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FWを久々に変えるならキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」を試すべし!

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オグさんです。今回は、キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズのフェアウェイウッド(以下、FW)4モデルの試打レポートをお届けします。

シリーズの標準モデル「パラダイム Ai スモーク MAX FW」

シリーズの標準モデル「パラダイム Ai スモーク MAX FW」

25万ものリアルゴルファーの打点を解析

「パラダイム Ai スモーク」は、2024年のキャロウェイの主力シリーズ。同社が長年培ってきたAIによる設計をさらに進化させ、ミスへの強さをよりいっそう向上させてきています。

従来のモデルは、ロボットテストで得られたシミュレーション結果をAIにインプットして設計されていましたが、今作は世界中から集めた25万ものリアルなゴルファーのスイングデータを活用。そうして生まれた技術「Aiスマートフェース」というテクノロジーが新たに搭載されています。これは、インパクト時に無数のたわみを発生させ、モデルごとに設定したターゲットゴルファーの打点に合わせ、打ち出し角やスピン量を自動で補正してくれるという驚くべきもの。この技術が一般のゴルファーにどのような恩恵をもたらすのか、大変興味がわくところです。

「パラダイム Ai スモーク」シリーズのFWは、前作と比べて20g以上もヘッドを軽量化しています。これにより、大きな余剰重量を獲得。モデルごとの最適な重量配置を行うことで、ターゲットゴルファーに合わせた最適なヘッドに設計されています。

シリーズのFWは4モデル。それぞれにターゲットゴルファーが設定され、最適な結果が得られるようにおのおのが専用設計されたフェースを採用しています。

「パラダイム Ai スモーク MAX」
シリーズのスタンダードモデルで、幅広いゴルファーに適合。ミスに強く、ニュートラルな特性を持っています。また#3〜#11まで7つの番手をラインアップしているところも大きな特徴です。

「パラダイム Ai スモーク MAX D」
スライスや右へのミスに悩むゴルファーに向け、つかまり性能を高めたモデル。そのようなゴルファーに多い打点ミスのエリアを、あらかじめ補強したフェースが搭載されています。

「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」
「MAX D」をベースに、ヘッドやシャフト、グリップをそれぞれ専用に設計した軽量モデル。ミスへの寛容性はもちろん、ヘッドスピードが穏やかなゴルファーでも安定して飛ばせる工夫がされています。

「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」
ツアープロや上級者などアスリートゴルファーに向けたモデル。スピン量とつかまり性能を抑えてあるのが大きな特徴。強振してもつかまりすぎず、しっかり振っていける特性です。

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2024/02/09 11:00

「パラダイム Ai スモーク MAX フェアウェイウッド」

適度なつかまりで幅広いゴルファーに対応

リアルなゴルファーの打点を分析して生まれた「AIスマートフェース」を採用し、幅広いゴルファーに対応したFW。つかまりは適度で、強い補正能力は持たない代わりに、打点のミスに強い仕上がりです。

キャロウェイらしい、やわらかな角を持つ形状。目標に対してフェースが合わせやすい

キャロウェイらしい、やわらかな角を持つ形状。目標に対してフェースが合わせやすい

ミスに強いフェースですが、幅広いゴルファーに対応するために偏った補正が働かないようになっています

ミスに強いフェースですが、幅広いゴルファーに対応するために偏った補正が働かないようになっています

シャフトは、純正モデルとして設計されている「TENSEI 50 for Callaway」と、フジクラの「SPEEDER NX BLACK」の50gを用意。クセのない適度なしなりを持つ「TENSEI」と、しっかりしたフィーリングながらしなり量はしっかりある「SPEEDER」、といった違いがあります。

どちらもミートしやすいのですが、安定感を重視するなら「TENSEI」、飛距離を重視するなら「SPEEDER」がおすすめです。

純正モデルとして設計された「TENSEI for Callaway」。アフターマーケット仕様の「TENSEI」とは違い、しなり量が多めでミスに強いシャフトです

純正モデルとして設計された「TENSEI for Callaway」。アフターマーケット仕様の「TENSEI」とは違い、しなり量が多めでミスに強いシャフトです

上がりにくいなら「3HL」がよさそう

構えた印象は、これぞキャロウェイのFWといった感じ。やや面長でやわらかな角を持つヘッドシェイプは、好みはありますが構えやすく、プレッシャーは感じません。

お借りしたのは#3で、「TENSEI」のSフレックス装着個体。いつものように、ドライバーでのヘッドスピード38m/sを意識して試打スタート。

ライナー性の強弾道で、高さはロフトなりの中弾道といったところです。打点が少々ズレても初速が変わりにくく、安定したスピン量で、再現性の高い弾道が打てました。正直なところ、ボールが上がりやすいとは言えません。しかしこれは、打点がズレてもミスに強いヘッドが弾道を補正し、余計なスピン量や打ち出し角を変えないようにしているためでしょう。

今作には「3HL」という番手が用意されているので、高さが出にくいゴルファーはそちらがおすすめです。

軽やかなはじき感がある打感で、打っていて爽快感を覚えます。打音も気持ちよい

軽やかなはじき感がある打感で、打っていて爽快感を覚えます。打音も気持ちよい

強い弾道が安定して打てる

ヘッドスピードを高めていくと、少しだけ高さが出るようになりましたが、それでも上がりやすいとは言えません。言うなれば、強い弾道を安定して打たせてくれるFWといったところ。

つかまりは適度なので、メーカーの狙いどおり幅広いゴルファーに対応したモデルに仕上がっているというのが率直な感想です。

トゥとヒール、どちらに打点がズレても弾道が変わりにくい!

トゥとヒール、どちらに打点がズレても弾道が変わりにくい!

ややトゥ側でヒットしたデータです。本来ならもう少しフック系の球筋になりそうな印象でしたが、ほとんど曲がりませんでした。シャフト次第でさまざまなゴルファーが使える、懐の深いモデルです

ややトゥ側でヒットしたデータです。本来ならもう少しフック系の球筋になりそうな印象でしたが、ほとんど曲がりませんでした。シャフト次第でさまざまなゴルファーが使える、懐の深いモデルです

「パラダイム Ai スモーク MAX D フェアウェイウッド」

右へのミスに特に強い!

スライスや右へのミスに悩むゴルファーのリアルなスイングデータを基に設計されたモデルで、つかまり性能を高めてあります。フェース面において、右へのミスを誘発しやすい位置を強化し、スライスを軽減してくれます。

デザインは「MAX」とほぼ同じ。ヘッドシェイプも、こちらが少し丸顔になっているぐらいで、酷似しています

デザインは「MAX」とほぼ同じ。ヘッドシェイプも、こちらが少し丸顔になっているぐらいで、酷似しています

スライスや右へのミスにお悩みのゴルファーに多い、ヒールの下側や、トゥ側の上側などの打点に対して補正がかかるようにフェースが設計されています

スライスや右へのミスにお悩みのゴルファーに多い、ヒールの下側や、トゥ側の上側などの打点に対して補正がかかるようにフェースが設計されています

シャフトは、「MAX」と同じモデルの「TENSEI for Callaway」のみの設定。クセのないシャフトのみに絞り、より安定した結果を得られやすくしているのでしょう。

つかまるけれどフックにはならない

構えた印象は、安心感のあるFW! といった感じ。「MAX」と比べて投影面積が少し大きく、丸形なのもあってよりやさしそうに見えます。「MAX D」はいわゆるドローバイアス設計ですが、強めのフックフェースでつかまりそうに見せている印象はなく、とても構えやすい。

お借りしたのは#3で「TENSEI」のSフレックス装着個体。こちらもヘッドスピード38m/sを意識して打ってみます。

飛んでいく弾道は「MAX」よりもちょっとだけ高く、打ち出し方向がやや左。スピン量や安定性はほぼ同じで、非常に安定感が高い。強くつかまる感じがなく、右方向に飛び出さない味付けがよいですね。また、直進性が高いので、フック系の弾道にならないのもこのモデルのよいところだと思います。

ヘッドスピードを高めていくと、少しつかまり具合が高まる印象。それでもフックにはならないので、安心して打っていけます。

ちょっと右方向に打ち出すイメージで打ったときのデータです。ややトゥ側のヒットでほんの少し右に飛び出しましたが、そこから強いフックにはならず、ほぼ目標方向に戻ってきました。つかまるけどフックにはならない、扱いやすいドローバイアスのFWです

ちょっと右方向に打ち出すイメージで打ったときのデータです。ややトゥ側のヒットでほんの少し右に飛び出しましたが、そこから強いフックにはならず、ほぼ目標方向に戻ってきました。つかまるけどフックにはならない、扱いやすいドローバイアスのFWです

「パラダイム Ai スモーク MAX FAST フェアウェイウッド」

軽いのにミートしやすくつかまる

「MAX D」をベースに、さらにつかまり性能を高め、パワーのないゴルファーのために40g台のシャフトを装着した軽量モデル。ヘッドスピードが穏やかでもしっかりしたつかまりと、専用フェースで安定したショットが期待できます。

モデル名と記載位置が異なるだけで、デザインは「MAX D」と共通。ヘッド形状もほぼ同じですが、こちらのネックは接着式です

モデル名と記載位置が異なるだけで、デザインは「MAX D」と共通。ヘッド形状もほぼ同じですが、こちらのネックは接着式です

「MAX D」よりも強められたドローバイアス設計。フェースを採用しており、ヒール下側、トゥ上側の打点ズレに強いのが特徴です

「MAX D」よりも強められたドローバイアス設計。フェースを採用しており、ヒール下側、トゥ上側の打点ズレに強いのが特徴です

装着シャフトは、専用に設計された40g台の「TENSEI 40 for Callaway」。軽量モデルですが、しっかりとしたしなりの中に、つぶれすぎない芯のある振り味に仕上がっています。

「MAX FAST」専用に設計されたモデルで、軽量モデルにありがちな頼りなさはまったくなく、しなやかにしなるシャフトです

「MAX FAST」専用に設計されたモデルで、軽量モデルにありがちな頼りなさはまったくなく、しなやかにしなるシャフトです

HS40以下のゴルファーに合いそう

構えた印象は「MAX D」に似ていますが、ちょっとつかまりそうな雰囲気を持っています。ライ角は「MAX D」と同じなので、どのあたりがそう感じさせるのかわかりませんでしたが、右へミスする不安感がより少ない印象です。

お借りしたスペックは#3のSフレックス。こちらはヘッドスピード35m/sぐらいを意識して打ってみました。軽いドローボールが、オートマチックに打てますね。高さはロフトなりの中弾道で、ミスへの寛容性はほかのモデルに劣りません。軽量モデルは当たり負けしそうなイメージがありますが、そんなことはありませんでした。

ヘッドスピードを高めていくと、高さとつかまり具合が少し高まります。強振してもミートしやすいですが、左方向に強めに飛んでいくことがありました。ドライバーでヘッドスピード40m/sぐらい出せるなら、「MAX D」がよいでしょう。本機はヘッドスピードが自分で高められないゴルファーに特化したモデルと言えますね。

ストレート弾道を意識して打ったデータです。オートマチックにつかまるので、よほどのことがない限り右へのミスは起きないでしょう

ストレート弾道を意識して打ったデータです。オートマチックにつかまるので、よほどのことがない限り右へのミスはないでしょう

「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド フェアウェイウッド」

ミスしてもほぼ曲がらないアスリートモデル

ツアープロや上級者に向けてつかまりを抑え、操作性を高めたモデル。操作性を高めたといっても弾道の直進性は高く、ミスにも強い。操作はできますが、思ったより曲がりません。「キャロウェイ セレクテッドストア」および「キャロウェイオンラインストア」のみでの販売です。

「Aiスモーク」シリーズの特徴であるソールの模様がなく、すっきりした外観。ヘッドシェイプはいかにもアスリートモデルらしく、奥行きが狭い洋ナシ形状です

「Aiスモーク」シリーズの特徴であるソールの模様がなく、すっきりした外観。ヘッドシェイプはいかにもアスリートモデルらしく、奥行きが狭い洋ナシ形状です

フェースのスコアラインがほかのモデルとは異なります。ディープなフェースは、いかにも強弾道が打てそうな雰囲気がありますね

フェースのスコアラインがほかのモデルとは異なります。ディープなフェースは、いかにも強弾道が打てそうな雰囲気がありますね

シャフトは、「トリプルダイヤモンド」用に設計された「TENSEI 60 for Callaway」と、フジクラの「SPEEDER NX BLACK」の60g台を用意。「TENSEI」は、純正モデルとしてはしなりを抑えたおとなしい仕上がりで、「SPEEDER」は、しっかりしなるが挙動がつかみやすいシャフト。飛ばしを考えると「SPEEDER」ですが、安定感なら「TENSEI」に分があります。

純正シャフトでもしっかりと作り込んである「TENSEI 60 for Callaway」。余計なことをしせず、安心して振っていけます

純正シャフトでもしっかりと作り込んである「TENSEI 60 for Callaway」。余計なことをしないシャフトなので、安心して振っていけます

しっかり振っても左に巻き込まない

構えてみると、ちょっと手ごわそうな印象……。投影面積が小さく、洋ナシ型のヘッドは強振するゴルファーには安心感につながると思いますが、そこまでパワーのない私は、しっかり振らないとボールが上がらなそうに感じてしまいます。左のミスのイメージが湧かないのは美点ですね。

お借りしたスペックは、#3の「TENSEI」Sフレックス装着個体。ヘッドスピード38m/sを意識して振ってみると、案の定ヘッドスピードが足りず、上がり切らないライナー性の弾道になりました。打点がズレても同じような弾道が出るので、#5であれば使えるでしょう。

ヘッドスピードを高めていくと、高さが出始めて飛距離につながっていきます。しっかり振っていっても、左に巻き込むような弾道はほぼ出ず、ボールをつかまえられるゴルファーにとっては扱いやすく感じるでしょう。

かといってすごくつかまらないかといえばそうではなく、よほど振り遅れたりしない限り、右への大きなミスは出ませんでした。直進性が高いので、右へは飛び出すのですが、そこからスライスにはなりにくかったです。

インテンショナルに曲げることもできますが、曲がる幅は前作と比べて小さくなった印象。操作はできるが曲がりが少なく、打点のミスに強く、直進性の高いモデルといった感じです。

ストレートを意識して打ったデータですが、ほぼイメージどおりです。左へのミスが嫌いなゴルファーには扱いやすく感じられるFWです

ストレートを意識して打ったデータですが、ほぼイメージどおりです。左へのミスが嫌いなゴルファーには扱いやすく感じられるFWです

【まとめ】4モデルはそれぞれどんな人に合う?

「Aiスモーク」シリーズのFW4モデルはしっかりと作り分けられており、それぞれターゲットとしたゴルファーが使うと安定した弾道が出やすいよう設計されています。どのモデルも直進性が高く、打点のミスに強い仕上がりです。

まとめると、以下のとおり。

「パラダイム Ai スモーク MAX」
幅広いゴルファーに向けた設計で、強い補正能力はないが、扱いやすい。
ライバルモデルは、ピン「G430 MAX」。

「パラダイム Ai スモーク MAX D」
適度につかまるが、直進性が高いのでフック系の弾道は出にくい。
ライバルモデルは、テーラーメイド「Qi10 MAX」。

「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」
軽量で、パワーがなくても楽に振りきれる。4モデル中最もつかまる。
ライバルモデルは、ピン「G430 HL SFT」。

「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」
直進性の高いアスリートモデル。強振しても左のミスになりづらい。
ライバルモデルは、テーラーメイド「Qi10 TOUR」

FW選びに迷ったら、とりあえず「Aiスモーク MAX」は候補に入れるべきでしょう。ミスに強くて扱いやすく、番手のラインアップも豊富です。FWを何年も変えてないなら、だまされたと思って試打してみてください。きっと、クラブの進化をしっかり体感できると思いますよ。

写真:野村知也

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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