レビュー
未舗装路を走らない人にも推せるグラベルe-Bike

ドロップハンドルデビューに最適! BESV初のグラベルロードタイプのe-Bike「JG1」

スタイリッシュなe-BikeをリリースするBESVが、同社初のグラベルロードタイプとなる「JG1」を発売。ドロップハンドルを装備しているが、スポーツタイプの自転車が初めての人にも乗りやすいモデルなので一読してもらいたい。街中からちょっとしたオフロードまで走れるJG1の魅力をお伝えしよう。

ロードバイクタイプe-Bikeをベースに、初心者が乗りやすいジオメトリーに再設計

ロードバイクの1種である「グラベルロード」は、舗装路だけでなく未舗装路(グラベル)も走行できるように太めのタイヤを履き、フレームも安定性を重視した設計となっている。一般的なロードバイクと比べるとハンドル位置が高く、ライダーに近い配置となっていることが多く、さらに、ドロップハンドルも幅が広めで、ドロップ(ドロップハンドルの一番手前の部分である「フラット」から下ハンドルまでの落差)も少ない傾向。一般的なロードバイクより上体を起こした姿勢で乗れるため、グラベルロードはスポーツタイプの自転車やドロップハンドル初心者でも乗りやすいのも特徴だ。

「JG1」は、同社のロードバイクタイプ「JR1」をベースに、グラベルロードのジオメトリー(フレームの形状)に再設計されたモデルとなる。バッテリーをフレームと一体化させるなど基本の機構は同じだが、グラベルロードらしく、太めのタイヤを採用し、ハンドルもサドルに近い位置に配置。ハンドル幅も広めとされ、握る部分が少し上がった形状となっているので、ロードバイクタイプの「JR1」より握りやすく感じるはずだ。また、フレームはアルミ製だが、フロントフォークとシートポストをカーボン製とすることで、軽量化を図るとともに振動吸収性を高めている。

157cm以上の身長に適応する「Sサイズ」(重量15.8kg)と、170cm以上の身長に適応する「Mサイズ」(重量15.9kg)を用意。車体サイズはSサイズが1,730(全長)×510(全幅)×1,040(全高)mmで、Mサイズが1,740(全長)×510(全幅)×1,065(全高)mmとなっている。価格は363,000円(税込)※前後のフェンダーとリアキャリア、サイドスタンドはオプション

157cm以上の身長に適応する「Sサイズ」(重量15.8kg)と、170cm以上の身長に適応する「Mサイズ」(重量15.9kg)を用意。車体サイズはSサイズが1,730(全長)×510(全幅)×1,040(全高)mmで、Mサイズが1,740(全長)×510(全幅)×1,065(全高)mmとなっている。価格は363,000円(税込)
※前後のフェンダーとリアキャリア、サイドスタンドはオプション

バッテリーはダウンチューブに内蔵。容量は7.0Ah×36V(252Wh)で、バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約3.2時間かかる

バッテリーはダウンチューブに内蔵。容量は7.0Ah×36V(252Wh)で、バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約3.2時間かかる

リアハブと一体となったドライブユニットはBESVのオリジナル。ダイレクトなアシストが得られることと、フレームのデザインを損なわないのがメリットだ

リアハブと一体となったドライブユニットはBESVのオリジナル。ダイレクトなアシストが得られることと、フレームのデザインを損なわないのがメリットだ

アシストモードは「エコモード」「スマートモード」「パワーモード」の3モードを搭載。アシストモードに合わせてディスプレイのカラーが変わる(写真は「パワーモード」)ので、パッと見るだけで選択しているアシストモードが判断できる。なお、アシスト可能な走行距離は最大110km

アシストモードは「エコモード」「スマートモード」「パワーモード」の3モードを搭載。アシストモードに合わせてディスプレイのカラーが変わる(写真は「パワーモード」)ので、パッと見るだけで選択しているアシストモードが判断できる。なお、アシスト可能な走行距離は最大110km

トップチューブに装備された電源ボタンも、選択したアシストモードに設定されたカラーに点灯する

トップチューブに装備された電源ボタンも、選択したアシストモードに設定されたカラーに点灯する

ドロップハンドルのレバー下部分にアシストモードの切り替えスイッチが備えられているので、ハンドルを握った状態で操作しやすい

ドロップハンドルのレバー下部分にアシストモードの切り替えスイッチが備えられているので、ハンドルを握った状態で操作しやすい

700×38Cの太いタイヤを履くため、クリアランスが大きめのフロントフォークを装着。カーボン製なので軽量で、衝撃吸収性にもすぐれる

700×38Cの太いタイヤを履くため、クリアランスが大きめのフロントフォークを装着。カーボン製なので軽量で、衝撃吸収性にもすぐれる

軽量と高い衝撃吸収性を実現するために、シートポストもカーボン製。サドルは真ん中に穴が空いたタイプで軽そうだが、座り心地はなかなかいい

軽量と高い衝撃吸収性を実現するために、シートポストもカーボン製。サドルは真ん中に穴が空いたタイプで軽そうだが、座り心地はなかなかいい

幅広で、曲がりが浅いグラベル向けのドロップハンドルを装備。トップの部分が平らになっていて握りやすい。八の字型に広がった下ハンドルも持ちやすい形状だ

幅広で、曲がりが浅いグラベル向けのドロップハンドルを装備。トップの部分が平らになっていて握りやすい。八の字型に広がった下ハンドルも持ちやすい形状だ

ブレーキは前後ともに油圧ディスク。シマノのグラベル用コンポーネント「GRX」のものを採用している

ブレーキは前後ともに油圧ディスク。シマノのグラベル用コンポーネント「GRX」のものを採用している

変速ギアもシマノ製「GRX」。フロントには変速がなく、リアは11速。グラベルロードでは一般的な機構だ

変速ギアもシマノ製「GRX」。フロントには変速がなく、リアは11速。グラベルロードでは一般的な機構だ

ブレーキとシフトレバーも「GRX」グレード。ギアチェンジも同じレバーで操作できる

ブレーキとシフトレバーも「GRX」グレード。ギアチェンジも同じレバーで操作できる

グラベルロードらしい安定した衝撃の少ない快適な走行

ロードバイクらしいスタイルながら、初心者にも乗りやすそうなポジションとなっているJG1。河川敷のサイクリングロードや砂利道を中心に走行し、舗装路と未舗装路での乗り味を確かめてみた。

ペダルを踏む力に合わせてアシスト力を自動調整してくれる「スマートモード」で試乗した

ペダルを踏む力に合わせてアシスト力を自動調整してくれる「スマートモード」で試乗した

筆者は、JG1のベース車であるロードバイクタイプの「JR1」にも試乗したことがあるのだが、舗装路での乗り心地はJG1のほうが圧倒的に快適。体に伝わる衝撃が、劇的に少ないのだ。フォークとシートポストがカーボン製となったのもポイントだが、やはり、太めのタイヤの恩恵が大きい。タイヤの太さはロードバイクタイプの「JR1」が25Cで、JG1は38C。エアボリュームが増えた分、当然ながら、ショックの吸収性も高まる。タイヤが太くなるとペダルを漕ぐのが重くなるのでは?と懸念される方もいるだろうが、その点は、電動アシスト機能が搭載されているので問題ない。JG1は太いタイヤを履いているメリットだけを享受できる。また、ロードバイクタイプの「JR1」がややクイックなハンドリングなのに対し、JG1は少し直進安定性が強めな印象。人によって好みが分かれる部分だが、ドロップハンドルになれていない人が乗った時に安心できるのは間違いなくJG1のほうだろう。

アシストが切れる24km/h以上の速度域でも順調に速度が伸びる。30km/hくらいでの巡航も可能だが、それ以上の速度では車体の重さを感じるかも

アシストが切れる24km/h以上の速度域でも順調に速度が伸びる。30km/hくらいでの巡航も可能だが、それ以上の速度では車体の重さを感じるかも

次は、未舗装路での走行性能を砂利道でテスト。少し路面がやわらかい場所や大きめの石が転がっているようなシーンを走行しても、ハンドルを取られることなくグイグイと進んでくれ、想像していた以上に安定して走行できた。路面の抵抗が大きくてもラクに進み続けられたのは電動アシスト機能のおかげだが、ハンドルを取られることがなかったのは、グラベル走行を前提としたジオメトリーのおかげだろう。

河川敷によくある未舗装路も難なく走破。こうした路面では砂利にパワーを食われ、足への負担が増えるが、電動アシスト機能を備えたe-Bikeなら少ない労力で余裕を持って進んでいける

河川敷によくある未舗装路も難なく走破。こうした路面では砂利にパワーを食われ、足への負担が増えるが、電動アシスト機能を備えたe-Bikeなら少ない労力で余裕を持って進んでいける

このあと、街中も走ってみたが、一般的なロードバイクよりも上体が起きたライディングポジションなので、前方の見通しもよく安心して乗れる。傾斜がきつめの坂道も登りきることができたので、日常使いにも最適だ。

まとめ

グラベルロードは未舗装路も走れる設計となっているのが特徴だが、舗装路でしか乗らなくても選択する価値はある。たとえば、街中で段差などを乗り越える際にはハンドルが取られにくく、リム打ちのパンクのリスクも少ない。ロードバイクの中では重量はやや重めとなるが、電動アシスト機能を搭載していれば、走行時の車体の重さは問題なくなり、グラベルロードらしい設計の恩恵を多大に得られる。未舗装路を走る機会がない人でも、グラベルロードタイプのe-Bikeを積極的に選択肢に入れてみてほしい。

ちなみに、筆者は以前、キャノンデールのグラベルロードタイプのe-Bike「Topstone Neo Carbon Lefty 3」にも試乗したことある。Topstone Neo Carbon Lefty 3は前後にサスペンション機能を装備した、本格的なトレイルライドを楽しめる仕上がりとなっているが、実は、これはグラベルロードの中でも少々特殊なモデル。サスペンションを装備しないJG1のような設計が、一般的なグラベルロードのパッケージだと考えてもらっていい。当然ながら、JG1でのオフロード走行は、Topstone Neo Carbon Lefty 3よりゆるやかな場所に留まるが、JG1のほうが車重は2.5kgほど軽いので、舗装路での移動はより快適。価格もTopstone Neo Carbon Lefty 3が665,500円(税込)なのに対し、JG1は363,000円(税込)とリーズナブルだ。また、今回借りた試乗車のように、フェンダーやキャリア、サイドスタンドといったオプションを追加すれば、さらに街乗りに適した仕様になる。このほか、交換用のバッテリーや専用のフレームバッグもオプションで用意されているので、長距離ツーリングを楽しむのにもJG1はうってつけだろう。

●メインカット、走行写真撮影:松川忍

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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