1980年代のヒップホップシーンにおいて、数々の名曲を世に送り出した偉大なヒップホップユニットと言えば「RUN DMC」。彼らは、アディダスのウェアやスニーカーを好んで着用し、「マイ アディダス」という曲までリリースしています。そのミュージックビデオ内では、アディダスの「スーパースター」を手に掲げながら熱狂的に踊る観客の姿が当時大きな話題となりました。
そんな「RUN DMC」に敬意を表したアディダスは、1987年にシグネチャーモデルをリリース。それが「エル・ドラード」です。こちらのモデル名は、「RUN DMC」のメンバー3人が幼少時代から憧れていた車「キャデラック エルドラド」が由来で、そもそもその車名は空想上の黄金郷「エル・ドラード」をモチーフにしたと言われています。
今回お試しするのは、そんな「エル・ドラード」のオリジナルを再現した復刻モデル!
アディダス オリジナルス「エル・ドラード」(品番:GV6672)。「キックスラボ」での販売価格は、16,500円(税込)
本モデルは、オリジナルモデルのボリューム感あるフォルムや、蛇腹状のアンクルパーツといったディテール使いを忠実に再現。ミッドソールには、ナイロン状のネットで包み込んで、着地時の衝撃を分散させると同時に反発力へと変えるテクノロジー「デリンジャーウェブネット」を採用しています。こちらは1982年にアディダスが開発したテクノロジーということで、本モデルはまさにルックス&機能性ともに、80年代アディダスを象徴する1足と言えるでしょう。
大胆なトレフォイルロゴが配されたシュータンは、露出部分のみフェルト状に切り替えられています
ミッドソールでは、1982年にアディダスが開発した「デリンジャーウェブネット」システムを再現
ラバーアウトソールでは、トレフォイルロゴで構成したラグや、スムースな回転の動きをサポートするピボットポイントを再現
本モデルは、オリジナルモデルを特徴付けるディテールを継承しながらも、しっかりとアップデートも実施されています。注目すべきは、アッパー&ミッドソールのカラーリング。レッド×ブルー×ホワイトで構成するトリコロールカラーを基調にしながら、若干黄ばんだような色味が加えられており、まるでデッドストックのようなテイストへと仕上げられています。
また、アッパーにはコーティングを施したレザーを使用し、防汚効果も加えています。
アッパーはコーティングレザーで構成。さらに、アンクルパーツ上部などは、部分的に黄ばんだような色味を加えて味わい深い印象に
ミッドソールは、アイボリーカラーでデッドストック感もバッチリ!
「エル・ドラード」は、「RUN DMC」やアディダスのファンにはたまらない1足。当時のオリジナルモデルはリリースされてから35年も過ぎているので、経年劣化も進んでいることから、所有していてもおそらく飾り専用……。だけど本モデルはもちろん新品なのでガンガン履けちゃうし、ミッドソールなどのアイボリーカラーであえてくすんだ感じを出しているので、デッドストックのような雰囲気も演出できちゃいます。“伝説の1足”を気兼ねなく履けちゃうとは、うれしい時代になったものです。
ガンガン履き込むことで、ビンテージライクな表情はさらに味わい深くなっていくはず!
●取材協力/「キックスラボ」
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。