本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第42回は、「Expedition Dry Dot Zip High(エクスペディションドライドットジップハイ)」をピックアップした。
このプロダクトは、行動時間や運動量が多い遠征時や、気温や天候変化が激しい高所での着用を想定したテクニカルベースレイヤー。肌面に撥水ドライ機能を、表面に吸水拡散機能を備えた二重構造のロングスリーブトップスは、これからのシーズンに活躍すること間違いなしだ。
ザ・ノース・フェイス「エクスペディションドライドットジップハイ(Expedition Dry Dot Zip High)」(品番:NT12122)の「メルドグレイ」。公式サイト価格は、14,300円(税込)。ユニセックスでカラバリは全5色で展開される
「エクスペディションドライドットジップハイ」は、長時間のアウトドアアクティビティー時や、気温・天候の変化が激しい高所での着用を想定したテクニカルベースレイヤー。使用マテリアルは、肌面に撥水加工を施したドライ層を用い、表面は汗を素早く拡散・乾燥させる吸水層で構成したダブルフェイス構造。発汗した際には、肌面のドライ層からドット上の接結面を通じて、スムーズに生地表面に吸水・移行させて乾燥を促進する。
生地の肌面には、撥水加工を施したドライ層を採用
マテリアルの外側の表面は、汗を素早く拡散し、乾燥させる吸水層で構成
ややタイトなフィット感ながら、ダイナミックな動きにしっかり追従する立体パターンを用いており、適度な保温効果も発揮。袖口はサムホール仕様で、気温の低いときには寒さから手の甲を守ってくれる。
袖口はサムホール仕様。冬季や寒冷地において、寒さから手の甲を守ってくれる
胸ポケットにはストレッチ生地を用いており、スマホや地図などを楽に収納可能。首を日焼けやロープから守る高い襟のジップアップ仕様もうれしい。
ジッパーを上げ下げすることで、気温の変化に素早く対応可能。胸のジップポケットはスマホや地図、栄養補給食品などを入れられるほか、絶妙なデザインアクセントとしても効いている
実際に「エクスペディションドライドットジップハイ」を着てみた!
まず生地を触ってみると、柔軟な触り心地で着心地がよさそうという印象。肌面は裏毛ではないので、保温重視ではないことがわかる。
着てみると、軽い着心地でフィット感もいい。168cm、62kgの筆者はMサイズをセレクトしたが、胸囲、ウエスト周り、袖丈が申し分ない寸法だと思った。
最初に使用したのはランニング時だったが、早朝だったこともあり、気温は低めの環境下。そうした状況では適度な防寒性を発揮してくれるのはもちろん、肌面の撥水加工を施したドライ層のおかげで、3kmを過ぎたところで汗ばんできたが、べとつきはなかった。生地の全体に穴が開けられているために防風性は期待できないので、風が強い日や寒冷地でのランニングの際にこれ1枚で走るのは厳しいが、薄手のシェルを組み合わせれば十分に対応可能。日課としている6kmランを快適に終えられた。
このプロダクトの優秀な点は、パフォーマンスシーンだけでなく、ライフスタイルシーンでも活躍してくれること。商品名の「エクスペディション」には「探検」や「遠征」という意味があり、本格的なアウトドアアクティビティーにも対応するベースレイヤーとして開発されたが、胸ポケットが付いているからこれ1枚のみの着用でも違和感はない。実際、10月の韓国・釜山の街で普段着として着てみたが、20℃近い昼過ぎからグッと気温の下がる深夜まで対応してくれた。
以上のように、「エクスペディションドライドットジップハイ」は高機能ベースレイヤーとして開発されただけに、吸汗性と速乾性を始めとした高機能を搭載しているが、洗練されたデザインにより、用途はパフォーマンスシーンに限定されないのがうれしいところ。
アウトドアブランドのリリースするベースレイヤーは、「機能はいいけどデザインが……」という製品も多いが、このプロダクトならライフスタイルシーンでもスタイリッシュに着こなせる。14,300円という価格設定はベースレイヤーとしては安くはないが、その汎用性の高さを考慮すると、コストパフォーマンスは決して低くない。洗濯などのメンテナンスもイージーなので、購入すればヘビーローテーションで着用することになるだろう。
ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間50分50秒。