オグさんです。今回は、テーラーメイドPシリーズの新作「P790」をお借りしましたので早速レポートしたいと思います!
テーラーメイド「P790」
テーラーメイド製のクラブのうち、モデル名の頭に「P」が付くものは主にアスリートに向けたアイアンで、「P700シリーズ」と呼ばれています。現在は4モデルがラインアップされており、今回紹介する「P790」は、上級者が好む形状や打感を追求しながら、飛距離や直進性を高めたモデルです。
P790の790という数字が表すものは、ブレードの長さ。これはアスリート向けアイアンの中では、大きすぎず小さすぎずの、絶妙なサイズ感と言えるでしょう。もう少し小ぶりでシャープなモデルがお好みの向きにはP770というモデルも用意されています。
実は、今回発表されたP790は、3代目。
初代の発売は2017年、アスリートモデルでありながらミスに強いモデルとして、瞬く間に人気モデルになりました。
さらに2019年に発売された2代目ではミスへの強さを磨きつつ、打感や操作性をも向上。初代からの正常進化モデルとして、これまたヒットしました。
今回の3代目はというと、2代目までの基本コンセプトは変えず、評価されてきた性能に磨きをかけてきた印象です。
P790は中空構造を採用し、それで得られた余剰重量をヘッド下部に集中させています。これにより、低い重心でボールが上がりやすく、余計なスピンが入りづらいため、高い直進性を実現します。この構造は、初代から基本的に変わっていません。さらに、2代目からはヘッド内部に充填剤を注入し、余計な振動を軽減して打感や打音を追求。性能だけでなく、フィーリング面をも磨いた、まさに“全部乗せアイアン”といったモデルです。
3代目のすごいところは、ミスへの強さ、飛距離、フィーリング面のどれも妥協せず、すべての面を磨いてきた点。フェース面を従来モデルよりさらに肉薄化してボール初速を追求。打感や打音をさらによくするための充填剤を軽量な「スピードフォーム エア」に変更。この効果により、ミスへの強さも高まっているそうです。さらに、ヘッド下部全体に内蔵されているタングステンウェートを従来モデルより2倍以上増量し、高い打ち出しと低スピン化を実現させています。
このように、大幅な進化を遂げた3代目P790の実物を見ていきたいと思います!
2代目はボディ中央に「TUNGSTEN」のロゴがありましたが、3代目はそれがなくなり、シンプルになりました。クロームとメッキを使い分けたデザインがカッコイイですね!
P790・#5
P790・#7
P790・#9
プロが好むシャープな形状のヘッドですが、やや厚めのブレードと適度なサイズにより、見ためからくるやさしさを演出しています
フェースの素材にはクロームモリブデン鋼を採用。フェース下部のミスに強くなるL字型で鍛造し、7番で1.5mmという、テーラーメイド史上最薄のフェース厚を実現させています
ソールは丸みを持たせた形状に変更し、ヌケ性能を向上。従来の「貫通型スピードポケット」も搭載しており、L型フェースと相まって非常にミスに強い仕様になっています
シャフトラインアップは日本シャフト製90g台の「NS PRO 950GH neo」と100g台の「NS PRO モーダス3 TOUR105」の2種類。粘りながらミートしやすい950GH neoに対して、しっかり振ってもしなり過ぎない強さを持ったモーダス3 TOUR105、といった違いがあります。パワーに自信がある方はモーダス、さらっと振りたいなら950がおすすめです
ロフト:#5 23.5°/#6 26.5°/#7 30.5°/#8 35°/#9 40°/PW 45°
ロフト設定は7番で30.5°と、アスリートモデルとしてはかなり立っているといえます。 通常のアスリート向けのアイアンと比べて1番手分立っている感じですね。これは一般的なアベレージアイアンに近い設定です。
パッと構えてみると、ニンマリしてしまうくらいよい顔です。前モデルと比べて、角が取れたというか、やわらかな印象があり、気持ちよくスッと構えさせてくれます。弾道のイメージも湧きやすく、個人的にはとても好きな顔ですね。
お借りしたスペックは950GH neoのS。ドライバーで40m/sぐらいのイメージで打ってみると、中弾道よりはちょっと高いくらいの打ち出し角で、ストレートな弾道が出ました。打ってみて、進化を感じたのがヘッドの操作性。前モデルよりも狙ったところにボールを打ち出しやすくなっている印象で、それでいてしっかりと直進性の高い弾道が打てるようになっています。
ミスへの強さも確かに高まっていますね。特にフェース下部の当たり。低重心化が効いているのでしょう、薄めの当たりでもしっかりとボールを上げてくれ、安定したキャリーが期待できます。
改良された充填剤「スピードフォームエア」の効果で、打感はソリッドで余計な振動が少なく、余韻の短い爽快な感触。マッスルバックの吸い付くような打感とはまた違った気持ちよさを持っています
ヘッドスピードを目安43m/sまで上げてみると、よりボールが上がりやすくなりました。クラシカルなアスリートアイアンと比べると、1番手下の高さと同じくらいまで上がります。それでいてスピンもしっかり入っているので、グリーンでもしっかり止まりそうですね。
そんな球質でもボール初速が速めで、飛距離は5〜10ヤードぐらい伸びた印象です。多少芯を外したショットでも初速が落ちづらいので、安定したキャリーでグリーンを攻めていけそうです。ロフトを立ててインパクトできる方はもっと飛距離が出ると思いますよ。
操作性に関しては、曲げられなくはないけど、積極的に曲げる必要はない感じです。直進性の強さを武器にして、シンプルにピンを狙っていけばこのアイアンのよさを生かせると思います。
ソール幅が適度に広いので、ダフりのミスにもそれなりに対応してくれます。アスリートモデルとは思えないほどミスに強いアイアンです
打ち出し角の高さと直進性の高さ、飛距離性能をよく表した弾道だと思います。スピンもしっかり入っているので安心してピンを狙っていけますし、いざという時に曲げようと思えば曲がる弾道は打てます。かなりオールマイティなモデルです
P790は3代目にして完成の域に達した感じがありますね。すべてのゴルファーのアイアンに対するニーズを余すところなく受け入れると、こんなアイアンになるのではないでしょうか。それくらい、よくできていると思います。
ライバルモデルはキャロウェイ「APEX PRO」、ピン「i59」、タイトリスト「T200」といった面々でしょう。モデルによって飛距離を追求する度合いはまちまちですが、どれも直進性とミスへの強さをあわせ持っています。
これらのモデルは、基本的にボールを曲げたくないアスリートゴルファーのニーズにマッチしたモデルですが、安定性を求める中級者にもおすすめできます。私見では、初心者にはもう少し補正能力が少ないほうが上達は早いと思いますが、コースでの結果と上達のバランスを考えるとこういったモデルは大いにありだと思います。
最新のアスリートモデルはびっくりするほどやさしいですよ。ぜひ手にとってもらいたいですね。
写真:野村知也
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。