価格.comのゴルフカテゴリーにおける2022年12月の人気ランキング、各カテゴリーで1位を獲得したメーカーは、下記のとおりとなった。
●ドライバー:テーラーメイド
●フェアウェイウッド(以下、FW):テーラーメイド
●アイアン:ダンロップ
●ユーティリティー(以下、UT):テーラーメイド
●ウェッジ:クリーブランド
●パター:オデッセイ
ドライバーの1位は3か月連続で、新商品「STEALTH グローレ」である。ほかにも、FWは「STEALTH」、アイアンは「スリクソンZX5MkU」と新商品が1位となった。パターは引き続きトラス構造が人気である。
※本記事の価格やそのほかの情報は、2022年12月末時点でのもので、現在とは異なる場合があります。
2022年12月の、価格.comにおけるドライバー月間人気売れ筋ランキング
12月の売れ筋ランキングベスト10のうち、キャロウェイ4製品、テーラーメイド3製品、ピン、タイトリスト、ダンロップの各1製品がランクインした。このうち、新モデルが8製品で、ユーザーの間で新モデルへの切り替えが進んでいることを示す結果だ。
1位は、3か月連続でテーラーメイドの10月7日発売の新商品「STEALTH グローレ・純正シャフトSPEEDER NX for TM・S・10.5°」である。4位にも「STEALTH グローレ・純正シャフトSPEEDER NX for TM・SR・10.5°」がランクインした。「STEALTHグローレ」は、初代「グローレ」の登場から10年目を向かえた意欲作。60層のカーボンツイストフェースに加え、フォージドアルミニウムリングを採用することで余剰重量が発生。加えて重心を下げるためのバックウェイトも搭載し、最適重量配分による慣性モーメントの拡大により、やさしさと高い安定性を実現している。試打評価でも「楽に打てて球がつかまり、球が上げやすくやさしい」と、人気が安定して継続している。平均価格 75,199円、最安値 65,870円で、前月とほぼ変わらない。
3位には60層カーボンフェース採用の「STEALTH」が、9月以来のベスト10に入っている。平均価格 54,560円、最安値 41,646円と、新商品にもかかわらず前月より1万円以上価格が下がったため、再び人気が出てきたのだと思われる。
2位にはキャロウェイの新商品「ROGUE ST MAX・純正シャフトVENTUS 5 for Callaway・S・10.5°」、6位にも「ROGUE ST MAX・純正シャフトVENTUS 5 for Callaway・S・9°」、10位にも「ROGUE ST MAX D・純正シャフトVENTUS 5 for Callaway・S・10.5°」が入ってきた。「ROGUE ST」シリーズは、「JAIL BREAKテクノロジー」、「FLASHフェース」を最新版にアップデートして幅広いゴルファーにフィットさせ、飛距離と振りやすさにより支持を受けている。平均価格 60,937円、最安値 52,140円。平均価格は前月より5,000円近く下がっており、買いやすくなってきている。同じ2月発売の新商品でみると、「ROGUE ST」と「STEALTH」では「ROGUE ST」に人気が集まった格好だ。
2022年の新商品モデルがベスト10に8製品、このうち9、10月発売のものが4製品入っている。ベスト10に入ったドライバーのロフトは、10.5°が8製品、9°、10°が各1製品である。フレックスは、Sが8製品、R、SRが1製品。ベスト3のスペックは「ロフト10.5°/フレックスS」で、これが通販における人気スペックだと言えよう。
1月は、10月発売のテーラーメイド「STEALTH グローレ」が4か月連続1位となるか、11月発売のピン「G430」シリーズがベスト10に入るか、注目である。
2022年12月の、価格.comにおけるフェアウェイウッド月間人気売れ筋ランキング
12月のFWで人気を博したのは、テーラーメイド4製品、ダンロップ2製品、ヤマハ1製品である。7か月連続1位を獲得したテーラーメイド「SIM2」に換わり、「STEALTH」が1位に。ヤマハのFWはプロの間で飛ぶとの評価を得たこともあり、2か月連続で3位にランクイン。10製品のうち、新商品は6製品である。
1位はテーラーメイドの「STEALTH #3・TENSEI RED TM50・S・15°・190cm3」で、平均価格 28,865円、最安値 25,000円である。11月より7,000円以上価格が安くなったことも影響して1位になったと思われる。5位にも番手違いの「STEALTH #5・TENSEI RED TM50・S・18°・165cm3」が入っている。「STEALTH FW」は、新たに採用した「3Dカーボンクラウン」により、トゥ側に配置された重量を取り除くことで余剰重量を生み、より低・深重心設計を実現している。フェース上部にある帯状の「レーザーアライメント」はフェースとクラウンのコントラストを際立たせ、アドレス時の方向性を安定させる。また、「Vスチールソール」を採用し、クラブの振り抜きを高めた。
8位は「SIM2 MAX #3・純正シャフトTENSEI BLUE TM50・S・15°・190cm3」である。平均価格と最安値ともに25,800円で、12月に入ってから値上がり傾向が見られる。「SIM2 MAX」FWは7カ月連続で1位であったが、同じテーラーメイドの「STEALTH」FWが1位を獲得した。
2位はキャロウェイの「EPIC SPEED #5・純正シャフトDiamana 50 for Callaway・SR・18°・154cm3」である。2021年2月発売で、平均価格 22,358円、最安値 18,700円と、最安値は2万円を切って買いやすく人気である。キャロウェイ製品はほかにも、4位に新商品「ROGUE ST MAX #5・純正シャフトVENTUS 5 for Callaway・S・18°・148cm3」、9位に「ROGUE ST MAX #3・純正シャフトVENTUS 5 for Callaway・S・15°・174cm3」が入った。「EPIC SPEED #5」は平均価格 37,125円、最安値 29,700円。最安値は11月に比べて1,000円以上下がり、3万円を切った。「ROGUE ST MAX FW」は、「FLASH フェースSS22」を採用し、フェースカップの素材には高強度の「C300マレージング鋼素材」を採用し、ボール初速を上げる設計で、シャローフェースも相まって球が上げやすい。キャロウェイでは10位に「M4 2021年モデル #3・Atmos Red Fairway・S・15°・176㎤」も入っている。
3位には、2021年10月発売のヤマハの「リミックス VD #3・純正シャフトDiamana YB f・S・15°」が2か月連続でランクイン。平均価格 43,180円、最安値 36,705円で、価格は安定している。フェースに、高い反発性能を持った「βチタン(ZAT158チタン偏肉フェース)」を採用して初速をアップし、クラウンには軽量カーボン、ボディは低比重の6-4チタン精密鋳造、ソールに高比重合金を配したことで超低重心化を達成。高打ち出し・高初速・低スピンを実現する設計で、“飛ぶFW”としてプロの評価が高いことが人気を後押ししている。
FWのベスト10のうち、新商品は6製品。ドライバーの新商品が浸透し、FWも新商品の人気が出て1位を獲得した。番手を見ると、ベスト10の内訳は、#3が6製品、#5が4製品となっている。
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2022年12月の、価格.comにおけるアイアンセット月間人気売れ筋ランキング
12月のアイアンセットのベスト10には、ダンロップ6製品、テーラーメイド3製品、ブリヂストン1製品が入った。ダンロップ、テーラーメイドのアイアンが引き続き人気を得ている。新商品は8製品が入り、アイアンも最新モデルの人気が出ている。このうち、鍛造アイアンは6製品である。
1位は、ダンロップの2022年11月発売の新商品「スリクソン ZX5 Mk II アイアン 6本セット・N.S. PRO MODUS3 TOUR105 DST・S」である。平均価格123,049円、最安値110,880円。2位にも同じく「スリクソン ZX5 Mk II アイアン 6本セット・N.S. PRO 950GH neo DST・S」、3位も、カーボンシャフトの「スリクソン ZX5 Mk II アイアン 6本セット・Diamana ZX-II for IRON・S」で、「スリクソンZX5MkUアイアン」がベスト3を独占した。この「ZX5 MkII アイアン」は、フェース周辺部に配した溝「スピードグルーブ」と、最適なフェース肉厚設計「MAINFRAME Mk U」によるすぐれたボールスピードに加え、デザイン、スピン、操作性、寛容性などのバランスが取れたモデルである。軟鉄鍛造ボディに、クロムバナジウム鋼を使ったフェースを組み合わせている。ソール形状、バンス角の最適な設計により、インパクト時の抜けのよさがさらに向上した新「TOUR V.T. SOLE」を採用する。ロフトは7番で31°。稲森佑貴選手も「打感がしっかりしています。前作よりもスピンも増え、しっかりとグリーンでボールが止まります」とコメントしている。11月に8位で初登場したが、12月はシャフト違いの3製品がベスト3独占と、人気の高さがうかがえる結果だ。ダンロップではほかにも、6位に「ゼクシオ エックス」、7位、8位に「ゼクシオ12」が入り、新商品の6製品がベスト10入りした。
4位タイには、テーラーメイドの「STEALTH アイアン 5本セット・KBS MAX MT85 JP・S」が入っている。平均価格 84,729円、最安値 73,700円で価格は安定している。ミスヒットに強い中空構造で、同社の最新の技術を詰め込んだアイアンだ。「トウラップテクノロジー」はトゥ側の金属を削り、その余剰重量の適正配分により低重心設計を実現。ヘッド剛性を高める「キャップバックデザイン」、ヘッド下部の打点によるエネルギーロスを防ぐ「貫通型スピードポケット」など、独自のテクノロジーを複数搭載している。7番のロフト28°で、飛び系アイアンに分類される。
もうひとつの4位タイは、ブリヂストンが2022年9月に発売した「222CB+ アイアン 6本セット・N.S. PRO 950GH neo・S」。2022年の「Bシリーズ」3製品のなかでは、最もロフトが立っており、7番で31°。デュアルワイドポケットの採用で、芯で打てば厚みのある打感、芯を外したときにはポケットの効果を発揮するという、フィーリングとやさしさを両立したモデルで、3モデルのなかで最も高い飛距離性能を持つ。軟鉄鍛造構造で、タングステンウェイトなどを採用せず、軟鉄鍛造だけで仕上げるという、プロからの要望を強く反映したクラブである。平均価格 100,281円、最安値 77,880円と、価格は安定している。
ダンロップのアイアン6製品がベスト10に入り、同社のアイアンの強さが目立った結果となった。
2022年12月の、価格.comにおけるユーティリティー月間人気売れ筋ランキング
12月のUTランキングのベスト10は、テーラーメイド5製品、キャロウェイ2製品、ダンロップ、ピン、ヤマハ各1製品で占められた。新商品でベスト10に入っているのは3製品である。
1位は2か月連続で、2021年10月発売のテーラーメイド「M4 2021年モデル・Atmos Red・S・25°」である。10月を除けば6か月1位と、人気が継続している。平均価格、最安値とも12,100円で、その安さで人気を得ている。テーラーメイド独自のテクノロジー「スピードポケット」などで広いスイートエリアを持ち、安心感を与えるヘッド形状でやさしく打てる。テーラーメイドはほかにも、2位に「SIM2 MAX・TENSEI BLUE TM60・S・25°」、3位に新商品「STEALTH・TENSEI RED TM60・S・22°」が入り、12月はベスト3を独占した。「STEALTH」はカーボンクラウンを採用し、従来モデルと比べてさらなる低・深重心を実現し、飛距離性能とミスへの寛容性を両立させたUTだ。平均価格 24,651円、最安値 22,100円で、11月より5,000円以上価格が下がって人気となっている。さらに、5位に「M4」のロフト22°、6位に「STEALTH・KBS MAX MT85 JP・S・22°」が入るなど、テーラーメイドの人気は高い。
先月のベスト10に5製品入っていたピン「G425」であるが、12月は8位に「G425 ハイブリッド・ALTA J CB SLATE・SR・22°」が登場したのみである。新商品「G430」の発売を受けて価格が下がり、人気が一気に上昇したが、在庫が薄くなってモノが手に入りにくくなったと推定される。
UTの新商品はベスト10のうち3製品。今後、UTの人気モデルも徐々に新商品に切り替わっていくと推定される。ロフトは、22°が4製品、25が2製品、18°、20°、23°、24°が各1製品である。
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2022年12月の、価格.comにおけるウェッジ月間人気売れ筋ランキング
12月はウェッジのベスト10の内訳は、クリーブランド5製品、タイトリスト4製品、キャロウェイ1製品で、そのうち新商品は1製品である。
1位は2020年9月発売の、クリーブランド「RTX ZIPCORE ウェッジ ツアーサテン・N.S. PRO 950GH・S・52°・10°」である。平均価格、最安値とも11,880円は11月と同じで、この低価格も人気を押し上げている。ネック内部にセラミックピンを内蔵し、重心位置をフェースセンター寄りにすることで、打球の安定性を向上させている。さらに、余剰重量をトゥ側上部に配置することで上下の慣性モーメントをアップさせ、打球のバラつきを抑制している。また、新溝設計「ULTIZIP(アルチジップ) GROOVES」は、特に悪条件下でのスピン性能が安定し、フェース溝の耐久性も向上した。このシリーズのスペック違いが5製品もベスト10に入る人気ぶりである。3位に「N.S. PRO 950GH・S・48°・10°」、5位に「N.S. PRO 950GH・S・50°・10°」、8位「ブラックサテン・N.S. PRO 950GH・S・52°・10°」、10位「ブラックサテン・ダイナミックゴールド・S200・48°・10°」と、価格と性能で本ランキングでは不動の人気を誇るウェッジとなっている。
2位は、タイトリストの2020年3月発売「ボーケイデザイン SM8 ウェッジ ツアークローム・ダイナミックゴールド・S200・56°・8°M」である。平均価格 16,595円、最安値 15,800円で、価格は安定傾向。4位にスペック違いの「ジェットブラック・N.S. PRO 950GH neo・S・56°・14°F」、9位に「ブラッシュドスチール・ダイナミックゴールド・S200・56°・14°F」が入っている。2022年3月発売の新商品「SM9」も、7位に「SM9 ウェッジ ツアークローム・ダイナミックゴールド・S200・52°・12°F」がランクイン。平均価格20,218円、最安値18,314円となっている。「SM9」は、弾道の高さを イメージどおりにコントロールし、精度の高いドロップ&ストップを極めるために、最先端のテクノロジーとクラフトマンシップから生み出されたウェッジだ。
ウェッジはバリエーションが豊富で、ベスト10のロフト内訳は、48°が2製品、50°が1製品、52°が3製品、56°が4製品である。アプローチで使いやすい52°、バンカーで使用する56°が12月は人気を得た。ウェッジも新商品が出てきているので、徐々に切り替わっていくと予想される。
しまさき ひらと。スポーツ用品メーカー、クラブ・ボールの商品開発、広報・宣伝、プロトーナメント運営等を担当。クラブ特許を20件以上出願。退職後、ゴルフライターとしてメディアで執筆活動中。また多方面からゴルフ活性化活動を推進。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。