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「SM9」はモデル選びから楽しめる! ボーケイは今度もいいウェッジを出してきた

オグさんです!今回取り上げるクラブはウェッジ、ボーケイ「SM9」。コースの芝の上から打つ機会がありましたので、その様子をレポートしたいと思います。

ボーケイ「SM9」

ボーケイ「SM9」

高評価の前作「SM8」をどう超えるのか

「ボーケイウェッジ」は、米国の総合ゴルフブランド「タイトリスト」のウェッジです。シリーズ名である「SM」は「スピンミルド」の略で、今回試打した「SM9」はスピンミルドシリーズの9代目。スピンミルドシリーズは世界的に高い人気を誇っており、ツアープロはもちろんのこと、腕前問わず幅広いアマチュアから愛されています。

前作「SM8」は、コントロール性能を高めるため、ロフトごとの重心を打点に合わせた「プログレッシブCGデザイン」を採用。重心を浅くすることでインパクト時の安定性を高めた、完成度の高いモデルでした。

これ以上進化する部分があるのかというぐらい高性能だった「SM8」を、「SM9」はどう超えてきたのか?

詳しく見ていきましょう!

前作同様、ロフトごとの最重心設計「プログレッシブCG」を搭載。スクエアなインパクトを実現する浅重心設計「フォワードCG」を、ロフト角とグラインドに合わせて最適化するなど、従来の技術をさらに磨いています

前作同様、ロフトごとの最重心設計「プログレッシブCG」を搭載。スクエアなインパクトを実現する浅重心設計「フォワードCG」を、ロフト角とグラインドに合わせて最適化するなど、従来の技術をさらに磨いています

ツアープロの要望により、ヒールサイドとリーディングエッジを滑らかにつないでいます。また、トップラインのエッジを研磨し、ロフトが異なってもアドレス時の見た目に違和感がないよう調整されています。こういうところが、トッププロからの厚い信頼を得ている要因かもしれません

ツアープロの要望により、ヒールサイドとリーディングエッジを滑らかにつないでいます。また、トップラインのエッジを研磨し、ロフトが異なってもアドレス時の見た目に違和感がないよう調整されています。こういうところが、トッププロからの厚い信頼を得ている要因かもしれません

溝のエッジ付近のフェースの平滑性を高めた「NEW SPIN MILLED GROOVE」を採用。摩擦力を高め、あらゆるショットにおいて、安定したスピン性能を発揮します

溝のエッジ付近のフェースの平滑性を高めた「NEW SPIN MILLED GROOVE」を採用。摩擦力を高め、あらゆるショットにおいて、安定したスピン性能を発揮します

用意された多彩な「グラインド」

ボーケイウェッジの特徴のひとつが、グラインドの多彩なラインアップです。グラインドとは、ソールの形状のこと。これを変えることによって、プレイヤーごとに異なるスイングや技術、さまざまなライに対応できるようになっているのです。

グラインドは、ウェッジの性能を決める非常に重要な部分。ソール部分の出っ張り「バンス」を、打ち方によって強く利かせるのか、それとも効果を抑えるのか。その利き具合を調整するのが、グラインドの役目なのです。

ウェッジの打ち方や使い方にもまた、実に多くの種類があります。フェースを目標に向けて打つ、フェースを開いて打つ、ハンドファーストに構えてロフトを抑えて打つ……などなど。その状況下で打ちたい弾道や球種によって、多くのテクニックがあります。そして、そのテクニック−ヘッドの入射角やバンスの使い方−は、ゴルファーそれぞれでみな異なります。だからボーケイウェッジは、ロフト角・バンス角の組み合わせだけでなく、グラインドも多くのバリエーションを用意しているのです。

「SM9」に用意されるグラインドは6種類。「F」「K」「M」「D」「S」「L」と、アルファベットで表記されています。
ひとつずつ見ていきましょう。

「Fグラインド」

「SM9」シリーズの基本となるグラインド。シリーズ中、ソールが最も平らで、ソール全面でバンスの効果を発揮してくれます。さまざまなライやスイングタイプに対応するグラインドです。

「Fグラインド」

「Fグラインド」

トゥ、ヒール、リーディングエッジ、トレーリングエッジはほとんど削られておらず、平面的な形状。どんなライでも、どんな打ち方でも、しっかりとバンスの効果を発揮するためです

トゥ、ヒール、リーディングエッジ、トレーリングエッジはほとんど削られておらず、平面的な形状。どんなライでも、どんな打ち方でも、しっかりとバンスの効果を発揮するためです(上の写真も参照、以下同)

ウェッジショットの“安定”をもたらす

「Fグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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「SM9」のラインアップで、ロフト52°以下はすべて「Fグラインド」。「フルショットでの安定した飛距離を生み出すには、バンスの効果が重要だ」という、タイトリストのメッセージなのではないでしょうか。同じロフトで異なるバンスが用意されているのは、スイングタイプやライのコンディションに合わせて選べるようにするためです。

「Fグラインド」に58°以上のロフトバリエーションがないのは、ロフトが多いヘッドと、「Fグラインド」のバンスの効果の組み合わせが、あまりよい結果に繋がらないからでしょう。ロフトが多いヘッドは、厳しいライからボールを上げるために使うことが多くなります。そういった時にバンスの効果が大きいと、ボールが飛び過ぎるなど、コントロールが難しくなるのです。「Fグラインド」は、細かなテクニックを使うというよりは、「ウェッジショットの安定感向上」を狙ったモデルと言えるでしょう。

また、ロフトが立っているほうが、安定した距離を打ちやすいメリットも。「SM9」が欲しいがどのグラインドを選べばわからない……という向きには、サンドウェッジなら「56°のFグラインド」がおすすめです。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Fグラインド」>
●グラインドが決められない
●アプローチの距離が安定しない
●ウェッジ全般が苦手

「Fグラインド」は、ウェッジのテクニックを学ぶのに最適なグラインドと言えます。「Fグラインド」を使い込み、もっとこんな打ち方がしたいとか、不満点が出てきたりしたら、ほかのグラインドを検討するとよいでしょう。

「Kグラインド」

バンカーやラフの深いライなど、厳しい状況からフェースを開かずとも高いバンス効果を発揮する形状。シリーズ中で、最も大きなバンス角の設定です。

「Kグラインド」

「Kグラインド」

トゥ側からヒール側にかけ、トレーリングエッジ側がわずかに削られていますが、幅広いソールが前面に張り出しています。いかにも刺さりにくそうな印象を受けますね

トゥ側からヒール側にかけ、トレーリングエッジ側がわずかに削られていますが、幅広いソールが前面に張り出しています。いかにも刺さりにくそうな印象を受けますね

バンカーが苦手ならコレ

「Kグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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「Kグラインド」は、その幅広いソールと大きめのバンス角設定により、バンカーショットに非常に適した形状です。やわらかな砂でも刺さり過ぎず、多少アバウトな打ち方をしても楽に脱出できます。

また、浮いた芝などからも安定してボールを拾いやすいので、ある意味、日本の芝に適したウェッジと言えるかもしれません。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Kグラインド」>
●深いラフからでも安定したアプローチをしたい
●オートマチックにボールを上げたい
●バンカーショットが苦手

バンカーショットはもちろん、多少ミスしても安定して高いボールを打ちたいと考える人に効果的なグラインドです。

「Mグラインド」

トゥ側とヒール側を大きく削ってバンス効果を減らしながらも、最低限は残し、さまざまなテクニックを使いやすくしたグラインド。ライやピン位置に合わせて、打ち方をいろいろと変えたいプレイヤーに適した削りと言えます。

「Mグラインド」

「Mグラインド」

トゥ側、ヒール側、そしてトレーリングエッジ側を大きく削っているのがわかります。こうすることで、バンスの効果を減らし、シビアなライでもヘッドをコントロールしやすくしているのです。トレーリングエッジ側が大きく削られているのは、フェースを開いたショット時にじゃまにならないようにするため

トゥ側、ヒール側、そしてトレーリングエッジ側を大きく削っているのがわかります。こうすることで、バンスの効果を減らし、シビアなライでもヘッドをコントロールしやすくしているのです。トレーリングエッジ側が大きく削られているのは、フェースを開いたショット時にじゃまにならないようにするため

ある程度のテクニックを持つ人に

「Mグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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どのロフトでも、バンス角8°と小さめの設定。グラインドと合わせて操作性を重視した仕様です。ベアグラウンドなど、シビアなライでも技術があれば、インパクトや球種をコントロールできるでしょう。半面、ほかのグラインドと比べるとミスにはシビアですので、ある程度以上のテクニックを持つベタープレイヤーに向けたモデルと言えます。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Mグラインド」>
●自身のテクニックを生かしたい
●シビアなライからでも細かくコントロールしたい
●使っているウェッジではヘッドのヌケが悪く感じる

多彩なテクニックを使いやすいグラインドです。シンプルに打ちたいなら、ほかのグラインドのほうがやさしいと感じるでしょう。

「Dグラインド」

トゥ側、トレーリングエッジ側、ヒール側を大きく削り、センター部分のバンスを大きく残したグラインド。スクエアに打てばバンスがしっかり利き、フェースを開いたショットの際にはバンスの効果を抑えるという、いいとこ取りのグラインドです。

「Dグラインド」

「Dグラインド」

上の「Mグラインド」と似た削りですが、違いは、ソールのセンター部分にしっかりとバンスを効かせてあるところ。写真ではわかりにくいのですが、ソールの中央部分が少し高くなるよう削られています

上の「Mグラインド」と似た削りですが、違いは、ソールのセンター部分にしっかりとバンスを効かせてあるところ。写真ではわかりにくいのですが、ソールの中央部分が少し高くなるよう削られています

いざという時に“技”を駆使できる!

「Dグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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フェースを開いて操作する時はバンスの効果を小さめに、スクエアに打つ場合はバンスを利かせて安定感を出す、と言った使い方ができるグラインドです。ロフトバリエーションは4つありますが、バンス角は12°のみ。普段は安定したウェッジショットを好み、いざという時にはテクニックを使いたい!という欲張りな人にピッタリなグラインドだと思います。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Dグラインド」>
●いざという時にテクニックを使いたい
●普段はウェッジ任せ、いざという時は自分で操作したい
●入射角が鋭角

基本はシンプルに打ち、たまにボールを操りたい人におすすめです。インパクトで鋭角にクラブを入れるプレイヤーが使えば、地面に刺さるミスを回避してくれるでしょう。

「Sグラインド」

ソール後方とトレーリングエッジ側、そしてややヒール側を少し削ったのが「Sグラインド」。しっかりとバンスを利かせる形状ですが、フェースを開くなどテクニックを使った時、ソールが必要以上に引っかからないように設計されています。

「Sグラインド」

「Sグラインド」

トゥ側やヒール側はほぼ削らず、トレーリングエッジ側だけを削ってあります。バンスを利かせつつ、ヌケのよさを追求しています

トゥ側やヒール側はほぼ削らず、トレーリングエッジ側だけを削ってあります。バンスを利かせつつ、ヌケのよさを追求しています

ミスに強い、でも操れる!

「Sグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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「Dグラインド」と似た性能ですが、「Dグラインド」はフェースがスクエアの時と開いた時のバンスの効き具合に差があります。ですがこの「Sグラインド」は、全体的にバンスの効果を利かせながらヌケをよくした削りといった感じでしょうか。こちらも、ロフトバリエーションは4種ありますが、バンス角は同一です。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Sグラインド」>
●色々な打ち方もやりたいが、大きなミスはしたくない
●ハンドレート気味に構える方
●バンスは欲しいがヌケがよいウェッジが欲しい

シビアなコントロール性は求めないけれど、ミスに強くて、それなりにボールを操りたい、なんて人には「Sグラインド」が最適でしょう。

「Lグラインド」

ヘッドをボールの下にくぐらせて打つフワッとした弾道、いわゆる「ロブショット」や、シビアなライからでも高い弾道を打つために設計されたグラインドです。

「Lグラインド」

「Lグラインド」

6種類の中で、最も大きくソールが削られています。トゥ側からトレーリングエッジ、ヒール側も削り、フェースを開いた時でもバンスの効果を抑えるように設計されています

6種類の中で、最も大きくソールが削られています。トゥ側からトレーリングエッジ、ヒール側も削り、フェースを開いた時でもバンスの効果を抑えるように設計されています

高い技術を発揮できる!

「Lグラインド」ロフト/バンスのラインアップ
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ロブショットを打つ際にバンスの効果が高いとヘッドが跳ねてしまい、ミスに繋がりやすくなります。そのため「Lグラインド」のバンスは、シリーズ中最も少ない4°。短い距離から高い球を打ってボールを止めるなど、限られた状況に対応するための”スペシャルな仕様”と言えます。

<こんな人、こんな目的、こんなお悩みには「Lグラインド」>
●どんな状況からでもベタピンに付けたい方
●ボールを上げることを楽しみたい
●色々なテクニックを使いたい

60°のウェッジは、同じ距離を安定して打つだけでもそれなりのテクニックが必要。高い技術を持ったゴルファーが、シビアなコントロールをするためのモデルなのです。

どのモデルもボールにコンタクトしやすい

「SM9」シリーズは基本性能として、どんなライからでも安定したスピン性能を発揮してくれる、高性能ウェッジです。今回さまざまなライから各グラインドを打ってみましたが、どのモデルも、ミートしやすいと言うか、ボールにコンタクトしやすいと思いました。

グラインドの選び方についてはなかなか難しいところですが、タイトリストのホームページでは、質問に答えると、おすすめのウェッジセッティングをアドバイスしてくれる「選び方ガイド」というサービスが提供されています。自分で決め切れなければ、試してみるとよいでしょう。

ウェッジの機能は、芝の上で打つことで発揮されるように設計されています。芝の上で「SM9」の性能をしっかり体感できました

ウェッジの機能は、芝の上で打つことで発揮されるように設計されています。芝の上で「SM9」の性能をしっかり体感できました

かなり深いラフからでもしっかりと抜けてくれるので、安定したアプローチショットが打てます

かなり深いラフからでもしっかりと抜けてくれるので、安定したアプローチショットが打てます

バンカーショットでは、グラインドによって結果がかなり変わりました。ボールが飛ばなければ「Fグラインド」がおすすめです

バンカーショットでは、グラインドによって結果がかなり変わりました。ボールが飛ばなければ「Fグラインド」がおすすめです

個人的には「Fグラインド」

コースでの試打は本当に楽しかったです。「SM9」の性能はもちろん、グラインドの差もしっかり感じられ、とても有意義な試打でした。

個人的に気に入ったのは「Fグラインド」。しっかりとバンスが利いてくれるので、多少ミスをしてもそれなりにボールを飛ばしてくれるやさしさがありました。「Lグラインド」は、打っていてすっごく楽しいんですけど、私が普段行くコースでは使う状況がほとんどなさそう(笑)。でも、バッグに入っていたら率先して使っちゃいそうです!

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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