アディダスのアイコンモデルとして、「スーパースター」や「スタンスミス」、「カントリー」と並べてあげられるのが「キャンパス」です。その歴史がスタートするのは1983年。1970年代に人気を誇ったバスケットボールシューズ「トーナメント」をベースにしており、フィッティングとホールド感を高めるシャープなシルエットと、スエード仕様アッパーのシックでシンプルなルックスから、発売当初から高い人気を獲得しました。
1980年代後半には、残念ながら廃番だった時期がありましたが、その間にも人気は薄れることはなく、1990年代にはアメリカのヒップホップユニット「ビースティ・ボーイズ」がディッキーズのチノに「キャンパス」を合わせたスタイルをミュージックビデオで披露したことから、世界中でさらに絶大な支持を獲得。そして、2001年に再販されてから現在に至るまで、何度か復刻版をリリースし、そのたびにヒットを記録しました。現在では、オリジナルを忠実に再現した「キャンパス 80」がリリースされています。
そんな「キャンパス」をベースに、2000年代初頭にリリースされた伝説的アレンジエディション「キャンパス ST」を再現した新作「キャンパス 00S」が今季新たに登場しました!
「キャンパス 00S」(品番:gy9473)。「atmos 千駄ヶ谷」での販売価格は、13,200円(税込)
今作のポイントは、ファットに味付けされたディテール使い。スケートボードなどでの使用を意識して、シュータンに肉厚なフォームを搭載し、足への当たりをソフトに仕上げています。そして、シューレースもファットタイプにチェンジし、耐久性を向上させています。このあたりのディテール使いは、最近復刻されて大ヒットした「アディマティック」と通ずる部分と言えます。
シュータンには、フォームを内蔵して肉厚な作りに
ファットシューレースで耐久性も強化
ライニングも肉厚で、すぐれたホールド感を提供
もちろん、「キャンパス」が「キャンパス」たるアイデンティティーとも言えるパーツは、しっかりと継承しています。アッパーは、上質なスエードをメインに、ホワイトレザーのスリーストライプスによるコンビネーション仕様。そして、アウトソールは耐久性の高いラバーを採用し、オリジナルと同様にヘリンボーンタイプのトレッドパターンを採用しています。
アッパーは上質なスエードを使用し、シックな雰囲気に
オリジナルと同様のヘリンボーンタイプのトレッドパターンが、すぐれたグリップ力を発揮
ほどよいファット具合で、普段の着こなしにも自然にフィット!
1996年にリリースされた名作「アディマティック」の復刻をきっかけに、2000年代のアディダスを思い起こさせることで、盛り上がりを見せているビッグシルエットシューズ。スケートボード&BMXなどのアクションスポーツに向けた、実用性を兼ねたボリューム感あるフォルムが、ここ最近まで人気を博していたダットシューズとはまた違っており、とっても新鮮ですね。
しかも、ソールなどは過剰に肉厚ではないノーマル仕様なので、ファットながらも普通に履けちゃう、絶妙なデザインバランスも秀逸です。「ダッドシューズはちょっと苦手かも」って思っていた大人にこそ、ぜひとも注目して欲しい1足です。
●取材協力/「atmos 千駄ヶ谷」
https://www.atmos-tokyo.com/
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。