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プロギア「TUNE」を試打。普通の店では売ってない”工房専用モデル”って何だ!?

オグさんです。

今回は一風変わったクラブ、PRGR(プロギア)の「TUNE(チューン)」をご紹介します。変わっているといっても、見た目や性能が奇異であるわけではなく、変わっているのはその“売り方”。

このTUNE、実は“工房専用”のモデルなんです!

工房でゴルファー個々のスイングに合わせてクラフトマンが組み立てるのを前提に、クラブとしてではなくヘッドやシャフト単体で販売されるのが工房専用モデル

購入には”フィッティング”が前提となっている

工房専用モデルとは、簡単にいってしまえば、工房、つまり組み立てられる設備を持っているお店でしか購入できない製品を指します。こういったモデルはほとんどの場合、取り扱いのあるお店に行ってもその場で購入することができません。なぜならクラブフィッターやティーチングプロなどがゴルファーの個性やスイングの特徴に合わせて組み上げる前提のモデルだから。ゴルファーに合わせて組み上げる前提故、ターゲットとなるゴルファー層がはっきりしており、各モデルの性能がとがっています。ですので、モデルやスペックをしっかり合わせないと、その性能を発揮しづらくなってしまうのです。

こういったモデルはいわゆる“地クラブ”と呼ばれるパーツメーカーさんに多くみられますが、大手メーカーでもこういったモデルを発売しています。PRGR TUNEはその代表格の1つ。その販売形態のため、どうしても大量生産はできませんし、大ヒットとなることは難しいかもしれません。しかし、とがった性能を持つため、自分の個性に合わせて作れば結果の出しやすいクラブに仕上がる可能性が高くなります。そういったクラブを求める一定数の顧客やニーズにしっかり応えるためにこういったモデルは存在しているのです。

私もクラブフィッターをしているので、フィッティングの診断結果に合わせて工房専用モデルも販売しています。こういったモデルは最初からヘッドやシャフトの基本性能をはじめ、ロフト角、フェースアングル、ライ角、クラブ総重量、クラブ長、バランスなどを細かく調整して組み上げることができるので、狙った性能に仕上げやすく、とても重宝していますよ。デメリットとしてはお客様に組み上げる時間をいただく必要があることと、カタログモデルに対して値段が少々高くなるといったところでしょうか。ただ最近は大手メーカーの完成品にもカスタムオーダーが充実してきており、価格差は小さくなってきています。

PRGRTUNEの特徴の1つが「ネック内径がやや広く作られている」こと。任意の方向からシャフトを挿せるメリットがあり、フェースアングルやライ角などをゴルファーの好みに調整して組み上げることができます

前置きが長くなりましたが、これよりTUNEを打っていきたいと思います。

■TUNE 01 ドライバー

強振してもスピンが増えない

まずTUNEシリーズのドライバーには「高初速で飛びにこだわった」という共通のコンセプトがあります。ギリギリの反発係数を持つフェースエリアをできるだけ広げ、高い確率でボール初速を高めようという考え方です。01は、フェースアングルをややオープンに設計し、重心距離を浅め長めにすることで強振してもつかまり過ぎないような設計。気持ちトゥ側寄りにボリュームがあり、つかまり過ぎるイメージが湧かないようなヘッド形状になっています。

この01と02(次項参照)には脱着可能なウェートが2個装着されていて、この2つのウェートの位置を入れ替えることでつかまり具合を調整し、クラブの特性がより細かく調整できます。またこのウェートには重さ違いが多く用意されており、クラブ総重量やクラブ長が変わっても狙ったバランスでクラブを組み上げられるのでとてもいい機能だと思います。

さて肝心の弾道ですが、左のミスの軽減を狙ったクラブだけあってなかなかハード。目標方向に飛び出し、そのまま10ヤードほど右に滑るような弾道が多かったです。球質は、中弾道のライナー性、強振してもスピンが増えている印象はありませんでしたね。風に負けない強い弾道がさらっと打てました。

■TUNE 02 ドライバー

01よりも高いつかまり性能

続いてTUNE 02。ヘッドシェイプは少しだけヒール側のボリュームが増し、01と比べて投影面積も大きくなっていますね。基本性能は「高初速ちょいつかまり」といったところ。ヘッド性能に合わせてつかまりそうな形状になっています。

写真ではちょっとわかりにくいですが、2つのウェート位置が01比でヘッド後方とヒール寄りに変更されている部分からも、つかまり性能を高める意図が読み取れます。目で見えるこういう部分と性能が一致しているのは、わかりやすくてとても大切なことだと個人的には思っています。

打ってみると、01同様ライナー性の低スピン弾道。違いはやはりつかまり度合いの大きさ。意識せずにスイングすると軽いドローがかかり、強振するとちょっと強めのフックに近いドローが出ました。このへんの挙動はウェートで調整するといい塩梅(あんばい)になりそう。個人的には02のほうが扱いやすく感じました。

TUNE 01と02には、脱着可能なウェートがソール後方側とヒール側にそれぞれ1つずつ付いています。このウェートを入れ替えたり、別売りの重量違いのものに変えたりすることでヘッド重量やつかまり具合を調整でき、クラブ総重量や長さが変わっても狙ったバランスでクラブを仕上げやすくなります

■TUNE 05 ドライバー

こちらはアベレージ向け

ドライバーの最後はTUNE 05。先の01、02は、比較的ヘッドスピードが出るアスリートに向けたモデルの仕様違いといった立ち位置ですが、この05はどちらかといえばアベレージゴルファーに向けたモデル。投影面積を大きく取り、シャローヘッドにすることで見た目にもやさしさを演出しつつ、高初速エリアを最大限に広げてミスに強く、球が上がりやすく仕上げています。ソールのウェートも01、02の2つに対し、1つだけ。できるだけシンプルに仕上げ、オートマチックなやさしさを演出しているのでしょう。

試打ヘッドはロフト11度。ヘッドスピード42m/s程度のイメージで打つと高さが自然と出ましたね。打ち出し角が高いのに初速は速めでスピンもやや少なめな感じ。安定してキャリーが出せて、まずまずのランが出る効率のよさそうな弾道でした。写真を見てお気づきかもしれませんが、この05にはロフト表記がありません。01や02にはあるのですが、ロフトが大きめのモデルにいまだ抵抗を持つゴルファーがいるのに配慮してかはわかりませんが、ロフトは違う表記で表しています。それはどこかというとちょっとわかりにくいかもしれませんが、05のロゴの右下にドットが2つあるのがわかりますでしょうか。このドットの数がロフトを表しており、ドット1つが10度、2つが11度です。こういった気配りというかちょっとした違いが所有感を刺激しますよね!

■TUNE 05 FW

フェース下部ヒットでも飛距離が落ちにくい

TUNEシリーズのFW(フェアウェイウッド)には02と05があるのですが、今回は05をご紹介します。02はどちらかといえばアスリート向け、05はアベレージゴルファー向けと、このへんはドライバーと変わりありません。一般的なFWと比べてひと回り大きめに作られていて、素材は贅沢(ぜいたく)にチタンを使用しています。ソール側から回り込んで溶接されているLカップフェースを採用することで、アベレージに多いフェース下部の打点でも反発性能が発揮されるように設計されていますね。

打ってみるとこれまた楽にボールが上がります。弾き感のある気持ちいい打感です。直進性が高く、ソールのヌケもいいので少々悪いライでも安定してボールを運べますね。

■TUNE 01 CB アイアン

上級者ほどやさしいアイアン

TUNEシリーズのアイアンのラインアップは現状3タイプあり、どれも軟鉄鍛造でフィーリングを大切にしながらもターゲットに合わせて操作性やミスへの許容性などを追求しています。この01 CBは同社契約プロも使うモデルで操作性やヘッドのヌケ、フィーリングなどを優先したモデルといった印象。インテンショナルでの上下左右のコントロールもしやすく、テクニックを持っているゴルファーほど、やさしく感じるでしょう。

■TUNE 02 CB アイアン

ミスへの強さとフィーリングを両立

02 CBはミスへの許容度を高めつつ、フィーリングも大切にしたアイアンといった印象。やや面長なブレード形状や、適度な幅を持たせたソールなどが曲がりやダフリのミスへの強さを発揮し、セミグースな形状がボールのつかまりもフォローしてくれます。深めのキャビティですが、番手ごとに肉厚な部分を変更し、最適な弾道になるように設計。打感も厚く、直線的にコースを攻めていくようなゴルファーに合うでしょう。

操作性とシビアなコントロールを重視するなら01CB。ミスへの許容度と直進性を重視するなら02CBといったところ

軟鉄鍛造の1枚物だけあって、適度な柔らかさを持つ厚い打感を持っています。キャビティのえぐれが深い02CBでも気持ちいい感触です

この2本のほかに01 MBというブレードタイプがあり、こちらはよりシビアな操作性やヌケを求めるプレイヤー向きです。このアイアンは限定モデルであり、メーカーにも在庫がない(2019年2月現在)とのことなので、かなりのレアものになっています。欲しい方は、見つけたら即買いでしょう。

■TUNE N ウェッジ

”日本の芝”に適したウェッジ

TUNE Nウェッジの“N”はニッポンのNから取ったネーミング。日本の芝に適したウェッジを、という開発コンセプトで作られたそうです。ボールが浮きやすい日本の芝で使いやすいようにグースネックを採用し、48〜64度まで2度刻みに9種類というロフト設定によって細かなニーズに対応できるようになっています。素材はステンレスですが、ロフトライが調整できる素材を使用しているとのこと。さすが工房専用モデルですね。
 
打ってみるとソールが滑りやすくボールがつかまえやすいので安定して狙った距離が打ちやすいですね。打点のミスにも強いですし、少々ダフってもソールが滑ってくれます。試打させていただいたのは56度でしたが、設定にある64度はコースで一度使ってみたいですね!

上達志向の強い方に試してほしい

今回は、興味を持ってもなかなか試しにくいモデルのご紹介でしたが、取扱店には試打クラブも用意されていることが多いので、興味のある方は見に行ってみてください。

冒頭にも書きましたが、こういった工房専用モデルは使うゴルファーに合わせて組み上げてこそ真価を発揮するもの。特にこのTUNEシリーズは作ってからのアジャストもしやすいので、組み上げる側からも使う側からも評価が高いんですよ。自分に合ったクラブを使うことで上達も早くなりますから、上達志向が強い方はぜひこういったモデルを検討してみてくださいね。

※TUNEの取り扱い店舗は、こちらのサイトからお探しいただけます。

写真:富士渓和春

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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