「HUAWEI WiFi WS5200」は、ファーウェイが日本で初めて発売する無線LANルーター。3,000円台という購入しやすい価格でありながら、高性能なデュアルコアCPUを搭載しているのが特徴だ。同社のスマートフォンのようにコストパフォーマンスの高い「HUAWEI WiFi WS5200」の実力を価格.comマガジンがチェックしてみた。
デュアルコアCPUを搭載するファーウェイの無線LANルーター「HUAWEI WiFi WS5200」。4つの可動式ハイパワーアンテナを備える
「HUAWEI WiFi WS5200」の一番の特徴は、デュアルコアCPU「HUAWEI Gigahomeデュアルコア800MHzプロセッサー」を搭載していること。無線LANルーターを選ぶときにCPUを気にする人は少ないかもしれないが、パソコンやスマートフォンのように、無線LANルーターもCPUの性能が通信速度や安定性を左右するのだ。
同社によると、シングルコアCPU搭載の従来モデル(日本未発売)と比べると、無線LANのパフォーマンスは2.4GHz帯で60%、5GHz帯で25%も向上しているという。下の図はファーウェイテストラボ調べの比較データで、デュアルコアCPU搭載の「HUAWEI WiFi WS5200」のほうが速度、接続台数が多い場合の安定性、ゲームプレイ時の遅延など多くの点ですぐれていることがわかる。
デュアルコアCPU搭載の「HUAWEI WiFi WS5200」とシングルコアCPU搭載の従来モデル(日本未発売)の比較(ファーウェイテストラボの試験結果)。右上の「接続台数が多くても、安定した通信」の結果は、デュアルコアCPUに加え、無線LANルーターとしては大容量の128MBのメモリーを搭載しているのも大きく影響している
単純に比較することはできないが、シングルコアCPUを搭載した古い無線LANルーターを使っていて、無線LANが「遅い」「つながりにくい」と感じたことがあるなら、デュアルコアCPU搭載の本モデルに買い換えることで、それらの不満を解消できるかもしれない。
続いてCPU以外のスペックをチェックしていこう。無線LANの通信規格はIEEE802.11a/b/g/n/acに対応し、アンテナ(ストリーム)は5GHz帯、2.4GHz帯ともに送信2×受信2。規格上の最大通信速度は5GHz帯が867Mbps、2.4GHz帯が300Mbpsとなっている。
機能面では、状況に応じて接続する周波数帯を自動的に振り分けるバンドステアリングに対応。障害物に強くて対応機器が多い2.4GHz帯と、障害物には弱いが通信速度の速い5GHz帯を上手に使い分けることで、高速なインターネット接続を実現している。高速な5GHz帯を優先する仕様となっているのも、ユーザーにとってはありがたいところだ。また、特定のスマートフォンやWi-Fi端末に的を絞って電波を送ることで、つながりやすくなり実効速度のアップが期待できるビームフォーミングにも対応している。このほか、お客さんに無線LANを一時的に開放するゲストWi-Fi機能や、子どものネット利用を管理するペアレンタルコントロール機能なども備えている。
ハードウェア面では、WANと3つのLANポートのすべてが最大1000Mbpsのギガビットイーサ対応で、パソコンやテレビなどを有線接続した場合も高速な通信が可能。低価格帯の無線LANルーターだと、LANポートが最大100Mbpsというモデルもあるので、全ポートがギガビットなのはうれしいポイントだ。
WANポート、3つのLANポートのすべてが最大1000Mbpsのギガビットイーサに対応
最後に実際に利用してみた感想をレポートしたい。
本体は無線LANルーターで最近増えつつある白色のボディに、4つの可動式ハイパワーアンテナを搭載している。本体サイズは約205(幅)×120(奥行)×36.8(高さ)mm(アンテナを除く)。アンテナの長さは実測で12cmほどだった。アンテナの高さはあるが、フットプリント(設置面積)自体はコンパクトで、置き場所を選ばずに家中どこにでも置けそうだ。
いつもは電話機を置いている電話台の上に設置してみた。4つのアンテナの存在感はあるものの、白色のボディは変に目立つことがなくスッキリと置ける
セットアップはスマートフォンから簡単に行える。無線LANの設定画面から「HUAWEI WiFi WS5200」のSSID(ネットワーク名)を選択し、Webブラウザーを立ち上げて任意のWebサイトにアクセスすると、接続設定画面に自動で遷移する。あとは画面の指示に従って、ブロードバンド(PPPoE)アカウントを入力(DHCPモードの場合は不要)して、Wi-Fi名とパスワードを入力すれば設定は完了だ。家にパソコンがないというユーザーも安心して使い始められるだろう。
セットアップはスマートフォンだけで行える。(1)Webブラウザーで設定ページを開く、(2)ブロードバンドアカウントを入力、(3)Wi-Fi名とパスワードの入力という3ステップでセットアップは完了する
肝心の通信に関しては速度、安定性ともに不満なく使えた。スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど複数台の機器を同時に接続しても通信速度が極端に遅くなることはなく、途切れることもない。このあたりはデュアルコアCPUを搭載している効果かもしれない。また、「HUAWEI WiFi WS5200」は、壁や障害物による通信速度の低下を防ぐ「LDPCアルゴリズム」を採用しており、本モデルを設置したリビングの隣の寝室や、少し離れたトイレでも通信速度が落ちることはなかった。
「HUAWEI WiFi WS5200」は壁や障害物による通信速度の低下を防ぐ「LDPCアルゴリズム」を採用しているため、設置したリビングの隣の寝室でも速度が極端に落ちることはなかった
「HUAWEI WiFi WS5200」は、3,000円台という購入しやすい価格でありながら、デュアルコアCPUを搭載した高コスパな無線LANルーターだ。バンドステアリングやビームフォーミング、WAN/LAN全ポートがギガビットイーサ対応など、無線LANルーターとしてのスペックも充実している。当シリーズの製品は海外ですでに販売されており、ファーウェイのお膝元である中国では人気モデルなのだという。この価格でこれだけのスペックなら人気になるのもうなずける。低予算で家のネットの遅さやつながりにくさを解消できる無線LANルーターとして、ぜひ多くの人に「HUAWEI WiFi WS5200」をチェックしてほしい。