量は約125g。なお、収納袋は紙製だが、紙とは思えないほどの耐久性を誇るカラードタイベックを採用している

もっとも容量の大きいサドルバッグに収納できるのはもちろん、車体中央に位置するフレームバッグにも余裕を持って収まる。薄くてコンパクトなので、積載箇所の自由度が高い

もっとも容量の大きいサドルバッグに収納できるのはもちろん、車体中央に位置するフレームバッグにも余裕を持って収まる。薄くてコンパクトなので、積載箇所の自由度が高い

▶チェック2:組み立てやすさ

3本のアームを広げて土台を作り、火床に付いているワイヤーをアームにかけるだけ!

ジョイントからアームを引き出せば、土台が完成。ジョイントには3か所の溝が設けられており、各アームがそれぞれに収まるようになっている。つまり、カチッとはまるところまで引き出せばいいだけなので、引き出す位置を悩むこともない

ジョイントからアームを引き出せば、土台が完成。ジョイントには3か所の溝が設けられており、各アームがそれぞれに収まるようになっている。つまり、カチッとはまるところまで引き出せばいいだけなので、引き出す位置を悩むこともない

次に、火床に付いている3つのワイヤーをアームに引っかければ、組み立て作業は終了だ

次に、火床に付いている3つのワイヤーをアームに引っかければ、組み立て作業は終了だ

▶チェック3:太い薪の使用具合

300(幅)×280(奥行)mmの広さの火床には、キャンプ場で購入した薪は収まりきらない。火床からはみ出す形となるが三角になるように薪を並べ、内側に焚き付けをセットした。薪は重なっている部分もあるが、けっこう安定している。ただし、実はこの使い方はイレギュラー。ワイヤーフレームフェザーは、薪をわざわざ用意しなくても落ちている小枝で焚き火が楽しめる設計なので、耐荷重は500gと小さめ。一般的なサイズの薪なら1本が限界かもしれないのだが、今回は薪をくべる回数を減らしたいので、どうしても大きめの薪が使いたい。ということで、メーカーに許可を得て耐荷重を超える重さの薪を使い、焚き火を行った。

細めの薪を選んだが、それでも耐荷重の1.5kgは超えていると思われる。しかし、重みで土台がつぶれることもなく、かなりタフだ。とはいえ、大きめの薪は焚き火台が倒れないように重ね方を工夫しなければならず、ポンポンと気軽に投入はできない。だが、バランスを考えながら薪を重ねる作業は結構やみつきになるほどおもしろい

細めの薪を選んだが、それでも耐荷重の1.5kgは超えていると思われる。しかし、重みで土台がつぶれることもなく、かなりタフだ。とはいえ、大きめの薪は焚き火台が倒れないように重ね方を工夫しなければならず、ポンポンと気軽に投入はできない。だが、バランスを考えながら薪を重ねる作業は結構やみつきになるほどおもしろい

▶チェック4:燃焼効率&持続性

メッシュの火床は空気の通りがいいようで、素早く焚き付けできた。そこから薪への燃え移りもスムーズ。さらに、ワイヤーで吊された火床は凹んだ状態にたわみ、中央に火種が溜まるのだが、火種を囲むように火床の壁ができることにより、横からの風をガードしてくれる。燃焼効率は高いが、燃え尽きるスピードは早過ぎず、バランスがいい印象だ。

三角に薪を配置したことで底に空間が生まれ、高い通気性を確保できたようだ。中央にある焚き付けから薪に火が移るため、薪は中央部から燃えていく

三角に薪を配置したことで底に空間が生まれ、高い通気性を確保できたようだ。中央にある焚き付けから薪に火が移るため、薪は中央部から燃えていく

ある程度燃えたら火床からはみ出している部分の薪が落下しないよう、火床を整える必要がある。火を育てるため、薪をたくさんくべてみたが、火移りもよく燃えていく

ある程度燃えたら火床からはみ出している部分の薪が落下しないよう、火床を整える必要がある。火を育てるため、薪をたくさんくべてみたが、火移りもよく燃えていく

▶チェック5:調理のしやすさ

調理することを前提とした焚き火台ではないため、ゴトクなどは装備されていない。調理器具が載せやすいように薪の配置をいろいろ工夫しながら調理してみた。

細めの薪をゴトク代わりになるように配置し、その上にメスティンを置いてみたところ、うまくいったように見えたのだが、ゴトクとして代用している薪が燃えて崩れ落ちた瞬間にメスティンも傾いてしまった。瞬時に気付いたので中身はこぼれなかったが、焼き網(別売)を使えばうまくいったかもしれない

細めの薪をゴトク代わりになるように配置し、その上にメスティンを置いてみたところ、うまくいったように見えたのだが、ゴトクとして代用している薪が燃えて崩れ落ちた瞬間にメスティンも傾いてしまった。瞬時に気付いたので中身はこぼれなかったが、焼き網(別売)を使えばうまくいったかもしれない

細い薪をゴトク代わりにした前述の経験を生かし、今度は、燃え尽きるのに時間がかかる太めの薪を土台にしてみたところ、ケトルでお湯を無事に沸かすことができた

細い薪をゴトク代わりにした前述の経験を生かし、今度は、燃え尽きるのに時間がかかる太めの薪を土台にしてみたところ、ケトルでお湯を無事に沸かすことができた

薪が燃えて炭化したとこにホットサンドメーカーを置いてみると、安定度はバツグン! しかし、火が上がるところと炭の熱で焼くところで温度差があり、焼きムラができてしまった。ちなみに、ホットサンドメーカーは具材によって火の入り方に差が出るので、こまめに焼け具合を確認しながら作るほうがいいだろう

薪が燃えて炭化したとこにホットサンドメーカーを置いてみると、安定度はバツグン! しかし、火が上がるところと炭の熱で焼くところで温度差があり、焼きムラができてしまった。ちなみに、ホットサンドメーカーは具材によって火の入り方に差が出るので、こまめに焼け具合を確認しながら作るほうがいいだろう

▶チェック6:焚き火としての美しさ

火が落ち着いてからは、火床中央に集まった火種が長く燃え続け、少し薪を加えるだけでゆったりと焚き火を楽しめる。三角形の火床は、どの位置からも正面で見ている状態になるので、どこから眺めても美しい。また、じっと焚き火を見ていると、極薄のチタンメッシュとフレームが背景に溶け込み、まるで火が空中に浮かんでいるかのような錯覚さえ起こす。

火床中央の火種にかかるように薪をくべていくと、ほどよく立ち上がる火が維持しやすい。真っ赤に熱を持った中央部から、その上に置いた薪に火が移り燃えている様子に癒やされる

火床中央の火種にかかるように薪をくべていくと、ほどよく立ち上がる火が維持しやすい。真っ赤に熱を持った中央部から、その上に置いた薪に火が移り燃えている様子に癒やされる

●モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」の総評

火床は大きくなく、薪を載せるとテンションがかかるので薪の積み重ね方には工夫が必要だが、それが非常におもしろい。創造的に楽しむことができる焚き火台と言えるだろう。今回は太めの薪をくべ、耐荷重を度外視した使い方をしたが、メーカーが推奨するように、その辺に落ちている小枝を使っての焚き火でも中央に火種を育てていけるので、ゆったりと焚き火を眺めながら過ごすことはできるはず。そして、なんといっても軽量で、収納した形状が薄いのがいい。自転車への積載性は今回試した4製品の中でもっとも高く、組み立てもカンタン。積み込みから焚き火で使う木材の用意まで、準備に手間をかけずに楽しみやすい。

【エントリーNo.2】パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」

「Pack and Go!(荷物を詰め込んで出かけよう!)」という意味を込めたブランド名を掲げ、2011年に創業した国産ブランド「パーゴワークス」は、アウトドアを積極的に楽しむスタッフが設計・開発していることもあり、その製品は、使い勝手など細かいところまで練られていると評判が高い。今回選出した「NINJA FIRESTAND」は「忍ばす焚き火台」というコンセプトで作られたもの。巻物のような形状にして収納でき、忍ばすように持ち運びできる。

使用時のサイズは360(幅)×360(奥行)×300(高さ)mm。各パーツはサビにくいステンレス製。広い火床に4本の脚とゴトクを備えている。価格は13,200円(税込)

使用時のサイズは360(幅)×360(奥行)×300(高さ)mm。各パーツはサビにくいステンレス製。広い火床に4本の脚とゴトクを備えている。価格は13,200円(税込)

▶チェック1:積載性

4本の脚、火床、ゴトクはそれぞれ分離できるようになっている。ステンレス製の火床は紙のように丸められるようになっており、収納した姿は、まさに巻物。若干長さはあるが、スリムなのでバッグの隙間にも差し込みやすい。また、幅や奥行きが少ないので、自転車のフレームに沿わせて収納することも可能だ。

付属の収納ケースには、火床と脚、ゴトクをそれぞれ収めるポケットが用意されている。収納ケースをクルクルと丸め、ヒモで留めれば完了だ。収納時のサイズは約380(幅)×50〜60(直径)mmで、重量は約280g

付属の収納ケースには、火床と脚、ゴトクをそれぞれ収めるポケットが用意されている。収納ケースをクルクルと丸め、ヒモで留めれば完了だ。収納時のサイズは約380(幅)×50〜60(直径)mmで、重量は約280g

長さがあるので、フレームバッグに入れるのがよさそう。今回用意したフレームバッグにキレイに収まった

長さがあるので、フレームバッグに入れるのがよさそう。今回用意したフレームバッグにキレイに収まった

自転車のフレームにくくりつけられるパーツを装着しておけば、直に取り付けて運ぶこともできる。ダウンチューブの下部には大きめのバッグは付けにくいので、このようにスペースを有効に使えるのはありがたい。ちなみに、今回使用した装着用パーツはFix It Sticksのもの。ボトルゲージを取り付けるベースとなるツールにベルクロを通し、物を固定できるようにしている

自転車のフレームにくくりつけられるパーツを装着しておけば、直に取り付けて運ぶこともできる。ダウンチューブの下部には大きめのバッグは付けにくいので、このようにスペースを有効に使えるのはありがたい。ちなみに、今回使用した装着用パーツはFix It Sticksのもの。ボトルゲージを取り付けるベースとなるツールにベルクロを通し、物を固定できるようにしている

▶チェック2:組み立てやすさ

ゴトク(ブリッジ)を広げて火床にセットし、その反対側に4本の脚を取り付ければ組み立て完了。

火床の上にゴトク、下に脚が配置されるように取り付ければいいので、わかりやすい。火床は縫い目のないほうが上側になる

火床の上にゴトク、下に脚が配置されるように取り付ければいいので、わかりやすい。火床は縫い目のないほうが上側になる

脚を下にして立たせ、火床をストッパーまで下げる。これ以上下がらないところがストッパー部なので、深く考えずに引き下げればいい

脚を下にして立たせ、火床をストッパーまで下げる。これ以上下がらないところがストッパー部なので、深く考えずに引き下げればいい

ゴトクの中央にあるヒンジをひねれば、火床のテンションを調整できる。使用する薪の大きさに合わせて調整するといいだろう。ただ、脚が長いので、火床はピンッと張っておいたほうが安定性は高まる印象

ゴトクの中央にあるヒンジをひねれば、火床のテンションを調整できる。使用する薪の大きさに合わせて調整するといいだろう。ただ、脚が長いので、火床はピンッと張っておいたほうが安定性は高まる印象

▶チェック3:太い薪の使用具合

脚が細くて長いため耐荷重が懸念されるが、2kgの荷重に対応する。火床が広いので、長さのある薪もそれほど火床から飛び出さずにセットできた。さえぎるものがなく、薪が置きやすいのも◎。

火床に薪をセットするのが一般的な方法かもしれないが、今回は火床に焚き付けを置き、ゴトク(ブリッジ)に太めの薪を載せてみた。薪のサイズを気にせずセットでき、荷重が増すほどに焚き火台の安定感も増すので安心して準備できる

火床に薪をセットするのが一般的な方法かもしれないが、今回は火床に焚き付けを置き、ゴトク(ブリッジ)に太めの薪を載せてみた。薪のサイズを気にせずセットでき、荷重が増すほどに焚き火台の安定感も増すので安心して準備できる

▶チェック4:燃焼効率&持続性

テンションのかけ具合にもよるが、今回のようにピンッと張ったフラットな火床には遮るものがなく、横からも下からも空気が通り、焚き付けは素早く燃焼した。しかも、火床に焚き付け、ゴトクの上に薪をセットした積み方もよかったのか、太い薪が燃え始めるのも早い印象。ただ、その分、薪が燃え尽きるのも早く、使用した薪の量は多めだった。

四方が空いているため、焚き付けも追加しやすく、着火もしやすい。あっという間に焚き付けは燃えた

四方が空いているため、焚き付けも追加しやすく、着火もしやすい。あっという間に焚き付けは燃えた

ゴトクに太い薪を載せ、ある程度燃えたものから火床に移動させるという方法で試してみたところ、大成功。高い通気性が保てるため、火床の火をキープしやすく、ゴトクに置いた薪もその火で燃やさされ、効率よく火種が育てられた

ゴトクに太い薪を載せ、ある程度燃えたものから火床に移動させるという方法で試してみたところ、大成功。高い通気性が保てるため、火床の火をキープしやすく、ゴトクに置いた薪もその火で燃やさされ、効率よく火種が育てられた

燃焼効率が高いので火起こしにも苦労しなかったが、もしも燃えにくかったり、火が消えかけたりした際にはNINJA FIRESTANDに付属する「火吹き棒」を使うといい。平たいものであおいでもいいが、火吹き棒を使えば空気を送りたいところがピンポイントで狙えるだけでなく、灰の舞い上がりも抑えられる。

空洞の金属棒にチューブを装着して使用する

空洞の金属棒にチューブを装着して使用する

下の動画は火吹き棒を使っている様子。焚き火台はあとで紹介するテンマクデザイン「男前ファイアグリル」だが、火吹き棒で空気を送ると火の勢いがよみがえった。なお、チューブはやわらかいので、真正面ではない場所に風を送ることも容易だ。

▶チェック5:調理のしやすさ

ゴトクを備えているので問題なく調理できるはずだが、細い棒がクロスした形状のゴトクは一般的なものとは異なる。そのため、安定性に不安はあったが、実際に調理器具を置いてみると……不思議とおさまりがいい! ゴトクに載せる際に、そこまで慎重にバランスを取らなくてもセットできたのもよかった。また、小型な焚き火台としては高さがあるので、立ったり座ったり、腰を曲げたりといった動作での負担も少ない。

いろいろな調理器具を置いてみたが、安定性はそれなりにある。ただ、火床の上に全体が載ってしまうので、調理器具の持ち手が溶けたり燃えやすい素材の場合は注意が必要

いろいろな調理器具を置いてみたが、安定性はそれなりにある。ただ、火床の上に全体が載ってしまうので、調理器具の持ち手が溶けたり燃えやすい素材の場合は注意が必要

▶チェック6:焚き火としての美しさ

NINJA FIRESTANDも四方を遮るものがなく、どの位置からも焚き火を鑑賞可能。大きめの薪をくべることができるので、豪快に燃え上がる炎から落ち着いた炎までいろいろな焚き火を堪能できる。火床の上にゴトクが常設された構造だが、ゴトクの主張は控えめなので焚き火としての美しさを損ねることはない。

薪が燃え尽きるのは早いが、薪をくべやすく、新たに投入した薪への燃え移りもスピーディーなので、ゆったりと鑑賞できる。ただし、風よけがなく火床の位置も高いため、風の強さによっては工夫が必要

薪が燃え尽きるのは早いが、薪をくべやすく、新たに投入した薪への燃え移りもスピーディーなので、ゆったりと鑑賞できる。ただし、風よけがなく火床の位置も高いため、風の強さによっては工夫が必要

●パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」の総評

巻物のように丸めて収納するスタイルは、コンパクトになって便利というだけでなく、遊び心が感じられるのがいい。焚き火台だとは想像できない姿から焚き火台を出現させる一連の流れは、人に見せたくなる魅力がある。そして、完成した焚き火台は、収納状態からは想像できないほど大きい。火床が広いので、5、6人で囲んでもいいだろう。また、シンプルで軽量な造りながらゴトクが装備されていて汎用性も高い。細い金属棒を2本クロスさせただけのゴトクは調理器具が置きづらそうに見えるが、想像よりもスムーズに調理できた。正直、最初はなぜこのようなゴトクにしたのかと思ったが、小型・軽量化を図るのと、常設されているものだけに最小限のパーツにすることで焚き火の鑑賞をじゃましないように考慮された結果なのかもしれない。薪のくべ方の自由度も高いので、いろいろな意味で楽しめる焚き火台だと言える。

【エントリーNo.3】テンマクデザイン「男前ファイアグリル」

幅広いアウトドアギアを手がける「テンマクデザイン」は、特に「焚火」と「食」に関わる製品に力を入れている。今回セレクトした「男前ファイアグリル」は、アウトドアをコンセプトにしたカフェ「BASE CAMP」を運営し、アウトドアイベントやグッズのプロデュースも行っているA-sukeこと岡野永佑さんが開発したもの。小型化が進むと煩雑な組み立てが必要になることが多いので、カンタンに準備できる設計に注力したという。収納時はコンパクトだが、大きめの薪もくべることができるV字の縦長形状となっているのもポイント。また、製品名に「グリル」と付くだけに調理もできるようになっており、ゴトクが付属している。
※以下で紹介する男前ファイアグリルは何度か使用した状態のものです。

使用時のサイズは200(幅)×250(奥行)×150(高さ)mm。すべてチタン製で、着脱できるゴトクも付属する。価格は9,900円(税込)

使用時のサイズは200(幅)×250(奥行)×150(高さ)mm。すべてチタン製で、着脱できるゴトクも付属する。価格は9,900円(税込)

▶チェック1:積載性

収納スタイルは平べったくなるものの、前述のモノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」ほどには薄くならない。とはいえ、それでも厚さは15mmと十分薄型なので、バッグの空きスペースに入れられる。収納時の重量は今回選出した4製品の中でもっとも重い493gだが、自転車の走行性に影響が出るほどではないので問題ない。

付属の収納袋に入れたサイズは165(幅)×310(長さ)×15(高さ)mm。モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」と似た形状だが、幅や厚みはワイヤーフレーム フェザーよりあるものの、長さは男前ファイアグリルのほうが30mm短い

付属の収納袋に入れたサイズは165(幅)×310(長さ)×15(高さ)mm。モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」と似た形状だが、幅や厚みはワイヤーフレーム フェザーよりあるものの、長さは男前ファイアグリルのほうが30mm短い

フレームバッグにキレイに収納できた。ある程度幅がある製品なので、浅めのフレームバッグだと入らないこともあるかもしれない

フレームバッグにキレイに収納できた。ある程度幅がある製品なので、浅めのフレームバッグだと入らないこともあるかもしれない

バッグに入らない時は、自転車に直接取り付けられるようにすればいい。パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」ではダウンチューブに付けられるパーツを用いたが、男前ファイアグリルはフロントフォークにプレート(Pep cyclesが開発中の「フラットキャリアプレート」(仮称))を装着し、別途用意したストラップで固定して運ぶこともできる

バッグに入らない時は、自転車に直接取り付けられるようにすればいい。パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」ではダウンチューブに付けられるパーツを用いたが、男前ファイアグリルはフロントフォークにプレート(Pep cyclesが開発中の「フラットキャリアプレート」(仮称))を装着し、別途用意したストラップで固定して運ぶこともできる

▶チェック2:組み立てやすさ

ここまで紹介した2製品は分離されている火床や脚などを取り付ける組み立て方法だったが、男前ファイアグリルは一体化した構造となっているため、本体を広げてV字にし、脚を広げれば焚き火台になる。最後にV字のサイドにサポートバーを装着したら完成だ。

収納袋に入っていたのは、本体とサポートバーのみ(写真左)。ゴトクは折りたたまれた本体の中に入っており、収納にムダがない。火床をとなる部分を開き、脚を開きというように展開していくと焚き火台になる

収納袋に入っていたのは、本体とサポートバーのみ(写真左)。ゴトクは折りたたまれた本体の中に入っており、収納にムダがない。火床をとなる部分を開き、脚を開きというように展開していくと焚き火台になる

V字に開いた火床のサイドにサポートバーを装着することで、強度がアップ。耐荷重は4kgとなる

V字に開いた火床のサイドにサポートバーを装着することで、強度がアップ。耐荷重は4kgとなる

▶チェック3:太い薪の使用具合

耐荷重は4kgあるもののコンパクトなため、キャンプ場で購入した薪をそのまま置くと焚き火台からはみ出してしまう。とはいえ、背が低く、しっかりとした脚を備えているので安定性はバツグン。薪を載せた際にもグラつきがなく、倒れにくそうなので、心配せずに載せられる気楽さがある。

V字の火床に焚き付けを入れ、焚き火台の上部に太い薪をセット。意外と収まりがいい印象だ

V字の火床に焚き付けを入れ、焚き火台の上部に太い薪をセット。意外と収まりがいい印象だ

▶チェック4:燃焼効率&持続性

火床となる2枚の平板には空気穴がなく、上下の通気は得られない。V字に開いたところを通る空気で酸素を供給する仕組みとなっているため、横からも通気はしないが、このような構造とすることで火種を作りやすくしているのだという。前述の2製品はメッシュの火床だったので、それらに比べると通気性は控えめ。1方向からの通気性を若干心配していたが、穴のない平板によって熱が閉じ込められることも影響してか、焚き付けの燃え方も勢いがよく、上に置いた薪に効率よく火が燃え移っていった。

けっこうたくさん焚き付けを入れたが、スムーズに着火

けっこうたくさん焚き付けを入れたが、スムーズに着火

太めの薪を燃やすパワーもなかなか。ただ、火の当たる個所は限られるため、その部分が燃え尽きてしまうと太めの薪の両サイドは焚き火台の外に落下してしまう

太めの薪を燃やすパワーもなかなか。ただ、火の当たる個所は限られるため、その部分が燃え尽きてしまうと太めの薪の両サイドは焚き火台の外に落下してしまう

落下した薪を火床に入れてみると、上下からの通気がないためか酸素不足の状態に。しっかりとした火種ができていないタイミングで大きめの薪を入れる時には、空気の通りを意識して薪を配置しよう

落下した薪を火床に入れてみると、上下からの通気がないためか酸素不足の状態に。しっかりとした火種ができていないタイミングで大きめの薪を入れる時には、空気の通りを意識して薪を配置しよう

火床の火種が安定すると、太い薪もしっかり燃えるように。火床に収めた太い薪は比較的長く燃焼していたが、投入できる薪の量は少なめだ

火床の火種が安定すると、太い薪もしっかり燃えるように。火床に収めた太い薪は比較的長く燃焼していたが、投入できる薪の量は少なめだ

▶チェック5:調理のしやすさ

ゴトクが付属しているので、当然ながら調理しやすい。焚き火台の安定性も高く、耐荷重も4kgあるので、幅広い調理が行える。ただ、ゴトクをセットすると火床から飛び出すほど高さのある薪は入れられない。そのため、火の総量は少なめになるが、V字の板材が熱を上に反射させて調理器具に熱を伝える設計となっているので、温めたり焼いたりするスピードは上々。さらに、火床で炭化した薪が長く高熱を保ってくれるため、細めの薪や小枝などを必要な分だけ投入すれば中火〜弱火を作ることも可能だ。火が当たる位置がある程度集中できるので、調理器具の持ち手に火が当たりにくいのもありがたい。

焚き火台にゴトクを載せる溝が設けられているのもポイント。ゴトクがズレないので、調理器具を載せる際の安心度が高い

焚き火台にゴトクを載せる溝が設けられているのもポイント。ゴトクがズレないので、調理器具を載せる際の安心度が高い

分厚い鋳鉄でできたスキレットも問題なく置ける。安定性も高いので、汁物も安心して作れるだろう。また、ゴトクがズレる心配もないため、途中で焼け具合を確認したり、ひっくり返したりする調理も気兼ねなく行える

分厚い鋳鉄でできたスキレットも問題なく置ける。安定性も高いので、汁物も安心して作れるだろう。また、ゴトクがズレる心配もないため、途中で焼け具合を確認したり、ひっくり返したりする調理も気兼ねなく行える

▶チェック6:焚き火としての美しさ

ゴトクは取り外しできるので、焚き火として鑑賞する際のじゃまにはならない。くべられる薪の量は少ないため燃え上がる火のサイズも小さめだが、包み込むように火床があることで余計な風が吹き込まず、燃焼は安定している。薪の積み方もある程度決まってしまうため、創造性を求める人には物足りないかもしれないが、V字の底に赤い火種が溜まり、炉のように熱を放つ様子はとてもキレイ。このサイズ感だからこそ、つい見入ってしまう魅力がある。

焚き火の上に長さのある薪を並べると、中央が燃えたあと薪の両サイドが焚き火台の外に落下してしまうため、ゆっくりと鑑賞する時は火床に収めように薪をくべるといいだろう。火種が長く持続するので、焚き火の維持もしやすい。

焚き火の上に長さのある薪を並べると、中央が燃えたあと薪の両サイドが焚き火台の外に落下してしまうため、ゆっくりと鑑賞する時は火床に収めように薪をくべるといいだろう。火種が長く持続するので、焚き火の維持もしやすい。

●テンマクデザイン「男前ファイアグリル」の総評

本体と脚を開けば組み立てられるということだったので、取扱説明書を見ずに展開したら、開き方に若干とまどってしまった(笑)。だが、1回展開方法を理解すると次からはカンタン。組み立てるためのパーツを複数用意する必要もなく、パタパタパタと開けばいいだけなので、手数の少なさはピカイチだ。分離されたパーツが少なく、紛失する心配が少ないのもいい(サポートバーは強度を増すためのものなので、調理をせず、それほど大きくない薪を使用する場合には取り付けなくても問題ないと思われる)。薪のくべ方の自由度は低いが、それは逆にわかりやすさであるとも言える。価格設定も1万円以下なので、焚き火台初心者にはうってつけだろう。大人数で使用するのには向かないが、ソロキャンプで調理から焚き火までカバーできる焚き火台だ。

【エントリーNo.4】ベルモント「BM-263 焚き火台 TABI」

ここまで紹介した3台の様子からもわかるように、焚き火台は使用すると変色してしまう。それは仕方がないことであり、それが味でもあるのだが、使い続けると劣化する部分も出てくる。また、組み立てるタイプの場合、パーツを紛失してしまう可能性もあるだろう。その点、「BM-263 焚き火台 TABI」(以下、焚き火台 TABI)は長く愛着を持って使用してもらえるように、別売でパーツを用意。焚き火台としての性能を追求するだけでなく、使用者の気持ちによりそった開発をしているところもグッとくる。当然ながら、今回選出した1台なので、軽さやコンパクトにまとめられる収納性は問題なし。それでいて火床は広さと深さがあり、調理もできるように焼き網も付属する。
※以下で紹介する焼き網は何度か使用した状態のものです。

使用時のサイズは237(幅)×360(奥行)×170(高さ)mm。本体はチタン製だが、着脱できる焼き網はステンレス製。価格は11,000円(税込)

使用時のサイズは237(幅)×360(奥行)×170(高さ)mm。本体はチタン製だが、着脱できる焼き網はステンレス製。価格は11,000円(税込)

▶チェック1:積載性

モノラル「ワイヤーフレーム フェザー MT-0111」やパーゴワークス「NINJA FIRESTAND」のように火床を折りたたんだり、丸めることはできず、テンマクデザイン「男前ファイアグリル」よりも火床が大きいので、収納サイズは今回選出した4製品の中でもっとも大きい。バッグのサイズによっては収納できないかもしれないが、前述のように自転車への積載方法はバッグを使うことだけではないので、自転車にそのまま固定させれば問題なく運ぶことができる。

付属の収納袋に入れて持ち運びできる。収納時のサイズは178(幅)×360(長さ)×15(高さ)mmで、重量は423g(収納袋除く)

付属の収納袋に入れて持ち運びできる。収納時のサイズは178(幅)×360(長さ)×15(高さ)mmで、重量は423g(収納袋除く)

今回用意したバッグにはギリギリ入らなかったので、フロントフォークに装着できるPep cyclesのプレートを使って運搬した

今回用意したバッグにはギリギリ入らなかったので、フロントフォークに装着できるPep cyclesのプレートを使って運搬した

▶チェック2:組み立てやすさ

火床と脚が分離された組み立て式タイプ。しかも、2枚のプレートを組み合わせて火床を作り、脚を取り付け、最後に側板を装着するというように手数は多めだ。初見では大変そうに感じるが、複雑な構造はなく、接続部もわかりやすいのでパーツ数が多いわりにはカンタンだった。

同梱されているパーツは8点と多い

同梱されているパーツは8点と多い

組み立て方は、最初に2枚のプレートを接続して火床を作り、次に火床を少したわませながら3本の脚を装着するだけ

組み立て方は、最初に2枚のプレートを接続して火床を作り、次に火床を少したわませながら3本の脚を装着するだけ

側板を取り付ければ、何もない状態よりも空気の通りを抑えられる。側板は最後まで差し込んでも空気の通り道は確保されるので、装着しておいても通気性が損なわれることはない。なお、側板の装着はマストではないため、軽さを重視したいなら火床と脚だけで使うことも可能。その場合、重量は298gとなる

側板を取り付ければ、何もない状態よりも空気の通りを抑えられる。側板は最後まで差し込んでも空気の通り道は確保されるので、装着しておいても通気性が損なわれることはない。なお、側板の装着はマストではないため、軽さを重視したいなら火床と脚だけで使うことも可能。その場合、重量は298gとなる

▶チェック3:太い薪の使用具合

長さのある火床は長めの薪も入れやすい。長さはパーゴワークス「NINJA FIRESTAND」と同じで、広さにおいては負けてしまうが、焚き火台 TABIの湾曲した火床は防風効果があるため火起こしがしやすく、太めの薪への引火もスムーズだった。さらに、火床の耐荷重が15kgもあるので、重量オーバーをそれほど気にせずに薪をくべられるのは気楽だ。

長い薪をくべやすいように側板を片方だけ取り外してみた。火床に焚き付けを入れ、空気の通り道を確保した状態で太めの薪をセット

長い薪をくべやすいように側板を片方だけ取り外してみた。火床に焚き付けを入れ、空気の通り道を確保した状態で太めの薪をセット

▶チェック4:燃焼効率&持続性

側板を装着する部分のほか、火床にも空気が通る穴が16か所設けられているので、湾曲した火床で風を防ぎつつ、しっかりと通気性を確保。そのおかげか、焚き付けが燃え上がるのは早かった。また、湾曲した火床は空気の通り道も作りやすく、火が当たる部分も比較的絞り込めるので上にセットした太めの薪への引火もスムーズ。火床の深さもあるので焚き付けや薪の追加もしやすく、炭化した薪を入れておける容積が大きいので燃焼の持続性も高い印象だ。

火床の上にきちんと火が届くので、そこに薪を並べておけば確実に燃やすことができる。空気の通りがいいので、火の回りが想像以上にいい

火床の上にきちんと火が届くので、そこに薪を並べておけば確実に燃やすことができる。空気の通りがいいので、火の回りが想像以上にいい

通気性が高くてよく燃えるので、小型の焚き火台とは思えないほどの薪を投じてみた。火床の耐荷重が15kgあるからと、たくさん積んでみたが少々オーバーしていたかもしれない……。それでも脚や火床は変形しなかったので、このまま続行。ちょっと目を離した間に大きな炎が燃え上がっていたが、このおかげで大きな薪が炭化し、調理するのにベストな炭が用意できた

通気性が高くてよく燃えるので、小型の焚き火台とは思えないほどの薪を投じてみた。火床の耐荷重が15kgあるからと、たくさん積んでみたが少々オーバーしていたかもしれない……。それでも脚や火床は変形しなかったので、このまま続行。ちょっと目を離した間に大きな炎が燃え上がっていたが、このおかげで大きな薪が炭化し、調理するのにベストな炭が用意できた

▶チェック5:調理のしやすさ

付属の焼き網は、パーゴワークス「NINJA FIRESTAND」やテンマクデザイン「男前ファイアグリル」のゴトクよりも圧倒的に広い。つまり、底面が大きめの調理器具も載せやすいというわけだ。焼き網の耐荷重は3kgとなっている。また、火床の広さもポイント。火床を包み込むような構造はテンマクデザイン「男前ファイアグリル」と似ているが、焚き火台 TABIの火床のほうが広くて高さもあるので、大きな薪をたくさんくべられる。その分、薪が炭化した状態でも強い火力を得られた。

焚き火台には焼き網のズレ防止加工が施されているので、安心して調理できる。焼き網のサイズは178(幅)×249(長さ)mm

焚き火台には焼き網のズレ防止加工が施されているので、安心して調理できる。焼き網のサイズは178(幅)×249(長さ)mm

脚が3本あるので、安定性がバツグンにいい。片側においても焚き火台が傾いたり、倒れる心配がないので、液体の温めも安心して行える

脚が3本あるので、安定性がバツグンにいい。片側においても焚き火台が傾いたり、倒れる心配がないので、液体の温めも安心して行える

大きな薪をじわじわと燃焼させられるので、熱心に火の番をしなくても比較的長い間調理できた

大きな薪をじわじわと燃焼させられるので、熱心に火の番をしなくても比較的長い間調理できた

広い火床を利用して、弱火と強火の異なる火力を同時に作ることもできる

広い火床を利用して、弱火と強火の異なる火力を同時に作ることもできる

なお、2021年3月に焼き網がリニューアルされ、重量はそのままで、耐荷重が3kgから5kgにアップ。重量4kg未満の製品も数多くラインアップされている8インチのダッチオーブンも使えそうだ

なお、2021年3月に焼き網がリニューアルされ、重量はそのままで、耐荷重が3kgから5kgにアップ。重量4kg未満の製品も数多くラインアップされている8インチのダッチオーブンも使えそうだ

▶チェック6:焚き火としての美しさ

フラットな火床ではないため、薪のくべ方はある程度決まってくる。しかし、広さと長さがあるため、テンマクデザイン「男前ファイアグリル」より自由度は高い印象。そして、大きめの薪を多めに投入できるのもいい。薪を追加する回数が少なくて済むだけでなく、炭化した薪の赤い部分が風によって火を起こす様子を眺めるのも、太めの薪のほうが見応えがあって個人的に好き。

湾曲した火床のおかげで風も防げ、いったん勢いよく火が付けば、そのあと火種をキープするのはカンタン。側板は1枚だけ装着した状態で使用したが、長さのある薪が投入しやすく、通気性と燃焼のバランスもよかったので、3方向をプレートで囲むスタイルはなかなかよさそう

湾曲した火床のおかげで風も防げ、いったん勢いよく火が付けば、そのあと火種をキープするのはカンタン。側板は1枚だけ装着した状態で使用したが、長さのある薪が投入しやすく、通気性と燃焼のバランスもよかったので、3方向をプレートで囲むスタイルはなかなかよさそう

●ベルモント「BM-263 焚き火台 TABI」の総評

小型の焚き火台であっても、燃焼の持続性や焚き火としての迫力を考えると大きめの薪はくべたいところ。焚き火台 TABIは火床の耐荷重が15kgもあり、大きめの薪も投入しやすい広さも確保されている。側板下部や火床に通気穴が設けられているので、四方を防風した状態でも燃焼効率は持続し、新たな薪を投入しても燃えやすい。長い火床だからこそできる、異なる火力を同時に作り出すという使い方ができたのもユニークで、薪のくべ方の自由度は低いものの、アイデア次第で多様な使い方ができそうなポテンシャルの高さもある。そして、なによりも、困ったり、不安に感じたりすることがまったくなかったのがよかった。火が落ち着いて鑑賞する段階でゆったりできるだけでなく、火床に入れる薪のサイズや重さ、調理器具の載せ方など、細かいことを考えずに使えたのは今回選出した4製品の中で1番だったのではないだろうか。収納時の占有面積が大きいためバッグに入らない可能性もあり、積載の工夫は必要となるが、そんなことは度外視できるほど使い勝手のいい焚き火台だった。

まとめ

自転車に積載しやすい焚き火台という条件を設けたため、必然的に4製品とも小型・軽量モデルとなったが、それぞれに個性があり、どれも魅力的だった。重視するポイントから絞り込んでいけば自分にぴったりな1台が選べそうではあるが、実際に使った筆者は、積載性を優先するならあれ、調理のしやすさならこれというように、なかなか1台に絞り込めずにいる。というのも、バイクパッキングで一緒に出かける人の有無や、複数人で集まる場合、現地に焚き火台はいくつあるか、ソロだったとしてもツーリングの距離、荷物の量、調理の有無など使用シーンによってベストな焚き火台が違ってくるからだ。まぁ、My焚き火台を持っていない初心者はそこまで考えなくてもいいのかもしれないが……。

今回行った検証の内、「焚き火としての美しさ」と「燃焼効率&持続性」は、好みであったり、使用する薪や環境によって変わってくるので参考程度に見てもらうくらいで十分だが、その他の項目は、自転車への積載や使用時の快適性、自分が行いたい焚き火のスタイルへの適合性に影響する。そうしたポイントはしっかり押さえて検討したほうがいいのはもちろんだが、好みのデザインであるといった直感も大切にしてほしい。

使用シーンを考えると1台に絞り込むのは難しいが、今回紹介した製品は収納もコンパクトなので、使い分けできるように複数台所有するのもアリかもしれない

使用シーンを考えると1台に絞り込むのは難しいが、今回紹介した製品は収納もコンパクトなので、使い分けできるように複数台所有するのもアリかもしれない

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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