1990年代に巻き起こったハイテクスニーカーブームがすっかり落ち着いていた1998年、通称“マップラ”こと「ナイキ エア マックス プラス」というスニーカーがデビューしました。
当時の日本では、「ナイキ エア マックス 95」やリーボックの「インスタポンプ フューリー」の登場を端に発するハイテクスニーカーブームが終わりかけていたことや、販路がアメリカの大型スニーカーショップ「フットロッカー」限定ということもあって、「ナイキ エア マックス プラス」は残念ながらあまり目立たない存在でした。
しかし、ここ最近では、「ナイキ エア ヴェイパーマックス」のソールを組み合わせた「ナイキ エア ヴェイパーマックス プラス」が登場したことで、一躍メジャーモデルへ仲間入り! そして満を持して、そんな同モデルの復刻モデルが2021年春に投入されたので、実際に試し履きしてきました。
「ナイキ エア マックス プラス」 。「アトモス」での販売価格は、19,250円
オリジナルの「エア マックス プラス」のミッドソールには、「エア」の中に半球状のプラスチック樹脂を組み合わせた「Tuned Air」クッショニングを採用。もちろん復刻版である本作でも、このソールを採用しています。
実際に履いてみると、「Tuned Air」クッショニングが、足の着地時に衝撃を吸収し、しっかりと安定感を保ってくれているだけではなく、高い反発力も発揮してくれていることが実感できます。さらに、「ナイキ エアマックス 95」と同様に、フルレングスで「ビジブルエア」が搭載されているので、トウからヒール全面にわたって、すぐれたクッショニングを感じられます。
ソールに搭載された「Tuned Air」クッショニングが、通常の「エア」ユニットと比べ、より高い安定性と反発力を発揮してくれます
アウトソールは、「エア マックス」シリーズ初代からの流れをくむワッフルソールをベースにしたトレッドパターンを採用しており、確かなグリップ力を発揮。さらに、「Tuned Air」のロゴも配して存在感をアピールしています
アッパーのデザインも特徴的。空気力学を彷彿とさせる独特な波線デザインを、オーバーレイのラバーケージに採用しており、スピード感のあるルックスへと仕上げられています。まさに、ハイテクスニーカーとしてのデザインの集大成と言えますね! ちなみに、諸説ありますが、2000年に登場した「ナイキ エア ズーム サイズミック」のアッパーデザインの元になっているとも言われています。
アッパーは、伸縮性が高く、厚みのあるファブリックで足当たりはソフトですが、波線のラバーケージによって、ホールド感もしっかりしています
サイドの「スウッシュマーク」は、1990年代のナイキデザインを象徴する“ジュエルスウッシュ”を採用。小ぶりながらも、あでやかな質感で存在感は抜群です
ハイテク感あふれるフューチャリスティックなルックスがとっても魅力的な「ナイキ エア マックス プラス」。アッパー全面を覆うようなオーバーレイが、スピード感とともに、どことなくSFチックさも感じさせます。人気のストリートスタイルにバッチリ合うのはもちろんのこと、旬なワンマイルウェアやスポーツウェアに合わせて、パンチのきいたアクセントとして取り入れるのもアリですね!
チノパンやカーゴパンツだけじゃなく、スウェットパンツやジョガーパンツといったリラックス系ボトムスとも好相性
●取材協力:「アトモス」
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ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。