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芯で打たなくてもいいパター!? 「スパイダーツアー トラス」の完成度がめちゃ高い

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オグさんです。今回はテーラーメイドのパター「スパイダーツアー トラス」シリーズの試打レビューをお届けします。

大人気の三角形ネックを搭載する「スパイダーツアー トラス」

大人気の三角形ネックを搭載する「スパイダーツアー トラス」

テーラーメイドが提案する“最強”のパター!?

「スパイダー」シリーズが産声を上げたのは2008年のこと。ヘッドの後方にウェイトを装着したネオマレットパターとして登場しました。発売当初はあまり大きな話題にはなりませんでしたが、ミスに強くて直進性も高く、転がりのよい球が打てるとプロアマ問わず人気が高まっていきました。

その後、進化を重ね、ジェイソン・デイや、セルヒオ・ガルシア、ダスティン・ジョンソンらが使用して活躍したことで、トッププロも愛用するやさしいパターブランドとして確固たる地位を確立しました。

今回紹介する「スパイダーツアー トラス」シリーズは、「スパイダー」シリーズが持つ大きな投影面積と先進的なアライメント効果による構えやすさ、そして深重心設計によるミスへの強さに加え、トラスホーゼルによる芯を外したときのヘッドのブレにくさを組み合わせた、テーラーメイドによる“僕が考えた最強パター”とでも言えるシリーズです。

ヘッドは5種類あり、ヘッドの形状やネックの種類によって、構えやすさやストローク中のヘッド軌道などに差異を持たせています。それでは見ていきましょう。

「スパイダーツアー トラス TM1」

最もオートマチックで右へのミスを軽減

ウェイトをヘッドの最後方の外側に配置した重心距離の深い設計。芯を外してもヘッドがブレにくく、重心距離が短めのクランクネックタイプのトラスホーゼルと組み合わせることで、右へのミスが起きにくいモデルです。

ガンメタリックのような艶を抑えた明るめのブラックで、反射を抑えた仕上げ。サイトラインとのコントラストもはっきりしており、フェースの向きがわかりやすいです

ガンメタリックのような艶を抑えた明るめのブラックで、反射を抑えた仕上げ。サイトラインとのコントラストもはっきりしており、フェースの向きがわかりやすいです

インサートは、従来と同じ樹脂とアルミニウムを組み合わせたインサート「ピュアロール」を採用。下向き45度に傾けられた溝が順回転を生み出します

インサートは、従来と同じ樹脂とアルミニウムを組み合わせたインサート「ピュアロール」を採用。下向き45度に傾けられた溝が順回転を生み出します

「スパイダーツアー トラス TM2」

センターシャフトの欠点を大きく軽減

「スパイダーツアー トラス TM1」のネックをセンターシャフトタイプにしたモデル。センターシャフトモデルには芯を外したときにヘッドがブレやすいという欠点がありますが、このモデルは深い重心とトラスホーゼルによりそれを大きく改善しています。少々芯を外してもヘッドがブレにくく、ミスに強いセンターシャフトパターに仕上がっています。

ヘッド形状は「スパイダーツアー トラス TM1」と同じですが、ネックによる重心距離やオフセットに違いがあります

ヘッド形状は「スパイダーツアー トラス TM1」と同じですが、ネックによる重心距離やオフセットに違いがあります

「スパイダーツアーX トラス TM1」

深い重心+トラスホーゼルという基本構造は変わりませんが、ヘッドサイズがひと回り小ぶりになり、ウェイト搭載位置も少しだけ浅めの位置に。これによりミスへの強さはそのままに、適度な操作性が追加されたモデルです。ブレードタイプと同等とまではいきませんが、ミスへの強さを維持したまま扱いやすさが向上し、プレイヤーのとっさのアジャストも受け入れてくれます。

外装の仕上げはほかのモデルと共通。小ぶりなヘッドと言ってもそこは「スパイダー」シリーズ、ミスヒットを助けてくれます

外装の仕上げはほかのモデルと共通。小ぶりなヘッドと言ってもそこは「スパイダー」シリーズ、ミスヒットを助けてくれます

「スパイダーツアーX トラスTM2」

ミスに強いセンターシャフトモデル

「スパイダーツアーX トラス TM1」と同じヘッドを持つセンターシャフトモデルです。フェース面上の重心点、いわゆる“芯”に向かってシャフトが刺さっているため、ボールを直感的に打ちやすく、それでいてミスに強い。ストローク、タップどちらの打ち方でも扱いやすいのもいいところ。

「スパイダー」の長所を持ちながら、打ち手を選ばない扱いやすさが魅力です

「スパイダー」の長所を持ちながら、打ち手を選ばない扱いやすさが魅力です

「スパイダーツアーZ トラス TM1」

浅重心の“らしくない”「スパイダー」

「スパイダー」のほかのモデルと異なり、ウェイトをフェースすぐ裏に搭載している浅重心モデル。ヘッドの大きさを生かした構えやすさは維持し、ブレードタイプのような操作性を重視した設計です。操作性を重視するが、奥行きのないヘッドだと目標にフェースをうまく合わせられないようなゴルファーにぴったりのモデルです。

ウェイトをフェースすぐ裏に搭載するため、ブレード付近にやや厚みがあります。構えやすいブレードタイプ、といったパターです

ウェイトをフェースすぐ裏に搭載するため、ブレード付近にやや厚みがあります。構えやすいブレードタイプ、といったパターです

トラスホーゼルで「スパイダー」に磨きがかかった

筆者は「スパイダー」シリーズに対して、歴代どのモデルもミスに強い印象を持っていましたが、トラスホーゼルと組み合わせた今作は、そこにさらに磨きがかかりました。誤解を恐れずに表現させてもらうと、芯で打つ必要がないパターです。

意図的に少々芯を外しても転がりの差はほとんど感じられませんでしたし、方向もほとんどブレません。打感は、ソフトな感触の中にはじき感があり、タッチも合わせやすい。パッティングのスタイルがまだ確立していないゴルファーには、とてもやさしいパターだと感じられるでしょう。

構えやすさ、ミスへの強さ、打感とパターに求められる性能が、全部詰まっているといっても過言ではありません

構えやすさ、ミスへの強さ、打感とパターに求められる性能が、全部詰まっているといっても過言ではありません

やさしさや安定感なら「スパイダーツアー トラス TM1」

「スパイダーツアー トラス」には5モデルありますが、好みで選んでもらってよいと思います。とにかくやさしさや安定感を求めるなら、「スパイダーツアー トラス TM1」がおすすめ。そこに直感的な操作感や、ボールをやや左足寄りに置きたいなら「スパイダーツアー トラス TM2」がよいでしょう。

ミスに強いモデルが欲しいが、ある程度自分で操作したい、アジャストしたいプレイヤーには「スパイダーツアーX トラス」のどちらかがよいと思います。

「スパイダーツアーZ トラス」は、「スパイダー」本来のイメージとはちょっと違う、操作性にすぐれたマレットでした。やさしいブレードタイプが欲しいと考えるゴルファーにおすすめです。

トラスホーゼルによって、さらに「スパイダー」らしさが増しているといった今作。打ってみるとウェイトの位置が性能/性格と一致しているのを感じました。本体を軽量化することで、ウェイトの役割が大きくなっているのでしょう

トラスホーゼルによって、さらに「スパイダー」らしさが増しているといった今作。打ってみるとウェイトの位置が性能/性格と一致しているのを感じました。本体を軽量化することで、ウェイトの役割が大きくなっているのでしょう

ゴルファーなら1度は触っておくべき!

「スパイダーツアー トラス」シリーズは、現在のテクノロジーを集約した、最先端のやさしいパターでした。ツアープロも求めるこのやさしさは、打点が安定しないゴルファーはもちろん、使い手を選びません。パッティングスタイルが固まっているゴルファーで、そのスタイルに合わなければ本モデルとマッチしないこともあるでしょうが、実に幅広いゴルファーに扱いやすいと感じさせるパターシリーズだと思います。

自分で使うなら、「スパイダーツアー X TM2」ですね。元々センターシャフトが好きなのですが、このモデルは、センターシャフトで感じるデメリットをほとんど感じませんでした。本気で買おうか、ちょっと考えています。

パターにお悩みのゴルファーで、まだ「スパイダー」シリーズを手にしたことがないのであれば、ぜひこの「スパイダースター トラス」シリーズはおすすめです! ゴルフ人生で1度は持っておくべき、触っておくべきシリーズですよ。

写真:野村知也

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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