アディダス ジャパンは、革新的3Dプリンティング技術「デジタルライト合成」によって作られたミッドソール「ADIDAS 4D」を搭載するランニングシューズ「ALPHAEDGE 4D(アルファエッジ 4D)」を、2018年11月17日に発売する。
「アディダス オンラインショップ」価格は、41,040円(税込)。
500足限定で販売される「アルファエッジ 4D」。淡いグリーンのミッドソールが「ADIDAS 4D」だ
「アルファエッジ 4D」に搭載されるミッドソール「ADIDAS 4D」は、アディダスと2017年4月にパートナーシップを発表したカーボン社の3Dプリンティング技術「デジタルライト合成」を採用。光と酸素を制御して樹脂パーツの高速製造を実現するこの3Dプリンティング技術によって、「ADIDAS 4D」は従来の製造プロセスでは不可能とされてきた、プログラマブル樹脂が複雑に入り組んだグリッド構造に仕上がっている。
カーボン社の3Dプリンター「M2 Printer」。マイクロメートル(μm)単位でミッドソールをデジタル設計できる。また、試作や金型成型を行う必要がなくなったことで、手作業での処理が大幅に削減され、製造スピードが向上した。実際にデザインには50回以上の改良が簡単に加えられたという
そんな3Dプリンティング技術「デジタルライト合成」のおかげで、ミッドソール「ADIDAS 4D」は、アスリートに求められる動きやクッション性、安定性、快適性を高いレベルで実現している。
「ADIDAS 4D」の開発過程で、同社が17年にわたり蓄積したアスリートのデータの分析結果からはじき出された圧力分散模型
グリッド分散の模型。ヒールエリア(写真右)は、着地時の衝撃を吸収する間隔の広いグリッドで、フォアフットエリア(写真左)は、前への推進力をサポートする高密度のグリッドで設計されている。そしてそれらの間にあるミッドフットエリアは、すぐれたサポート性と安定性を提供するため、グリッドの密度をやや高めている
上記の開発過程で完成したミッドソール「ADIDAS 4D」。直線方向やサイド方向への動きをサポートする
以上のようにして作り出された「ADIDAS 4D」は、細かいグリッドがバネのような推進力を発揮し、広がるグリッドが着地の衝撃を分散、さらに、ピンと張った高さのあるグリッドが足をシューズの中央に固定し、横方向への動きを正確にサポートするのが特徴だ。これにより、ランニングはもちろん、ハードなトレーニングやワークアウトの際も、緻密に制御された反発力が発揮される。
ハードなワークアウトに多い横方向への動きもしっかりとサポート
「アルファエッジ 4D」のアッパーには、軽量な「FORGEFIBER(フォージファイバー)」を用いた「プライムニット」を採用。TPUコーティングされ、糸の1本1本がミリ単位で編み上げられたアッパーは、継ぎ目のないソックスのように足を包み込み、糸の角度や密度に変化をつけることで、どんな動きにもしっかりとしたサポート力とフィット感をもたらす。
アッパーには、1本の糸で編み上げる「シームレス エンジニアリング」と呼ばれる製造手法を用いた「プライムニット」を採用。フィット感や軽量性、通気性が高い
履き口
ヒール側
アウトソールには、耐久性の高い「コンチネンタルラバー」を採用。路面コンディションや天候にかかわらず、安定した摩擦力を発揮し、急な切り返しや加速にも対応できる。
アディダスのほかのシューズにも多く採用されるコンチネンタルタイヤ社製ラバーを採用
なお、片足27cmの重量は、約368g。エントリー向けランニングシューズの多くは、300g弱なので、ほんの少し平均よりも重めと言える。
今回、「アルファエッジ 4D」の試走は行えなかったので、履き心地や走り心地については何とも言えないが、ミッドソール「ADIDAS 4D」の製造プロセスの先進性には、目を見張るものがあった。今後、単一構造のミッドソールが製造可能になり、長い目で見れば、アスリートそれぞれの生理学的なデータや要望に応じられるシューズを仕立てることが可能になったからだ。
実際にアディダスは、この「ADIDAS 4D」を「スポーツ業界の転換点を代表するテクノロジー」として位置付けている。今後、ライフスタイルやストリート向けモデルといった他カテゴリー製品への展開も予定しており、2018年末までには世界で10万足を超える「ADIDAS 4D」搭載製品の販売を予定しているという。
「アディダス ブランドコアストア 新宿」で50足限定販売されるカラーもあり