レビュー
荷物満載で「押し歩きモード」を試してみた!

自転車を押して歩く時もアシスト機能で楽々! パナソニック「ビビ・L・押し歩き」が便利

たくさんの荷物を載せても電動アシスト自転車なら軽々と走行できるが、歩道橋のスロープなどで自転車から降りて押し歩きする際には、荷物+車体の重さが使用者の負担になる。なかには、車体の重さだけでも押し歩きは大変という人もいるだろう。そんな押し歩き時の負担を軽減する「押し歩き機能」を搭載したモデル「ビビ・L・押し歩き」を試してみた。

「押し歩き機能」って、どんなもの?

「ビビ・L・押し歩き」は、街乗りや買い物をするのに適した電動アシスト自転車。フロントに大きなバスケット、リアにはキャリアを備えており、たっぷりと荷物が積載できる。最大積載量はバスケットが3kgで、リアキャリアが18kg。車重が24kgなので、めいっぱい荷物を積載すると総重量は最大45kgにもなる。これだけの重量のものを、傾斜のあるところで押し歩くのは重労働。車体のみであっても、電動アシスト機能を搭載しない自転車より7kgほど重いため、押し歩き時の取り回しはラクとは言えない。

「ビビ・L・押し歩き」(BE-ELLW63)のサイズは1,865(全長)×580(全幅)mmで、重量は24kg。カラーバリエーションは「チョコブラウン」のみ。メーカー希望小売価格は129,000円(税込)だ

「ビビ・L・押し歩き」(BE-ELLW63)のサイズは1,865(全長)×580(全幅)mmで、重量は24kg。カラーバリエーションは「チョコブラウン」のみ。メーカー希望小売価格は129,000円(税込)だ

そんな時に役立つのが、ペダルを漕がなくてもアシストしてもらえる「押し歩き機能」だ。電動アシスト自転車は基本的に、ペダルを踏み込む際にモーターが補助してくれるので、本来であれば、ペダルを漕がない状態でモーターを駆動させることはできない。しかし、2019年12月1日に執行された改正道路交通法で、一定の条件を満たせば、電動アシスト自転車(駆動補助機付自転車)も「歩行補助車等」として認定されるようになり、押して歩く際にもモーターの力で歩行をサポートできるようになった。

「ビビ・L・押し歩き」に乗っている時はいつもどおりの電動アシスト自転車、自転車から降りて押し歩く際には歩行補助車として使える

「ビビ・L・押し歩き」に乗っている時はいつもどおりの電動アシスト自転車、自転車から降りて押し歩く際には歩行補助車として使える

電動アシスト自転車が「歩行補助車等」として認定されるためには、「歩く速度が時速6km以下」「自転車から離れると駆動が停止する」「乗車装置(サドル)が使えない、乗れない」という3つの条件をクリアしなければならない。これらすべての条件を満たすため、「ビビ・L・押し歩き」で押し歩き機能(押し歩きモード)を使用する時には、サドル後方を引き上げ、サドルを傾斜させた状態にし、手元スイッチの「押歩き」ボタンを押している間だけモーターが駆動してアシスト機能が働く仕組みとされた。

サドル下にあるレバーを引きながら持ち上げると、サドルが傾斜した状態になる。これで、「乗車装置が使えない、乗れない」という条件をクリア

サドル下にあるレバーを引きながら持ち上げると、サドルが傾斜した状態になる。これで、「乗車装置が使えない、乗れない」という条件をクリア

サドルを傾斜させると、「押し歩きモード」が使用可能に。手元スイッチの「押歩き」ボタンを押している時だけアシストされるようになっており、自転車から離れればモーターの駆動はストップする。「自転車から離れると駆動が停止する」の条件がこれで満たされた

サドルを傾斜させると、「押し歩きモード」が使用可能に。手元スイッチの「押歩き」ボタンを押している時だけアシストされるようになっており、自転車から離れればモーターの駆動はストップする。「自転車から離れると駆動が停止する」の条件がこれで満たされた

速度や出力、押し歩き機能の制御は、車体に搭載された4つのセンサーを使用する。スピードセンサーとモーター内蔵センサーが、歩く速度や押し歩きの負荷に合わせて速度やアシスト力を制御。また、ペダルに足が乗っていたり、サドルが乗車状態であると、トルクセンサーやサドル傾斜センサーが検知し、押し歩き機能が作動しないようになっている

速度や出力、押し歩き機能の制御は、車体に搭載された4つのセンサーを使用する。スピードセンサーとモーター内蔵センサーが、歩く速度や押し歩きの負荷に合わせて速度やアシスト力を制御。また、ペダルに足が乗っていたり、サドルが乗車状態であると、トルクセンサーやサドル傾斜センサーが検知し、押し歩き機能が作動しないようになっている

当然ながら、押し歩きモード使用時もバッテリーは消費する。押し歩きモードでどの程度の電力が消費されるかは公式サイトに記されていないが、走行時のアシスト可能な最大距離は約78km。搭載されているバッテリー容量は12Ahだ

当然ながら、押し歩きモード使用時もバッテリーは消費する。押し歩きモードでどの程度の電力が消費されるかは公式サイトに記されていないが、走行時のアシスト可能な最大距離は約78km。搭載されているバッテリー容量は12Ahだ

フロントライトもバッテリーから給電して点灯する。手元スイッチの電源をオンにすると点灯するが、手動でオン/オフを切り替えることも可能

フロントライトもバッテリーから給電して点灯する。手元スイッチの電源をオンにすると点灯するが、手動でオン/オフを切り替えることも可能

リアリフレクターはソーラーパネルで充電して点灯するタイプ。走行中に周囲が暗くなると自動で点滅し、停止すると消灯する(停止後も約1分間は点滅が続く)

リアリフレクターはソーラーパネルで充電して点灯するタイプ。走行中に周囲が暗くなると自動で点滅し、停止すると消灯する(停止後も約1分間は点滅が続く)

なお、バッテリーの充電は自転車から取り外し、専用の充電器で行う。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約4時間かかる

なお、バッテリーの充電は自転車から取り外し、専用の充電器で行う。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約4時間かかる

「押し歩きモード」を体験!

さっそく、「押し歩きモード」の効果を検証してみよう。買い物をした設定で、バスケットやリアキャリアに重めの荷物を載せ、実際にスロープで押し歩きしてみた。

バスケットには最大積載量の3kgの荷物を入れ、リアキャリアには10kgの荷物を固定。リアキャリアにはあと8kg載せられるが、今回用意したバッグにはこれ以上入れられないので断念した

バスケットには最大積載量の3kgの荷物を入れ、リアキャリアには10kgの荷物を固定。リアキャリアにはあと8kg載せられるが、今回用意したバッグにはこれ以上入れられないので断念した

かなり傾斜のきついスロープで、総重量37kg(車体が24kgと荷物が13kg)の自転車を押し歩くのは初めての経験だったが、重い! 登れないことはないが、実生活でこの状況になったら、遠回りしてでもスロープを避けたいくらいのツラさだ。「押し歩きモード」をオンにしても車体や荷物の重さは感じるものの、歩みに合わせて自転車が進んでくれる感覚がある。自転車を前から引っぱってもらっているような感じだ。そのおかげで、階段を登る足も若干軽やかになり、車体を押す腕の力も少なくて済んだ。体への負担や必要な力の差が想像以上にあって、おどろいた。

押し歩きをしている姿勢を見てもらえば、通常の状態のほうがかなり力を込めて押していることがわかる

押し歩きをしている姿勢を見てもらえば、通常の状態のほうがかなり力を込めて押していることがわかる

「押し歩きモード」をオンにすれば、荷物をたくさん積んでいても比較的ラクに押し歩きできることは確認できたが、筆者よりも力が弱い人でも、無事にスロープを登りきることはできるのだろうか。ということで、価格.comマガジン編集部の女性スタッフのNさんにも同条件で試してもらった(下の動画参照)。

当初、「わりと力が強いほうなので、参考になりますかね?」と言っていたNさんだが、実際に試して見ると通常の状態での押し歩きは相当つらくて、スロープの途中でやめたくなったという。しかし、止まったら再び歩き出すことはできない!と、気合いで登りきったとのこと。上の動画の00:19では、登りきったところで力尽きたのか、金属のポールを避けることができずぶつかっている。かなりヘロヘロの状態だ。疲れているところ申し訳ないと思いつつ、続けて「押し歩きモード」をオンにして押し歩きしてもらったのだが、今度は、スルスル登っていく! あきらかに歩くスピードが速い。 姿勢も異なり、通常の状態では力いっぱい押しているのか、腕がピーンと伸びているのに対し、「押し歩きモード」時は少しヒジが曲がり、押す力がゆるまったように見える。現に、「押し歩きモードでなら、もう2、3回登ってもいいですよ」と言っていたので、アシスト機能の恩恵はかなり大きかったようだ。

「押し歩きモード」使用時には「押歩き」ボタンを押し続けなければならないので、グリップを手全体で握ることができない。そのため、左手側の力が入れにくいのが気になったが、こればかりは仕方ない。「押歩き」ボタンがグリップ下にあれば、握りながら押しやすそうだが……

「押し歩きモード」使用時には「押歩き」ボタンを押し続けなければならないので、グリップを手全体で握ることができない。そのため、左手側の力が入れにくいのが気になったが、こればかりは仕方ない。「押歩き」ボタンがグリップ下にあれば、握りながら押しやすそうだが……

なお、荷物を何も載せない状態でも「押し歩きモード」のありがたみを感じる。重い物を載せるような使い方をしない人でも、乗車して登れないような坂があるところに住んでいるなら「ビビ・L・押し歩き」は最適だ。

通常の状態のほうが力を込めているため、上体がハンドルに近くに寄っている

通常の状態のほうが力を込めているため、上体がハンドルに近くに寄っている

まとめ

実際に試してみると、押し歩き機能は予想以上にラクだった。平地よりも登り坂、空荷よりも重い荷物を積んだ状態でありがたみを痛感する。自転車の押し歩きは、ただ前に進むだけでなく、車体が倒れないようにもしなければならない。車体や荷物が重くなればなるほど、車体は不安定になり、転倒のリスクも高まる。力を入れるのに必死になると、周囲への注意も散漫になるので、安全性においても押し歩き機能が使えるほうがいいのは間違いない。

もともと電動アシスト自転車自体が、体力に自信がない人や坂の多い場所に住んでいる人たちから広がった乗り物であることから、押し歩き機能はとても価値ある機能だと思う。この押し歩きの際にモーターの力でアシストする機能は、欧米製のe-Bike(スポーツタイプの電動アシスト自転車)では一般的な機能。日本国内では法規の関係で使用することができず、日本に輸入されるe-Bikeでは使えないようにされていた。そんな機能を市販化するために、パナソニックは法律改正の働きかけも含めて6年の年月をかけたという。

そして、「ビビ・L・押し歩き」で実現した今後は、ニーズに合わせてほかのモデルにも押し歩き機能を展開する予定だとのこと。個人的には山の中で使うe-MTBに搭載してほしいが、可能性は低そう。現実的なところを言えば、子乗せモデルだろうか。前後に幼児を2人乗せ、さらに買い物した荷物を載せるとなると、押し歩き機能を使いたい人は多いはずだ。

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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