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新型「ゼクシオX ドライバー」を前作と比較試打! つかまりすぎないのがイイ

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オグさんです。今回はダンロップの「ゼクシオX ドライバー」を、前作と比較しながらご紹介します。

「ゼクシオX ドライバー」。新型の24年モデル(左)と、前作22年モデル(右)

「ゼクシオX ドライバー」。新型の24年モデル(左)と、前作22年モデル(右)

13代目と同時に発表された3代目「X」

「ゼクシオ(XXIO)」とは、日本のゴルフブランドでは、最も有名であると言っても過言ではないほど広く認知され、長く売れ続けているブランドです。
初代モデルが2000年に登場して以来、ほぼ2年ごとのモデルチェンジを繰り返し、最新のモデルは何と13代目。ゴルフ業界にて、ひとつのブランドがこれほど長く愛されていることは非常にまれなことです。そして、2023年までに累計で1,660万本を売り上げているという、ゴルフ業界史上最も成功したブランドと言ってもよいでしょう。
「ゼクシオ」は常に進化し続けており、現在では日本市場だけでなく海外でも注目されていて、2023年現在の販売比率は海外が57%と、グローバルで愛されるブランドへと成長しています。

そんな「ゼクシオ」の最新モデルである“13代目ゼクシオ”は、代々受け継がれている「ゼクシオ」らしさを継承しつつ、さらに進化しました。「ゼクシオ」らしさとは、安定感の高い打ちやすさや性能だけでなく、打音や打感に至るまで細やかに計算されたクラブとしての完成度の高さです。13代目は、そこにさらなる飛距離性能を追求したクラブとして登場しました。

今回の発表された「ゼクシオX」(と「ゼクシオ13」)のカギとなるテクノロジーは「BiFLEX FACE(バイフレックス フェース)」。フェース外周部の剛性を高めることでフェースのたわみを最適化し、高反発エリアを広げることに成功しています。さらに前作に搭載されていた、ダウンスイングでの空気抵抗を減らしてヘッドスピードを高める「ActivWing」をさらに進化させた「New ActivWing」を搭載。その効果をさらに高めているそうです。

「ゼクシオX」は、11代目ゼクシオで初めてラインアップされ、今回で3代目。「ゼクシオ13」シリーズとは別のシリーズで、ややアスリートを意識した仕様です。共通のテクノロジーを使用しつつ、しっかりと振っていけます。

ダンロップのアスリート向けブランド「スリクソン」に搭載されている「リバウンドフレーム」の技術をさらにブラッシュアップさせ、フェース周りにその技術を集中させた「BiFLEX FACE」。また、「リバウンドフレーム」も搭載されているので、相乗効果が期待できます

ダンロップのアスリート向けブランド「スリクソン」に搭載されている「リバウンドフレーム」の技術をさらにブラッシュアップさせ、フェース周りにその技術を集中させた「BiFLEX FACE」。また、「リバウンドフレーム」も搭載されているので、相乗効果が期待できます

前作は1枚羽だったのが今回2枚羽になったことで、より大きな効果が期待できる「New ActivWing」。切り返しからダウンスイング前半までの空気の流れをコントロールすることで、ヘッドのブレを抑制する技術です

前作は1枚羽だったのが今回2枚羽になったことで、より大きな効果が期待できる「New ActivWing」。切り返しからダウンスイング前半までの空気の流れをコントロールすることで、ヘッドのブレを抑制する技術です

「X」のヘッドやシャフトは専用設計

「ゼクシオX」ドライバーと「ゼクシオ13」ドライバーは、使用されるテクノロジーは共通ですが、ヘッド形状やシャフトなどがそれぞれ専用設計されており、クラブとしての特性はかなり異なっています。

スペックを見ると、ヘッドサイズは同じ460ccですが、「ゼクシオ13」は45.5インチ、281g(Rスペック)なのに対し、「ゼクシオX」は45.25インチ、301g(Sスペック)と、「ゼクシオX」のほうが0.25インチ短く、約20g重い設定。この差異から、「ゼクシオX」はヘッドスピード帯が高めでパワーのあるゴルファーに向けたモデルであることがうかがえます。ヘッド形状を見ても、「ゼクシオX」は後方がやや高くなっており、「ゼクシオ13」よりもコントロール性を高めてあるようです。

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2023/11/09 12:00
「ゼクシオX」をアドレスした際のヘッド形状は、全体的な輪郭は「ゼクシオ13」によく似ているものの、こちらのほうが少しシャープに見えます

「ゼクシオX」をアドレスした際のヘッド形状は、全体的な輪郭は「ゼクシオ13」によく似ているものの、こちらのほうが少しシャープに見えます

「ゼクシオ13」にはフェース周りに面取りした無塗装部分があるのに対し、「ゼクシオX」は、フェースの際まで塗装されています。また、ヘッド後方が少しだけ高くなっています

「ゼクシオ13」にはフェース周りに面取りした無塗装部分があるのに対し、「ゼクシオX」は、フェースの際まで塗装されています。また、ヘッド後方が少しだけ高くなっています

シャフトは、「ゼクシオX」専用に設計された、自社ブランドの「Miyazaki AX-III」を装着。かなりシャキッとした振り味で、しなりは感じますが、強振してもつぶれすぎない強さを持っています

シャフトは、「ゼクシオX」専用に設計された、自社ブランドの「Miyazaki AX-III」を装着。かなりシャキッとした振り味で、しなりは感じますが、強振してもつぶれすぎない強さを持っています

少しだけフェードしていった……!

構えてみると、前作と比べてちょっとだけ洋ナシ型っぽくなったかなという印象。前作はトゥ側とヒール側のボリュームがほぼ均等な、いわゆる丸形であったと記憶しているのですが、今作は少しだけトゥ側にボリュームを持っており、どちらかと言うと洋ナシ型に見えます。適度な投影面積からやさしさを感じさせながら、鈍重なイメージを湧かせない、ちょうどよいサイズ感ですね。

お借りしたスペックは純正シャフトのSフレックス、ロフト角9.5度。ヘッドスピード38m/sを意識して試打を開始しました。ウォームアップを兼ねながら何球か打ってみると、狙った方向には出るのですが、少しだけ右へフェードしていく弾道が安定して飛んでいきます。ゼクシオらしいつかまりのよさをイメージしていたので、ちょっと驚きましたね。前作はほんの少しだけつかまる感じがあったのですが、今作はニュートラルど真ん中と言った仕上がりです。

球質は、直進性の高い中弾道と言った感じ。スピンは適度な感じですが、芯を外してもスピン量が変わりにくく、前作よりも安定感が増しています。打点のミスへの強さも間違いなく上がっており、打点がバラついてもボール初速が変わりにくいと感じました。

ロフト9.5度でヘッドスピード38m/sだと、ちょっと弾道が低いかなと感じました。シャフトもSフレックスなので、SRの10.5度を選ぶとより安定したキャリーと飛距離が得られそうです。

余韻の少ない乾いた金属音を響かすヘッドが爽快で、打っていてとても気持ちよかったです

余韻の少ない乾いた金属音を響かすヘッドが爽快で、打っていてとても気持ちよかったです

イイ仕事をする純正シャフト

ヘッドスピードを高めていくと、シャフトの高性能ぶりが際立ちます。しなりはヘッドスピードが控えめでも感じられていたのですが、高めていってもそれほど変わらず、しなり戻りが鋭くなっていく印象。潰れすぎないので、強振しても振り心地が変わりにくく、安定してボールをとらえられました。

弾道はヘッドスピードが速めでもさほど変化はなく、適度なスピン量で飛んでいく直進性の高い中弾道。ミスへの寛容性と飛距離性能をヘッド性能で高め、ボールをとらえやすいシャフトと組み合わせることで、安定感のあるティーショットが期待できるクラブに仕上がっています。

多少ヘッドスピードにムラがあってもタイミングが取りやすいMiyazakiシャフト。とてもボールをとらえやすかったです

多少ヘッドスピードにムラがあってもタイミングが取りやすいMiyazakiシャフト。とてもボールをとらえやすかったです

軽いドローをイメージして打ったのですが、戻りきらずほぼストレート弾道になりました。ボール初速や飛距離性能の高さをよく表していますね

軽いドローをイメージして打ったのですが、戻りきらずほぼストレート弾道になりました。ボール初速や飛距離性能の高さをよく表していますね

幅広いゴルファーにおすすめしたい!

「ゼクシオX」の2024年モデルはさらにミスに強くなり、その高い安定性を生かして、しっかりと振っていけるクラブに仕上がっていました。個人的には、スリクソンの末っ子のポジションでもよいかなと思いましたね。

シャキッとしたシャフトでしっかりと振れ、強振してもつかまりすぎない。そして、ミスに強く、打点がバラついてもスピン量や初速が変わりにくいヘッドが、安定した弾道を打たせてくれる。正しいスイングを身に付けたい初・中級者や、結果を求める中・上級者まで幅広いゴルファーにおすすめできるドライバーだと思います。

前作との違いをまとめると以下のとおり。

・よりシャキッとしたシャフトでしっかり振り切れるようになった
・つかまり性能がほんの少し抑えられ、左へのミスが軽減された
・打点のズレによる弾道の変化が減少し、弾道が安定した

他メーカーのライバルモデルは、ブリヂストン「B2HT」、キャロウェイ「パラダイム」あたりです。性能は高いのですが、意外とありそうでなかったポジションにいるクラブだと思います。これだけ打点のミスに強いモデルで、つかまりをニュートラルに設定したドライバーは珍しいですね。

写真:野村知也

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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