今から約4年前、「ダッドスニーカー」のブームが訪れ、ボリューム感のあるスニーカーが一世を風靡してきました。しかし実は、その流れの中で逆行するように「ペッタンコ系スニーカー」と呼ばれるスタイルが再び人気を集めています。その先駆けとして名を馳せるのが、アディダスの「サンバ」。このスニーカーは、ボリューム感とは対照的なシンプルなデザインでありながら、その独自の魅力が多くの人々をひきつけています。
そして、今回紹介するアディダスの「ハンドボール スペツィアル」もペッタンコ系のひとつ。こちらは、1979年に初めてプロ用ハンドボールシューズとして発売されたモデルの復刻版です。その歴史を感じさせるデザインは、懐かしさと新しさが絶妙に融合したもの。新シーズンのためにアップデートされたこのモデルは、履き心地のよさを追求し、やわらかなヌバック素材のアッパーを採用しています。
アディダス オリジナルス「ハンドボール スペツィアル」(品番:bd7633)。「atmos 千駄ヶ谷」での販売価格は15,600円(税込)
「ハンドボール スペツィアル」は、かつてプロ用ハンドボールシューズとして市場に登場したアーカイブモデルの魅力的なデザインを受け継ぎながらも、新しい要素を加えて再構築。特に目を引くのは、ソフトなガムラバーアウトソールの採用です。これにより、快適な履き心地とすぐれた歩行体験が提供されます。また、ミッドソールは薄く作ることで、軽さと足の自然な動きへの適応性を重視。いっぽうで、アウトソールはコートでの高いグリップ力を追求するため、吸盤状のトレッドパターンが採用されています。
ミッドソールは薄めで、確かな接地感を実現
コートでのすぐれたグリップ力を追求するため、アウトソールは吸盤状のトレッドパターンを使用
アッパー部分は、高品質なピッグスキンヌバック素材を使用。この素材は高い柔軟性と耐久性を兼ね備え、その触り心地は非常に滑らかで贅沢なものです。そしてサイドには、アディダスの象徴的な「スリーストライプス」が重ねられています。このデザインの重ね合わせは、クラシックな雰囲気を醸し出しており、アディダスならではのアイデンティティーとスタイルを際立たせています。
高品質なピッグスキンヌバックに「スリーストライプス」が重ねられ、クラシックな雰囲気とアディダスならではのアイデンティティーを押し出しています
シュータンラベルには、ブランド&モデル名ロゴをゴールドで配し、アクセントとして効かせています
ボリューム感に満ちたスニーカートレンドとは一線を画す、ペッタンコ系スニーカーが多様なファッションスタイルを楽しむ人々に支持される昨今。こうしたスニーカーのトレンドは、単なるファッションだけでなく、過去と現在、快適さとスタイルを融合させる新たな試みとも言えるでしょう。
アディダスの「ハンドボール スペツィアル」の成功は、そのようなアプローチが世界で受け入れられていることを示しているかと。今後もさらに興味深いスニーカートレンドが登場することに期待しています!
シャープなシルエットが特徴で、トレンドのショーツやワイドパンツとも好相性!
●取材協力/「atmos 千駄ヶ谷」