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反発係数は上限ギリギリ! プロギア「RS」シリーズを打ってみた

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ゴルフが三度の飯より好きな男、オグさんです。今回はプロギアの「RS」シリーズを試打します。

独創的なゴルフメーカー「プロギア」

まず「プロギア(PRGR)」というメーカーについて。同社は独創的な思想とそれを製品化できる革新的技術を持っており、過去に多くのヒット作を世に出しています。
今では当たり前となっている「ヘッドスピード」という概念を創り出したのも同社ですし、初めて「女性専用に」クラブを開発したのも同社です。そのほか、ユーティリティーの先駆けとなるクラブ「INTEST」(通称タラコ)を開発するなど、日本のゴルフクラブの歴史をちょいちょい書き換えてきているメーカーです。現在でも、大手でありながら高反発ドライバー(ルールに抵触しているため公式の試合には使用できないが、競技に出ないゴルファーには飛距離アップの恩恵が受けられる)をあえて発売したり、トラブル脱出に特化したクラブを作ってみたり。いつも何かおもしろいことをしてくれるんじゃないかと、プロギアからは目が離せません。

RSは「ルール上限ギリギリ」を目指して作られた

そんな特徴のあるメーカーが作るアスリート向けブランドがこのRSシリーズ。"ギリギリ"の高初速性能と広い高初速エリアの追求が開発コンセプトです。
今作は3代目にあたり、付けられたキャッチコピーは「ギリギリ全開」。
フェースの反発係数は、ルールで上限が定められているのですが、これを少しでも超えてしまうとルール違反になってしまうため、量産するメーカーは設定数値に余裕を持って設計せざるを得ません。どうしても製品誤差が生じるためです。しかしこのRSは、量産品にもかかわらず、その設定を"ルール上限ギリギリ"に設定しているのが大きなポイント。3代目ももちろん”ギリギリ”を狙い、加えて2代目までより「さらに、飛ぶ、やさしい」を追求しています。

このフェースにプロギアの技術とマインドが詰まっています

このフェースにプロギアの技術とマインドが詰まっています

初代のRSはギリギリ過ぎてルール上限を超えてしまったため、発売中止になるほど攻めた設計でした。今作はその事例を糧に製品1本1本をきっちり測定し、ルール上限超えのヘッドはもちろん、自分たちが定めた基準を下回ってもNGにするという手の込んだ検査工程を導入し、さらなるギリギリの反発係数を持ったクラブを私たちに届けてくれています。

ではいってみましょうー。最初に打つのはやっぱり気になるドライバー。同シリーズのドライバーには「RS」と「RS-F」の2タイプ用意されています。簡単に説明しますと「RS」はつかまり性能を高めた右へのミスを軽減したモデル。「RS-F」はつかまり性能を控えめにして、つかまり過ぎ、左のミスを抑えた性能になっています。

3代目RSシリーズを打ってみます

■RS ドライバー
スライサーがドローを打てそう

RSシリーズのドライバーの「つかまるほう」。ほどよい低スピンと高弾道、そして強いつかまりが特徴です

RSシリーズのドライバーの「つかまるほう」。ほどよい低スピンと高弾道、そして強いつかまりが特徴です

「RS」ドライバーは、重心位置を深く、重心角を大きく設計することでヘッドのターンしやすさを演出したいわゆる「ボールがつかまる」ドライバー。打点の"左右のズレ"に強くなっていてボール初速が落ちにくくなるように考えられています。

構えた感想は、投影面積は大きめで安心感ありますね。シェイプもいびつな感じはなく、スッと構えられます。打ってみると強めの弾き感とやや高めの金属音でした。この爽快感のある打感、打音に好感が持てます。

弾道に関しては、正直私にはつかまり過ぎました。かなりのスライサーでもこれならドローボールが打てそうだなと思うぐらいよくつかまります。強めのドロー(フック)でしたがボール初速は速く、意識して右からのドローを打つと非常によく飛びました。最近の外国ブランドのように極端ではありませんがほどよい低スピンになり、ボールに高さが出しやすいので、スライサーがいきなり使って突然飛距離が伸びる可能性がありますね。

RSシリーズの特徴的なテクノロジーである「新Wクラウン」。フェース上部のクラウン部分にあえて角度を付けることで(写真上)インパクト時のフェースのたわみをコントロールし、高い反発性能とミスに強いエリアを拡大させています 

やや弾き感のある打感と金属的な「カキン」という打音は、インパクト時の心地よい感触と、飛んだと思わせる気持ちよさがあります。飛距離に直接的にはつながりませんが、クラブのとても大事な性能です。打っていて気持ちよくないクラブでは練習も長続きしませんからね

シャフトは三菱ケミカルとの共同開発のディアマナfor PRGR。しなやかに動き、よく走る印象の仕上がり

シャフトは三菱ケミカルとの共同開発のディアマナfor PRGR。しなやかに動き、よく走る印象の仕上がり

インパクトでのしなり戻りがシャープで

インパクトでのしなり戻りがシャープで"ビュッ"と走ります。下記「RS F」と共通のシャフトです

■RS F ドライバー
歴代一番つかまるRS F

上記RSとソールのコスメティックの差異は「F」の文字だけ。形状もほとんど同じで「RS-F」のほうが、フェースが少しオープンになっているぐらいです

お次は、「RS-F」ドライバー。こちらはRSと比べてヘッドのターンする力を抑えてあり、いわゆる"つかまり過ぎない"性能を持っています。アドレス時の形状はほとんど変わりませんが、ややオープンフェース(右に向いている)になっています。フックのミスが嫌な方でも左に曲がるイメージが湧きにくいので安心して構えられますね。
打ってみると歴代RSシリーズのRS-Fの中では、一番つかまるようになっていました。初代、2代目は本当につかまらないドライバーだったんです。しかし今回のモデルは、つかまりは抑えてはありますがドローもそれほど無理しなくても打つことができます。今までのモデルだとボールがつかまえきれず、飛距離につながらなかったゴルファーも今作なら問題なし! かなりやさしい方向に進化したといってよいと思います。

ドライバーはどちらもシャフトが脱着できるようになっていて、挿す向きを変えることでロフトを1度変えることができます

スライスするならRS、フックならRS F

このRSシリーズは、とにかくやさしいモデルを求めるという方よりは、しっかり振っていけるクラブでそこそこやさしさも欲しいという方によいクラブです。選ぶコツとしては、自分のミスに合わせて見栄を張らずにヘッドとシャフトスペックを選ぶこと。スライスが強めの方ならRS、左のミスを軽減させたいならRS-Fをチョイスしましょう。ロフトはカチャカチャで減らすことができるので、いつもより1度大きいスペックを選んでおくといいですね。純正シャフトは、Sで308g、Rで298gと10gほど差があるので、自分のパワーに合わせてシャフトを選びましょう。

■RS フェアウェイウッド
ヌケのよさは特筆もの

ドライバーに準じた弾き感のある打感が特徴的なFW。つかまりはそこそこで、RS、RS-Fどちらのドライバーを使っていても違和感がないように設計されていますね

同シリーズのFW(フェアウェイウッド)です。2種類あるドライバーと違いヘッドタイプは1つですが、クセがなく、RS、RS-Fどちらを使っても違和感がないように設計されています。爽快感のある打感は共通で、適度なつかまりを持っています。印象に残ったのはヌケのよさ。ソールが丸い船底のような形状をしていて、芝の上をよく滑ってくれますね。ダフりのミスに強く、クセがないFW。正直、同シリーズ以外のドライバーと組み合わせても違和感が出にくい仕上がりだと思います。

船底のような丸い形状をしたソールはヌケがよくて気持ちよく滑ってくれます

船底のような丸い形状をしたソールはヌケがよくて気持ちよく滑ってくれます

■RSアイアン
小ぶりながら直進性が高い

コンパクトながらセミグースネックを採用。ブレードもやや厚めでやさしさを目で感じることができるデザインです

ポケットキャビティ構造を採用し、小ぶりでありながらミスに強いアイアンです。フェースにはマレージング素材を使用し、独自の振動減衰材「FLASH ONE」を搭載することで硬めになりがちな打感をマイルドに仕上げています。

プロギアは独自でゴルフスタジオを備え、レッスンやフィッティングを行っています。そこで得られたアマチュアの打点エリアを解析し、そこにクラブの芯を近づけることで、打点エリアでの反発性能を向上させています。つまり、アマチュアがよく当てる場所が飛ぶようにできているのです。
実際に打ってみるとハーフトップでもボールが上がりやすく、距離もよく出ました。長さは、それほど長くは設計していないので、昨今の飛距離系モデルのようにいたずらに距離を追求せず、狙った距離を打つというアイアン本来の部分をしっかり残しながら飛距離とミスへの強さを高めたアイアンになっています。
弾道は直進性が高く、曲げようと思ってもあまり曲がらない印象。操作性を求めるなら後述のフォージドモデルを選ぶといいですね。

ポケットキャビティ構造は、打点のミスに強いアイアンを作りやすくなります。重心が深くできるので、ヘッドのブレを抑えることができるからです

プロギアのシャフトには「M-43」などと書いてありますが、これは「S」相当です。「43」とはヘッドスピードを意味し、ドライバーでそのくらいのヘッドスピードがある方にちょうどいいですよ、というわかりやすさを狙った表記です。さすがヘッドスピードでクラブスペックを決めるという概念を創出したメーカーですね

■RSフォージドアイアン
やさしいアスリートモデル

RSアイアンと比べ、グース度合が減り、形状もシャープになったフォージドモデル。それでもトップブレードの適度な厚さなど、やさしさも感じさせる絶妙な顔に仕上がっています

続いてはRSフォージドアイアン。先ほどのRSアイアンに適度な操作性をプラスしたモデルです。軟鉄ボディに別素材を組み込んだフェースという構造は同じですが、素材が変わっていて、やさしさを残しつつフィーリングや操作性を向上させています。

打感はよりマイルドになり、操作性は上級者が求めるレベルまでしっかりと向上させてありました。ですがつかまりなどのやさしさも適度に残されており、バリバリのプロモデルというよりは、やさしいアスリートモデルといったポジションですね。

左はパーツ販売(シャフトとグリップは別売り)の「PRGR TUNE01 CBアイアン」です。これはまさにプロモデルで、操作性を第一に考えた性能を持っています。別シリーズではありますが同社のラインアップにこのモデルがあるからこそ、やさしさと操作性のバランスが絶妙なRSフォージドアイアンが生まれたのでしょう

結果重視はRS、フォージドは上達志向

RSシリーズのアイアンは、アスリート向けブランドとはいえ打点のミスにかなり強い仕上がりを見せています。結果重視ならRSアイアン、フィーリングや上達志向の強い方はRSフォージドアイアンがいいですね。やさしいからといっても強いお助け機能はなく、ゴルファーの腕前の弾道を残しつつ、よい結果につなげてくれる適度なやさしさのバランスにとても好感が持てました。

今回のRSはかなり”やさしく”なった

今回の3代目RSシリーズは、過去作に比べてかなりやさしい方向に仕上げてきたというのが率直な印象です。それでも上級者が嫌がるような過度なお助け機能を持たないのがとても気に入りました。パワーがあるけどやさしいクラブを使いたい、または上達しても長く使いたいと考えているゴルファーにはぜひ手に取ってもらいたいシリーズです。今回の試打にはありませんが、ウェッジやUTもシリーズにあり、これらも非常にいい仕上がり。全部同じブランドで揃えたいなんてゴルファーにもおすすめです!

撮影:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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