オグさんです。今回は、プロギア「PRGR 03 アイアン」の試打レポートをお届けします。
プロギア「PRGR 03 アイアン」
「プロギア」は、タイヤで有名な横浜ゴムが展開する総合ゴルフブランド。ツアープロが世界で戦うためのコンペティティブなモデルから、「アマチュアがいかにゴルフを楽しめるか」をとことん追求した突飛なモデルまで幅広いラインアップを揃え、高い技術と幅広い視野を持つメーカーです。
今回お借りした「PRGR 03 アイアン」は、飛距離に特化したアイアン。いわゆる“飛び系アイアン”と呼ばれるジャンルのモデルですね。それでも、形状や打感などに、中上級者がこだわる部分をしっかり追求したアイアンに仕上がっているようです。
それでは、製品を見ていきましょう。
PRGRブランドのアイアンは、色をあまり使わないシンプルなデザインが特徴。この03アイアンも同様で、機能美にあふれた佇まいです
PRGR 03 アイアン・#5
PRGR 03 アイアン・#7
PRGR 03 アイアン・#9
飛び系アイアンながら、適度にシャープなブレードを持ち、上級者が満足できる形状に。サイズは、やや大きめですね
フェースには、ニッケルクロムモリブデン鋼を採用。ボディには軟鉄を使っているため、ロフトやライ角の調整が可能です
ソールは比較的広めに取ってあり、ダフりのミスに強そうですね。トゥ側から見ると、いかに重心が低く作られているかがわかります
ロフト:#5:21°/#6:23°/#7:26°/#8:30°/#9:34.5°/P:39°/A:43.5
ロフト設定は、7番で26°とかなり立っています。ロフト角は、飛距離性能をどのくらい重視しているかを測るひとつの指針ですが、このモデルは飛びに相当こだわって設計されているようです。
シャフトは、純正カーボンと純正スチールを揃えながら、市販の軽量スチールも用意するなど、ユーザーを幅広く考えた設定に。純正カーボンは少しだけ長めの設定で、自身でヘッドスピードが出せない方でも、楽に飛ばせる仕様になっています。
構えると、ちょっと大きめのアスリート向けアイアンかな?といった印象。ややグースネックですがきれいな形状で、上級者も満足できる仕上がりです。
お借りしたスペックは、純正カーボンのSフレックス。軽量ですが、強く振ってもつぶれる感じはなく、しなやかな振り味です。
ヘッドスピード40m/sぐらいを意識して打ってみると、中弾道のライナー系の弾道が飛び出します。やや強めのはじき感があり、いかにも飛びそうな打感ですね。それでも、“カキン”といった硬い感触ではないのは、そこに注力して作り込んでいる証拠でしょう。
曲がりは少なく、打点のバラつきにも強いので、ボールをオートマチックに飛ばすことができますね。
はじきの強い感触で、ライナー性の弾道が自然と打てる仕上がり。飛距離を出す設計だけあり、スピンは少なめです
ヘッドの構造は、いわゆるポケットキャビティ。重心がかなり深くなっており、これがミスへの強さに寄与しています
ヘッドスピードを高めていくと、ボールの打ち出し角が高くなり、飛距離もどんどん伸びていきます。振れば振るだけ飛距離につながりました。
直進性や低スピンの弾道はそのままなので、力んで強く振ってしまうと、どこまでも飛んでしまうかも……。一定の力感のスイングさえ維持できれば、高い飛距離性能と寛容性を享受できるアイアンですね。
このワイドなソールが、少々のダフりをなかったことにしてくれます
7番の弾道データ。おそらく、今までの7番アイアンの中で最長不倒の距離です。ロフト26°で打ち出し角17°はすごい!
PRGR 03 アイアンは、後発の飛び系モデルだけあり、完成度の非常に高い仕上がりでした。
飛距離性能がとりわけ高く、ヘッドスピードが低めのプレイヤーでも安定した飛距離が期待できますね。
逆に、パワーがある人が使うとどこまでも距離が出てしまうので、瞬発的に力んでしまう傾向のゴルファーは、びっくりするぐらい飛んでしまうこともあるでしょう。そういった方は、自分に合った重さのシャフトをしっかり選ぶと安定させやすくなります。
ライバルは、ヤマハ「インプレス UD+2」、ピン「i525」、ブリヂストン「213HF」あたりでしょうか。
アイアンでも飛ばしたい!と考えるゴルファーには、ぜひ打ってもらいたいですね。絶対欲しくなると思いますよ!!
写真:野村知也
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。