日本の伝統的な履物である雪駄(せった)を製造する、奈良県のブランド、大和工房(やまとこうぼう)では、木材や竹、わらなどの天然素材を使用し、熟練した技術を駆使して雪駄を手作りしています。そのため、同社の製品には高い品質と職人の技術が反映されています。
いっぽう、日本が世界に誇るスポーツブランド、ミズノは、長年にわたり、ゴルフのシャフトやテニスのラケット、野球バットなどのスポーツ用品において、カーボン素材の特性と加工技術を生かした製品作りが特徴。近年、この経験とノウハウを基に、軽さと弾性を特徴とするカーボン繊維を使用した製品を開発しています。
そんな大和工房の伝統的技術とミズノのカーボンテクノロジーが融合した「令和の雪駄」がリリースされました!
ミズノ「SETTA C/6」(品番:D3JS230114)。「ミタスニーカーズ」での販売価格は22,000円(税込)
本モデルは、インソール内部にカーボン繊維強化プラスチックを採用。このプラスチックは柔軟性のある素材で、つま先部を高く、中足部を下げたアーチ形状を成型しています。これにより、特有の転がり感と弾性に富んだ履き心地を実現しています。
また、フットベッド部分には涼しげな麻調織物を使用し、足元の通気性を向上させています。さらに、鼻緒の先端である先緒(さっきょ)にはポリエステル起毛PU加工が施されており、肌触りがよく、痛みが出にくいように工夫されています。
フットベッド部分は涼しげな麻調織物を使用。インソール内部にカーボン繊維強化プラスチックを採用しており、耐久性は十分
鼻緒の表面にはさり気なく市松模様が配されており、オリエンタルかつ洗練された雰囲気に
ミッドソールには、柔軟性に富んだ低反発発泡ウレタンを採用しており、歩行時の衝撃を効果的に吸収します。さらに、アウトソールには共同開発の証として大和工房とミズノのロゴを入れたコルク材を使用。コルク材は耐久性にすぐれ、快適な歩行や安定性を提供すると同時に、大和工房のアイデンティティーを表現しています。
ミッドソール部分には低反発発泡ウレタンを採用。歩行時の衝撃を吸収してくれます
コルク材を使用したアウトソールには、共同開発の証として大和工房とミズノのダブルネーム入り
本モデルは快適な履き心地と現代の機能性を兼ね備えた、まさに“令和の雪駄”と言えますね! カーボン繊維強化プラスチックの利用といった素材の選定により、耐久性を高めているのもポイントかと。
見た目は雪駄そのものですが、機能美あふれるミッドソールや洗練されたデザインの鼻緒を採用していて、お祭りなどで活躍するのはもちろん、街での使用にもぴったりですね。テントの出入りが多い、キャンプシーンでも活躍してくれそうです。
現代のスタイルと古きよき伝統が意外なくらいにマッチ!
●取材協力/ミタスニーカーズ
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。