2021年もあと少し。今年の汚れは今年の内にと、この時期に大掃除に精を出している人は多いだろう。しかし、ひとつ掃除し忘れているモノがあるはずだ。特に運動好きな人には、気づいてほしいもの。そう、スポーツシューズだ。
筆者がこの1年間、フットサル(5人制サッカー)やソサイチ(7人制サッカー)で使いまくったトレーニングシューズ。ロングパイル人工芝にまかれているゴムチップなどによって、黒い汚れがそこかしこに付着している……
スポーツシューズの場合、「それでは、さっさと洗いちゃいますか」と言って簡単にいくものではない。特にサッカーシューズの場合は、土や草、ゴムチップなど、普段履きのスニーカーとは異なる、しつこい汚れがこびり付いている。また、普段履きスニーカーの何倍もの汗をかいているはずだから、ニオイだって気になる。さらに、サッカーシューズのアッパーは基本、天然皮革や人工皮革を用いているため、その扱い方も難しそうだ。
そんな悩めるサッカー好きな人たちにとって、とっておきの掃除道具が2021年12月10日にミズノから発売された。「ゼロプラス シューズシャンプーキット」だ。
スポーツシューズ専用のメンテナンスシリーズ「ゼロプラス シューズケアシリーズ」から、スポーツ用シューズシャンプー「ゼロプラス シューズシャンプー」(写真中央/税込1,650円/150ml)と、専用のブラシ「ゼロプラス シューズウォッシングブラシ」(写真右/税込550円)、そして消臭・抗菌スプレー「ゼロプラス シューズキープフレッシュミスト」(写真左/税込1,430円)が登場。シャンプーとブラシは「ゼロプラス シューズシャンプーキット」(税込1,980円)としてセット販売もされている
まずは、スポーツ用シューズシャンプー「ゼロプラス シューズシャンプー」から紹介しよう。
このシューズシャンプーは、汚れを落とす界面活性剤の濃度を一般的な靴用シャンプーよりも高く設定しているほか、消臭・抗菌作用のある成分や、水で洗ってもアッパー部が硬くなりにくい皮革用柔軟剤を配合。また、これらの成分は、99%天然由来の弱酸性のものを採用しているから、シューズや人の肌にやさしいシャンプーなのだ。さらに、香りも楽しみながらシューズケアができるように、レモングラスの香りもプラスしているというから、至れり尽くせりだ。
「ゼロプラス シューズシャンプー」の消臭・抗菌性能の検証結果(一般財団法人 カケンテストセンター調べ)。ニオイの元がしっかりと抑えられていることがわかる。また、生菌率も、使用から5分後には82%カットしている
なお、対応する素材は、以下のとおりで、どんなスポーツシューズにも使える印象だ。
・天然皮革(レザー、スウェード、ヌバック、ツヤ革、起毛革)
・キャンバス
・布地
・合皮
・ビニール
・ナイロンコットン
・メッシュ
・ゴム
続いて、「ゼロプラス シューズブラシ」について。
このブラシは、軽くて、握りやすい木製グリップと樹脂製の毛を採用。樹脂製の毛は、シューズのソール底面やミッドソール部分のしつこい汚れを効果的に落とせるように、毛量と硬度にこだわっているという。
しつこい汚れを効果的に落とせる、樹脂製の毛を採用
それでは早速、先ほどのトレシューを洗ってみた。
まずは次のモノを準備。
・「ゼロプラス シューズシャンプー」
・「ゼロプラス シューズウォッシングブラシ」
・タオル
・ぬるま湯を入れたバケツやボール
(・「セリア」で売っている「天然物語」のブラシ)
クリーニングの基本的な流れとしては、以下のとおりだ。
1.シューレースを外す
2.シューズを濡らす
水でも問題ないが、ぬるま湯を使ったほうが汚れは落ちやすい。シューズをお湯につけるというよりは、手にすくったお湯をシューズにかけるほうが、乾きやすいのでおすすめ
3.ブラシをお湯につける
4.ブラシにシャンプーをつける
シャンプーの量は、ブラシの片道分が目安。ブラッシング中、泡立ちが足りないと感じたら追加する。ちなみに、1足当たり3〜5mlの使用を想定しているので、1本(150ml)で少なくとも30足は洗える計算になる
5.もう1度、ブラシをお湯につける
6.アッパーの人工皮革のパーツの汚れをブラッシングして落とす
力の入れ過ぎに注意しながら、ブラッシング。汚れのひどい部分は、シャンプーを足しながら行う
ここで1点注意してほしいのが、アッパーにニットのパーツが使われているシューズの場合。樹脂製の「ゼロプラス シューズウォッシングブラシ」は、ニットとの相性が少し悪いようで、力をいれてこすり過ぎると、ニットの網目が崩れる可能性がある。そこでおすすめなのが、100円均一ショップ「セリア」で売っている「天然物語」のブラシ。日本人初のプロのホペイロ(プロサッカーチームの用具係)である松浦紀典氏も愛用しているとか。
「セリア」で売っている110円のブラシ(2本入り)。コシの強い天然パーム繊維を採用している
今回のトレシューも履き口がニット素材のため、「ゼロプラス シューズシャンプー」をつけた「天然物語」のブラシでブラッシング
7.アウトソールやインソールもブラッシング
8.水をかけてすすぐ
9.タオルで水分を拭き取る
やわらかい布やタオルで水滴を拭き取る
10.シューレースは、シャンプーを入れたお湯の中でもみ洗い
11.風通しのよい日陰で自然乾燥させる
天日干しは絶対NG! せっかくのケアがムダになってしまうとか
★ミズノ公式サイトの「洗い方動画」はこちら!
https://www.mizuno.jp/football/accessories/zero_plus/?ad=fbQR202112pop
ビフォア/アフターを比べるため、まずは片方だけ洗ってみた。すると、見違えるように、シューズがキレイに、そして明るくなった!
左がビフォア、右がアフター。人工皮革のパーツも、ニットのパーツも全体的に明るくなった印象で、ビビッドなオレンジ色がよみがえった
左がビフォア、右がアフター。ニットパーツの汚れは、しっかりとキレイになった
左がビフォア、右がアフター。このトレシューは、トゥの人工皮革にニットが組み合わされたユニークな設計で、そのニット部分に汚れが付いていたが、大体取り切れた印象
左がビフォア、右がアフター。アウトサイドの人工皮革の黒ずみもスッキリと落ちている
左がビフォア、右がアフター。インサイドの人工皮革もこのとおり、キレイに
左がビフォア、右がアフター。ミッドソールのゴムパーツの黒ずみも9割方取り除かれた印象
左がビフォア、右がアフター。アウトソールはブラッシングが足りなかったのか、汚れが取り切れていない印象だが、ロゴの黒ずみなどは落とし切れていた
これは、右がビフォアで、左がアフター。ヒールのニットパーツの黒ずみも薄くなった
シューレースももみ洗いしただけだが、汚れが取れ、色も明るくよみがえった。ちなみに、このシューレースは、ミズノの「ゼログライドシューレース」。表面には特殊な樹脂加工が施されており、ミズノの通常サッカーシューズ(「モナルシーダネオセレクト」)のシューレースと比べ、表面のグリップ性が約120%向上している、ほどけにくさを追求した靴ヒモだ。これもおすすめ!
★シューレースのレビュー記事はこちら!
全靴に採用したい! 「超ほどけにくい靴ヒモ」でサッカーを2時間プレーしてみた
https://kakakumag.com/sports/?id=16426
最後に、同シリーズから発売された、シューズの使用後に吹きかけておきたい「ゼロプラス シューズキープフレッシュミスト」を紹介しよう。これは、シューズ内部を清潔に保てる、99%天然由来成分の消臭・抗菌スプレーで、即効性にすぐれ、シューズの使用後に3〜5プッシュするだけで、レモングラスの香りで気になる汗のニオイを低減してくれる。
「ゼロプラス シューズキープフレッシュミスト」の消臭・抗菌性能の検証結果(一般財団法人 カケンテストセンター調べ)。消臭効果は、「ゼロプラス シューズシャンプー」と同じくらい強力なうえ、抗菌に関しては、3分後に99%カットできている
正直、ゴムチップによって付いた黒ずみが、ここまで落ちるとは思わなかった。実際に使ってみた印象としては、95%の汚れは落とし切れると感じた。
そもそも、天然皮革や人工皮革を水で洗ってよいとは思っていなかったので、この「ゼロプラス シューズシャンプーキット」は目から鱗。ミズノいわく、スポーツシューズは雨天での使用も想定しているので、水洗いという行為はNGではなく、ポイントは乾燥の仕方。風通しのよい場所で陰干しが基本なのは、覚えておきたい。
今回は「ゼロプラス シューズシャンプーキット」をサッカー用のトレーニングシューズで試したが、もちろんサッカーのスパイクシューズや、ランニングシューズ、バスケットボールシューズなど、あらゆるスポーツシューズにも使える。また、サッカーの場合、ソックスやキーパーグローブ、レガース(すねあて)などの汚れにも使用可能だ。
現状、普段履きのスニーカー用のシューケア用品は店でもよく見かけるが、「スポーツシューズ用」として発売されているシューケア用品は、ほとんど見かけない。愛用のスポーツシューズの汚れやニオイが気になっていたのに洗えなかった人は、ぜひ使ってみてほしい。
月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。