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"今より入る"パターの探し方#1 まっすぐ打ちやすいクランクネック

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自分の「打ち方」に合ったパターはどれ?

皆さんこんにちは。ゴルフ大好きオグさんです。今回から始まったこの連載では、私が一番大好きなクラブ「パター」についてお話したいと思います。皆さんが"今より入る"パターを見つけるお手伝いができれば幸いです。まず初回ということで、パターの基本的なことからお話ししていきますね。パターはゴルフクラブの中でルールの規制が一番少なく、スイングするクラブに比べるとさまざまな形が存在します。

四角いもの、丸いもの、大きなもの、小さなもの…さまざまな形のパターがあります

四角いもの、丸いもの、大きなもの、小さなもの…さまざまな形のパターがあります

たとえばネック(ヘッドとシャフトがつながるところ)の位置。スイングするクラブは、ヒールの最も外側の部分とシャフト軸線までの距離がルールで決められていますが、パターはクラブヘッドのどの部分にシャフトを付けても問題ありません。パターにはセンターシャフトがあるのに、ドライバーやアイアンにセンターシャフトがないのはルール違反になるからです。

これはドライバー。赤線(シャフトの軸線)と青線(赤線を平行移動してヒールにぶつかった線)の距離は15.88mm以内とルールで定められています

パターには上記ルールが適用されないのです シャフトの延長線上で打てるセンターシャフト

ほかのクラブと違い、グリーン上のボールを転がすという限られた用途にもかかわらずたくさんの種類がある。それには理由があります。

パターは、打ち方に合う合わないが結果を大きく左右するからです。

初心者の頃は、ネットの掲示板を参考にしたりお店の方や知り合いの経験者に相談したりと、何となくパターを選んでも大丈夫ですが、上達するにつれて打ち方が定まってくると、”合う・合わない”が結果として表れてきます。打ち方とパターがマッチしている人はパットにはそれほど悩まず上達していきますが、合っていないパターを使っているといつまでたってもスコアがよくなりません。もちろんある程度の練習や経験で上達する部分はありますが、パッティングが苦手と感じている人の大半は、パターと打ち方が合っていない可能性が高いですね。

打ち方は大きく分けて2種類ある

最初に、打ち方の話をしましょう。パッティングのストロークには、大きく分けて2タイプあります。始動からフェース面の向きをできるだけ変えず、ヘッドの軌道をできるだけまっすぐに動かす「ストレートタイプ」と、フェースを開きながらヘッドが弧を描くようにテークバックし、切り返しでフェースを閉じながらフォローまでストロークしていく「アークタイプ」です。これらのタイプは、主にパッティング時のアドレスの前傾の角度で変わってきます。前傾が浅いと弧を描くアークタイプになりやすく、前傾が深いとストレートタイプになりやすくなります。

ヘッドがまっすぐ動く「ストレートタイプ」のストロークイメージ

ヘッドがまっすぐ動く「ストレートタイプ」のストロークイメージ

ヘッドが弧を描いて動く「アークタイプ」のストロークイメージ

ヘッドが弧を描いて動く「アークタイプ」のストロークイメージ

構えの前傾角が浅いとアークタイプになり(左)、深いとストレートタイプ(右)になります

構えの前傾角が浅いとアークタイプになり(左)、深いとストレートタイプ(右)になります

個々のゴルファーで構えやすい前傾の角度が異なるため、やりやすいストロークも変わります。そしてパターも、ヘッドをストレートに動かすのに適したモデルと、弧を描くように適したモデルがあるのです。

打ち方に合ったパターの見分け方

ではそのタイプ別に合うパターの簡単な見分け方をお教えしましょう。机のような平らなところに、ヘッドを宙に浮かすような形でパターを置きます。するとフェースの向きが上を向くモデルとトゥ側が下を向き、フェースが斜めや横を向くモデルに分かれます。このフェースの向きによってどの打ち方に合うのかがわかるのです。

フェース面がどこを向くかはパターによって変わります

フェース面がどこを向くかはパターによって変わります

フェースが上を向くタイプを俗に「フェースバランス」と呼び、まっすぐにヘッドを動かすストレートタイプとマッチします。フェースが斜めや横を向くタイプを「トゥバランス」と呼び、弧を描くアークタイプにマッチします。フェースバランスのモデルは、振り子のようにクラブを垂らして左右に振ったときにフェース面の向きが変わりにくくなっているのでストレートタイプの打ち方に合います。トゥバランスのパターは同じく振り子のように振ると、トゥ側が重いため、テークバックのときのように右に動くとフェースが開こうとし、ダウンスイングからフォローにかけてはフェースが閉じようとして動きます。つまりアークタイプのストロークと同じ動きを、ヘッドが重力の力で自然としてくれるので、打ち方とマッチするというわけです。

打ち方とマッチしないパターを使うと自分でヘッドを操作する必要性が高くなり、ミスをしやすくなります。プロや上級者は、あえてタイプの違うパターを使って絶対にしたくないミスの原因となる動きを抑制したりする方もいますが、よほどパットに悩まないかぎり、打ち方とパターの特性はそろえたほうが余計なミスをしなくて済むでしょう。

トゥバランスのパターは… テークバックでフェースが開き… インパクト以降フェースが閉じるのが正しい打ち方

パッティングで大事なのは、狙った方向に打ち出すこと。そして距離感です。距離感は、自分の打ち方と使用しているパターの転がり具合、そしてグリーンの状況によって毎回変わってくる部分です。特にグリーンの状況はいつも同じコースで回っていても天候や季節によって転がり具合が変わります。毎回変わるグリーンの状況に合わせるためにも自分なりの距離感を磨きたいところ。それだけに自分の打ち方と使用するパターのマッチングは気にしておきたいところです。距離感の話もしたいのですが、今回は打ち出し方向の話に絞ります。

大事なのは「狙ったところに毎回打ち出せる」こと

パッティングで毎回自分が狙ったところに打ち出せるかどうかというのは、自分が思うタイミング、つまりインパクトでフェース面を目標に向けられるかということにかかってきます。

狙ったところに正確に打ち出せるかどうか、その指標の1つが「フェースのオフセット量」です。オフセットとは何か? 簡単にいうとフェース面がどれだけシャフト軸線より打ち出し方向の後方に下がっているかということ。オフセットの多いパターは、狙ったところに打ち出す手助けをしてくれるんです。

ゴルファーが一度は手にしたことがあるであろうブレードタイプ(ブレード=刃。ヘッドの横幅が小さいモデル)パターの多くには、「クランクネック」というネックが採用されています。クランクとは、自動車教習所で通った直角のカーブ、あのクランクです。

シャフトの軸線よりフェース面がうしろにあり、これをオフセットと呼びます

シャフトの軸線よりフェース面がうしろにあり、これをオフセットと呼びます

このクランクネックは、フェース面をうしろに下げる、つまりフェース面をオフセットさせることでパッティングの大きなミスの1つである右へのミスを軽減してくれる効果があるのです。手で握っているシャフトよりもフェース面が後方に下がることでフェースをターンさせる時間を稼ぎ、右に押し出すミスを軽減するといった仕組みです。

クランクネックを搭載したブレードタイプの多くは、ヘッドを宙に浮かしたとき、フェース面が斜め45度ぐらいを向きます。これはフェースバランスとトゥバランスのちょうど中間ぐらいで特性もその中間といったところ。つまりどちらのタイプでも比較的使いやすいということを示しています。プロや上級者に限らず、たくさんのゴルファーに使われているのはこのためです。

初心者や中級者でトゥバランスのパターを使っている場合、テークバックで開いたフェースをインパクトでスクエアに戻せないミスが多く起こります。それをクランクネックは軽減してくれるのです。またオフセットしたネックは、芝目に負けない強い転がりを生む役割も持っています。つまり、目標に対して、まっすぐ転がりのいい球が打ちやすいのです。

クランクネックはボールをつかまえやすい

皆さんは、「ボールをつかまえる」という言葉をご存じでしょうか? ゴルフというスポーツを上達するうえでとても重要な言葉で、「ショット時にボールを包み込むように打つ動き」のことです。ボールをつかまえることができるとエネルギーを効率よくボールに伝えることができ、強い弾道を打つことができるのですが、この動きはパッティングにも当てはまるのです。そして、このつかまえる動きをやりやすいパターが、クランクネック搭載モデルというわけです。

インパクトの瞬間をイメージしてください。左はボールを包みこめている(つかまえている)が、右はつかまえきれていないため、ボールは右に行ってしまいます。これはショットにも共通します

まずは自分のストロークタイプを調べよう

まずは自分の打ち方をどなたかに見てもらうか、スマートフォンなどで録画し、ヘッドの動き方をチェックしてみてください。まっすぐに動くようであれば、フェースバランスのパターが、弧を描くようであれば、トゥバランスのパターがマッチします。現在クランクネックを搭載したパターを使っているのであれば、ストロークがどちらであっても問題ないですが、狙った方向に打ち出せないようであれば、ほかのヘッド形状のモデルを試す価値はあると思います。

友達と練習するときなどに、自分のパッティングを録画してみましょう

友達と練習するときなどに、自分のパッティングを録画してみましょう

ストレートタイプだった場合はフェースバランスのモデルが多いマレットタイプを、アークタイプだった場合は、トゥバランスのパターが多いL字マレットやネックの短いモデルを試すといいと思います。

クランクネック搭載のおすすめパター3モデル

■おすすめ1■
オデッセイ オー・ワークス #1

形状はオーソドックスなクランクネックを採用したブレードタイプだが、フェース面やカラーリングなどオリジナリティーが満載です。フェース面は、金属のインサートに凸凹を持たせることでいい転がりを生みます。打感も非常に柔らかく打っていて気持ちがいいパター。ボディを白黒に塗り分けてコントラストを強めることで、フェースがどこを向いているか確認しやすく、目標に正しく構えやすくなっています。

■おすすめ2■
ピン  ヴォルト VOSS

ボディを金属の塊から削り出し、ていねいに仕上げているブレードタイプです。一般的なブレードタイプとしてはやや小ぶりで集中しやすく目標に構えやすい形状をしています。同一素材のためにソリッドながら気持ちのよい打感を実現し、テクニックも使いやすいモデルですね。

■おすすめ3■
テーラーメイド  TP COLLECTION SOTO

こちらもオーソドックスな形状を採用したブレードタイプ。クランクネックでボールをつかまえやすくし、インサートに工夫を凝らすことでやさしさといい転がりを両立しています。
溝を掘ったアルミニウムをフェースにインサートし、そのうしろに柔らかい素材を挟み込むことで、柔らかな打感といい転がりを実現しています。

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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2017.11.21 更新
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