米国発のオーディオブランド、SOULが手がける完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「ST-XX」。音がよく、コンパクトでカラーバリエーションも豊富な完全ワイヤレスイヤホンをできるだけ安く手に入れたい――。そんなユーザーの欲張りなリクエストにしっかりと応えてくれるこの冬の注目モデルをレビューしていこう。
SOULの完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「ST-XX」。これまで同社が手がけてきた高コスパな完全ワイヤレスイヤホンの開発ノウハウをフル活用し、多くの人が手に取りやすい価格帯で、完全ワイヤレスイヤホンに求められるコンパクトさと機能性を突き詰めたという意欲作だ。
なかでも徹底的にこだわったのが本体のコンパクトさ。毎日持ち運んで使うイヤホンだからこそ、イヤホンだけでなく、ケースを含めた全体をとにかく超コンパクトに仕上げたのが大きな特徴だ。
専用ケースのサイズはわずか4(幅)×3.4(高さ)×4(奥行)cm。“手のひらにスッと収まる”という言葉がまさにぴったりな極小設計だ。コンパクトな指輪ケースと見間違うほどの小ささで、とにかく小さくてかわいい。これだけコンパクトだと、ポケットやバッグにスッと入り、かさばらないので、積極的に外に持ち出せそうだ。
専用ケースは指でつまんで持ち運べるほどのコンパクトサイズ。小さくてとってもかわいい
しかもこれだけコンパクトに作られているのに、ケースを逆さにしてもフタが開かないマグネット式のフタの採用や、電池残量を確認できるLEDインジケーターの搭載、充電端子として最新のUSB Type-Cの採用など、ハードウェアには最新トレンドがしっかりと盛り込まれている。こういった使い勝手に左右される部分をしっかりとキャッチアップし、手の届きやすい価格帯の製品にも導入できたのは、SOULがこれまでの完全ワイヤレスイヤホン開発で培ってきたノウハウの賜物だろう。
専用ケースの充電端子には最新のUSB Type-Cを採用。電池残量を確認できるLEDインジケーターも便利だ
イヤホン本体も、片耳わずか4gと非常に軽く、長時間装着したときも耳への負担が少なく、耳へスッと収まってくれる。余計な装飾を省いたコンパクトなデザインのおかげで、装着したときにでっぱりが少なく、装着時に耳元で主張しすぎないのもうれしいポイントだ。
イヤホン本体の重量はわずか4gと超軽量。ハウジングにはタッチパッドも備えている
イヤホン本体も非常に小さく、男性はもちろん、耳の小さな女性でもスッと収まる
ケースを含めてここまでコンパクトだと気になるのがバッテリー性能だが、イヤホン単体で最長約5時間、専用ケースの内蔵バッテリーとあわせて最大約20時間と、こちらも必要十分なスペックを誇っている。
カラーバリエーションは、ビビッドなラズベリーレッドやレモンイエロー、落ち着いたトーンのサクラピンクなど、ほかの完全ワイヤレスイヤホンでは見かけない全6色をラインアップ。イヤーピースも本体と合わせたカラーに仕上がっている。これだけコンパクトでカラフルな製品だと、毎日の音楽ライフが一層楽しくなりそうだ。
ネイビーブルー、ピュアホワイト、マットブラック、ラズベリーレッド、サクラピンク、レモンイエローの全6色のカラーバリエーションを用意
シリコン製のイヤーピースも本体と合わせたカラーに統一されているのもポイントだ
「ST-XX」は、SOULがこれまでの完全ワイヤレスイヤホン開発で培ってきたノウハウを惜しみなく投入して開発したということで、持ち運びしやすいだけでなく、日常使いにぴったりな機能性についてもしっかりと考えられて作られている。
たとえば防水性能。イヤホン本体に独自の「ウェザープルーフ/ナノコーティング」を導入することで、あれだけのコンパクトサイズでありながら、スポーツ時に流れる汗や、突然の雨に打たれても安心なIPX5相当の防水性能をしっかりと確保しているのだ。
非常にコンパクトなイヤホンだが、独自のコーティング技術などにより、IPX5相当の防水性能をしっかりと確保している
また、SOULの完全ワイヤレスイヤホンでおなじみとなっている「オーディオトランスパレンシーモード」(外音取り込み)に対応しているのも見逃せない。起動方法はとても簡単で、イヤホン側面のタッチパッドを2秒間長押しするだけでOK。屋外でも安全に配慮して音楽を楽しめるのはもちろん、イヤホンを装着して音楽を楽しみながら会話もできるので、イヤホンの着脱回数も必然的に少なくなる。小さくて落としやすい完全ワイヤレスイヤホンの紛失リスクを低減できるのも大きなメリットだ。
イヤホン側面のタッチパッドを2秒間長押しするだけで、イヤホンを装着したままでも周囲の音を確認できる。コンビニのレジなどでいちいちイヤホンを外さなくてもいいのはやはり便利だ
このほかにも、専用ケースから初めてイヤホンを取り出した際に自動でペアリングモードを起動してくれる機能や、一度ペアリングを行えばイヤホンを取り出すだけで素早く再ペアリングしてくれる「オートペアリング機能」など、地味ではあるが便利で使い勝手のよい機能も搭載されている。ペアリングがうまくいかない場合に設定をリセットする機能も簡単に使えるので、完全ワイヤレスイヤホン初心者でも安心だ。
完全ワイヤレスイヤホンの中でも抜群にコンパクトなサイズ感を実現している「ST-XX」だが、そのかわいらしい見た目とは裏腹に、SOULのDNAがしっかりと凝縮されたパワフルなサウンドを楽しめるのもポイントだ。
SOULのイヤホン・ヘッドホンといえば、低音を重視したサウンドが大きな特徴となっているが、「ST-XX」も中低域にパワーを集中させたサウンドチューニングに仕上がっていた。ドライバーユニットは6mm径とやや小口径だが、駆動力の高いネオジウムマグネットを使用したこともあり、低域は適度な押し出し感で心地よく、中高域もマスクされることなくクリアに響いてくれる。ボーカルも鮮明で、エネルギッシュでノリのいいサウンドは、ロックやJポップなどの今どきな楽曲との相性が抜群だ。
また、Bluetooth 5.0に対応し、コーデックはSBCに加えてAACをサポートしたこともあり、遅延が少なくなっているのも特徴だ。「iPhone」などのAAC対応デバイスなら、音楽だけじゃなくYouTubeなどの動画コンテンツを楽しむ際にも積極的に使っていけそうだ。
防水性能や外音取り込み機能など、日常使いの完全ワイヤレスイヤホンに求められる便利な機能を、手のひらに収まる極小ボディにギュッと凝縮したSOUL「ST-XX」。音楽を楽しむためのイヤホンらしく、音質面にもいっさい手抜かりはなく、今どきの楽曲との相性が抜群なSOULらしいパワフルなサウンドを楽しめるのも魅力的だ。そしてなによりもすごいのが、これだけの機能・音質をコンパクトに実現しつつ、6,980円(税別)という低価格を実現しているということ。1万円を切る完全ワイヤレスイヤホンはいくつかあるが、この価格でこれだけの性能を実現した製品はなかなかない。全6色のカラーバリエーションは、毎日使うイヤホンだからこそ見た目も妥協したくないというこだわり派にもぴったり。完全ワイヤレスイヤホンデビューに二の足を踏んでいた人はもちろん、いま完全ワイヤレスイヤホンを使っている人のサブ機としても、ぜひ注目してほしい1台だ。