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前作よりかなりやさしい「ステルス2」登場! テーラーメイド発表会レポート

オグさんです!
今回は、2023年1月11日に行われた、テーラーメイドの2023年モデルの新製品発表会に行ってきましたので、その様子をレポートしたいと思います。

発表されたプロダクトは「ステルス2」シリーズです!

商品コンセプトは「FARGIVENESS」。FARとFORGIVENESSを組み合わせた造語です

商品コンセプトは「FARGIVENESS」。FARとFORGIVENESSを組み合わせた造語です

飛びはそのまま、もっとやさしく!

「ステルス」シリーズは、カーボンフェースを始めとする独創的な技術で2022年に大ヒットしました。テーラーメイドによると、この「ステルス」シリーズの大ヒットもあり、2022年全体のハードウェア1位を記録し、同社としても全体で過去最高の売り上げを記録したのだとか。「ステルス」シリーズのドライバーは「低スピンでボール初速が速く、飛距離性能が高い」と評価され、多くのツアープロ、アスリートに好評でしたが、一般的なゴルファーからは、飛ぶけどちょっと難しい……という評価が一部で上がりました。

今回発表になった「ステルス2」シリーズは、簡単に言ってしまうと、前作「ステルス」で好評だった飛距離性能を引き継ぎつつ、ミスへの寛容性を高めたシリーズと言えます。それを表しているのが、商品コンセプト。「ステルス」のコンセプトは、「SPEED(ボール初速の意)&FAR(飛距離の意)」だったのですが、「ステルス2」のコンセプトは、FARはそのままに、ミスへの寛容性を表すFORGIVENESSを合わせた造語「FARGIVENESS」です。カーボンフェースを始めとした独自のテクノロジーによって飛ぶことは「ステルス」で証明したので、そこにミスへの強さを追加した!というのが、「ステルス2」シリーズを理解するイメージというわけです。

具体的にどう変わったのか、ジャンルごとに詳しい説明がありましたので、ご紹介していきます。

ドライバーは3モデル

まずは最も注目されるドライバーから。ラインアップは「ステルス」シリーズ同様3モデル。スタンダードの「ステルス2」、可変ウェイトを搭載し、ツアープロやアスリートに向けた「ステルス2 プラス」(以下、プラス)、そして、高さが出しやすく、つかまり性能を高めた「ステルス2 HD」(以下、HD)です。

ネーミングや性能的な分類は「ステルス」シリーズと同じです。ですが同社の説明によると、前作よりも3つのモデルの個性をさらに強め、モデル間での性能に幅を持たせたとのこと。シリーズ共通でミスへの寛容性を高めながら、それぞれのモデルの個性を強めてきたとなると、いやが上にも期待が高まります。

ドライバーは3モデル。左から「ステルス2プラス」「ステルス2」「ステルス2HD」。それぞれ基本となるポジションは前作と共通ですが、それぞれの個性を強めた設計に変化しています

ドライバーは3モデル。左から「ステルス2プラス」「ステルス2」「ステルス2HD」。それぞれ基本となるポジションは前作と共通ですが、それぞれの個性を強めた設計に変化しています

カーボンフェースの最大のメリットは、フェース周りを軽く作れること。インパクトの瞬間、フェースで受けたエネルギーを、重さの大部分を占めるボディが受け止めることでエネルギーロスを最小限にし、効率よくパワーの伝達ができます

カーボンフェースの最大のメリットは、フェース周りを軽く作れること。インパクトの瞬間、フェースで受けたエネルギーを、重さの大部分を占めるボディが受け止めることでエネルギーロスを最小限にし、効率よくパワーの伝達ができます

今作のカーボンフェースは、前作と比べ2g軽量化。60層のカーボンシートは2種類のシートの組み合わせでできていて、重ねる順番やそれぞれ使用する枚数を変えることで、より軽いフェースに仕上げることに成功しています

今作のカーボンフェースは、前作と比べ2g軽量化。60層のカーボンシートは2種類のシートの組み合わせでできていて、重ねる順番やそれぞれ使用する枚数を変えることで、より軽いフェースに仕上げることに成功しています

最もボール初速の出やすいフェースエリアをテーラーメイドでは「ホットゾーン」と呼んでいるのだそうです。その「ホットゾーン」が、今作では大幅に大きくなりました

最もボール初速の出やすいフェースエリアをテーラーメイドでは「ホットゾーン」と呼んでいるのだそうです。その「ホットゾーン」が、今作では大幅に大きくなりました

今作のパーツの分解図。フェース周辺のボディと装着されるウェイト2か所以外は、すべてカーボン素材となり、今作では初めて、ボディの素材容量においてカーボンがチタンを上回ったそうです

今作のパーツの分解図。フェース周辺のボディと装着されるウェイト2か所以外は、すべてカーボン素材となり、今作では初めて、ボディの素材容量においてカーボンがチタンを上回ったそうです

3モデルのウェイトはそれぞれ重量が異なります。左の「プラス」は、ソール後方と、可動するフェース側にそれぞれ15gを搭載。「ステルス2」はソール後方に25g、「HD」はソール後方に30gを搭載しています。写真の赤い2重丸で囲まれているのがウェイトで、モデルによって搭載位置が異なることを説明するためのもの

3モデルのウェイトはそれぞれ重量が異なります。左の「プラス」は、ソール後方と、可動するフェース側にそれぞれ15gを搭載。「ステルス2」はソール後方に25g、「HD」はソール後方に30gを搭載しています。写真の赤い2重丸で囲まれているのがウェイトで、モデルによって搭載位置が異なることを説明するためのもの

上の表は、「ステルス」シリーズと「ステルス2」シリーズで、それぞれのモデルを比較したもの。全体的にはミスヒットに強くなり、慣性モーメントも増加しています。個別に見ると、スタンダードの「ステルス2」のつかまり性能(ドロー傾向)が高められています。注目すべきは「HD」。前作に比べて打ち出し角とスピン量がわずかに増え、ライ角もアップライトとなり、クラブの長さも短くなりました

上の表は、「ステルス」シリーズと「ステルス2」シリーズで、それぞれのモデルを比較したもの。全体的にはミスヒットに強くなり、慣性モーメントも増加しています。個別に見ると、スタンダードの「ステルス2」のつかまり性能(ドロー傾向)が高められています。注目すべきは「HD」。前作に比べて打ち出し角とスピン量がわずかに増え、ライ角もアップライトとなり、クラブの長さも短くなりました

「ステルス2ドライバー」。個人的には、前作より断然カッコよくなったと思います。ソール後方の赤いパーツが、ヒール、トゥそれぞれに回り込むように装着されているため、構えていても、すぐに「ステルス2」とわかるようになりました

「ステルス2ドライバー」。個人的には、前作より断然カッコよくなったと思います。ソール後方の赤いパーツが、ヒール、トゥそれぞれに回り込むように装着されているため、構えていても、すぐに「ステルス2」とわかるようになりました

フェースは、前作より黒い部分がやや明るくなり、赤いフェースがより鮮明に見えます

フェースは、前作より黒い部分がやや明るくなり、赤いフェースがより鮮明に見えます

クラウンは、前作のサテン(いわゆるマット仕上げ)から、光を適度に反射するグロス仕上げに変更されました。「プラス」を除く2モデルには、赤いラインが輪郭を縁取るように入れられています。この装飾は、最終日に赤いウェアを着ることで有名なタイガー・ウッズが気に入っていたようです(笑)

クラウンは、前作のサテン(いわゆるマット仕上げ)から、光を適度に反射するグロス仕上げに変更されました。「プラス」を除く2モデルには、赤いラインが輪郭を縁取るように入れられています。この装飾は、最終日に赤いウェアを着ることで有名なタイガー・ウッズが気に入っていたようです(笑)

フェアウェイウッド、レスキューも3モデル

今作は、ドライバーだけでなく、フェアウェイウッド、レスキュー(ユーティリティー)も3モデルずつ用意されています。前作では「HD」モデルにはドライバーしかありませんでした。今作は、それぞれのラインにドライバーからレスキューまで各モデルを用意し、ユーザーがよりシンプルに、ラインアップを統一できるようになりました。

フェアウェイウッドのラインアップ。前作同様、「プラス」は素材にチタンを採用した可変ウェイトを搭載するアスリート向けのモデル。スタンダードな「ステルス2」は、#3と長さは同じでロフト角が少し多く設定された3HL、さらには前作には設定がなかった#9の設定があり、ラインアップが充実しています。今作から追加になった「HD」は#3・#5・#7のラインアップです

フェアウェイウッドのラインアップ。前作同様、「プラス」は素材にチタンを採用した可変ウェイトを搭載するアスリート向けのモデル。スタンダードな「ステルス2」は、#3と長さは同じでロフト角が少し多く設定された3HL、さらには前作には設定がなかった#9の設定があり、ラインアップが充実しています。今作から追加になった「HD」は#3・#5・#7のラインアップです

「プラス」に搭載される可変ウェイトは、ドライバーとは異なり、前後に動かす仕様。スタンダードポジションから、前後に動かすことでスピン量をそれぞれ550回転増減可能なのだとか。弾道調整機能でロフトも調整できるので、かなり幅広いチューニングができそうです

「プラス」に搭載される可変ウェイトは、ドライバーとは異なり、前後に動かす仕様。スタンダードポジションから、前後に動かすことでスピン量をそれぞれ550回転増減可能なのだとか。弾道調整機能でロフトも調整できるので、かなり幅広いチューニングができそうです

スタンダードな「ステルス2」と「HD」はトゥ、ヒールまで回り込んだカーボンクラウンを採用し、定評のあるテーラーメイド独自のテクノロジーをふんだんに詰め込んでいます。「HD」はどこまでやさしく仕上がっているのか、興味ありますね

スタンダードな「ステルス2」と「HD」はトゥ、ヒールまで回り込んだカーボンクラウンを採用し、定評のあるテーラーメイド独自のテクノロジーをふんだんに詰め込んでいます。「HD」はどこまでやさしく仕上がっているのか、興味ありますね

レスキュー(ユーティリティー)も初めて、3モデルが用意されました。「プラス」はアイアンタイプに分類されるようで、中弾道で強い球が打てるでしょう。「ステルス2」と「HD」の性能がどのくらいなのかが個人的には気になるところです

レスキュー(ユーティリティー)も初めて、3モデルが用意されました。「プラス」はアイアンタイプに分類されるようで、中弾道で強い球が打てるでしょう。「ステルス2」と「HD」の性能がどのくらいなのかが個人的には気になるところです

今回アイアンは「ステルスHD アイアン」1モデルが発表されました。前作と同時に発表された「ステルス アイアン」が今年も継続発売されるということで、こちらのモデルは「ステルス2 HD アイアン」ではなく「ステルスHD アイアン」というネーミングに。HDの名にふさわしく、やさしさを前面に押し出したモデルです

今回アイアンは「ステルスHD アイアン」1モデルが発表されました。前作と同時に発表された「ステルス アイアン」が今年も継続発売されるということで、こちらのモデルは「ステルス2 HD アイアン」ではなく「ステルスHD アイアン」というネーミングに。HDの名にふさわしく、やさしさを前面に押し出したモデルです

前作の「ステルス」シリーズは、飛距離性能は非常に高いと感じていましたが、個人的には、ちょっと手ごわい印象でした。今作は、どのモデルもミスへの寛容性のアップをアピールしており、大いに期待しています。各モデルをじっくり打って3つのシリーズを個別にレビューしたいと思っていますので、楽しみにしていてください!

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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