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キャロウェイ新製品「パラダイム」登場! ゼロから新設計した恐るべきカーボン技術

オグさんです! 今回は、2023年1月13日に行われたキャロウェイの2023年モデルの新製品発表会に行ってきたので、その様子をレポートしたいと思います!

発表されたプロダクトは「パラダイム(PARADYME)」です!

過去作のテクノロジーを継承しつつ、新たなテクノロジーを上乗せしてきました!

過去作のテクノロジーを継承しつつ、新たなテクノロジーを上乗せしてきました!

「パラダイム」とは、概念、常識、典型などを意味します。ある分野で、それらが従来のものから大きく変わるときに使われる「パラダイムシフト」という表現を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

英語では「Paradigm」と綴りますが、製品名は「PARADYME」

英語では「Paradigm」と綴りますが、製品名は「PARADYME」

今回のキャロウェイの製品は、“ゴルフクラブのパラダイムシフト”と呼ぶべき劇的な変化を成し遂げたということなのでしょう!

【パラダイムのポイント-1】
360°カーボンシャーシ

では一体、何がそんなに変わったのか? 最も大きな変化が、「360°カーボンシャーシ」と呼ばれるボディ部分。従来のモデルは、クラウンにはカーボンを使用していましたが、ソール側の一部には金属が使用されていました。ですが同社の説明によると、ヘッドの高性能化を図っていくうえで重要なのは、飛距離とミスへの寛容性を高めるフェース付近と、慣性モーメントを高めるためのヘッド後方部分らしいのです。

そして、「ヘッドの真ん中は“空気”でもいい」のだとか。キャロウェイの開発陣が導き出した結論のなかで、強度を保ちながら、できるだけ“空気”のように軽く仕上げるため、ボディ全周にカーボンを採用し、理想に近いヘッドに仕上がったそうです!

フェース付近とソール後方をつなぐボディを、カーボンのみで作成。クラウンには従来培われてきた「トライアクシャルカーボン」を使用し、ボディとソール部分は、立体的な構造に仕上げられる「フォージドカーボン」を使用。2種類のカーボン素材を使用することで、この画期的なヘッドを完成させています

フェース付近とソール後方をつなぐボディを、カーボンのみで作成。クラウンには従来培われてきた「トライアクシャルカーボン」を使用し、ボディとソール部分は、立体的な構造に仕上げられる「フォージドカーボン」を使用。2種類のカーボン素材を使用することで、この画期的なヘッドを完成させています

カーボン部分のパーツの具体的な重さは示されませんでしたが、持つとビックリするほどの軽さに仕上がっているそうです。同じ部分をチタンで作るより、44%もの軽量化に成功したのだとか!

カーボン部分のパーツの具体的な重さは示されませんでしたが、持つとビックリするほどの軽さに仕上がっているそうです。同じ部分をチタンで作るより、44%もの軽量化に成功したのだとか!

【パラダイムのポイント-2】
進化した「ジェイルブレイクテクノロジー」と
「AIフラッシュフェース」

「ジェイルブレイクテクノロジー」とは、キャロウェイが培ってきたオリジナルの技術です。フェースすぐ後ろのクラウンとソールをバーでつなぎ合わせることで、インパクト時のエネルギーロスを軽減し、高いボール初速を実現させています。2017年の登場以降、何代にもわたって改良され、元々2本のバーだった構造が、今作ではY字型の1本のバーになりました。

初めは2本のバーだった「ジェイルブレイクテクノロジー」ですが、複数回の改良を受け、最新作ではクラウン側だけが2つに枝分かれしたY字状に変化。この形状はAIによって設計されています

初めは2本のバーだった「ジェイルブレイクテクノロジー」ですが、複数回の改良を受け、最新作ではクラウン側だけが2つに枝分かれしたY字状に変化。この形状はAIによって設計されています

「AIフラッシュフェース」は、こちらもキャロウェイ独自のテクノロジーで、打点のズレなどのデータを人工知能(AI)にインプットし、何万通りのシミュレーションを行うことで最適なフェース形状を導き出すというもの。モデルチェンジを繰り返すたびに、AIに与えられる材料が増えていき、いまや開発陣ですら理解し切れていない部分もあるんだとか……!

今回の「パラダイム」ではAIに、打点のブレのデータや、飛びの3要素「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」に加え、着弾地点のブレ幅のデータも加えられたそう。一体何通りのシミュレーションが必要なのでしょうか? 何千万回? 何億回??

今回の「パラダイム」ではAIに、打点のブレのデータや、飛びの3要素「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」に加え、着弾地点のブレ幅のデータも加えられたそう。一体何通りのシミュレーションが必要なのでしょうか? 何千万回? 何億回??

フェース周りの分解図です。フェース裏の形状や「ジェイルブレイクテクノロジー」はすべてAIによる設計。なぜこの形になったのか?と質問しても、AIの計算によるものです!という答えしか持ち得ないみたいです

フェース周りの分解パーツです。フェース裏の形状や「ジェイルブレイクテクノロジー」はすべてAIによる設計。なぜこの形になったのか?と質問しても、AIの計算によるものです!という答えしか持ち得ないみたいです

この「パラダイム」シリーズは、搭載されているテクノロジーの多くはキャリーオーバーですが、その効果に磨きをかけつつ、「360°カーボンシャーシ」によって、それらの効果を余すことなく発揮できるようになったというのが、個人的な印象です。

ドライバーは4モデル

シリーズとしてのラインアップは、ドライバーが4モデル、フェアウェイウッド(以下、FW)が4モデル、ユーティリティー(以下、UT)が3モデル、アイアンが3モデルです。

最注目のドライバーの4モデルをざっと説明すると、下記のとおり。

●パラダイム ドライバー
スタンダードなポジションのモデル。前作よりややつかまりを抑えつつ、シリーズ中唯一、可変ウェイトを搭載しています

●パラダイムX ドライバー
「X」は「EXTRA FORGIVENESS(エキストラ フォーギブネス)」の略で、「最大限の寛容性」の名を掲げた、適度なつかまり性能を持つ仕様

●パラダイムMAX FAST ドライバー
いわゆる軽量モデル。アジア専用で、振り抜きやすさを追求した仕様

●パラダイム♦♦♦ ドライバー
つかまりを抑えた、浅重心の強弾道仕様。キャロウェイセレクテッドストア限定モデルです

前作「ローグST」も4モデルがラインアップされていましたが、ネーミングがガラッと変わりました。各モデルの基本性能が前作と重ねられない部分が多いので、このような処置が取られたのでしょう

前作「ローグST」も4モデルがラインアップされていましたが、ネーミングがガラッと変わりました。各モデルの基本性能が前作と重ねられない部分が多いので、このような処置が取られたのでしょう

スタンダードな「パラダイム ドライバー」は、万人向けとしながらも、前作の「ローグST MAX」と比べ、ややつかまりを抑えた仕様に。そのため可変ウェイトが装着されているようです。

「X」はやさしさを追求し、つかまり性能を高めてあるようですが、重量などはスタンダードな「パラダイム ドライバー」とほぼ同等の模様。この2本が、「パラダイム」のドライバー選びの入り口になりますね。

「MAX FAST」は、「X」をベースに弾道調整機能を排除するなどしてヘッドの軽量化を施し、専用設計の軽量シャフトを装着することで振り抜きやすさを追求したドライバーです。

そして「♦♦♦(トリプルダイヤモンド)」は、アスリートやツアープロの使用を前提に設計された、つかまりを抑えた低スピン追求仕様です。

「パラダイム ドライバー」。ソールのカーボンが生み出す模様がとてもカッコイイ! 撮影した発表会会場には青いライトが照らされていて、ちょっと濃く見えますが、ソール、クラウンにブルーのカラーが使われていてとてもきれいです。ちなみにフェースが青く見えるのは、青いライトの反射です。キャロウェイらしい丸みを帯びたシェイプで構えやすいですね

「パラダイム ドライバー」。ソールのカーボンが生み出す模様がとてもカッコイイ! 撮影した発表会会場には青いライトが照らされていて、ちょっと濃く見えますが、ソール、クラウンにブルーのカラーが使われていてとてもきれいです。ちなみにフェースが青く見えるのは、青いライトの反射です。キャロウェイらしい丸みを帯びたシェイプで構えやすいですね

「パラダイムX ドライバー」。「パラダイム ドライバー」と比べて投影面積が少し大きくなっています。いかにもつかまりそうな印象がありますね

「パラダイムX ドライバー」。「パラダイム ドライバー」と比べて投影面積が少し大きくなっています。いかにもつかまりそうな印象がありますね

FWも4モデル

FWも、ドライバー同様4モデルの展開。基本は、ドライバーとのつながりがよいように同じコンセプトの設計です。テクノロジーとしては、ドライバーの「360°カーボンシャーシ」を応用した「フォージドカーボンテクノロジー」、FW専用の「ジェイルブレイクテクノロジー」、各モデル、番手別に設計された「AIフラッシュフェース」、打点のミスを軽減する「フォージドフェースカップ」などを搭載しています。

●パラダイム フェアウェイウッド
打点のバラつきに強く、豊富な番手をラインアップするスタンダードなFW

●パラダイムX フェアウェイウッド
適度なつかまりを持たせた仕様

●パラダイムMAX FAST フェアウェイウッド
「X」をベースに軽量に仕上げられた仕様

●パラダイム♦♦♦ フェアウェイウッド
ソールにウェイトを追加された、低スピンでアスリートに向けた仕様

ドライバーと同じネーミングで揃えられた4モデルのFW。わかりやすいのがよいですね

ドライバーと同じネーミングで揃えられた4モデルのFW。わかりやすいのがよいですね

「パラダイム FW」の注目点。ソール全体に「フォージドカーボン」を使用し、やや前方にウェイトの役目を果たす「タングステンスピードカートリッジ」を搭載。低重心でミートしやすそうですね!

「パラダイム FW」の注目点。ソール全体に「フォージドカーボン」を使用し、やや前方にウェイトの役目を果たす「タングステンスピードカートリッジ」を搭載。低重心でミートしやすそうですね!

「パラダイムFW」。カーボンの仕上げはドライバー同様で、青く反射するきれいな仕上がり。形状も構えやすく、前作「ローグST」のFWを購入した私としては、「パラダイム」の別の番手が欲しくなりました! たぶん買います!

「パラダイムFW」。カーボンの仕上げはドライバー同様で、青く反射するきれいな仕上がり。形状も構えやすく、前作「ローグST」のFWを購入した私としては、「パラダイム」の別の番手が欲しくなりました! たぶん買います!

UTは3モデル

UTは、前作と比べて形状が大きく変わりました。前作までは、ややトゥ側が高い、アイアンとウッドの中間のような独自の形状をしていたのですが、今作からは、オーソドックスな、いわゆる“ウッド型”になりました。ウッド型になったため、搭載されるテクノロジーもFWと多くが共通となり、FWと同タイプの「ジェイルブレイクテクノロジー」「AIフラッシュフェース」などを搭載。また、独自のテクノロジーとして、ヌケのよさを追求した「カットウェーブソール」が搭載されています。さらに「パラダイム」と「X」には、前作のUTにはなかった弾道調整機能が搭載されました。

●パラダイム ユーティリティー
安定した弾道を誇るスタンダードな仕様

●パラダイムX ユーティリティー
つかまり性能を高めた仕様。セレクテッドストア限定モデル。

●パラダイムMAX FAST ユーティリティー

「X」をベースにした軽量仕様

ドライバーやFWと違い、こちらは3モデルのラインアップ。「♦♦♦」のUTがないのは、ターゲットとするゴルファーにUTのニーズが少ないからでしょう。つかまり性能の高い「X」が、セレクテッドストア限定モデルに設定されています

ドライバーやFWと違い、こちらは3モデルのラインアップ。「♦♦♦」のUTがないのは、ターゲットとするゴルファーにUTのニーズが少ないからでしょう。つかまり性能の高い「X」が、セレクテッドストア限定モデルに設定されています

「パラダイム UT」。オーソドックスな形状ながら、ちゃんとキャロウェイ顔になっているのがよいですね。とても構えやすい!

「パラダイム UT」。オーソドックスな形状ながら、ちゃんとキャロウェイ顔になっているのがよいですね。とても構えやすい!

アイアンは3モデル

アイアンも、大きな変革をともなって登場しました。ラインアップは3モデルで、どれも中空構造ですが、ボディには、AIが設計した「スピードフレーム構造」を採用しています。スッキリとしたヘッド形状に仕上げながら、高い剛性を実現し、たわみの大きい「フォージド455フェースカップ」との組み合わせに成功。ウェイトである「デュアル・タングステン・ウェイティング」とあいまって、多くのアマチュアが求める、飛距離・形状・やさしさなどを、高い水準で高めたアイアンに仕上がっています。

●パラダイム アイアン
スッキリした形状ながら、打点のバラつき、飛距離を両立させたモデル

●パラダイムX アイアン
やや大きめのヘッドサイズで、つかまり性能も高いやさしさ重視モデル。セレクテッドストア限定

●パラダイムMAX FAST アイアン
ミスに強く、つかまり性能の高い軽量モデル

UTと同様で、つかまり性能の高い「X」がセレクトショップショップ限定モデルに

UTと同様で、つかまり性能の高い「X」がセレクトショップショップ限定モデルに

AIが設計したボディ「スピードフレーム構造」によって、スッキリした形状からは想像できないようなミスへの強さに仕上がっていそうですね

AIが設計したボディ「スピードフレーム構造」によって、スッキリした形状からは想像できないようなミスへの強さに仕上がっていそうですね

アイアンを分解したそれぞれのパーツです。特徴的なボディの肉抜きの穴は、AIが導き出したものなんだとか!

アイアンを分解したそれぞれのパーツです。特徴的なボディの肉抜きの穴は、AIが導き出したものなんだとか!

「パラダイム アイアン」。スッキリした形状で、確かによい顔です! 個人的には、キャロウェイらしい厚いブレードも嫌いではなかったのですが、これはこれで、多くのゴルファーに受け入れられそう

「パラダイム アイアン」。スッキリした形状で、確かによい顔です! 個人的には、キャロウェイらしい厚いブレードも嫌いではなかったのですが、これはこれで、多くのゴルファーに受け入れられそう

「パラダイム」シリーズは、2023年2月下旬から順次発売されるとのことで、市場の反応が今から楽しみです! 価格.comマガジンでは順次詳しい試打レポートをアップしていきますので、そちらも楽しみにしていてください。

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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