オグさんです。今年2023年は各社からアイアンがたくさんリリースされました。ジャンルも幅広く、ツアープロが好むモデルから、アベレージゴルファーの味方のモデルまで、アイアンが豊作な年でしたね。
たとえば、タイトリスト「T200」。ヘッドは小ぶりながらミスに強く直進性も高いモデルで、早くも高い人気を誇っています。
今回は、そんな豊富なラインアップから総合的なバランスにすぐれるモデルを5つピックアップして紹介します。
※2022年に発売されたモデルも一部含みます
テーラーメイド「P790」
バランスにすぐれるアイアン1つめは、テーラーメイドの「P790」。主にアスリートや上級者に向けた同社のアイアン「P」シリーズの中で、ミスへの寛容性が最も高いモデルです。非常に凝った中空構造を採用しつつ番手1つひとつが専用設計されており、各番手に求められる性能を細かく追求しています。
ロフト設定が7番で30.5度と適度な飛距離性能と、弾道の高さや直進性、そしてミスへの寛容性をバランスよく持ち合わせています。
ヘッドは適度なサイズでほどよいシャープさがあり、万人受けするきれいな形状。バックフェースは一見するとマッスルバックのようなシンプルで美しい仕上がり。使い手を選ばないモデルとして、非常に完成度の高いアイアンです。
打感 ★★★★☆
操作性 ★★★☆☆
寛容性 ★★★★☆
飛距離★★★★☆
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ダンロップ「スリクソン ZX5 MkII」
ダンロップの「スリクソン ZX5 MkII」は、2023年日本ツアーにて男女合わせて14勝をあげたモデル。ツアープロが好むモデルと聞くと難しそうなイメージを持つ人もいますが、そんなことはありません。
ボディは軟鉄鍛造で、フェースにクロムバナジウム鋼、いわゆるバネ鋼を使ったキャビティアイアンで、フェースのたわみを最適化した偏肉設計によって、ミスへの寛容性と飛距離性能を両立しています。
ロフトは7番で31度、弾道の高さと飛距離のバランスを考えた設定。最低限の操作性を持ちつつ、オフセンターヒット時でも安定したキャリーと曲がりの少なさが特徴です。直進性が高いため、操作性を重視するゴルファーにはちょっと物足りないかもしれませんが、安定感を求めるゴルファーにはおすすめのモデルです。
打感 ★★★★☆
操作性★★☆☆☆
寛容性★★★★☆
飛距離★★★★☆
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ミズノ「Mizuno Pro 245」
ミズノが、上級者やツアープロのために開発しているアイアンブランドが「Mizuno Pro」シリーズ。3モデルある中で、最もミスに強く直進性が高いのが「Mizuno Pro 245」です。
中空構造を採用し、5番から8番までは飛距離性能を高めるためにフェースにクロムモリブデン鋼を使用。対して9番から下の番手は飛距離よりもフィーリングを重視し、フェースに軟鉄鍛造を使うことで番手によって求められる性能を追求しています。
ロフト設定は、7番で30度。操作性よりも、直進性やミスへの寛容性を重視した味付けで、安定したプレーが期待できます。フィーリング面はさすがミズノといった仕上がりで、中空構造にありがちなぼやけた感触はほとんどなく、適度にソリッドで気持ちよい打感を味わえます。
打感 ★★★★★
操作性★★☆☆☆
寛容性★★★★☆
飛距離★★★★☆
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キャロウェイ「APEX PRO」
キャロウェイの「APEX」シリーズは、同社が主にアイアンに使うブランド。軟鉄製のヘッドは小ぶりで、幅広いゴルファーに向けたモデルをラインアップしています。
この「APEX PRO」は軟鉄鍛造ボディで、5番まではフェースにバネ鋼を、6番以下は軟鉄鍛造フェースを採用。全番手にタングステンウェイトとウレタンを使用することで、フィーリングとミスへの寛容性をしっかり両立させています。
ロフト設定は7番で33度とやや寝かせた設定で、飛距離性能よりも安定性と狙う性能を重視した印象。実際に打ってみると十分なスピンが入り、グリーンでしっかり止まってくれます。
操作性は必要にして十分で、、オフセンターヒットしても意図せぬ曲がりは少なく、縦距離もバラつきにくい。競技志向のゴルファーでも満足できるやさしさを持った仕上がりです。
打感 ★★★★☆
操作性★★★★☆
寛容性★★★★☆
飛距離★★★☆☆
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ブリヂストンゴルフ「221CB」
ブリヂストンゴルフの「221CB」は、軟鉄のみを使用した鍛造アイアン。いわゆる“1枚モノ”で、飛距離やミスへの寛容性よりも、フィーリングや操作性を重視したモデルです。ツアープロからのフィードバックを色濃く反映させており、厳しいコンディションでプレーするゴルファーほどこのモデルの恩恵を強く感じられることでしょう。
ロフト設定は、7番で32度。ボールをコントロールするためのスピン性能や操作性をしっかりと持っていますが、同系統のモデルの中ではミスへの寛容性が高く、飛距離性能もある程度持ち合わせています。
操作性や打感などに妥協したくないが、ミスに強いモデルが欲しいというゴルファーにはぴったりです。
打感 ★★★★★
操作性★★★★★
寛容性★★★☆☆
飛距離★★☆☆☆
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今回取り上げた“バランスのよいアイアン”は各社のラインアップにたくさんあり、正直選定に苦労しました。本稿で紹介したほかにもタイトリスト「T200」、グローブライド「オノフKUROアイアン」など、枚挙にいとまがありませんが、今回はちょっとずつ個性のあるモデルを選びました。
こういったアイアンは、初心者のうちから手にすれば上達してからも長く使えますし、上級者にとってはミスに強いモデルとして使えます。シャフトを自分にしっかりと合わせることができれば、長い間活躍してくれるはずです。
とにかく飛距離がほしい、絶対に曲がってほしくないなど、明確かつ一芸に秀でたモデルを求めていないなら、今回紹介したモデルを選んでおけばまず間違いありません。
写真:野村知也