「どうやって撮ったの?」って聞かれたい♪ 写真がちょっと上手くなる女子カメラ教室

「夜景撮影って難しい」はウソ! 三脚と“絞り固定”でカンタンに撮れちゃう!

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夜景の美しい場所に行った時、目の前に広がるそのキラキラ輝く宝石箱のような光景を「写真に撮りたい!」と思ってしまうのは私だけではないと思います。思い出に残したい、誰かと共有したい、みんなに見せてあげたい。夜景には人をそんな気持ちにさせる魅力があります。でも実際にカメラを構えシャッターを押し、再生画面を見てみると……

「キャーッ! なんで見た目どおりに写ってないの!?」
……となってしまった経験、1度はあるのではないでしょうか? こうなるとつい「夜景って思い通りにならなくて難しい! 無理!」と思ってしまいますよね。 でも大丈夫!
(使用カメラ:ペンタックス「PENTAX K-70」 画像はすべてリサイズしています)

「こんな美しい夜景も、実は簡単に撮れてしまします!」 0.6秒、F8、ISO3200、+1補正

「こんな美しい夜景も、実は簡単に撮れてしまします!」 0.6秒、F8、ISO3200、+1補正

実は、誰もが簡単に見た目以上に美しく撮ることができるのが夜景という被写体なのです。ただし、1つだけあるものを持っていけばの話……。はい、それが三脚です!

最近のデジカメには夜景シーンやその他夜景に関する何かしらのモードや機能が付いているのがほとんどですし、スマホでも、HDR機能や夜景専用アプリなどを使えばそれなりに写すことは可能にはなりました。でもそれらを使っても、果たして毎回同じクオリティの写真が撮れるでしょうか? 夜景の光量によっては暗めに写ってしまったり、まだ空が完全に暗くなっていない夕景の場合などは逆に明るく写ってしまったりと、なかなか思うようにいかない場合が多いはずです。

そのカメラに搭載されている夜景モードを使うときでも、夜景の撮影は三脚を使用して撮る、もしくはどこかに置いて撮る、が前提なのです。美しい夜景写真を撮りたいなら、手持ちでの撮影はオススメしません。

もちろん、今のカメラには様々な撮影補助機能があるので手持ちでは不可能と言うことではないですが、そうした機能、特に画像へのデジタル加工処理機能は使えば使うほど、デジタル処理の多重化で画質が荒れてしまい「滑らかで美しい画質」からどんどん離れていきます。なので、最初から夜景写真を撮るつもりでカメラを持って出かけるのなら、必ず三脚は持っていきましょう。そして、三脚を使うなら、せっかくなのでカメラに付いている夜景シーンなどの機能に頼らずに、プロが撮ったかのような仕上がりを、頑張らずに素早くカンタンに撮る方法を覚えましょう。そうすれば、極端に言うと勝手を知らない誰かのカメラを使ってもいい写真が撮れてしまいます。 “どうやって撮ったの!?”と言われること間違いなし!

細かいことは抜きにして、まずはモードダイヤルを絞り優先モード(A)に設定

昼間に手持ちで撮影していたカメラ任せのプログラムオートの状態のまま夜景を撮っても、ほぼ確実に手ブレが起きるか、露出が足りなく暗−い写真になって失敗します。そこで今回の大事なポイント。

1.必ず三脚を使う(※三脚使用時には手ブレ補正はOFFにすること)
2.撮影モードは「絞り優先」か「マニュアル」モードのどちらかに設定する

乱暴な言い方をすれば、これさえ守ればとりあえず上手に夜景が撮れてしまうのです。

絞り優先モードかマニュアルモードはちらでも構いませんが、今回は“絞りはすべてF8固定”で撮っていくことにします。夜景は、あまりF値が小さい(絞りを開けすぎる)と、光がぼんやりして締まりがなくなるのと、逆にF値を大きくしすぎるとシャッター速度に影響が出て画質が悪くなる場合があります。F8から、ギリギリでもF11ぐらいまでなら高画質で撮影することができるでしょう。

ISO感度は「AUTO」でOKです。本来はできるだけ低い感度ISO100ぐらいが望ましいですが、そのぶん露光時間が長くなり、すなわちシャッタースピードが遅くなるので、カメラ初心者の場合は特に何かの拍子にブレたりする確率も上がってしまいます。今どきのカメラは性能もアップしており、AUTOで大丈夫! 当然、ストロボはOFFにしてください。

そこまでセットしたらカメラを三脚に取り付け、まずは1枚撮ってみましょう。あとは、カメラの液晶モニターに表示される撮影条件のインジケーター(例1)を見ながら好きな明るさになるまで、何枚か撮ればよいだけです。

例1 この場合のインジケーターは、+2を表示しています。カメラによってインジケーターの表示は違いますが、似たような表示がどのカメラにもあるはず

今回、私はマニュアルモードでも撮影したのですが、インジケーターの針が真ん中にある時が適正露出なので、それを基準に写真の仕上がりが暗いなぁと思った場合はインジケーターのメモリを(+)プラス側に持っていきます。やることは本当にこれだけです! 絞りをF8に決めているので、絞り優先モードで撮る場合と理屈は一緒です。シャッタースピードはカメラが考えてくれますから、それで撮った結果が見た目や期待と違う場合は、「露出補正(連載第2回)」を+/−にして、好みの明るさに調整していけばよいだけ。カンタンですね!

じつは他にも露出を自分で決める方法があり、たとえば「動いている光(光跡)を撮る」場合は長時間露光をしなければならないので、「シャッタースピード(連載第7回)」の調整が関係してきます。ですが、まずは「見た目通り」の夜景が手っ取り早く撮れる方法として、今回は絞り優先でいきましょう。

では、実際の写真で見て行きましょう!

写真1 夜景モード、1/8秒、F4.0、ISO1600、+1補正

写真1 夜景モード、1/8秒、F4.0、ISO1600、+1補正

写真2 Aモード(ノーマル)、1.0秒、F8.0、ISO1600

写真2 Aモード(ノーマル)、1.0秒、F8.0、ISO1600

写真3 Aモード(+1.5補正)、4.0秒、F8.0、ISO1600

写真3 Aモード(+1.5補正)、4.0秒、F8.0、ISO1600

写真1は、カメラ夜景シーンモードで撮った作例。工場のような光量の少ない被写体の場合は、やはりこのように暗めに写ってしまうようで、こういった機能の限界を感じてしまいます。そして写真2は、絞り優先モードのF8固定で、露出補正なしで撮った場合。写真3は、それに+1.5の補正をかけて撮ったものです。違いをくらべてみてください。実際の見た目は、写真2の補正なしで撮ったものに近かったのですが、暗く感じたのでプラス側に補正をかけて何枚か撮り、写真3になりました。三脚+ほんのひと手間で夜景写真はこんなにも変わってしまいます。露出補正での調節は大事ですね!

さて、次は“いつ撮るか”です。夜景が一番美しく撮れる時間帯として、トワイライトタイム(別名マジックアワー)と呼ばれる「日没後30分ぐらい」を指す言葉があります。空の青がまだうっすらと残っている中での夜景は本当に美しいものです。一般的に、カメラは見た目よりも劣る情景までしか撮れない(ヒトの目の方が優れている)と思われがち。でも、それは明暗差(コントラストの捕捉)に関しては正しいですが、肉眼ではもう完全に暗いなと思ってもまだ粘り強くシャッターを切ってみてください。逆にカメラはヒトの見た目以上の「微妙な色の変化」を写すことができるのです。ベストなトワイライトタイムは季節やその日の天候などによっても変わってきますので、日没後40分ぐらいまでと考えておけばよいかと思います。

以下、すべて今回の手法での撮影で撮ったものです。まずはこの3点、トワイライトタイム時の写真から。ちなみに写真7は、明らかに人の見た目よりも色差がしっかり出ている写真で、手持ちでお任せ設定ではこのような写真(画質)にはなりません。

写真4 1/8秒、F8、ISO1600

写真4 1/8秒、F8、ISO1600

写真5 1/10 秒、F8、ISO3200

写真5 1/10 秒、F8、ISO3200

写真6 2.0秒、F8、ISO800、1補正

写真6 2.0秒、F8、ISO800、1補正

夜景を撮るなら冬がいいと言われていますが、それは空気が澄んでいて光がクリアに見えることと、季節的にイルミネーションなども多く被写体に事欠かないという理由からだと思います。でも難点は冬の夜景撮影は寒い(笑)! そう、今の季節は夜の外出時やお散歩しながらでも、夕涼みがてらでも、夜景を撮るにはいい季節。真冬の雲1つない夜景もいいけど、雲ありありの夜景(写真7)もオツなものですよ。

写真7 1.3 秒、F8、ISO1600、+1補正

写真7 1.3 秒、F8、ISO1600、+1補正

もう1つ、夜景をカッコよく撮るうえで、バツグンな演出効果をもたらしてくれるのが水面の映り込みです。昼間は普通の海だったり川だったりするものが一変! 夜は夜景を映えさせる舞台装置に早変わり。水面と夜景、これはぜひセットでの撮影をおススメします!

写真8 1.0秒、F8、ISO800、+1補正

写真8 1.0秒、F8、ISO800、+1補正

写真9 0.6秒、F8、I SO1600

写真9 0.6秒、F8、I SO1600

ところで、美しい夜景を背景に人物や物を撮りたい時はどうしたらよいでしょう? 今回はモデルがいなかったのでぬいぐるみを人物に見立てて撮ってみました。写真10は東京タワーを背景に、ただぬいぐるみを手前に置いて撮ったものです。やはり手前に光源が無いので、ぬいぐるみは暗く写ってしまい、このようなメリハリの無い写真になってしまいました。まるで切り張りした合成写真みたいですね。

写真10  ストロボなし、1/6秒、F8、 ISO800

写真10 ストロボなし、1/6秒、F8、 ISO800

こんな時は、あえてストロボを使います(写真11)。いわゆる「スローシンクロ」です。夜景に向けてストロボを発光させても、距離が遠すぎて意味がありません。でも手前の被写体にはストロボが届くので明るく写ります。この時注意したいのが、夜景を撮っている時の「スローシャッター速度のまま」でストロボを発光させることと、ストロボの光量を強くしすぎないことです。カメラ内には「夜景&人物」というシーンモードがある場合も多いのですが、条件がうまく揃わないと暗く写ってしまうことが多いので、シーンモード(機能)に頼らず自力でカメラの内蔵ストロボにセットしましょう(ストロボマークの部分を押すといくつかのパターンが選べるはず。slowと表示されていればそれがベスト)。さらに、ストロボの光量も調節できるものが多いので、何枚か光量を変えて撮ってみるとよいでしょう。

写真11 ストロボあり、1/6秒、F8、ISO800

写真11 ストロボあり、1/6秒、F8、ISO800

ここまで、夜景の基本は三脚を使うことが大前提と紹介してきました。しかしながらこれは「夜景を撮るぞ!」とわざわざ撮影に出かけるのが今回のテーマであるからであり、皆さんご存知のように普段から三脚を持って歩いている人はそうそういないものです。じゃあ突然その場で夜景を撮りたくなったら、カメラ機能にお任せの成り行きでの仕上がりで諦めるしかないの?…という話になって来ます。さぁどうしましょう……。

そんな時は絞り優先モードもF8もすべて忘れて、ISO感度に頼りましょう!

ISO感度は上げれば上げるほどシャッタースピードは速くできますが、その分画質は低下するので、本来はできるだけ避けて通りたいところです。とはいえ、昨今のデジカメはISO感度をかなり上げても昔のデジカメほどは画像が荒れにくいので、高速でシャッターが切れるようになりました。そして、何と今回使用したPENTAX K-70にいたっては、ISO感度102400まで選択可能! 私はこれまでこんな数字を見たことがなかったので、ためしに走っている車の助手席からでも夜景撮影が可能なのかちょっと撮ってみることにしました。三脚なしでは手ブレは避けられないので、手ブレ防止機能をONにします。

写真12 1/250秒、F4.5、ISO51200

写真12 1/250秒、F4.5、ISO51200

写真12は、ISO51200で撮ったものです。なんと夜なのにシャッタースピードは1/250で切ることができました。黒の占める割合が多かったので写真13に比べると若干キメは荒く感じますが、ISO51200ということを考えたら信じられないぐらいキレイ!

写真13は、ISO12800でシャッタースピードは1/125。拡大してみましたが、普通に鑑賞する分にはまったく問題はないでしょう。これ、走っている車の中から撮っているのですから、普通に地上から撮影するなら楽勝間違いありません。とはいえ、その場合も構えはしっかり脇を締めて、できれば壁・手すりなどに身体をあずけて撮ってくださいね。

写真13 1/125秒、F4.5、ISO12800

写真13 1/125秒、F4.5、ISO12800

最後に。夜景撮影では三脚にプラスしてレリーズを使うとよいのですが、レリーズは無くてもまあなんとかなります。撮ってみてシャッターを押すときのブレが気になるようでしたら、セルフタイマーを使いましょう。今回の撮影で持って行ってよかったのが、首から下げられるペンライトで(ミニ懐中電灯)。真っ暗な中でカメラを設定したりするのは何かと不安なものですが、ペンライトがあれば足元も照らせるしカメラの設定の確認もスムーズにできるので、必需品です。

補足ですが、暗い中で撮影に集中していて交通事故などにあわないように、服装はできれば白っぽいものが目立ってよいかもしれません。この先の季節、夜が長くなれば夜景を楽しめる時間も増えるかと思います。どうぞ皆さん、素敵な夜景写真をたくさん撮ってみてくださいね!

今回使用したカメラは?
ペンタックス「PENTAX K-70 18-135WRキット」

ISO感度設定の幅広さにも驚きですが、手ブレ補正機能も4.5段階ありました。フォーカス系も優秀。暗所でもしっかりピントを合わせてくれるし、ノイズリダクションも長時間露光用と高感度使用時の二つが選べます。夜景撮影は、あたりが暗くて被写体によっては水平を出すのが難しいため、水準器を持参する人が多いのですが、このカメラは電子水準器も表示できますし、自動水平補正という機能では自動的に画面の傾きを水平に補正してくれるのです。まさに夜景撮影にうってつけのカメラでした。

デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-70 」。写真は「PENTAX K-70 18-135WRキット」の同梱レンズ「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR」を装着

カメラボディも三脚なしの手持ち撮影でのグリップ感がよかったですし、防塵・防滴構造なのでアウトドアでのアクティブな撮影を思う存分楽しめそう。次は昼間の撮影も試してみたいですね。

要所にはゴムパッキンが施されている防塵・防滴構造なのも魅力

要所にはゴムパッキンが施されている防塵・防滴構造なのも魅力

佐藤晶子

佐藤晶子

デジカメ普及の黎明期における専門誌での連載・ガイドブック監修など、早くからデジタル分野での仕事を手がける一方で、時間−空間−存在をテーマとした銀塩フィルムでの作品も多数。

製品 価格.com最安価格 備考
PENTAX K-70 18-135WRキット 92,687 防塵・防滴対応の2424万画素デジタル一眼レフ(smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR付き)
PENTAX K-70 ボディ 65,328 防塵・防滴に対応した2424万画素のデジタル一眼レフカメラ
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2017.1.30 更新
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