GIGABYTEの「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」は、17.3インチの「4K HDRディスプレイ」を搭載するノートパソコン。大画面かつ高精細なディスプレイを搭載するのが特徴で、動画の視聴はもちろん、写真や動画の編集にももってこいのモデルだ。6コアの高性能CPU「Core i7-9750H」やNVIDIAの「GeForce GTX 1660Ti」を搭載しながら、価格.com最安価格は243,864円(2019年10月16日時点)と、このクラスとしては低価格でコストパフォーマンスも高い。その実力を価格.comマガジンがチェックする。
マザーボードやグラフィックボードで知られるGIGABYTEのノートパソコン「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」。高画質な「4K HDRディスプレイ」を搭載するのが特徴だ
「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」の一番の特徴は、AUO製の 「4K HDRディスプレイ」を搭載していること。高精細なだけでなく、最大輝度400cdの「VESA Display HDR400」に準拠し、色域はAdobe RGB比100%をカバー。さらに、カラーキャリブレーターメーカーのX-Riteが定める「X-Rite PANTONE認証」を取得しており、色再現性にもすぐれている。HDRコンテンツを高画質で楽しめるのはもちろん、写真や動画を編集するクリエイターにもぴったりのモデルと言えるだろう。
肝心の画質だが、4K(3840×2160)の高精細な表示とHDRのダイナミックレンジの広さにより、これまでのノートPCでは見られないようなリアルな映像を体験できた。同じHDRコンテンツを、HDR非対応パソコンと見比べてみたが、断然、本モデルのほうがビビッドな発色だった。最初は鮮やかすぎると感じたが、本モデルでHDRコンテンツを見たあとに非対応モデルを見ると、1枚薄い膜で覆われたような、物足りない画質に感じてしまう。一度、4K HDRの世界を体験すると、もう元には戻れない(戻りたくない)と感じたくらいだ。
HDRは「High Dynamic Range」の頭文字で、表現できる明るさの幅が広いことを意味する。明暗差が大きいと、暗いところは「黒潰れ」、明るい部分は「白飛び」してしまうが、「VESA Display HDR400」に準拠する「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」なら、黒潰れや白飛びのない、階調の豊かな画質で写真や動画を楽しめる
YouTubeやNetflixのストリーミング動画、ゲームなどHDR対応コンテンツは続々と増えている。「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」なら、これらのコンテンツを高画質で楽しめる。画像はYouTubeの画質設定だが、本モデルなら4K HDRコンテンツを最大「2160p HDR 4K」で再生可能だ
世界標準の色見本である「X-Rite PANTONE認証」を取得しているので、色にこだわるプロのクリエイターによる写真・動画編集にももってこいだ。ディスプレイ表面は光沢のないノングレア仕上げで、映り込みが少ないのも、長時間作業するクリエイターにとってはうれしいはず
続いて本体のデザインをチェックしていこう。「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」は、17.3インチの大画面ディスプレイを搭載しているが、ベゼル幅約3mmの狭額縁設計により、幅396mm、奥行き270mmと、ひとまわり小さな15.6インチモデルに近いフットプリント(設置面積)を実現している。本体の厚さも21.4mmとスリムでスタイリッシュだ。
ベゼル幅約3mmの狭額縁設計により、17.3インチのディスプレイを搭載しながら、15.6インチのディスプレイを搭載したノートPC並みのフットプリントを実現
天板の下部にはヘアライン加工が施されており、高級感のある仕上がり。17インチクラスの大画面ノートパソコンは重量が3kgを超えるモデルもあるが、本モデルは約2.5kgに抑えられている
薄型ボディでありながら、外部インターフェイスが充実しているのも見逃せない。外部映像出力にはHDMI 2.0とDisplayPort 1.4の2ポートを搭載しており、4Kディスプレイへの出力が可能。本体ディスプレイと合わせて最大3つの4Kディスプレイで作業することもできる。
また、SDメモリーカードスロットは、最大300MB/sの高速なデータ転送が可能なUHS-IIに対応しており、デジタル一眼カメラで撮影した写真などを素早く取り込める。写真や動画を編集するクリエイターにとっては、うれしい機能だ。このほか、Thunderbolt 3 (USB Type-C)といった最新規格ポートもしっかりと搭載されている。
外部インターフェイスは両側面の中央から手前に配置されており、ケーブルの抜き差しがしやすい。左側面にUSB 3.1 (Gen1)ポート×2、SDメモリーカードスロット、ギガビットLANポート、ヘッドホン出力端子、マイク入力端子を、右側面にUSB 3.1 (Gen1)ポート、HDMI2.0、DisplayPort 1.4兼USB 3.1 (USB Type-C)、Thunderbolt 3(USB Type-C)を装備
最後に本機の基本スペックをチェックしておこう。どんなにディスプレイが高画質でも、処理性能が追いつかなければ、写真や動画の編集を快適にこなすことはできない。
「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」は、CPUに6コア/12スレッドの「Core i7-9750H」(2.60GHz、最大4.50GHz)を、GPUにNVIDIAの「GeForce GTX 1660 Ti」を搭載する。メモリーは8GB、ストレージはNVMe接続の高速なSSDで、容量は256GBという構成だ。
その性能を各種ベンチマークアプリで測定してみた。CPUのパフォーマンスを測定する定番アプリ「CINEBENCH R20」の結果は「2357」。比較用として筆者のマシンでも測定してみたが、結果は「1698」だった。4コア/8スレッドの「Core i5-8257U」(1.40GHz、最大3.90GHz)を搭載する比較的高性能なノートPCだが、やはり「Core i7-9750H」はワンランク上の性能であることが確認できた。
「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」が搭載する「Core i7-9750H」は、ベース動作周波数とターボ・ブースト利用時の最大周波数の両方が高く、「CINEBENCH R20」の結果も良好。比較用のマシンは2019年発売の最新モデル(「Core i5-8275U」搭載)だが、「Core i7-9750H」のほうがCPU性能ははるかに高い
アプリの起動やデータのコピー、ファイルの圧縮・解凍など、日常使いの快適さを左右するSSDには、NVMe接続の「Intel SSD 760p」を搭載している。こちらもストレージの読み込み、書き込み速度を測定する定番アプリ「CrystalDiskMark 6.0.2 x64」で速度を測ってみた。結果は、読み込みが2728MB/s、書き込みが1247MB/s。読み込み、書き込みともに高速で、動作も軽快だ。インテル製というのも心強い。
「CrystalDiskMark 6.0.2x64」の結果。「Intel SSD 760p」の単体のカタログスペックは読み込みが最大3200MB/s、書き込みが最大1300MB/s。読み込みはカタログスペックよりも少しだけ落ちるが、書き込みはスペックに近い結果となった
なお、ベンチマークテスト中でも放熱はわずかでパームレストなども熱くならなかったことも報告しておきたい。「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」はデュアルファンや5つのヒートパイプ、11か所の吸排気口などを備え、高い冷却性能を備えていることがうかがえる。マザーボードやグラフィックボードを手がける世界的なPCパーツメーカーであるGIGABYTEらしいこだわりと言える。
以上、「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」を詳しく見てきたが、「4K HDRディスプレイ」の美しさは一見の価値ありだ。筆者はスマートフォンでときどきHDR動画を楽しんでいるが、17.3インチの大画面で見ると迫力がまったく違う。没入感も高く、YouTubeにアップされている4K HDR動画を、時間を忘れて長時間見入ってしまった。もちろん、迫力で言えばテレビのほうが上だが、書斎や寝室など好きなところに持ち運んで楽しめるのがノートパソコンのいいところ。
GIGABYTE「AERO 17 HDR SA-7JP4020SO」は、超美麗な「4K HDRディスプレイ」だけでなく、クリエイティブな作業も難なくこなすパワフルな処理性能をしっかり兼ね備えていながら、価格.com最安価格は243,864円(2019年10月16日時点)とコストパフォーマンスにもすぐれている。クリエイターやゲーマーはもちろん、ハイスペック志向の一般ユーザーにも本機で「4K HDRディスプレイ」の高画質をぜひ堪能してもらいたい。