提供:エコバックス
ロボット掃除機は今や、世間で割と当たり前の家電として認知されていますが、一般的にまだなじみが薄いのが、窓を自動で掃除してくれる「窓拭きロボット」です。
窓の拭き掃除は、手間がかかる割に、拭いてもすぐ汚れてしまうため、日常的な家事の中ではトップクラスに「やりたくないこと」のひとつと言えるでしょう。特に、窓の外側を拭くためには、夏場のカンカン照りや冬場の冷たい北風の中に身をさらす必要も……。
そんなの、どう考えてもロボット掃除機にやってもらうべきではないでしょうか。
エコバックスのロボット窓拭き掃除機のコンパクトモデル「WINBOT MINI」
今回は、ロボット掃除機でおなじみのエコバックスの窓拭きロボットシリーズ「WINBOT」から新発売された小型軽量モデル「WINBOT MINI」を紹介しつつ、実際に使用して窓がどれぐらいきれいになったのかをレビューします。
そもそも、ひとくちに「窓拭きロボット」と言っても、どういうものかがパッとイメージしにくい人もいるかもしれません。
そこで大ざっぱにその機能を説明すると、ロボット掃除機の底部から空気を強力に吸い込むことで窓にピタリと吸着し、2基の駆動クローラーで移動。本体の前後から洗浄液を吹き付けつつ、底部に貼られたクリーニングクロスで拭き上げていく……というもの。
そこでひとつ重要になってくるのが、本体サイズです。
家の窓は、大きな掃き出し窓から採光用の小窓まで、いろいろとありますが、ロボット掃除機が大きすぎると、小さな窓に対応するのは厳しいわけです。その点、「WINBOT MINI」は、従来モデルと比べて、正面サイズは37%減、厚みは77mmから55mmへとグッとコンパクト化。小回りが利くようになったことで、さらにさまざまなタイプの窓に対応できるようになりました。
「WINBOT MINI」は従来モデルから正面サイズが37%もコンパクトになり、使えるシーンは大幅増!
たとえば、1辺が30cm未満の小窓やハンドル付きの窓にも対応するほか、防犯柵付きの窓だってすき間をスイスイと移動して拭き掃除をしてくます。
防犯柵が付いている窓のすき間に入り込める、厚さ55mmを実現
また本モデルは、従来モデルに付いていたバンパーレールが取り外されているほか、クリーニングクロスが窓面と密着するため、窓枠の隅までしっかりと清掃。同社いわく、清掃カバー率はなんと99.5%だとか!
洗浄液は、超音波によって10μmの超微細な水霧粒子となって窓の表面に均等に吹き付けられます。それがホコリや汚れを包み込んで浮かせたところを、クリーニングクロスでキャッチ。皮脂汚れや固まった砂ボコリなども跡を残すことなく取り除いてくれます。
洗浄液を超微細な霧にして吹き付け、汚れを除去
「ロボット窓拭き掃除機が窓に吸着している」と聞くと、「えっ、吸盤か何かでくっついているの? 落ちたりしない?」と不安に感じる人もいるでしょう。
実際には吸盤ではなく、底部の強力なファンが空気を7,500Paで吸い込むことと、本体外縁のフローティングホルダーがクッションのように外部からの力を吸収することで、実際に吸着している間は、人間の力ではとても引き剥がせないほどパワフルな吸着力を実現。
もし万が一、停電などで電気が止まっても、バッテリーの保護機能で30分以上は窓に留まれます。また、安全ロープで本体と安定した場所をつないでおくなど、地上への落下事故対策を講じています。
停電によるブラックアウト対策や、安全ロープによる滑落防止など、安全対策に抜かりなし!
本モデルは、ロボット掃除機らしい機能も搭載。清掃時は、ロボットナビゲーション「WIN-SLAM 3.0」と光学センサーが窓枠の形状やサイズを検出し、最適な清掃ルートを決定します。フレームのない窓やすき間にも対応しつつ、クレセント錠や開閉ハンドルといった障害物はスムーズに回避します。
専用アプリ「ECOVACS HOME」からは、「高速清掃」「念入りに清掃」「徹底的な清掃」の3つのモードが選べるほか、Bluetooth接続による掃除機本体のリモートコントロールも可能。これによって、清掃終了後に改めてまだ汚れが気になるところへ向かわせたり、スポットクリーニングさせたい場所を指示したりするなど、柔軟な使い方ができるはずです。
今回、筆者は自宅で「WINBOT MINI」を試す機会をいただきました。
ただ、これまで床用のロボット掃除機は数多くレビューしてきましたが、実はロボット窓拭き掃除機は従来モデルがデモしているのを見たことがあるぐらい。実際に使うのは初めてです!
「WINBOT MINI」、思ったよりもコンパクトで驚きました!
実機を見た感想は、「おー、小さい!」。
従来モデルを見たときの印象は、もっとガッツリと抱えるようなサイズ感だったんですが、「WINBOT MINI」はさすがコンパクト化をアピールするだけあって、なるほど、小回りが利きそうだなという第一印象です。正面のサイズダウンもそうなんですが、何より厚みがグッと減った感じでスマート。
で、今回のレビューは、我が家の広縁と庭を隔てる掃き出し窓を使用。一応、年末にザッと拭いてはいたんですが、年明けから強風が何度も吹いたため、庭の細かな土がこびりついてヒドいことに……。これ、手作業で雑に水拭きすると、泥水みたいなのが拭き跡としてうっすらと残っちゃうんですよね。
はたして、「WINBOT MINI」は本当にちゃんと拭き取ってくれるのか、楽しみです。
今回レビューに使うのは、庭に面した掃き出し窓。写真のように遠くから見ると、汚れはあまり気になりませんが……
近くまで寄ってみると、思わず「ヒッ」と声が出るぐらいの汚れっぷり。2か月分の汚れです
清掃準備は簡単。まずは、水で濡らして絞ったクリーニングクロスを本体に取り付けます。そのあと、本体のタンクに洗浄液を注入。水道水でも代用できるらしいですが、やはり専用の洗浄液を使ったほうがきれいになるのは道理です。また、落下事故を防ぐために、本体につながっている安全ロープを、ベランダの手すりやカーテンレールなどに結びつけておきます。
ひとまずこれで準備完了。電源ボタンを2秒長押しすると、底部中央のファンがギューンと空気を吸入しはじめます。アプリで操作する場合は、機体登録済みの「ECOVACS HOME」アプリを立ち上げ、Bluetooth接続を行いましょう。アプリ接続待ちの間は、本体の電源ボタンを押して一時停止させておくと、落ち着いてスマホを操作できるはず。
窓の外側は汚れが強いので、「念入りに清掃」モードを選択。これは左右に移動しながら清掃する「高速清掃」モードに、入念に窓枠付近を攻めるエッジクリーニングをプラスしたもの。ちなみに、窓の内側は外側ほどの汚れは付いていないので、「高速清掃」だけでよさそう。あとは、一時停止を解除して、窓に本体を密着させると清掃がスタート!
実際の清掃シーンは下の動画から!
別の窓に取り付ける際、「空気圧が不十分です」とエラーメッセージが発生! どうやら取り付けたクリーニングクロスがわずかに歪んでいたようで、しっかりと吸着できないと判断した様子。このことからも、本モデルが安全にしっかりと配慮しているんだと感じられました
さて、全体的に拭き上げてもらった成果ですが、これは正直、思ったよりちゃんと拭けているな、という感じ。さっきまで薄汚れていた窓から光がしっかりと入り、部屋がグッと明るくなりました!
ただ、窓枠から数mmと四隅は完全に拭き切れたとは言えず、汚れ残りが少し見えていました。これぐらいなら、最後に人の手でさっと拭いちゃえばいいと思いますが、とはいえ少し惜しいなという気はしました。
拭き上がりはとてもサッパリ!
拭き跡とエッジの拭き残しがわずかに見えますが、大きい窓はおおよそ拭き上げられた印象です
もう1か所、今度は人間の手では拭き掃除しにくい場所で使ってみました。
我が家には防犯柵の付いた窓が何か所あるんですが、いちいち柵のすき間に手を挿し込まねばならず、とにかく拭きにくい! また、いかにも昭和センスな模様入りの型板ガラスなので、内側は残念ながらデコボコしすぎて本モデルは吸着できなかったんですが、外側はツルツルなので対応しそうです。
外側から拭くのがかなり面倒な防犯柵付きの窓。これを拭いてもらえると助かるんですが……
このすき間なら余裕で設置できました! 助かる!!
ちなみに、ガラスと防犯柵のすき間は約100mm。厚さ55mmの「WINBOT MINI」なら、これぐらいの狭さはまったく余裕といった感じ。スルスルと動いて、これまたあっという間に拭き上げてくれました。これはとても助かります。
拭き上げた後の「WINBOT MINI」。クリーニングクロスに加え、四隅の球状センサーにも汚れが見えます
掃除後のケアですが、本体は底面四隅の球状センサーやクローラー部分を乾いた布で拭けばOK。あとはクリーニングクロスの洗浄が必要です。クリーニングクロスは窓の汚れをまるっと吸着しているので割と汚れます。汚れが少なければ普通に水洗いで、ひどい場合はぬるま湯でつけ置きが必要そうでした。
今回のレビューで使用した掃き出し窓は、ガラスサイズが約600(幅)×1700(高さ)mmだったんですが、1枚を拭くのに「念入りに清掃」モードで約5分、「高速清掃」モードで約2分40秒で完了しました。これは予想していたよりかなり早くて、「よし、窓を拭き終わるまで撮影しながらお茶でも飲むか……え、もう終わった!?」と慌ててしまったほど。ロボットに掃除を任せる最大のメリットは、「空いた時間で別の作業ができる」ことなんですが、まさか掃除が早すぎて慌てることになるとは……。
とはいえ、人の手で拭きづらい場所の窓もピカピカにできるのは、さすがといったところ。特にマンション階上の部屋の採光窓などは、まず専門業者に頼るしかないので、コンパクトな「WINBOT MINI」に対応する窓が家にある場合は、間違いなく重宝するはずです。
何より、面倒すぎて普段から放置しがちな窓掃除を代わって引き受けてくれるだけでも買う価値はありそう。ピカピカになって光がいっぱい入ってくる窓は、とにかく気持ちいいものですしね。