1990年代を席巻したハイテクスニーカーブームが成熟した1998年、当時のナイキが満を持して立ち上げた「アルファプロジェクト」は、エッジの効いた最先端デザインと、最高峰のシューズテクノロジーの融合を具現化させるプロジェクトでした。当時は、それまで見たこともなかった斬新なモデルが続々と投入され、大変話題になりました。
たとえば、サイズはインチ、またはcmで表記するのが当たり前のなか、アパレルのようにS/M/Lで表記したことから「足のためのTシャツ」と称された「エアプレスト」。「外骨格」からインスパイアされた「エクソスケルトン」と呼ばれるオーバーレイが斬新な「ズームサイズミック」、そして「フォームポジット」の前身となる「フライトポジット」などが登場。いずれも、ストリートファッションにフィットするデザインから、絶大な支持を集めました。そんな「アルファプロジェクト」から2000年に登場し、特に高い人気を獲得した名モデル「ナイキ エア クキニ」が遂に復刻されました!
「ナイキ エア クキニ SE」(品番:dv1894-100)。「atmos 千駄ヶ谷」での販売価格は、16,500円(税込)
本作は、スリッポンスタイルのアッパーに、ネオプレンのように伸縮性のある素材を採用しており、脱ぎ履きがラクチン。さらにオーナーレイには、樹脂製のケージを重ねることで、しなやかな履き心地ながらも、すぐれたホールド力もキープしています。さらに今作では、幻想的なスプラッタープリントを採用。2000年代ならではのハイテクデザインを忠実に再現しながら、モダンなアレンジを加えています。
伸縮性にすぐれたネオプレン風の素材が、足を快適に包み込みます
樹脂製のオーバーレイで、すぐれたフィッティングを提供
樹脂製のオーバーレイは、ヒール部分にもつながっており、足とシューズの一体感を高めています
ソールにおいては、元々高いパフォーマンスが求められるスポーツ用として開発された「ビジブルエアクッショニング」をヒールに搭載しており、快適な履き心地が持続。そして、足中央部周辺の内部には、耐久性にすぐれたプラスチック製のケージが設けられており、ストリートはもちろん、未舗装地でも高いサポート力と安定性を提供してくれます。
ナイキを象徴するテクニロジー「ビジブルエアクッショニング」をヒールに内蔵。心地よいフィッティングと反発力を発揮します
足中央部には、耐久性にすぐれたプラスチックケージを内蔵。サポート性と安定性を強化しています
「ナイキ エア クキニ」は、実は2012年と2020年に復刻されていますが、いずれも別モデルのソールユニットを採用したフュージョンモデルとしてのリリース。オリジナルのデザイン&機能性をそのまま再現したのは、本モデルが初です。ちなみに、当時の筆者にとって「ナイキ エア クキニ」は、「ズームサイズミック」とともにヘビロテの1足でした。「アトモス」の前身である「チャプター」で、今やYouTubeですっかり有名人となった本明氏からおすすめされて購入した記憶もあります。まさに、当時を知る人からすれば懐かしく、当時を知らない人には斬新な1足と言えます!
インパクトの強いデザインながら、モダンな色使いと柄により、意外にもいろんなスタイルに合わせやすいのもうれしいポイント
●取材協力/「atmos 千駄ヶ谷」
https://www.atmos-tokyo.com/
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。