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最もやさしいタイトリスト「TSR1 ドライバー」は気負わず使える1本だ!

オグさんです。今回はタイトリスト「TSR1 ドライバー」の試打レポートをお届けします。

空力を考えたツルンとしたデザインが「TSR」シリーズの特徴のひとつ

空力を考えたツルンとしたデザインが「TSR」シリーズの特徴のひとつ

シリーズに最後に追加されたモデル

「TSR」シリーズは、タイトリストがウッド類に使うブランドで、以前からある「TS(タイトリスト スピード)」に、「Refined(リファインド/洗練)」や「Repeatable Speed(リピータブル スピード/スピード再現性)」などの頭文字「R」を組み合わせたネーミングです。

「TSR」シリーズは、航空宇宙産業で使われる希少なチタン素材をフェースに使用。また、モデルごとに専用設計された「VFT」と呼ばれるフェース構造を採用することでスピードアップと許容性を高めながら、プレイヤーのスイングタイプに合わせて各モデルの完成度を追求しています。

ドライバーは4モデルをラインアップしており、今回ご紹介する「TSR1」は最後に追加されたモデルで、振り抜きのよさを追求した軽量仕様です。それ以外のモデルをざっと紹介すると下記のとおり。

●TSR2:許容性を追求した安定型。つかまりを抑えつつ直進性の高い弾道が特徴。

●TSR3:バランスのよい基本性能。弾道調整機能による高いアジャスト能力を持つ。

●TSR4:小ぶりで高い操作性を持つ。非常に低スピンで強い弾道がオートマチックに打てるモデル。

それぞれが大きな特徴を持ち、ゴルファーのニーズに対応したラインアップを誇るのが「TSR」シリーズです。

それでは「TSR1 ドライバー」を詳しく見ていきましょう。

空力を考え、余計な装飾を排除したボディは機能美を感じさせます。デザインは「TSR2」とほぼ共通で、ヒールに刻印されたモデルネームが識別ポイントです

空力を考え、余計な装飾を排除したボディは機能美を感じさせます。デザインは「TSR2」とほぼ共通で、ヒールに刻印されたモデルネームが識別ポイントです

<カタログ記載のスペック>
●ロフト(度):9/10/12
●ライ角:59度
●クラブ長:45.75インチ
●クラブ重量:273g(TSP120・S)

最大の特徴はクラブの重量。ベースとなった「TSR2」の標準仕様の最も軽い仕様が303gなのに対し、「TSR1」は、標準仕様の最も重い仕様でも273gと、実に30gも軽量に仕上げられています。このほか、ほかのモデルにはないロフト角12度の設定があったり、標準ライ角がほかのモデルが58.5度のところ59度に設定されていたり、さらにはクラブ長さがほかのモデルが45.5インチのところ45.75インチに設定されていたりと、「TSR1」のためだけの設定が随所にちりばめられています。

ヘッドシェイプはベースとなった「TSR2」と同じで、投影面積の大きい洋ナシ型

ヘッドシェイプはベースとなった「TSR2」と同じで、投影面積の大きい洋ナシ型

フェースの素材や構造は「TSR2」と共通です。「エアロスペースグレード チタン」と呼ばれる、航空宇宙産業で採用されるチタン素材を使用。フェース内側前面の肉厚差を精密に設計した「マルチプラトーVFTデザイン」を採用しています

フェースの素材や構造は「TSR2」と共通です。「エアロスペースグレード チタン」と呼ばれる、航空宇宙産業で採用されるチタン素材を使用。フェース内側前面の肉厚差を精密に設計した「マルチプラトーVFTデザイン」を採用しています

シャフトはオリジナルの「TSP120」シャフトを採用。クセの少ない全体しなりで、振りやすさを演出した仕上がりです

シャフトはオリジナルの「TSP120」シャフトを採用。クセの少ない全体しなりで、振りやすさを演出した仕上がりです

つまり、「TSR1」は軽量化し、専用のシャフトと組み合わせることでクラブスピードを高めやすくしたモデル。基本性能は「TSR2」をベースとしているだけあって高い許容性を持っています。ヘッドスピードを自分で高められないゴルファーが、小さいパワーでヘッドスピードを最大化させ、ミスに強いヘッドと組み合わせることで、少々打点がズレても安定して飛距離が得られるように設計されています。

ミスへの強さもかなりのもの

お借りしたスペックは「TSP120」のSフレックス。持った瞬間に感じる軽さは、重さに対してハードさを感じてしまうゴルファーにとって安心感につながります。

軽く素振りをしてみると、極端ではなく適度にしなり戻るシャフトがミートしやすさと振り抜きのよさを両立しているなと感じました。

構えた印象としては、大きめの投影面積で安心感はあるのですが、タイトリストらしいスクエアなフェースでしっかり振っても大丈夫そうな、また違った安心感が得られました。

ヘッドスピード38m/sを目安に試打してみると、適度な高さで大きなキャリーの弾道が安定して打てました。つかまりも適度にあり、いわゆる“やさしいドライバー”です。ミスへの強さもかなりのもの。かなりのディープフェースなのですが、低重心設計でしっかり作り込まれているので、左右はもちろん上下に打点がズレても安定した弾道が打てました。これくらいのヘッドスピードが、本モデルの性能をいちばん引き出せている感じがしました。

ヘッドスピードを高めていくと、やはりスピンは増えていきます。物理的に当然ではあるのですが、軽量モデルのほうがその現象は顕著です。42m/sぐらいでベースとなった「TSR2」と比較すると、明らかに「TSR2」のほうが飛距離も出やすく安定感が高い。ただ「TSR1」は同じパワー感で振った場合にヘッドスピードを高めやすいので、打点やスイングスキルでスピンが抑えられれば、1発の飛びは「TSR1」に分があります。

やや長めの設定でも振り抜きがよいシャフトのおかげで、フィニッシュまでよどみなく振り切れます

やや長めの設定でも振り抜きがよいシャフトのおかげで、フィニッシュまでよどみなく振り切れます

打感は「TSR」シリーズのほかのモデルに比べて、若干ですが強くはじく印象。軽量化の影響だと思われます。感触自体は心地よく、気持ちよい

打感は「TSR」シリーズのほかのモデルに比べて、若干ですが強くはじく印象。軽量化の影響だと思われます。感触自体は心地よく、気持ちよい

この厚みのあるフェースが上下のミスにもしっかり対応してくれるので、安定感の高いティーショットが期待できます

この厚みのあるフェースが上下のミスにもしっかり対応してくれるので、安定感の高いティーショットが期待できます

自分のクラブの感覚では40〜41m/sぐらいで振った感じのデータです。スピン量は増えていますが、ヘッドスピードはかなり出ていますね。ボールもつかまっていますし、ヘッドスピード35m/sぐらいのゴルファーが使うと効率よい弾道が打てそうです

自分のクラブの感覚では40〜41m/sぐらいで振った感じのデータです。スピン量は増えていますが、ヘッドスピードはかなり出ていますね。ボールもつかまっていますし、ヘッドスピード35m/sぐらいのゴルファーが使うと効率よい弾道が打てそうです

ヘッドスピードが落ちてきた熟練者にも

「TSR1ドライバー」は、ヘッドスピードを自分で高められないゴルファーのためのアスリート向けクラブだと思います。若いころにバリバリやっていたアスリートシニアや、パワーはないがそれなりのスイングスキルを持っているゴルファーにとっては非常に扱いやすいクラブでしょう。

ですが、適度なつかまり性能もあるので、上級者だけのクラブというわけではありません。パワーがある人にはおすすめできませんが、最もやさしい「TSR」シリーズはどれかと言われれば、間違いなくこの「TSR1」でしょう。

ライバルモデルは、ブリヂストンゴルフ「B3」、テーラーメイド「ステルスグローレ」、ダンロップ「ゼクシオX」といったところ。

肩肘張らずにリラックスしてプレーするなら、これは最高のタイトリストだと思います。

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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