1985年、ナイキからバスケットボールシューズとしてリリースされた「ターミネーター」は、オリジナルモデルが発売されて以来、復刻された回数が少ないモデル。前回復刻したのは2014年でした。90年代のスニーカーブーム時にはとんでもないプレミアム価格が付けられて、当時ちびっ子だったワタクシにとっては、まさに“高嶺の花”……。とても手の出せる代物ではありませんでした。そんな「ターミネーター」オリジナルのディテールやフォルムを忠実に再現しながら、グリーンでアレンジした復刻モデルが登場しました!
ナイキ「ターミネーター HIGH Noble Green」(品番:FD0650-100)。「atmos 千駄ヶ谷」での販売価格は17,600円(税込)
「ターミネーター」のオリジナルモデルがリリースされた1985年と言えば、そう、「ダンク」もリリースされた年です。「ダンク」は当時のアメリカのカレッジバスケットボールトーナメント「NCAA」強豪チームのチームカラーをまとってデビュー。「紺×黄」のツートーンカラーから由来する通称「コンキ」のミシガン大学カラーが、日本でもブレイクしました。
いっぽうの「ターミネーター」は、ジョージタウン大学のチームカラーの「グレー×ネイビー」をまとってデビュー。「ダンク」と同じく「NCAA」の強豪カレッジカラーを落とし込んだプログラム「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」の一環として誕生したモデルで、「ダンクの兄弟」とも呼ばれています。
そんな「ターミネーター」の復刻モデルが前回の2014年から8年振りにリリースされたのが2022年11月。その際はオリジナルカラーと同様のジョージタウン大学カラーでしたが、2023年1月には「ホワイト×グリーン」でアレンジした本作「ノーブル グリーン」が登場しました。こちらは2008年にリリースされた復刻版「ターミネーター ハイ ビンテージ」のカラーリングを採用したもので、こちらに関しては15年振りの復刻です。
「ターミネーター」の履き口は直角に近いデザインで、立ち上がっているのが特徴。「ダンク」よりもスッキリとしたシルエットです。さらに今作では、2008年にリリースされた復刻版のカラーリングを踏襲
もちろん「ターミネーター」オリジナルの2つの特徴はしっかりと継承しています。1つ目はヒールのデザイン。「ビッグナイキ」と呼ばれる大きな「NIKE」ロゴが配され、絶大な存在感を放っています。
そして2つ目が、「ノンエア」ソール。すぐれた接地感を得られることから、コート以外ではスケートボード用としても高い人気を得ていました。
「ターミネーター」の最大のポイントと言えるのが、ヒールに大きく入れられた「NIKE」ロゴ、通称「ビッグナイキ」。強い存在感を放っています
ソールは、「ダンク」と同様にノンエア仕様で、抜群の接地感を提供してくれます。ヘリンボーンタイプのトレッドパターンは、スケートボードとも高相性
そして、今作のもうひとつのポイントと言えるのがシューレース。一見すると、普通のシューレースですが、ちょっと異なります。ここ最近復刻された「ダンク」のシューレースは、ナイロン混紡の生地を使用したアップデートもの。耐久性は向上されていますが、若干ツヤが生じた分、レトロ感は弱まっています。それに対して本作では、オリジナルに近いコットン仕様で、どことなく素朴な質感を再現しています。
シューレースはコットン仕様。ソフトな肌触りで、オリジナルに近い素材感を再現しています
「ノーブル グリーン」に限って言えば、15年振りの復刻となった本作。前回買い逃していた方にとっては朗報ですね。やはりこのクラシックなフォルムとクリーンなカラーリングがファンにはたまりません!
クリーンなカラーウェイで足元を上品に飾ります
●取材協力/「atmos 千駄ヶ谷」
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。